健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ガラクトオリゴ糖 [英]Galacto-oligosaccharide [学名]-

概要

ガラクトオリゴ糖は、ガラクトースを主成分とするオリゴ糖の総称で、母乳や牛の初乳の中に含まれている。また、ガラクトースとグルコースがβ結合した2糖 (転移2糖) もガラクトオリゴ糖に含まれる。乳糖にβ-ガラクトシダーゼを作用させて生産される。人の消化酵素で分解されにくい一方で、ビフィズス菌の餌となることから、プレバイオティクスの1つとされている。


●有効性
俗に、「腸内環境を整える」「便通改善効果がある」「免疫力を高める」「虫歯になりにくい」などと言われており、乳児疝痛 (コリック) に有効性が示唆されているが、小児のアレルギー性鼻炎の予防に効果がないことが示唆されている。その他の有効性は、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。摂取により、下痢や鼓腸を引き起こすことがある。



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法規・制度

■食薬区分
・オリゴ糖:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■特定保健用食品
・特定保健用食品 (規格基準型) ガラクトオリゴ糖 (1日摂取目安量:2〜5 g) の保健用途表示は「ガラクトオリゴ糖が含まれておりビフィズス菌を増やして腸内の環境を良好に保つので、おなかの調子を整えます」。
・ガラクトオリゴ糖を関与成分とし、「おなかの調子を整える」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・4’-ガラクトシルラクトースを主成分とする (101) 。

分析法

・示差屈折計 (RID) を装着したHPLC法により分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ガラクトオリゴ糖を関与成分とし、「おなかの調子を整える」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。
・乳児疝痛 (コリック) に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2012年7月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報 (検索条件:期間≧2週) について検討したメタ分析において、早産児におけるプレバイオティクス (ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース) の摂取は、壊死性全腸炎 (5報) 、敗血症 (3報) の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:23786897)
RCT:国内
【機能性表示食品】便秘傾向の男女72名 (17〜45歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ガラクトオリゴ糖2.5 g/日 (30名) または5 g/日 (32名) 含有飲料を2週間摂取させたところ、排便回数、便性状、排便量、排便の容易さ便の色、腹部症状に影響は認められなかった (102) 。
【機能性表示食品】健康な女性51名 (平均19.7±1.2歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ガラクトオリゴ糖4.06 g/日含有飲料を3週間摂取させたところ、排便日数、排便回数、排便量、便形状、便色調、腹部症状に影響は認められなかった (103) 。
RCT:海外
【機能性表示食品】健康な成人37名 (50〜81歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ガラクトオリゴ糖4 g×2回/日を3週間摂取させたところ、便中ビフィズス菌量が増加した (PMID:21910949)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・小児のアレルギー性鼻炎の予防に効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT:海外
[乳児]
・健康な乳児156名 (試験群75名、ベルギー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (短鎖ガラクトオリゴ糖+長鎖フラクトオリゴ糖=9:1) 6 g/L含有乳児用調製乳を26週間摂取させたところ、便中の分泌型免疫グロブリンA (sIgA) 濃度、ビフィズス菌占有率の上昇、クロストリジウム属占有率、pHの低下が認められた。一方、大腸菌占有率に影響は認められなかった (PMID:18492847)
・児のアレルギーリスクが高い妊娠36週の妊婦891名 (試験群445名、平均30.8±4.8歳、フィンランド) と出生児を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (LGG 5×10 (9) cfu、Lactobacillus rhamnosus 5×10 (9) cfu、Bifidobacteriumu brebe 2×10 (8) cfu、Propionibacterium freudenreichii 2×10 (9) cfu) 含有のカプセルを、母親には2回/日を出産まで、出生児には0.8 gのガラクトオリゴ糖を加えて1回/日を6ヶ月齢まで摂取させたところ、出生児における5歳時でのアレルギー性疾患の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:19135235)
・アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎または喘息の家族歴がある乳児134名 (試験群66名、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、プレバイオティクス (短鎖ガラクトオリゴ糖+長鎖フラクトオリゴ糖8.0 g/L) 含有低アレルゲン調製乳を生後2週間以内より6ヶ月齢まで摂取させたところ、2歳までのアトピー性皮膚炎、喘息発作、アレルギー性蕁麻疹の発症リスク低下が認められた (PMID:18492839)
・アトピー性疾患の家族歴がある乳児345名 (イタリア) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、調製乳 (SF群104名) 、プレバイオティクス (ガラクトオリゴ糖:ポリデキストロース=1:1 4.0 g/L) 含有調製乳 (PF群118名) または母乳 (BF群123名) を生後48週齢まで摂取させたところ、PF群は、SF群と比較して、48週までの気道感染症の発症者数、96週までの再発者数の減少、48週までの気道感染症の平均回数、96週までの下気道喘鳴の減少が認められ、BF群と比較して、48週までの下痢頻度の減少が認められた (PMID:29494489)
[成人]
・健康な大学生419名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、テスト期間にガラクトオリゴ糖2.5 g/日 (140名、平均19.9±0.1歳) または5.0 g/日 (139名、平均 19.6±0.1歳) を8 週間摂取させたところ、2.5 g群で腹痛の減少、便性状 (ブリストルスケール) の点数上昇、、5.0 g群で下痢、便秘の減少、両群で消化不良症状の減少が認められた。一方、胸焼け症状、排便回数に影響は認められなかった (PMID:21525194)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

RCT:海外
・未熟児94名 (フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、プレバイオティクス (31名、ガラクトオリゴ糖:ポリデキストロース=1:1、600 mg/日を1ヶ月間、その後600 mg×2回/日を1ヶ月間) またはプロバイオティクス (31名、Lactobacillus rhamnosus GG、10 (9) cfu/日を1ヶ月間、その後10 (9) cfu×2回/日を1ヶ月間) を摂取させたところ、プロバイオティクス群で便中Clostridium histolyticumの割合が減少した。一方、いずれの群も腸内細菌叢の割合に影響は認められなかった (PMID:23915796)

肥満

メタ分析
・2013年9月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験26報について検討したメタ分析において、プレバイオティクス (フラクトオリゴ糖、イヌリン、ヤーコン、キシロオリゴ糖、大麦、ガラクトオリゴ糖、フルクタン、えんどう豆食物繊維など) の摂取は、満腹感 (3報) の上昇、糖代謝マーカー (食後血糖 (4報) 、食後インスリン (3報)) の上昇抑制と関連が認められた。一方、総エネルギー摂取量 (5報) 、ペプチドYY (3報) 、GLP-1 (4報) 、体重 (5報) 、TG (11報) 、CRP (4報) との関連は認められなかった (PMID:24230488)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
・摂取により、下痢や鼓腸を引き起こすことがある (94) 。
・健康な人50名 (日本) に、β1-4系ガラクトオリゴ糖 (0.23〜1.14 g/kg) 含有製品を摂取させた研究において、泥状便、および水様便を指標とした場合の最大無作用量は0.4 g/kg、下痢の50%発症量は0.48 g/kg以上であったという報告がある (1998195521) 。
・即時型アレルギー患者の血液を用いたヒスタミン遊離試験において、Bacillus circulans由来のβ-ガラクトシダーゼを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に含まれる4糖異性体がアレルゲンとして特定された。一方、Sporobolomyces singularisとKluyveromyces lactis由来のβ-ガラクトシダーゼを用いて製造されたガラクトオリゴ糖には、これら4糖異性体が少なかった (PMID:25036491)
・アレルギー患者487名 (5〜60歳、シンガポール) を対象にBacillus circulans由来β-ガラクトシダーゼを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対するプリックテストを行ったところ、30名 (6.2%) が陽性を示し、そのうち15名は好塩基球活性化試験も陽性であった。プリックテスト陽性者13名中6名が、経口負荷試験において、Bacillus circulans由来β-ガラクトシダーゼを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対してアレルギー症状を生じたが、Sporobolomyces singularisとKluyveromyces lactis由来β-ガラクトシダーゼを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対しては陰性であった (PMID: 25951913)
<妊婦・授乳婦>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<小児>
・母乳や乳児用調製乳に含まれる量、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<病者>
・自己免疫疾患患者 (多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ) では、症状を増悪させる可能性があるため、自己判断での摂取を避けること (94) 。
・ダニアレルギーのある人では、摂取によりアレルギー反応を引き起こす可能性がある (94) 。
<被害事例:国内>
・ホヤに対する喘息の既往歴がある4名を含む、牡蛎のむき身作業従業者およびその家族12名 (11〜80歳女性、日本) が、1-3または1-6結合で4糖以上のガラクトオリゴ糖2.7%含有乳酸菌飲料80 mLを摂取したところ、じんま疹、目の痒み、口唇のしびれ感、咳、呼吸困難などの症状が発生し、重症の2名は失神状態となったが、加療により改善した (1995009576) 。
<被害事例:海外>
・牛乳アレルギー以外のアレルギー疾患の既往歴がある小児4名 (5〜8歳、シンガポール) と成人1名 (38歳男性、シンガポール) が、短鎖ガラクトオリゴ糖入りフォローアップミルクを40〜250 mL摂取し、5〜30分後にアナフィラキシー症状を呈した。プリックテストおよび好塩基球活性化試験によって、短鎖ガラクトオリゴ糖によるアナフィラキシーと診断された (PMID:23102546)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・免疫抑制剤との併用は、薬効を減弱させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・摂取により、下痢や鼓脹を引き起こすことがある。
・妊娠中・授乳中の摂取は、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・自己免疫疾患患者、 (多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ) では、症状を増悪させる可能性があるため、自己判断での摂取を避けること。
・ダニアレルギーのある人では、摂取によりアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ガラクトオリゴ糖を関与成分とした特定保健用食品があるが、その他、人での有効性については情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(101) 財団法人 日本健康・栄養食品協会 特定保健用食品試験検査マニュアル
(1998195521) 日本臨床栄養学会雑誌. 1998; 19(3-4)41-7
(1995009576) 広島県立病院医誌. 1993; 25(1):19-27
(PMID:18492847) J Nutr. 2008 Jun;138(6):1141-7.
(PMID:19135235) J Allergy Clin Immunol. 2009 Feb;123(2):335-41.
(PMID:21525194) Am J Clin Nutr. 2011 Jun;93(6):1305-11.
(PMID:21910949) Br J Nutr. 2012 May;107(10):1466-75.
(PMID:23102546) J Allergy Clin Immunol. 2012 Dec;130(6):1361-7.
(PMID:23915796) J Pediatr. 2013 Nov;163(5):1272-7.
(PMID:23786897) Clin Nutr. 2013 Dec;32(6):958-65.
(PMID:24230488) Br J Nutr. 2014 Apr 14;111(7):1147-61.
(PMID:25036491) Biosci Biotechnol Biochem. 2014;78(1):100-8.
(PMID: 25951913) Allergy. 2015;70(8);1020-3
(PMID:18492839) J Nutr. 2008 Jun;138(6):1091-5.
(PMID:29494489) Nutrients. 2018 Mar 1;10(3). pii: E286.
(102) 日本食品新素材研究会誌. 2003; 6(2):55-66.
(103) 日本食物繊維学会誌. 2005; 9(1):22-33.

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