健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

マヌカ、ギョリュウバイ、ネズモドキ [英]Manuka [学名]Leptospermum scoparium

概要

マヌカはニュージーランド原産のフトモモ科の低木で、ギョリュウバイ、ネズモドキとも呼ばれる。マヌカの花蜜を原料とするハチミツはマヌカハニーと呼ばれ、ニュージーランドの主要輸出品の1つとなっている。マヌカハニーの抗菌活性成分とされるメチルグリオキサールはジヒドロキシアセトンより生成されるが、ジヒドロキシアセトン含量は一定ではなく、また保存状態によってこれらの成分含量は変化する。食品として販売されているマヌカハニーは滅菌などの処理が行われていないため、治療目的で使用するべきではない。
マヌカハニー以外の花蜜はハチミツのページを参照のこと。


●有効性
俗に、「免疫機能を高める」「感染症を予防する」「腸内環境を改善する」などと言われているが、人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない。


●安全性
マヌカハニーを通常の食事に含まれる量で摂取する場合、おそらく安全であるが、ハチミツ以外のマヌカ製品やサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。12ヶ月齢未満の乳児が生のマヌカハニーを摂取することはボツリヌス症を引き起こす可能性があるため、危険性が示唆されている。



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法規・制度

■食薬区分
「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」にも該当しない。

・ニュージーランド一次産業省 (Ministry for Primary Industries) が、食品として流通するマヌカハニーの品質に関するガイドラインを策定している (101) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ニュージーランド一次産業省のガイドラインでは、4種の成分 (3-フェニル乳酸、2’-メトキシアセトフェノン、2-メトキシ安息香酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸) を一定量以上、かつマヌカの花粉由来のDNAを含有することがマヌカハニーの条件としている (101) 。
・花蜜にはジヒドロキシアセトンが含まれ、保存中にメチルグリオキサールに変換される (101) 。

分析法

・花蜜中のジヒドロキシアセトンをガスクロマトグラフィーで分析した報告がある (PMID:25277074)
・マヌカハニー中の3-フェニル乳酸、2’-メトキシアセトフェノン、2-メトキシ安息香酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸をHPLC-MS/MSで分析した報告がある (101) 。
・マヌカハニー中の過酸化水素、ジヒドロキシアセトン、メチルグリオキサール、フルクトース、グルコースを化学発光HPLCで分析した報告がある (PMID:28081810)
・マヌカハニー中のフラボノイドをHPLCで分析した報告がある (PMID:23870890)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・マヌカハニーを通常の食事に含まれる量で摂取する場合はおそらく安全であるが、ハチミツ以外のマヌカ製品やサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
<妊婦・授乳婦>
・ハチミツ以外のマヌカ製品やサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。

<被害事例:国内>
・花粉症の既往がある33歳男性 (日本) が、マヌカハニーキャンディーを摂取していたところ、口腔内の粘膜に水疱を生じ、口内痛や咽頭痛のため受診。喉頭蓋の浮腫を認め、ウイルスまたは細菌感染による急性喉頭蓋炎の疑いで治療を受け改善したが、その後、就寝前にマヌカハニーキャンディーを再摂取したところ、翌朝に咽頭浮腫を生じて再受診。マヌカハニーによる口腔アレルギー症候群が疑われたが、加療により改善した。 (2019300652) 。
・アレルギー性鼻炎の既往がある33歳女性 (日本) が、マヌカハニーキャンディーを摂取した後に口腔内の痛み、呼吸困難を生じて受診。喉頭浮腫が認められ、急性喉頭炎で気道狭窄の危険性から緊急入院したが、加療により改善した。退院後、夜にマヌカハニーキャンディーを再摂取したところ、直後から口腔内の違和感、3時間後に呼吸困難を生じ、翌朝に救急搬送された。マヌカハニーによる口腔アレルギー症候群が疑われたが、加療により改善した (2019300652) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・マヌカハニーを通常の食事に含まれる量で摂取する場合はおそらく安全であるが、ハチミツ以外のマヌカ製品や、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
・乳児が生のマヌカハニーを摂取することは、ボツリヌス症を引き起こす可能性があるため危険性が示唆されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない。

参考文献

(101) ニュージーランド一次産業省webサイト
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添1、別添2、一部改正について)
(PMID:25277074) J Agric Food Chem. 2014 Oct 22;62(42):10332-40.
(PMID:28081810) Anal Chim Acta. 2017 Feb 15;954:151-158.
(PMID:23870890) Food Chem. 2013 Dec 1;141(3):1772-81.
(2019300652) 喉頭. 2019;31(1):23-27.

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