青汁の健康効果って? (Ver.201211)

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青汁の健康効果って?



もくじ(リーフレット版はこちら
はじめに
青汁ってきくの?
青汁は安全なの?
からだに不安があるときは
まとめ

▼もっと詳しく知りたい方はこちら
青汁ダイエットの根拠は?
ビタミンKとワルファリンの関係は?
薬物性肝障害とは?
高カリウム血症とは?
自家製野菜ジュースの注意点は?
アドバイザリースタッフとは?




 はじめに

 「青汁」といえば、以前は野菜不足を補い、健康に良い飲料として売られていましたが、現在では「ダイエットによい」「コレステロールや血圧を下げる」などの様々な効果をうたってドラッグストアやテレビショッピング、インターネットを介して販売されています。粉末や液状、サプリメント状の製品が出回っており、みなさんも見かけたことがあるのではないでしょうか?
 青汁とは、主に大麦若葉やケール、アシタバ、モロヘイヤ、クロレラなどの緑色の葉野菜を細かくくだき、汁をしぼって作られた製品をさし、葉野菜のみの製品、果物または他の成分を加えた製品などがあります。ダイエット効果や野菜不足の解消が期待されているようですが、一方で、製品の利用によって体調不良を起こしたという報告もあります。
 そこで、青汁の効果・安全性・注意点について、今わかっていることをお知らせします。



 青汁ってきくの?

 青汁は、一般に「ダイエットによい」「コレステロールや血圧を下げる」などとうたわれています。
 特定保健用食品 (以下、トクホ) として「お通じが気になる方に」「コレステロールが気になる方に」などと表示した製品が販売されていますが、これらは製品単位で有効性と安全性が確認されています。なお、トクホの効果的な利用方法や注意事項についてはこちらのページを参照してください (トクホの製品情報はこちら)
 青汁は機能性表示食品としても販売されていますが、青汁とは関係のない成分を加えている場合も多く、青汁そのものの効果というわけではない場合もあります。
 また、こうした青汁製品がどのように効くかは、摂取する人の体の具合や、体質、食・生活習慣、製品の形態などによって異なります。
 一方、個別製品ではなく「青汁」の効果について調べたところ、よくうたわれるような「ダイエットによい」「コレステロールや血圧を下げる」に関する効果を検討した報告は1つも見当たりませんでした。
 青汁は、単一の素材を原料としたものや複数の素材を混合したものなど、個々の製品によって原材料や含有成分等が異なるため、有効性は製品によって異なります。それぞれの素材については、青汁でよく使われる素材の情報を参照してください。
 また、野菜不足解消の目的で青汁を摂る方が多いようですが、青汁 (ケール青汁1回分) に含まれるビタミンやミネラルは生のケールで約10〜20 gに相当する量でした (1) 。少し足りない野菜を補うには良いかもしれませんが、野菜不足を解消するとまではいかないようです。野菜には食事のカサを増して過食を防いだり便通を整えたりする役割もあります。野菜不足の食事は、言い換えると油や糖の多い食事となっている可能性があります。「野菜不足かな?」と思ったら、まずは日ごろの食事を見直してみましょう。



 青汁は安全なの?

  青汁は、個々の製品によって原材料、含有成分などが異なるため、安全性は製品によって異なります。製品に含まれているそれぞれの素材の情報を参照してください。
 青汁の安全性について調べてみると、青汁を摂取した人の2.4%で便秘や軟便などの体調不良が起こったという報告があります。また、薬物アレルギー性の肝障害を生じたという事例や、多量摂取により高カリウム血症を生じ、低血圧や徐脈を認めた事例などもあります。そのほか、青汁にはセリ科、アブラナ科の野菜などアレルギーの原因となる原材料が使用されているので、体質によっては体調不良を起こす場合があります (詳しくは青汁でよく使われる素材の情報を参照ください) 。
また、青汁はビタミンKを豊富に含むことから、ワルファリンという血管の中に血のかたまりができるのを防ぐ薬を服用している場合、青汁を摂取すると薬のききめが弱くなる可能性があるため、青汁の摂取を避けることが望ましいとされています (2) (▼もっと詳しく知りたい方はこちらを参考) 。



 からだに不安があるときは

 青汁は原材料を濃縮して作られているので、食品だからと油断せずに、利用の際は体調の変化に十分気をつけてください。また、同時に複数の青汁製品やビタミン・ミネラル等のサプリメントを併用することは避けましょう。
 日常の生活でからだに不安があったり、病気かな?と思ったときは、青汁を試してみる前に、お近くの病院で医師の診断を受け、指示に従ってください。健康を保つには、バランスのよい食事と運動、睡眠が大切です。

● 青汁を利用したい場合
 「緑野菜たっぷりのジュース」と聞くと、安全でからだによい印象を受けるかもしれませんが、人によっては体調不良を起こす可能性があります。特にお薬を飲まれている方は、青汁を利用する前に必ず医師、薬剤師や管理栄養士、健康食品・サプリメントのアドバイザリースタッフなど専門の知識を持った方に相談してください。青汁による健康被害もあることから、利用する際は「利用メモ」をつけ、体調の変化に注意するようにしてください。製品によって含まれている素材は様々なので、製品の箱や容器を写真に残しておくと、体調不良を起こした場合、その原因が特定しやすくなります。

● 青汁を利用して体調の異常を感じた場合
 すぐに利用をやめて、症状に応じた診療所を受診してください。その際には、必ず、青汁を利用していたことをお伝えください。病院に行くほどの体調不良でない場合は、お近くの保健所へ相談してください。体調不良を感じた時の対応方法については、こちらのページもご覧ください。



 まとめ

 青汁が、ダイエットや健康に良いといった魅力的なうたい文句とともに市場に多く出回っています。しかし、青汁の効果に関する科学的根拠は十分でないばかりか、便秘や軟便、肝障害など、健康被害の報告が複数あります。健康食品による健康被害の発生の原因には、製品の安全性だけでなく、使い方や利用者の体質も挙げられます。「野菜だから安全だ」という安易な考えで、過大な効果を期待して利用することはやめましょう。まずは、生活習慣を見直して本当に必要かどうかを冷静に判断し、利用する際は医師、薬剤師や管理栄養士、健康食品・サプリメントのアドバイザリースタッフに相談したうえで利用しましょう。



■有効性と安全性に関する研究情報をまとめている「素材情報データベース」もあわせてご覧ください。
<青汁でよく使われる素材の情報>
ケール
大麦 (大麦若葉)
アシタバ
モロヘイヤ
クロレラ
アシタバ
ニガウリ
ブロッコリー
ヨモギ
青汁

<参考>
ビタミンK解説

その他のコラム、研究報告

■「健康食品」の安全性・有効性情報のトップページ



▼もっと詳しく知りたい方はこちら

 青汁ダイエットの根拠は?

 青汁製品の口コミを見ると、「これを飲んで1ヶ月で○○kg減量!」など体験談が目につきます。しかし、体重の変化はエネルギーの摂取量と消費量のバランスの結果です。減量のためには、エネルギー消費量が摂取量を上回るように食事や運動に気を配る必要があります。つまり、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣を正すことなく、青汁を摂取するだけで減量効果が得られることはありません。「青汁を飲んで痩せた」という体験談が事実であったとしても、その裏には「 食事を減らして、活動的な生活の中で、青汁も飲んでいたら痩せた」というように、重要な情報が隠れていることがあります。また、個人の体験談は科学的な根拠に基づいたものではなく、極端な例が強調されている可能性もあります。「飲むだけで簡単に、2週間でマイナス5キロ」など劇的な効果をうたう情報はうのみにせず、冷静に判断しましょう。詳しくはこちらのページもご参照ください。
 なお、青汁の原料に含まれる成分によって、脂肪燃焼やむくみの改善効果が得られると宣伝されることもありますが、現時点で青汁やケール、アシタバ、大麦若葉などによって脂肪燃焼効果やむくみ解消などの効果が得られるという十分な根拠は見当たりません。

 ビタミンKとワルファリンの関係は?

 ビタミンKの目安量は、成人で1日150 μg/日とされています (3)。青汁の素材としてよく使われている緑色野菜はビタミンKを多く含みます。例えば、ケールは100 g中に210 μg、アシタバは500 μg、モロヘイヤは640 μgのビタミンKを含みます(1)。これらの原材料を濃縮した青汁は、ビタミンKを多量に含有しています。日本で市販されている青汁製品は、1日の摂取目安量に20〜380 μgのビタミンKを含有し、青汁だけで日本人の目安量の2倍以上の摂取につながるおそれがあります (4) 。
 ビタミンKには、血液を固める働きがあります。一方、ワルファリンは、このビタミンKのはたらきをおさえて血のかたまりができるのを防ぐ薬です。通常、心筋梗塞や脳血栓症の治療や予防のために使用されます。ワルファリンを服用中にビタミンKを多量に摂取すると、薬のききめが悪くなります。ワルファリンを服用中の方は、青汁製品の利用を避けましょう。



 薬物性肝障害とは?

 薬物性肝障害とは、医薬品や健康食品の摂取によって生じる肝機能障害のことで、アレルギー性の場合、発熱、発疹、皮膚のかゆみが現れるといわれています。
 これまでに薬物性肝障害や薬物性アレルギー肝障害などの肝機能の低下が見られた事例が、青汁で3件、大麦、麦芽で3件、クロレラで4件、ケールで1件報告されています。



 高カリウム血症とは?

 高カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が高い状態のことです。血液検査で発見されるか、心電図の変化に医師が気づいて発見されます。軽度の高カリウム血症は、ほとんど症状はありません。ときに、筋力の低下がみられる程度です。高カリウム血症が重症化すると、不整脈が起こることがあり、ときに心臓が止まることもあります (5) 。
 これまでに青汁の摂取が原因と思われる高カリウム血症が生じたという事例が1件報告されています。



 自家製野菜ジュースの注意点は?

 ほうれん草やパセリなど、シュウ酸を多く含む緑黄色野菜から作った自家製ジュースだけを食事の代わりに多量に摂取し、腎障害を発症した報告があります (6,7) 。腎臓の機能が弱っている方や高齢者は腎臓が疲れて働きが悪くなるため、特に注意が必要です。
シュウ酸と尿路結石症
 尿中に排泄されるシュウ酸は尿路結石症が発生するリスクを高める原因のひとつであり、その約70%は食事由来と考えられています。よって、尿路結石症の患者は再発防止として、シュウ酸を多く含む飲食物の大量摂取は控えたり、ほうれん草をゆでてシュウ酸の量を減らしたり、尿中へ排出されるシュウ酸の量が増えないようにカルシウムを適切に摂る、などの工夫が必要です。しかし、ほうれん草などの葉野菜は栄養価の高いものが多いので、尿路結石症患者はこの点にも注意しつつ、再発予防の観点で食習慣や調理の仕方を工夫したりすることで、食事から適切に野菜を摂ることが勧められています (8) 。



 アドバイザリースタッフとは?

 アドバイザリースタッフとは、健康食品やサプリメントについての正しい知識を持ち、身近で気軽に相談を受けてくれる、民間の資格をもった言わば健康食品の専門家です。主な資格として、NR・サプリメントアドバイザー (一般社団法人日本臨床栄養協会) 、食品保健指導士 (公益財団法人日本健康・栄養食品協会) 、健康食品管理士 (一般社団法人日本食品安全協会) などがあります。アドバイザリースタッフの中には、講演会などを通じて、健康食品の適切な利用や、利用による健康被害の防止活動をしている方もいます。
 身近なところでは、アドバイザリースタッフは、薬局や薬店、病院などにいます。健康食品を購入・利用する際には、是非、アドバイザリースタッフに相談しましょう。



参考文献
1. 食品成分表 新訂第二版 (大修館書店)
2. 医薬品インタビューフォーム ワーファリン錠、ワーファリン顆粒 2019年1月改訂 (改訂第23版) エーザイ株式会社
3. 日本人の食事摂取基準 (2020年版)
4. (PMID:16729670) Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2006.47(2);85-88.
5. MSDマニュアル家庭版
6. (PMID:23830537) Am J Med. 2013 Sep;126(9):768-72.
7. (PMID:29203127) Am J Kidney Dis. 2018 Feb;71(2):281-286.
8. 公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds ガイドラインライブラリ 尿路結石症診療ガイドライン2013年版
・日本食品大事典 医歯薬出版株式会社 
・サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック 医学出版社
・今日の治療方針2020 医学書院




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