健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

プレバイオティクス [英]Prebiotics [学名]-

概要

プレバイオティクスは「宿主の微生物によって選択的に利用され、健康上の利益をもたらす基質」と定義され、一般には大腸内の有用な細菌を対象にして摂取する食品をさす。食物繊維であるオリゴ糖 (ガラクトオリゴ糖フラクトオリゴ糖キシロオリゴ糖など) 、難消化性デキストリンイヌリンポリデキストロースグアガムなどが含まれる。ここでは、これらを複数組み合わせて、または総合的に評価した情報を取り扱う。個々の成分に関する情報については、それぞれの素材のページを参照のこと。


●有効性
俗に、「ダイエットに良い」「腸内環境を整える」などと言われており、一部の成分は個別に特定保健用食品の関与成分として認められているが、その他の有効性について、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。個々の成分については、該当する項目を参照。


●安全性
個々の成分を適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、組み合わせで摂取した場合の安全性について、信頼できる十分な情報は見当たらない。個々の成分については、該当する項目を参照。



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法規・制度

■食薬区分
・グアガム、イヌリン、オリゴ糖 (オリゴ配糖体) :「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。
・ポリデキストロース、難消化性デキストリン:「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」にも該当しない。

成分の特性・品質

主な成分・性質

「宿主の微生物によって選択的に利用され、健康上の利益をもたらす基質」である (101) (PMID:28611480)

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当らない。


消化系・肝臓

メタ分析
・2012年7月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報 (検索条件:期間≧2週) について検討したメタ分析において、早産児によるプレバイオティクス (ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース) の摂取は、壊死性全腸炎 (5報) 、敗血症 (3報) の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:23786897)
RCT:海外
・便秘がちな女性60名 (試験群28名、平均36.1歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (イヌリン+グアガム分解物) 15 g/日を3週間摂取させたところ、便中のClostridium属の減少が認められた。一方、便中短鎖脂肪酸、排便回数、満足感に影響は認められなかった (PMID:22566311)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

RCT:海外
・健康な成人21名 (平均52.8歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、大麦8.0 g/本、フラクトオリゴ糖8.0 g/本、または大麦8.0 g+フラクトオリゴ糖8.0 g/本を含むスナックバーを2日間で3本 (1日目の朝食、間食、2日目の朝食) 食事の代わりに摂取させたところ、オーツ麦6.8 g/本と比較して、いずれの群も自己評価による食欲、自由摂取の昼食の摂取エネルギー量に影響は認められなかった (PMID:19056555)

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2020年11月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験15報について検討したメタ分析において、健康な子どもに対するプレバイオティクスの摂取 (7報) は、気道感染症の発症リスク低下と関連は認められなかった (PMID:34861367)
・2017年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験22報 (検索条件:期間≧4週) について検討したメタ分析において、幼児におけるプレバイオティクスの摂取は、喘息 (2報) の発症リスク低下と関連が認められた。一方、湿疹 (6報) の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:29035013)
RCT:海外
・健康な乳児187名 (ベルギー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (短鎖ガラクトオリゴ糖+長鎖フラクトオリゴ糖=9:1) 6 g/L含有調製乳(75名) 、調製乳 (81名) 、または母乳 (31名) を26週間摂取させたところ、プレバイオティクス含有調製乳摂取群は、調製乳摂取群に比較して、便中の分泌型IgA濃度、Bifidobacterium占有率の上昇、Clostridium占有率、pHの低下が認められた。一方、大腸菌占有率に影響は認められなかった (PMID:18492847)
・アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎または喘息の家族歴がある乳児134名 (試験群66名、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (短鎖ガラクトオリゴ糖+長鎖フラクトオリゴ糖8.0 g/L) 含有低アレルゲン調製乳を生後2週間より6ヶ月齢まで摂取させたところ、2歳までのアトピー性皮膚炎、喘息発作、アレルギー性蕁麻疹、上気道感染症の累積罹患率の低下が認められた。一方、下気道感染症、中耳炎、胃腸障害、尿路感染症の累積罹患率に影響は認められなかった (PMID:18492839)
・アトピー性疾患の家族歴がある乳児345名 (イタリア) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、プレバイオティクス (ガラクトオリゴ糖:ポリデキストロース (1:1) 4.0 g/L) 含有調製乳 (PF群118名) 、調製乳 (SF群104名) 、または母乳 (BF群123名) を生後48週齢まで摂取させたところ、PF群は、SF群と比較して、48週までの気道感染症症状の平均回数、BF群と比較して、48週までの下痢頻度の減少が認められた。一方、アトピー性皮膚炎、気道感染症の発症、下気道喘鳴の発症に影響は認められなかった。 (PMID:29494489)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

メタ分析
・2018年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験18報について検討したメタ分析において、低体重児または早産児におけるプレバイオティクス (ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、酸性オリゴ糖、イヌリン、ポリデキストロース、ラクトース) の摂取は、敗血症発症リスク (11報) 、死亡率 (9報) の低下、完全経腸栄養移行までの期間 (6報) 、入院期間 (8報) の短縮、排便頻度 (6報) の上昇との関連が認められたが、入院期間については試験によるばらつきが大きかった。一方、壊死性腸炎 (6報) 、feeding intolerance (4報) のリスクに影響は認められなかった (PMID:30568297)
RCT:海外
・低出生体重児または早産児94名 (フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (31名、ガラクトオリゴ糖:ポリデキストロース=1:1、600 mg/日を1ヶ月間、その後600 mg×2回/日を1ヶ月間) またはプロバイオティクス (31名、Lactobacillus rhamnosus GG、10 (9) cfu/日を1ヶ月間、その後10 (9) cfu×2回/日を1ヶ月間) を摂取させたところ、いずれの群でも大泣きをする乳児の割合が減少した (PMID:23915796)

肥満

メタ分析
・2019年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、過体重または肥満者におけるプレバイオティクスの摂取は、炎症マーカー (CRP (7報) 、TNF-α (6報)) の低下と関連が認められたが試験によるばらつきが大きかった。一方、体組成 (体重 (11報) 、BMI (9報) 、体脂肪量 (7報)) 、炎症マーカー (IL-6 (7報)) に影響は認められなかった (PMID:31886746)
・2013年9月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験26報について検討したメタ分析において、プレバイオティクス (フラクトオリゴ糖、イヌリン、ヤーコン、キシロオリゴ糖、大麦、ガラクトオリゴ糖、フルクタン、えんどう豆食物繊維など) の摂取は、満腹感 (3報) の上昇、糖代謝マーカー (食後血糖 (4報) 、食後インスリン (3報)) 上昇の抑制と関連が認められた。一方、総エネルギー摂取量 (5報) 、ペプチドYY (3報) 、GLP-1 (4報) 、体重 (5報) 、TG (11報) 、CRP (4報) との関連は認められなかった (PMID:24230488)
・2010年までを対象に13個のデータベースで検索できた無作為化比較試験25報について健康な満期出生児の成長を検討したメタ分析において、プレバイオティクス (12報) の摂取は男女とも体重増加 (8報) との関連が認められたが、身長、頭囲の増加に関連は認められなかった。一方、シンバイオティクス (3報) 、プロバイオティクス (10報) の摂取は、いずれの項目とも関連は認められなかった (PMID:23035863)
RCT:海外
・過体重または肥満の小児42名 (試験群22名、平均10.4±0.3歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (フラクトオリゴ糖強化イヌリン) 8 g/日を16週間摂取させたところ、体重、体重Zスコア、BMI、体脂肪量の増加抑制、体脂肪率の低下が認められた。一方、身長、身長Zスコア、ウエスト径、骨密度に影響は認められなかった (PMID:28596023)
・肥満の成人女性30名 (試験群15名、平均47±9歳、ベルギー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (イヌリン+フラクトオリゴ糖 (1:1)) 8 g×2回/日、3ヶ月間摂取させたところ、糞便中のBifidobacterium spp.、Lactobacillus spp.の増加が認められた。一方、体組成 (BMI、体脂肪率、ウエスト/ヒップ比、体脂肪/除脂肪体重比) に影響は認められなかった (PMID:23135760)

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントとして濃縮した成分を組み合わせで摂取した場合の安全性について信頼できる十分な情報は見当たらない。個々の成分については、該当する項目を参照。
<妊婦・授乳婦>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントとして濃縮した成分を組み合わせで摂取した場合の安全性について信頼できる十分な情報は見当たらない。個々の成分については、該当する項目を参照。
<小児>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントとして濃縮した成分を組み合わせで摂取した場合の安全性について信頼できる十分な情報は見当たらない。個々の成分については、該当する項目を参照。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントとして濃縮した成分を組み合わせで摂取した場合の安全性について信頼できる十分な情報は見当たらない。個々の成分については、該当する項目を参照。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・一部の成分を関与成分とした特定保健用食品があるが、その他、人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添1、別添2、一部改正について)
(101) 腸内細菌学雑誌. 2019;33(4):165-74.
(PMID:28611480) Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2017;14(8):491-502.
(PMID:23915796) J Pediatr. 2013 Nov;163(5):1272-7.
(PMID:24230488) Br J Nutr. 2014 Apr 14;111(7):1147-61.
(PMID:23786897) Clin Nutr. 2013 Dec;32(6):958-65.
(PMID:29494489) Nutrients. 2018 Mar 1;10(3). pii: E286.
(PMID:19056555) Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):58-63.
(PMID:22566311) Nutr Hosp. 2012 Jan-Feb;27(1):123-9.
(PMID:28596023) Gastroenterology. 2017 Sep;153(3):711-722.
(PMID:23135760) Gut. 2013 Aug;62(8):1112-21.
(PMID:18492847) J Nutr. 2008 Jun;138(6):1141-7.
(PMID:32190365) Sultan Qaboos Univ Med J. 2020 Feb;20(1):e13-e24.
(PMID:31886746) Curr Med Chem. 2021;28(2):419-431.
(PMID:30949662) Am J Clin Nutr. 2019 Apr 1;109(4):1098-1111.
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(PMID:18492839) J Nutr. 2008 Jun;138(6):1091-5.
(PMID:23035863) Nutr J. 2012 Oct 4;11:81.
(PMID:34861367) Complement Ther Med. 2021 Dec;63:102795.

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