健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ラクチュロース、ラクツロース [英]Lactulose [学名]-

概要

ラクチュロースは、ガラクトースの還元末端にフルクトースが結合した二糖類であり、β-D-ガラクトシドピラノシル-(1→4)-フルクトースをいう。異性化糖のひとつであり、甘味度は乳糖よりも強く、ショ糖の40〜60%と言われている。ラクチュロース (ラクツロース) は医薬品成分 (生理的腸管機能改善、高アンモニア血症用剤) として利用されているが、特定保健用食品以外の食品として流通している製品は、一般的に品質・規格が明確でないため、それらの製品に医薬品と同等の安全性・有効性が期待できるとは限らない。


●有効性
俗に、「腸内環境を整える」「便秘を改善する」などと言われているが、「おなかの調子を整える」の保健用途の表示ができる特定保健用食品の成分として認められているものの、その他の有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
摂りすぎあるいは体調によりおなかが緩くなることがある。


●摂取してはいけない人 (禁忌)
ガラクトース血症の患者



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法規・制度

■食薬区分
「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」にも該当しない。

■日本薬局方
・ラクツロースが収載されている。

■特定保健用食品
・ラクチュロースを関与成分とし「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・分子式:C12H22O11、分子量342.30 (101) 。
・二糖のひとつであり、ラクトースのグルコース部分がフルクトースになった形をする (101) 。
・異性化糖のひとつ。難消化性で熱量は約2 kcal/g (102) 。

分析法

・ラクチュロースをHPLC-ELSDで分析した報告がある (PMID:27542485)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ラクチュロースを関与成分とし「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

RCT:国内
・健康な成人52名 (平均20.2±2.4歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ラクチュロース2 g/日を2週間摂取させたところ、排便回数の増加が認められた (PMID:31131617)

RCT:海外
・健康な成人42名 (平均29歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ラクチュロースシロップ30 mL (22名) もしくは60 mL (20名) を7日間摂取させたところ、いずれの群で排便回数、量、湿重量、水分量の増加と硬さスコアの減少が認められ、30 mL群で乾重量の増加、60 mL群で便内Na+濃度の増加が認められた。一方、いずれの群共に便内イオン (K+、Cl-) 濃度に影響は認められなかった (PMID:7035543)
・慢性便秘の成人24名 (試験群10名、平均28.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ラクチュロースシロップ60 mL を7日間摂取させたところ、便の水分量、便内Na+濃度の増加と硬さスコアの減少が認められた。一方、排便回数、排便量、湿重量、乾重量、便内イオン (K+、Cl-) 濃度に影響は認められなかった (PMID:7035543)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

RCT:海外
・在胎期間23〜34週で生まれた早産児28名 (試験群15名、平均在胎30.3±2.8ヶ月、イスラエル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ミルクに1%ラクチュロースを加え摂取させたところ、胃残量の減少が認められた。一方、便内の乳酸菌量、非経口栄養期間、抗生物質投与期間、排便回数、入院期間、退院時体重などに影響は認められなかった (PMID:19879595)

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
・摂りすぎあるいは体調により、おなかが緩くなることがある (102) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・過敏性腸症候群の29歳女性 (日本) が便秘のためラクツロースを処方されたが、ラクツロース依存に陥り (期間、量不明) 、脱水、水様便、低カリウム血症などを伴う病態の複雑化を呈した (2003237411) 。

禁忌対象者

・ガラクトース血症の患者には使用禁忌 (102) 。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・α-グルコシダーゼ阻害薬との併用で副作用が増強する可能性がある (102) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・ラクチュロースを投与:ラット経口 18.16 g/kg、マウス経口 31g/kg (91) 。
2.LDLo (最小致死量)
・ラクチュロースを投与:ウサギ経口 24 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・特定保健用食品では個別に製品ごとの安全性が評価されているが、その他、人での安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、人での有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(101) 栄養・生化学辞典 朝倉書店
(102) 機能性糖質素材・甘味料の開発と市場 シーエムシー出版
(103) 治療薬マニュアル2018 医学書院
(2003237411) 心身医学 2003 43(5) 285
(PMID:27542485) Food Chem 2017 ;215: 347-53.
(PMID:7035543) J Clin Gastroenterol. 1981; Suppl 1:23-8.
(PMID:19879595) J Pediatr. 2010 ;156(2) :209-14.
(PMID:31131617) Benef Microbes. 2019 Jul 10;10(6):629-639.

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