健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

グレープフルーツ [英]Grapefruit [学名]Citrus paradisi、Citrus maxima、Citrus decumana

概要

グレープフルーツはミカン科の植物で、高さ5 m程度に生長する。果実は一般的に食用として利用される。果肉が白色のもの (ダンカン、マーシュシードレス) 、ピンク色のもの (フォスター、トムソン) 、赤色のもの (スタールビー) など様々な品種がある。


●有効性
俗に、「ストレスによい」「肝臓によい」「ダイエットによい」「ウイルス、細菌感染によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータがない。


●安全性
通常の食品として摂取する場合はおそらく安全である。サプリメントなど濃縮物として摂取する場合、適切に使用すれば安全性が示唆されているが、過剰な摂取は危険性が示唆されている。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類が様々な薬物代謝酵素を阻害することが知られており、医薬品と同時に摂取することにより相互作用を起こす可能性があるため、医薬品を摂取している人は注意が必要である (詳細はこちら) 。



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法規・制度

・果実は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・天然香料基原物質リストに収載 (110) 。
・グレープフルーツ種子抽出物 (グレープフルーツの種子より得られた、脂肪酸及びフラボノイドを主成分とするもの) は既存添加物 (製造用剤) (78) 。
・米国では「一般的に安全と認識される物質 (GRAS) 」に分類されている (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・果実はカリウム、ビタミンC、ペクチン、フラボノイド (ナリンギン、フラノクマリンなど) を含む (94) 。
・種子はナリンギン、ノミリン (nomilin) 、リモノール (limonol) 、オバクノン (obacunone) などを含む (94) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2013年4月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験3報について検討したメタ分析において、過体重または肥満の成人によるグレープフルーツの摂取は、腹囲 (3報) 、収縮期血圧 (3報) の低下、HDL-C (3報) の上昇と関連が認められたが、体重 (3報) 、拡張期血圧 (3報) 、空腹時血糖 (2報) 、LDL-C (2報) 、TG (3報) との関連は認められなかった (PMID:25880021)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

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発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・肥満成人91名 (18〜65歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、グレープフルーツ1/2個 (24名) 、グレープフルーツジュース237 mL (21名) 、グレープフルーツ凍結乾燥末500 mg (24名) のいずれかを3回/日、12週間摂取させたところ、グレープフルーツ摂取群においてのみ体重の減少が認められたが、他の群では認められず、いずれの群においても体脂肪率、腹囲、血圧、空腹時血糖、インスリン濃度、血中脂質、肝機能マーカーに影響は認められなかった (PMID:16579728)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品として摂取する場合は、おそらく安全である (94) 。
・サプリメントなど濃縮物として適切に摂取する場合は、安全性が示唆されている (94) 。
・過剰量の摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・多量のグレープフルーツジュースはQT延長を生じ不整脈の発生、悪化させる可能性がある (94) 。
・多量のグレープフルーツジュースは、偽アルドステロン症、鉱質コルチコイドの増加、腎結石を生じる可能性がある (94) 。
・エストロゲンの代謝に関連するCYP3A4を阻害するため、内因性エストロゲンを増加させるため、大量のグレープフルーツ摂取は乳がんのリスクを増大する可能性がある (94) 。
・健康な女性81,093名 (30〜65歳、アメリカ) を対象としたコホート研究において、グレープフルーツジュースの摂取量が多いと腎結石リスクが増加した (PMID:9518397)
・健康な成人10名 (25.2±4.6歳、ドイツ) を対象とした試験において、ピンクグレープフルーツジュース1 Lの単回摂取はQTを延長した (PMID:15710766)
<妊婦・授乳婦>
・現時点で十分な情報はないが、妊娠中・授乳中に過剰摂取することはおそらく危険であるため、過剰摂取またはサプリメントなど濃縮物としての摂取を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・グレープフルーツやミカン科植物にアレルギーまたは過敏な人が摂取するとアレルギー症状が生じる可能性がある (94) 。
<被害事例>
・アレルギーの既往歴がある17歳女性 (日本) が昼食としてレタス、キャベツ、卵、タラ、米、キュウリ、鶏肉、梅干、グレープフルーツを摂取後運動したところ、呼吸困難、蕁麻疹、クインケ浮腫が生じて医療機関を受診。皮膚テストおよび摂取後運動負荷試験においてグレープフルーツが陽性であったため、グレープフルーツによる食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと診断された (2006279651) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・気管支喘息の26歳女性 (日本) が、テオフィリン (喘息治療薬:CYP1A2基質) 200 mgとグレープフルーツジュースを併用摂取したところ (摂取量不明) 、意識障害を生じた。再摂取試験において、テオフィリン100 mgとグレープフルーツジュース200 mLを併用したところ、血中テオフィリン濃度が約3倍になる事が確認されたため、グレープフルーツジュースとの併用によるテオフィリン中毒と診断された (2008174752) 。
・ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) を服用中の夫妻 (夫:58歳、妻:54歳) が、グレープフルーツ種子抽出物製品を数滴/日、3日間摂取したところ、妻はINRの上昇と皮下出血を、夫はINRの上昇を生じ、中止により改善した。グレープフルーツ種子抽出物製品中の塩化ベンゼトニウムによる相互作用と考えられた (PMID:17468864)
・肝移植の既往歴があり、タクロリムス (免疫抑制剤:CYP3A4基質) を服用中の52歳男性 (フランス) が、一週間の間にオレンジマーマレードを1.5 kg以上摂取したところ、震え、発熱、目のかすみ、左胸痛を生じ、血中タクロリムスが高値を示しており、タクロリムスの一時的中断により改善した。マーマレード中にグレープフルーツが使用されていたことによるタクロリムス中毒と診断された (PMID:17530235)
・閉塞性動脈硬化症、慢性胃炎、狭心症、高尿酸血症、心房細動の既往歴があり、アスピリン (抗血小板薬) 、シロスタゾール (抗血小板薬:CYP3A4、CYP2D6、CYP2C19基質) を服用中の79歳男性 (日本) が、グレープフルーツジュース200 mLを1日おきに約1ヶ月間摂取したところ、紫斑を生じ、ジュースの摂取中止により改善した (PMID:17875111)
・脂肪肝、脂質異常症の既往歴があり、アトルバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4基質) を服用中の40歳女性 (ギリシャ) が、グレープフルーツジュース1〜2杯/日を5日間摂取したところ、背中や足の痛み、虚弱を生じ、相互作用による横紋筋融解症と診断された (PMID:18402564)
・片頭痛の既往歴がある42歳女性 (アメリカ) が、1週間で3〜4 Lのグレープフルーツジュースを摂取しており、ベラパミル (カルシウム拮抗薬:CYP1A2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、P糖タンパク質基質) を誤って360 mg/日 (通常120 mg/日) 服用したところ、頭痛、動悸、呼吸不全等を生じ、血中ベラパミルが異常高値を示しており、併用によるベラパミル中毒と診断された (PMID:19204629)
・心房細動、急性心筋梗塞の既往歴がありフロセミド25 mg×2/日、経皮ニトログリセリン、アセチルサリチル酸100 mg/日を服用中で、習慣的にグレープフルーツジュース1〜1.5 L以上/日を摂取していた83歳女性が、心房細動の治療のためアミオダロン (抗不整脈薬:CYP3A4基質) 300 mgの静注を受けたところ、直後より頻発する多型性心室頻拍 (トルサデポアン) を生じ、即時電気的除細動が必要となった。アミオダロンとグレープフルーツジュースの併用による催不整脈作用の増強が原因と診断された (PMID:20970282)
・レボチロキシン (甲状腺ホルモン製剤) 、ドロスピレノン (避妊薬) とエチニルエストラジオール (性ホルモン製剤:CYP3A4基質) 含有経口避妊薬を服用中の42歳女性 (アメリカ) が、ダイエット目的でグレープフルーツ225 g/日を3日間摂取し、1.5時間の運転を行ったところ、腰痛、左臀部から膝の痛みを生じ、翌日、左足の変色、歩行困難、息切れ、ふらつきを呈し、深部静脈血栓症と診断された (PMID:19345832)
・パーキンソン病のためレボドパ・ベンセラジド配合剤、セレギリン (CYP2A6、CYP2B6、CYP2D6、CYP3A4基質) 、ブロモクリプチン (CYP3A4基質) 、カベルゴリン (CYP3A4基質) 、アマンタジン (抗ウイルス薬) 、ミドドリン (昇圧薬) を服用中の67歳女性 (日本) が、グレープフルーツを6〜7個/日摂取していたところ、ジスキネジア (不随意運動) と強い幻覚を生じた (2006128468) 。
・てんかんの病歴がある23歳男性 (日本) が、グレープフルーツジュース 1 Lとカルバマゼピン (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 10 gを同時に摂取したところ、血中カルバマゼピン濃度の上昇、意識レベルの低下を生じた。カルバマゼピンの過剰摂取およびグレープフルーツジュースの併用が原因と診断され、加療により改善した (PMID:29123746)
<ヒト試験>
・2010年6月までを対象に3つのデータベースで検索できたカルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュースの相互作用に関するヒト経口試験31報について検討したメタ分析において、エホニジピン (カルシウム拮抗薬) (3報) 、ニフェジピン (カルシウム拮抗薬) (6報)、ニソルジピン (カルシウム拮抗薬) (4報) 、マニジピン (カルシウム拮抗薬) (2報) 、フェロジピン (カルシウム拮抗薬) (12報) はグレープフルーツジュースとの併用で血中濃度 (AUC) の有意な上昇が認められ、アムロジピン (カルシウム拮抗薬:CYP3A4基質) (2報) は上昇傾向を示した (PMID:22039822)
・健康な男性7名 (21〜24歳、日本) を対象としたオープンラベル試験において、グレープフルーツジュース200 mL×3回/日を3日間摂取させた後、グレープフルーツジュース200 mLとセリプロロール (β遮断薬) を同時に摂取させたところ、セリプロロールの血中濃度 (AUC、Cmax) の低下が認められた。グレープフルーツジュース摂取終了2日後、6日後にセリプロロールを単独で摂取させたところ血中濃度に影響は認められなかった (PMID:24292052)
・健康な男性7名 (21〜24歳、日本) を対象としたオープンラベル試験において、グレープフルーツジュース200 mL×3回/日を3日間摂取させた後、グレープフルーツジュース200 mLとミダゾラム (催眠薬:CYP3A基質) を同時に摂取させたところ影響は認められなかった。グレープフルーツジュース摂取終了2日後にミダゾラムを単独で摂取させたところ、ミダゾラムの血中濃度 (AUC、Cmax) の増加が認められ、6日後にミダゾラムを単独で摂取させたところ、影響は認められなかった (PMID:24292052)
・健康な成人 8名 (23〜45歳、カナダ) を対象とした無作為化クロスオーバープラセボ比較試験において、グレープフルーツジュース 250 mLとフェロジピン (カルシウム拮抗薬:CYP3A4基質) 10 mgを同時に摂取させたところ、フェロジピンの半減期、Tmaxに影響は認められなかったが、血中濃度 (AUC、Cmax) が増加した (PMID:12811362)
<動物・試験管内>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、グレープフルーツジュースはCYP3A4活性を阻害した (PMID:16415112)
・in vitro試験 (ヒト酵素) において、ベルガモチン、6,7-ジヒドロキシベルガモチン、ナリンゲニンは、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4活性を阻害した (PMID:12127912)
<理論的に考えられる相互作用>
・CYPを阻害するため、様々な医薬品と相互作用が生じることが知られている (94) 。詳細はこちらを参照。
・ベニコウジと併用すると、ベニコウジ由来のロバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、BCRP基質) の血中濃度が上昇する可能性がある (94) 。
・カンゾウと併用すると、鉱質コルチコイド活性が増強される可能性がある (94) 。
・トニックウォーターと併用すると、トニックウォーターに含まれるキニーネの代謝を阻害する可能性があるため、 QT延長症候群などの拍動障害がある人は併用を避ける (94) 。
・赤ワインと併用すると、CYPの阻害作用が相加的に増強され、医薬品との相互作用が増強する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・精油を投与:ラット経口 >5g/kg、マウス経口36.68 mL/kg (91) 。
2.TDLo (最小中毒量)
・パルプ粉末を投与:ラット経口 57.54 g/kg/10週 (91) 。
・種子の生エキスを投与:ラット経口 (間欠的) 720 mg/kg/60日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食品として摂取する場合は、おそらく安全である。
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合、適切に使用すれば安全性が示唆されているが、過剰な摂取は危険性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中に過剰摂取することはおそらく危険であるため、過剰摂取またはサプリメントなど濃縮物としての摂取を使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(35) 新訂 牧野新日本植物図鑑 北隆館
(76) 日本食品大事典 医歯薬出版株式会社
(78) 改訂 食品添加物インデックス 和名・英名E No.検索便覧 中央法規 社団法人日本輸入食品安全推進協会
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(94) Natural Medicine
(110) 天然香料基原物質リスト 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
(2006279651) Allergology International.2009:54(3);495.
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(2006128468) 神経内科. 2006; 64(1): 118-9.
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