健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

米ぬか [英]Rice bran [学名]−

概要

米ぬかは、玄米を精白米に搗精する際に生じる副産物で、米の胚芽、果皮、種皮、糊粉層の粉砕物である。米ぬかから絞った油脂は、米ぬか油として利用されている。


●有効性
俗に、「便秘によい」「肌によい」「高血圧によい」「糖尿病によい」「認知症によい」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。米ぬかなどの穀物に含まれる繊維は、結腸直腸がんのリスク低下に対しては効果がないことが示唆されている。


●安全性
適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、妊婦・授乳婦が通常の食品に含まれる量を超えて摂取する場合については、信頼できる十分な情報がないため避ける。


●摂取してはいけない人 (禁忌)
腸の潰瘍、狭窄、機能障害、下剤性結腸患者



米ぬかに含まれる成分の一つであるフェルラ酸についてはこちらを参照。

▼他の素材はこちら



法規・制度

■食薬区分
・コメヌカ:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・米ぬかは、繊維、脂質、アミノ酸、多種のビタミン、ミネラル、イノシトール、IP-6などを含む (94) 。
・米ぬか油は、β-シトステロール、α-リノレン酸、γ-オリザノール、トコトリエノール (94) 、フェルラ酸 (1982071753) を含む。
・米ぬか、米ぬか油の栄養成分については、日本食品標準成分表を参照のこと (101) 。

分析法

・米の各部位におけるフラボノイドをLC-MSにて分析した報告がある (PMID:27373652)

有効性








循環器・
呼吸器


RCT:海外
・健康な成人60名 (18〜59歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、米ぬか油由来の植物ステロール2.1 g/日を添加したマーガリン29 g/日を3週間摂取させたところ、血中脂質 (TC、LDL-C) の低下が認められた。一方、血中脂質 (HDL-C、TG) に影響は認められなかった (PMID:11101479)
・健康な成人44名 (32〜64歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、米ぬか製品 (14名) 、84 g/日を6週間摂取させたところ、米スターチ製品 (17名) に比較し、血中脂質 (TC、LDL-C、ApoB) の低下が認められたが、血中脂質 (TG、HDL-C、ApoA、LDL-C/HDL-C比) に影響は認められず、小麦ふすま (13名) と比較した場合、いずれも影響は認められなかった (PMID:9566995)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

RCT:海外
・2型糖尿病患者28名 (試験群17名、平均58.9±10.4歳、台湾) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、米ぬか20 g/日を12週間摂取させたところ、血糖値変化率曲線下面積、血中脂質 (TC、LDL-C、遊離脂肪酸) の低下、空腹時インスリン濃度、インスリン変化率曲線下面積、アディポネクチンの増加が認められたが、空腹時血糖値、HOMA-IR、食後血糖値、HbA1c、血中脂質 (TG、HDL-C) に影響は認められなかった (PMID:20016147)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT:海外
・自己申告による軽度の睡眠障害がある成人50名 (試験群25名、平均41.8±13.5歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、米ぬか抽出物1,000 mg/日を2週間摂取させたところ、主観的眠気評価尺度 (ESS) のスコア低下、終夜睡眠ポリグラフ検査による睡眠効率の上昇、総睡眠時間の増加、入眠潜時の減少が認められた。一方、睡眠の質 (ピッツバーグ睡眠質問票) 、疲労症状評価尺度のスコア、レム睡眠潜時、入眠後覚醒時間、総覚醒時間、無呼吸・低呼吸指数、総無呼吸指数、炎症マーカー (IL-1β、TNF-α) に影響は認められなかった (PMID:31451704)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・米ぬかなどの穀物の繊維は、結腸直腸がんのリスク低下に対して効果がないことが示唆されている (94) 。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT:国内
・乾燥などによる肌荒れを自覚している健康な成人123名 (試験群62名、平均44.5±8.8歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、米胚芽抽出物1.5 g (グルコシルセラミド1.8 mg含有) /日を12週間摂取させたところ、上背部、頸部、肘部、頬部の経表皮水分蒸散量の減少が認められた。一方、足背部に影響は認められなかった (2014086609) 。





試験管内・
動物他での
評価





安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・摂取量を増やした場合、初めのうちガスや、胃腸の不快感の原因になる可能性がある (94) 。
・咀嚼、嚥下困難のある人では注意して摂取する、もしくは避ける (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・通常の食品に含まれる量の摂取はおそらく安全であるが、それ以上の摂取については、信頼できる情報が十分に見当たらないため避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例:国内>
・スギ花粉症の既往歴があり、白米の摂取は問題なかった50歳女性 (日本) が、3年前から自家製ぬか漬け野菜を摂取し始めたところ、6ヶ月前頃から、ぬか床との接触や米をとぐと手や腕の湿疹を生じるようになり、パエリアを摂取した後、口の痒み、顔の血管浮腫、咳を生じた。特異的IgE抗体、プリックテストにて米に陽性を示したため、米ぬかの皮膚増感により誘導された米アレルギーと診断された (PMID:22506564)
・77歳女性 (日本) が、自家製ぬか漬け野菜を約1ヶ月間摂取したところ、咳、呼吸困難を生じた。リンパ球刺激試験で米ぬかに陽性を示し、再摂取試験で症状の再発が認められたことから、ぬか漬け摂取により誘発された肉芽腫性間質性肺炎と診断された (PMID:25858927)

禁忌対象者

・腸の潰瘍、狭窄、機能障害、下剤性結腸などがある場合は、米ぬか中の繊維により腸や食道障害を生じる場合があるため、使用禁忌 (94) 。

医薬品等との
相互作用

<動物・試験管内>
・動物実験 (ラット) において、紫米の米ぬか抽出物摂取は、CYP1A1、CYP1A2、CYP3A2、CYP 450 reductase、GST、UGTの活性に影響を与えなかった (PMID:25921147)
<理論的に考えられる相互作用>
・米ぬかはカルシウムの吸収を阻害する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

TDLo (最小中毒量)
・黒米のぬか70%エタノール抽出物を投与:マウス経口 (間欠的) 6.9 g/kg/23日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、妊婦・授乳婦が通常の食品に含まれる量を・適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、妊婦・授乳婦が通常の食品に含まれる量を超えて摂取する場合については、信頼できる十分な情報が無いため、避ける。
・腸の潰瘍、狭窄、機能障害、下剤性結腸などの患者は使用禁忌。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・米ぬかなどの穀物の繊維は、結腸直腸がんに対しては効果がないことが示唆されている。

参考文献

(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(94) Natural Medicines
(1982071753) 油化学. 1981;30(8):512-4.
(PMID:27373652) Chem Pharm Bull (Tokyo). 2016;64(7):952-6.
(PMID:11101479) Am J Clin Nutr. 2000 Dec;72(6):1510-5.
(PMID:20016147) Ann Nutr Metab. 2010;56(1):45-51.
(PMID:9566995) J Nutr. 1998 May;128(5):865-9.
(PMID:22506564) J Dermatol. 2012 Dec;39(12):1079-80.
(PMID:25858927) BMJ Case Rep. 2015 Apr 9;2015. doi:pii: bcr2014208261.
(PMID:25921147) Asian Pac J Cancer Prev. 2015;16(8):3371-6.
(PMID:31451704) Sci Rep. 2019 Aug 26;9(1):12339.
(101) 食品成分データベース (文部科学省)
(2014086609) 薬理と治療. 2013:41(11);1051-1059.
(102) 新版 日本食品大事典 医師薬出版

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