国内外で注意喚起された健康食品による健康被害の特徴 (Ver.190524)

画面を閉じる

 

 

発信者

研究報告

本文

■はじめに
健康食品の人気が高まる一方で、利用による体調不良も発生しています。時には、違法に医薬品成分を添加した製品や有害な成分が混入した違反製品の利用によって健康を害する事例も報告されています。国内では、痩せる効果を宣伝した「ホスピタルダイエット」などと称する製品の利用における健康被害の発生について厚生労働省が注意喚起を行いました。国外の行政機関も、このような違反製品の情報や健康被害の発生についての情報を公表しており、当サイトの被害関連情報では、国内外の注意喚起情報を集めて掲載しています。これまでに掲載した注意喚起情報から、健康食品の利用による健康被害の特徴をまとめ、論文発表しました (PMID:29695678) 。ここでは、その内容をアップデートしてご紹介します。

■当サイトに掲載している注意喚起情報の特徴

図1.注意喚起を受けた製品の使用用途

2010年1月から2018年12月に掲載した情報は3,569件でした。多くは行政機関が摘発した違反製品や業者による自主回収の情報ですが、実際に製品の利用によって発生した健康被害の情報も217件ありました。
注意喚起の対象となった製品の多くは、違法に医薬品成分が入れられていたり、表示されていた製品(無承認無許可医薬品)で、健康被害の事例では8割以上を占めました。このほか、表示されていないアレルゲンや基準値を超える重金属、細菌類などが混入した製品に対して注意喚起が行われていました。各製品が宣伝していた使用用途は、性機能改善が最も多く、これに続き痩せる効果が多かった一方で、健康被害が報告された製品は、痩せるためや病気の治療のために利用されていました(図1)。

■日本での注意喚起情報の特徴

図2.日本の健康被害の原因製品の入手方法 (24件)

日本国内の公的機関から出された注意喚起情報は569件で、このうち健康被害の情報は24件でした。この24件の被害事例のうち、22件が痩せるための目的で無承認無許可医薬品の利用によるものでした。無承認無許可医薬品は、国内での流通が禁じられ、厳正な取り締まりが行われていますが、その多くは海外などからインターネットを利用して入手(個人輸入)されていました(図2)。被害を受けた方の21件が女性で、特に10代から30代までの若い年代での被害が目立ちました。また、過去に国内外で違反製品として注意喚起を受けた製品による被害や、すでに国内で健康被害が報告されていた製品による似たような被害の事例も報告されていました。

■健康被害にあわないためのポイント
無承認無許可医薬品や有害な成分を含む違反製品は、見た目で判別することができません。しかし、これまでに報告された健康被害の事例では共通した特徴がみられ、特に日本では同じような製品による同じような被害が何回も繰り返し発生しています。その特徴を参考に、違反製品による健康被害にあわないようにしましょう。
ポイント1: 海外製品の個人輸入には細心の注意を
インターネットを介して、海外で販売されている製品を簡単に入手(個人輸入)することができるようになりました。しかし、海外で健康食品として販売されていても日本では医薬品に該当する成分が含まれている場合があります。インターネットで製品を購入する際には十分に注意しましょう。また、海外旅行のおみやげとして、現地で入手した健康食品を利用する場合も注意が必要です。家族や親しい知人からのすすめであっても、品質のわからない製品を安易に利用しないようにしましょう。

ポイント2: 治療効果や劇的な効果を謳う製品は疑ってかかる
市場では、「これを飲めばがんが治る」などと病気の治療効果を謳う健康食品が見受けられます。しかし、健康食品に薬のような治療効果を期待することはできません。また、「飲むだけでマイナス○○kg」といった劇的な効果を謳っている製品にも注意が必要です。医薬品成分が違法に含まれている可能性があります。このような強い効果の標榜を安易に信用せず、また健康食品を薬の代わりに使用することはやめましょう。

ポイント3: 行政機関の注意喚起情報を参考にする
国内外の行政機関が公表する注意喚起情報の多くは製品名とともにパッケージの写真が公開されています。同じ名称の製品で繰り返し被害が発生していることや、過去に注意喚起を受けて回収された製品がその後も違法に医薬品を添加して販売されている実態も報告されていることから(1)(2)、行政機関から出される注意喚起情報を参考にして、注意喚起を受けた製品や名称・外観の似ている製品を使用しないようにしましょう。ポイント1にあるように、インターネットでは海外の業者から簡単に製品を購入することができます。また、国内の店舗で売られている製品は日本の法律にもとづいて規制が行われていますが、店舗での買上調査でも無承認無許可医薬品にあたる海外製品が発見されています。このため、国内の店舗で販売される製品であっても、特に海外製品では、国外での摘発情報にも注意を向ける必要があります。当サイトの被害関連情報をご活用ください。

■おわりに
健康食品による健康被害にあわないようにするためには、効果などの良い面だけではなく、発生しうる悪い影響についても考えてみることが重要です。注意喚起された違反製品の存在もその1つです。健康被害を生じるリスクの高い違反製品の使用を避けるために、当サイトの情報を参考にしてみてください。
また、健康食品による健康被害は、アレルギーのように使用する人の体質や、過剰摂取のように誤った使用方法によっても発生する場合があります。ほかの人が問題なく使用できる製品であっても、人によっては体に合わず体調不良を生じることもあります。健康被害にあってしまった時に備えるために、「健康食品が原因かもしれない健康被害にあったら」のページもご参照ください。

■参考文献
(1) (PMID:25335153) JAMA. 2014 Oct 22-29_312(16)1691-3
(2) (PMID:30422217) JAMA Intern Med. 2018 Dec 1_178(12)1721-1723



© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.