健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ハイビスカス、ロゼル、ローゼル、ロゼルソウ [英]Hibiscus、roselle [学名]Hibiscus sabdariffa L.

概要

ハイビスカスは、アフリカ原産で、熱帯地方で広く栽培されているアオイ科の常緑低木である。食品や茶飲料などの香りや風味づけに利用される。

●有効性
俗に、「疲労回復によい」「美容効果がある」「利尿作用がある」「便秘を解消する」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
花、萼、葉、茎、種子を通常の食事に取り入れて摂取する場合、おそらく安全であるが、流産を誘発する可能性があるため、妊娠中は危険性が示唆されている。また、授乳中の多量摂取も危険性が示唆されている。



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法規・制度

■食薬区分
・果実、萼:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■食品添加物
・一般飲食物添加物
 ハイビスカス色素:着色料
・天然香料基原物質リスト
 ハイビスカス (ローゼル) が収載されている。

■海外情報
・米国では、GRASに該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アルカロイド (ダフィニフィリン) 、アントシアニン (ヒビシトリン、ヒビスシン、デルフィニジン3-サンビオシド) 、酒石酸、ヒドロキシコハク酸などを含む (101) 。

分析法

・萼から抽出した (2S,3S)-ヒドロキシクエン酸および (2S,3R)-ヒドロキシクエン酸をNMRにより分析した報告がある (PMID:16116285)

有効性








循環器・
呼吸器


RCT:海外
・メタボリックシンドロームの成人35名 (試験群18名、平均47.66±4.32歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ハイビスカス萼粉末500 mg/日を4週間摂取させたところ、血中脂質 (TG) の低下が認められた。一方、糖代謝マーカー (空腹時血糖、インスリン) 、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C) 、拡張期血圧、酸化ストレスマーカー (MDA) 、炎症マーカー (高感度CRP) に影響は認められなかった (PMID:26982618)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

RCT:海外
・サッカー選手の男性49名 (18〜25歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、トレーニング後に緑茶抽出物 (16名) またはハイビスカス萼抽出物 (17名) を450 mg/日、6週間摂取させたところ、いずれの群でも酸化ストレスマーカー (MDA) の低下、総抗酸化能の上昇が認められた。一方、筋損傷マーカー (AST、クレアチンキナーゼ、LDH) に影響は認められなかった (PMID:27736246)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・花、萼、葉、茎、種子を通常の食事に取り入れて摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・葉抽出物、萼の摂取により、腹部膨満、鼓腸、上腹部痛などの一時的な胃腸症状、排尿障害、呼吸困難、振戦、頭痛、耳鳴りを生じる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・月経刺激作用により流産を誘発する可能性があるため、花、萼、葉、茎、種子の妊娠中の摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・花、萼、葉、茎、種子の授乳中の多量摂取は、危険性が示唆されている (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
<病者>
・糖尿病患者は、低血糖のリスクが高まる可能性がある (94) 。
・低血圧患者は、低血圧のリスクが高まる可能性がある (94) 。
・血糖値に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・非小細胞肺癌のためにエルロチニブ (抗がん剤:CYP3A4、CYP1A2基質) を5年間服用中の女性 (年齢不明、フランス) が、ハイビスカス花の茶を日常的に摂取していたところ (摂取量、期間不明) 、重度の皮膚障害を認めたが、ハイビスカス花の茶の摂取中止と加療により改善した (PMID:28434514)
<ヒト試験>
・健康な成人男性6名 (平均28.5±1.67歳、ナイジェリア) を対象とした介入試験において、アセトアミノフェン (解熱鎮痛薬) 1 g服用の1時間半前にハイビスカス萼熱水抽出物1 Lを単回摂取させたところ、アセトアミノフェンの血中濃度 (Cmax、AUC) には影響を及ぼさなかったが、排出半減期が短縮した (PMID:15151167)
・健康な成人男性6名 (平均23.9±12歳、スーダン) を対象とした介入試験において、空腹時にクロロキン (抗マラリア剤) 600 mgとともにハイビスカス飲料300 mLを単回摂取させたところ、クロロキンの血中濃度 (Cmax、AUC) が低下、半減期が短縮した (PMID:8089046)
・健康な成人男性6名 (平均23.14±3.98歳、ナイジェリア) を対象としたクロスオーバー無作為化比較試験において、シンバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、OATP1B1基質) 40 mgとともにハイビスカス萼水抽出物300 mLを単回摂取させたところ、シンバスタチンのクリアランスが増加し、血中濃度 (Cmax、AUC) が低下した (PMID:28925046)
<動物・試験管内>
・動物実験 (脂質異常症モデルラット) において、ハイビスカス萼水抽出物とシンバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、OATP1B1基質) の併用は、シンバスタチン単独摂取に比較して、HDL-C、TGには影響を及ぼさなかったが、TC、LDL-Cを減少させた (PMID:28925046)
・動物実験 (脂質異常症モデルラット) において、ハイビスカス萼水抽出物はシンバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、OATP1B1基質) の血中濃度 (Cmax、AUC) を低下させ、クリアランスを増加した (PMID:28925046)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ハイビスカスのエタノール抽出物は、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4の活性を阻害した (PMID:24146485)
<理論的に考えられる相互作用>
・糖尿病治療薬や血糖低下作用があるハーブやサプリメントとの併用は、相加作用により低血糖のリスクを高める可能性がある (94) 。
・高血圧治療薬や血圧低下作用があるハーブやサプリメントとの併用は、相加作用により低血圧のリスクを高める可能性がある (94) 。
・ビタミンB12の吸収を増加させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・萼エタノール抽出物を投与:ラット (経路不明) (間欠的) 2,800〜5,600 mg/kg/4週 (91) 。
・萼メタノール水 (4:1) 抽出物を投与:ラット経口 250 mg/kg、(間欠的) 3,750 mg/kg/15日 (91) 。
・水で煎じたものを投与:ヒト経口 (間欠的) 25.68 g/kg/12日、マウス経口 (間欠的) 700 mg/kg/7日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・花:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・花、萼、葉、茎、種子を通常の食事に取り入れて摂取する場合はおそらく安全である。
・花、萼、葉、茎、種子の妊娠中の摂取や授乳中の多量摂取は危険性が示唆されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:8089046) J Antimicrob Chemother. 1994 May;33(5):1005-9.
(PMID:15151167) Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2004 Jan-Mar;29(1):25-9.
(PMID:24146485) Afr J Tradit Complement Altern Med. 2013 Apr 12;10(3):533-40.
(94) Natural Medicines
(PMID:27736246) J Diet Suppl. 2017 May 4;14(3):346-357.
(PMID:28925046) J Clin Pharm Ther. 2017 Dec;42(6):695-703.
(PMID:28434514) J Thorac Oncol. 2017 May;12(5):e47-e48.
(PMID:16116285) Biosci Biotechnol Biochem. 2005 Aug;69(8):1555-61.
(101) 健康・機能性食品の起源植物事典
(102) 学名で引く食薬区分リスト
(PMID:29147120) ARYA Atheroscler. 2017 May;13(3):109-116.
(PMID:26982618) J Complement Integr Med. 2016 Jun 1;13(2):175-80.

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