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循環器・ 呼吸器

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メタ分析
・2015年1月までを対象に、4つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ対照試験7報 (検索条件:期間≧2週間) について検討したメタ分析において、ケルセチンの摂取は、収縮期および拡張期血圧の低下と関連が認められたが、糖尿病患者を対象とした研究1報を除外した解析ではいずれも関連は認められなかった (PMID:27405810) 。
・2013年7月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、ケルセチンサプリメントの摂取は、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TG) との関連は認められなかった (PMID:25897620) 。
RCT
・過体重または肥満、前高血圧症または高血圧症、脂質異常症の成人22名 (平均48.1±10.9歳、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン54 mg×3回/日を6週間摂取させたところ、空腹時および試験食 (脂質エネルギー比50%) 摂取後の収縮期・拡張期血圧、RHI、高感度CRP、血管内皮機能指標 (エンドセリン-1、sICAM-1、sVCAM-1、sE-セレクチン、非対称性ジメチルアルギニン) 、血中脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、TG) 、糖代謝マーカー (血糖、インスリン) に影響は認められなかった (PMID:26924303) 。
・健康な成人32名 (平均30.4±7.3歳、イギリス) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、1日にオニオンケーキ150 gと紅茶300 mL (ケルセチン摂取量91.1 mg/日) を14日間摂取させたところ、LDLの酸化 (PMID:11022850) およびDNAの酸化損傷 (PMID:11177210) に影響は認められなかった。
・健康な成人1,000名 (18〜85歳、試験群665名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、1日にケルセチン500 mg、ビタミンC 125 mg、ナイアシン5 mg、または、ケルセチン1,000 mg、ビタミンC 250 mg、ナイアシン10 mgを12週間摂取させたところ、平均動脈圧、LDL-C、HDL-Cのごくわずかな低下がみられたが、収縮期・拡張期血圧、血糖値、TG、炎症マーカーなどに影響は認められなかった (PMID:21443986) 。
・軽症高血圧患者22名 (平均49.2±2.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン730 mg/日を28日間摂取させたところ、血圧の低下が認められたが、血中脂質、血糖値に影響は認められなかった (PMID:17951477) 。
・軽症高血圧患者12名 (平均41±12歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,095 mgを単回摂取させたところ、10時間後までの血圧の低下が認められたが、血漿ACE活性、ET-1、一酸化窒素、血管内皮機能 (FMD) に影響は認められなかった (PMID:22935338) 。
・健康な成人27名 (試験群13名、平均42.0±2.7歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照において、ケルセチン1.0 g/日を28日間摂取させたところ、血清脂質、血小板凝集、トロンボキサンB2産生、血圧、心拍に影響は認められなかった (PMID:9482769) 。
・高血圧前症または1度高血圧で過体重または肥満の成人68名 (平均47.4±10.5歳、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、タマネギ皮抽出物396 mg (ケルセチン162 mg) /日を6週間摂取させたところ、血圧 (24時間、昼間、夜間) 、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TG) 、糖代謝マーカー (空腹時血糖、インスリン、HbA1c、HOMA-IR) 、高感度CRP、血管機能 (エンドセリン-1、sE-セレクチン、sVCAM-1、sICAM-1、ACE、ADMA、End-PAT検査) 、尿中酸化ストレスマーカー (PMID:26328470) 、レプチン、アディポネクチン、TNF-α、HOMA- adiponectin、肝機能マーカー、腎機能マーカー (PMID:27423432) に影響は認められなかった。
・健康な男女37名 (平均66.4±7.9歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン-3-グルコシド 160 mg/日を4週間摂取させたところ、血管内皮機能マーカー (sE-セレクチン) 、炎症マーカー (IL-1β) 、糖化反応マーカー (メチルグリオキサール) の低下が認められた。一方、血圧、血管内皮機能 (FMD) 、血管内皮機能マーカー (sVCAM-1、sICAM-1、vWf、MCP-1、NO、エンドセリン) 、炎症マーカー (IL-6、IL-8、TNF-α、CRP、SAA) 、糖代謝マーカー (血糖、インスリン、HOMA-IR) 、血清脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、TG) 、糖化反応マーカー (グリオキサール、 3-デオキシグルコソン、遊離およびタンパク質結合AGEs) に影響は認められなかった (PMID:25934864) (PMID:25972527) (PMID:30398646) 。

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消化系・肝臓
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調べた文献の中に見当たらない。
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糖尿病・ 内分泌
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RCT
・多嚢胞性卵巣症候群の女性82名 (試験群42名、平均29.45±4.09歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン500 mg×2回/日を12週間摂取させたところ、血清アディポネクチン濃度の上昇、黄体形成ホルモン、テストステロン濃度および糖代謝指標 (空腹時血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR)の低下が認められたが、体重、BMI、ウエスト/ヒップ比、性ホルモン結合グロブリン濃度に影響は認められなかった (PMID:27824398) 。
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生殖・泌尿器
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一般情報
・慢性の非感染性慢性前立腺炎の痛みとQOLの改善に有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・非感染性慢性前立腺炎の患者30名 (試験群15名、平均46.2±4.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照において、ケルセチン500 mg×2回/日を1ヶ月間摂取させたところ、症状の評価 (National Institute of Health Chronic Prostatitis Symptom Index) のうち痛み、QOLの改善が認められたが、排尿障害に影響は認められなかった (PMID:10604689) 。
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脳・神経・ 感覚器
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RCT
・運動習慣のある成人58名 (試験群29名、平均22.0±5.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1 g/日を42〜54日間摂取させたところ、気分や疲労の評価 (POMS短縮版、Mental and Physical State Energy and Fatigue Scales) 、睡眠の質 (ピッツバーグ睡眠質問票) に影響は認められなかった (PMID:21634303) 。
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免疫・がん・ 炎症
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メタ分析
・2018年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ対照試験10報 (検索条件:年齢≧18歳、期間≧1週間) について検討したメタ分析において、ケルセチンの摂取は、炎症マーカー (CRP (6報) 、IL-6 (5報) 、TNF-α (4報)) に影響を与えなかった (PMID:31213101)
・2016年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報 (検索条件:年齢≧18歳、期間≧14週) について検討したメタ分析において、ケルセチンサプリメントの摂取は、血中CRP値の低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:28537580) 。
・2016年6月までを対象に2つのデータベースで検索できた食事由来のフラボノイド摂取量とがん発症リスクに関する観察研究 (症例対照研究またはコホート研究) 143報について検討したメタ分析において、ケルセチンの摂取は、症例対照研究でのみ胃がん (2報) 、大腸がん (3報) のリスク低下との関連が認められたが、乳がん、卵巣がん、肺がん、すい臓がん、前立腺がんとの関連は認められなかった (PMID:27943649) 。
・2012年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験25報について検討したメタ分析において、フラボノイドの多い食品 (19、18報) やケルセチン (6、3報) 、ダイズ (6、7報) の摂取は炎症マーカー (TNF-α、IL-6) との関連は認められなかった (PMID:23471810) 。
RCT
・スギ花粉症の成人24名 (試験群12名、平均36.1±10.3歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、酵素処理イソクエルシトリン (ケルセチン配糖体) 50 mg×2回/日を、スギ花粉飛散前から飛散期にかけて8週間摂取させたところ、花粉症重症度指標における目の症状と薬物使用の合計スコアの改善が認められたが、鼻の症状、QOL、ADLに影響は認められなかった (PMID:19454839) 。
・健康な女性120名 (試験群78名、30〜79歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン500 mg/日または1,000 mg/日を12週間摂取させたところ、免疫機能や炎症反応 (白血球サブセット数、IL-6、TNF-α、NK細胞活性、顆粒球酸化バースト活性、貪食作用) に影響は認められなかった (PMID:20500927) 。
・関節リウマチ患者20名 (平均52.1±10.3歳、韓国) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照において、ケルセチン166 mg+ビタミンC 133 mgまたはα-リポ酸300 mg含有カプセルを3個/日、4週間摂取させたところ、血清中炎症マーカー (IL-6、IL-1β、TNF-α、CRP) や症状 (KHAQ、VAS) に影響は認められなかった (PMID:19571161) 。
・変形性関節症患者40名 (試験群20名、平均55.1±10.9歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、塩酸グルコサミン1,200 mg/日+コンドロイチン硫酸60 mg/日+ケルセチングリコシド45 mg/日を16週間摂取させたところ、症状評価の4項目中2項目と総得点、痛み評価の3項目中1項目でのみ改善が認められた (PMID:21969261) 。
・健康な成人1,002名 (平均46.0±0.5歳、試験群667名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン500 mg/日または1,000 mg/日を12週間摂取させたところ、40歳以上の運動習慣がある1,000 mg/日摂取のグループでのみ上気道感染症の罹患期間の短縮および重症度の低下がみられたが、全体としては、上気道感染症リスクに影響は認められなかった (PMID:20478383) 。
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骨・筋肉
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RCT
・学生アメリカンフットボール選手39名 (試験群19名、平均20.0±1.5歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、酵素処理イソクエルシトリン (ケルセチン配糖体) 42 mg/日を乳清タンパク質13.3 gとともに6回/週、トレーニング直後に4ヶ月間摂取させたところ、下肢筋肉量の増加が認められた。一方、除脂肪体重に影響は認められなかった (PMID:31500646) 。
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発育・成長
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調べた文献の中に見当たらない。
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肥満
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一般情報
・ケルセチン配糖体(イソクエルシトリン)を関与成分とし「体脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
RCT
・過体重または肥満の女性37名 (試験群18名、平均44.6±7.6歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、タマネギの皮由来ケルセチン100 mg/日を12週間摂取させたところ、体組成 (体重、BMI、除脂肪体重、体脂肪量、体脂肪率) 、肝機能マーカー (AST、ALT) 、血漿レプチン、アディポネクチン、ビスファチン、TNF-α、IL-4濃度に影響は認められなかった (PMID:27812515) 。
・過体重、肥満を含む健康な成人 941名 (18〜85歳、試験群619名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン500 mg/日、ビタミンC 500 mg/日、ナイアシン20 mg/日、またはその倍量を12週間摂取させたところ、体重や身体組成に影響は認められなかった (PMID:21574787) 。
・健康な男性49名 (平均59.4±0.9歳、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン50 mgX3/日を8週間摂取させたところ、ウエスト径、血中TNF-α、食後4時間での収縮期血圧の低下、空腹時HDLーCの上昇が認められたが、BMI、体重、空腹時血圧、TC、LDL-C、血管機能指標 (s-E-セレクチン、s-VCAM、s-ICAM、8-iso-PGF2α) 、酸化LDL、グルタチオン濃度、CRP、空腹時および食後の血糖値、インスリン濃度、TGに影響は認められなかった (PMID:22118955) 。
・過体重または肥満の男女195名 (試験群97名、平均42±1歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン配糖体 (エンジュポリフェノール) 275 mg/日を12週間摂取させたところ、内臓脂肪および腹部皮下脂肪面積、ウエスト径、ヒップ径、背部皮下脂肪厚の減少量の増加が認められたが、体重、BMI、腕の皮下脂肪厚、血圧、脂肪重量、除脂肪体重に影響は認められなかった (2009122225) 。
・肥満 (肥満1度) の男女172名 (試験群83名、平均47.3±1.1歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン配糖体 (イスクエルシトリン) 110 mg/日を12週間摂取させたところ、内臓脂肪面積の減少量の増加が認められたが、腹部皮下脂肪面積、体重、BMI、体脂肪率、ウエスト径、ヒップ径、皮下脂肪厚、血圧に影響は認められなかった (2012297252) 。
・肥満 (肥満1度) の男女116名 (試験群57名、平均44.4±1.1歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン配糖体 (イスクエルシトリン) 110 mg/日を24週間摂取させたところ、内臓脂肪および腹部皮下脂肪面積の減少量の増加が認められたが、体重、BMI、ウエスト径、ヒップ径、皮下脂肪厚、血圧、脂肪重量、除脂肪体重に影響は認められなかった (2013114109) 。
・肥満 (肥満1度) の男女200名 (試験群100名、平均45.7±1.0歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン配糖体 (イスクエルシトリン) 110 mg/日を12週間摂取させたところ、内臓脂肪面積および腹部皮下脂肪面積、上腕皮下脂肪厚の減少量の増加が認められたが、体重、BMI、ウエスト径、ヒップ径、背部皮下脂肪厚、血圧に影響は認められなかった (2015345461) 。
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その他
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<運動>
・ケルセチンの摂取と運動パフォーマンスとの関連についての報告があるが、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在している。個々の情報は以下の通り。
≪運動パフォーマンスやダメージとの関連が示唆されたという報告≫
RCT
・運動習慣のない健康な成人12名 (平均22.9±2.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン500 mg×2回/日を7日間摂取させたところ、自転車走行におけるVO2maxや運動キャパシティの増加が認められた (PMID:20190352) 。
≪運動パフォーマンスやダメージへの影響は限定的であったという報告≫
メタ分析
・2010年7月までを対象に5つのデータベースで検索できた臨床試験11報について検討したメタ分析において、ケルセチンの摂取はVO2maxや持久力の向上と関連が認められたが、その影響は軽度であった (PMID:21606866) 。
RCT
・自転車競技選手39名 (試験群27名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日を単独または、カテキン (EGCG) 120 mg/日、イソケルセチン400 mg/日、EPA+DHA 400 mg/日と併用で、トレーニング2週間前から、トレーニング中3日間とトレーニング終了2週間後まで摂取させたところ、併用群 (平均28.1±2.8歳) でのみ、運動後の血漿中IL-6、IL-10、CRP濃度の低下が認められた(PMID:19516153) 。
・健康な若年成人男性26名 (平均20.2±0.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日を2週間摂取させたところ、12分トレッドミル走行距離の増加が認められたが、心拍、VO2max、筋ミトコンドリアバイオジェネシスに影響は認められなかった (PMID:19927026) 。
≪運動パフォーマンスやダメージと関連が認められなかったという報告≫
RCT
・健康な男性30名 (試験群15名、平均23.1±2.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1 g/日を9〜16日間摂取させたところ、筋有酸素能、VO2max 、サイクリングテストによる運動能力に影響は認められなかった(PMID:19679747) 。
・トレーニング習慣のある成人58名 (試験群29名、平均22.0±5.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1 g/日を42〜54日間摂取させたところ、トレッドミル走行におけるVO2maxや身体能力評価 (APFT、BMPU、WanT、36.6m走) に影響は認められなかった (PMID:20968271) 。
・トレーニング習慣のある男性15名 (平均23.3±2.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン-3-グルコシド500 mg×2回/日を1週間摂取させたところ、繰り返しの短距離走タイムや血中の酸化・炎症マーカー (キサンチンオキシダーゼ、IL-6、尿酸) に影響は認められなかった (PMID:21558570) 。
・成人ランナー20名 (平均38.4±2.1歳、オーストリア) を対象としたクロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、トレッドミル走行の15分前にケルセチンベースのキャンディ (ケルセチン1,000 mg、EGCG 120 mg、イソケルセチン400 mg、EPA 400 mg、DHA 400 mg、ビタミンC 1,000 mg、ナイアシンアミド40 mg含有) を摂取させたところ、運動パフォーマンス (VO2max、心拍など) や 運動後の血中炎症マーカー (全白血球数、CRP、9種のサイトカイン、顆粒球および単球による食作用、活性酸素産生能) に影響は認められなかった (PMID:21813917) 。
・運動習慣のない成人11名 (平均19.8±3.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日を5日間摂取させたところ、トレッドミル走行におけるVO2maxに影響は認められなかった (PMID:20054739) 。
・日常的にハードなトレーニングを行っている男性16名 (平均22±3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日を8.5日間摂取させたところ、トレッドミル走行におけるVO2maxやタイムトライアルに影響は認められなかった (PMID:22614228) 。
・160 kmマラソン大会の参加者39名 (試験群18名、平均44.2±2.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日をレース3週間前から2週間後まで摂取させたところ、レースタイムや主観的運動強度 (PMID:19479626) 、運動による筋損傷マーカー (コルチゾール、クレアチンキナーゼ濃度) 、炎症・免疫・酸化マーカー (CRP、IL-6、IL-10、G-CSF、IL-8、IL-1ra、TNF-α、MCP-1、MIP-1β、MIF-1、F2-イソプロスタン濃度、NK細胞数、顆粒白血球活性酸素産生能、唾液中IgA濃度、血中好中球数、単球数など) の変化 (PMID:18184041) (PMID:19164830) 、レース2週間後までの上気道感染リスク (PMID:18213545) に影響は認められなかった。
・自転車競技選手40名 (試験群20名、平均26.1±1.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ケルセチン1,000 mg/日をトレーニング3週間前から3日間のトレーニング終了まで摂取させたところ、運動後の白血球IL-10、IL-8 mRNAが低下したが、その他の白血球および筋サイトカインのmRNAや炎症・免疫・疲労マーカー (IL-6、IL-10、IL-8、IL-1ra、TNF-α、MCP-1、CRP、F2-イソプロスタン、コルチゾール、エピネフリン、ノルエピネフリン濃度、免疫細胞数、NK細胞活性、PHA-LP反応、多形核白血球活性酸素産生能、唾液中IgA濃度、血漿抗酸化能など) (PMID:17717114) (PMID:17805089) (PMID:18347680)、運動パフォーマンス (VO2、主観的運動強度、運動効率、筋グリコーゲン量など) (PMID:20029506) に影響は認められなかった。また、その後2週間摂取を継続させたところ、上気道感染リスクの低下が認められた (PMID:17805089) 。
・健康な成人男性10名 (18〜37歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照において、ケルセチン2,000 mgを単回摂取させたところ、自転車エルゴメーターによる心拍や運動パフォーマンスに影響は認められなかった (PMID:19020291) 。
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参
考
情
報
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試験管内・
動物他での 評価
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・動物実験 (ラット) において、ケルセチン100 mg/kgを5回/週、7週間摂取させたところ、NK細胞活性が上昇した (PMID:9543707) 。
・ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおいて、ケルセチン70 mg/kg含有食を28週間摂取させたところ、腎臓がんの悪化が認められた (PMID:20669956) 。
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