健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

チア、チアシード [英]Chia、Chia seed [学名]Salvia hispanica.

概要

チアは、中央アメリカ原産のシソ科の1年草で、高さ約1 mに生長する。種子はチアシードとよばれ、生のまま、または浸漬させ膨潤したものを飲用や食用とする。


●有効性
俗に、「ダイエットによい」「アンチエイジングによい」「血圧を下げる」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
短期間、適切に摂取する場合は安全性が示唆されている。妊娠中・授乳中は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断での摂取を控えること。前立腺がん患者は、症状を進行させる可能性がある。



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法規・制度

■食薬区分
・全草:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」が該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・チアシードは、タンパク質 (15〜25%) 、脂質 (30〜33%) 、炭水化物 (26〜41%) 、食物繊維 (18〜30%) 、カルシウム、マグネシウム、鉄などを含み、脂質の60%はα-リノレン酸、20%はリノール酸からなる (PMID:23251075) が、産地や生育環境・年数によって大きく変動する (PMID:19491529)

分析法

・チアシードのタンパク質およびアミノ酸を電気泳動、質量分析にて分析した報告がある (PMID:23240604)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

メタ分析
・2016年12月までを対象に13のデータベースで検索できた無作為化比較試験13報について検討したメタ分析において、チアシードの摂取は、体組成 (体重 (5報) 、体脂肪率 (4報) 、BMI (2報) 、ウエスト径 (3報) ) 、糖代謝マーカー (HbA1c (2報) 、空腹時血糖値 (6報) 、空腹時インスリン濃度 (3報) 、食後血糖値 (4報)) 、炎症マーカー (CRP (5報) 、IL-6 (3報) 、IL-8 (2報) 、IL-10 (2報) 、TNF-α (3報)) 、血管内皮機能マーカー (vWf (2報)) 、血中脂質 (TC (6報) 、LDL-C (5報) 、HDL-C (5報) 、TG (5報)) 、血圧 (収縮期 (6報) 、拡張期 (4報)) 、肝機能マーカー (AST、ALT (各2報)) 、腎機能マーカー (血中クレアチニン濃度、BUN (各2報)) との関連は認められなかった (PMID:29452425)

RCT:海外
・過体重または肥満の閉経後女性56名 (49〜75歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、全粒 (16名) または粉砕 (14名) のチアシード25 g/日を10週間摂取させたところ、体組成 (体重、体脂肪率) 、血糖値、血中脂質 (コレステロール) 、血中炎症マーカー (CRP、IL-6、TNF-α、IL-8、IL-10) 、収縮期血圧、脈波増大係数に影響は認められなかった (PMID:22830971)
・過体重または肥満の成人26名 (試験群19名、平均48.8±1.8歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、チア粉末35 g/日を12週間摂取させたところ、体重、BMI、体脂肪率、ウエスト径、空腹時血糖、血中脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、VLDL-C、TG) に影響は認められなかった (PMID:25726210)
・過体重または肥満の2型糖尿病患者58名 (試験群27名、平均60±2歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、エネルギー制限食とともにチアシード平均39.8 g/日を6カ月間摂取させたところ、オート麦ふすま主体の対照群と比較して、体重、ウエスト径、体脂肪率の減少が認められた (PMID:28089080)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。

<被害事例>
・鼻炎、喘息があり、花粉および猫に感作された54歳男性 (スペイン) が、コレステロール値低下のためにチアシードを摂取していたところ (摂取量不明) 、数日後に口腔掻痒感を生じ、3日後に全身性蕁麻疹、顔面浮腫、呼吸困難、めまいを生じて救急搬送され、加療により改善した。プリックテストにて、チアシードによる即時性アナフィラキシーと診断された (PMID:25898695)
・アレルギー性鼻炎があり、ダニおよび花粉に感作された46歳男性 (スペイン) が、チアシードを含む食事を摂取しはじめたところ (摂取量不明) 、手の湿疹、掻痒を生じ、摂取中止により改善した。プリックテストにて、チアシードに対する即時性アレルギーと診断された (PMID:29461209)
・喘息、季節性アレルギー、嚥下障害がある39歳男性 (アメリカ) が、コップ1杯の水で乾燥チアシード大さじ1杯を摂取した直後に上腹部の不快感や口腔機能の低下を生じ、12時間後に嚥下障害の悪化を認め、医療機関を受診。食道狭窄が原因で食道内にチアシードのハイドロゲルが形成されたことによる食道閉塞が認められたが、加療により改善した (101) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・種子:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・短期間、適切に摂取する場合は安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断での摂取を控えること。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(PMID:23251075) J Biomed Biotechnol. 2012;2012:171956.
(PMID:19491529) J Oleo Sci. 2009;58(7):347-54.
(PMID:23240604) J Agric Food Chem. 2013 Jan 9;61(1):193-201.
(PMID:22830971) J Altern Complement Med. 2012 Jul;18(7):700-8.
(PMID:22090467) J Nutr. 2012 Jan;142(1):64-9.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第1版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:25726210) Nutr Hosp. 2014 Dec 14;31(3):1176-82.
(PMID:28089080) Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2017 Feb;27(2):138-146.
(PMID:29452425) Nutr Rev. 2018 Apr 1;76(4):219-242.
(PMID:25898695) J Investig Allergol Clin Immunol. 2015;25(1):55-6.
(PMID:29461209) J Investig Allergol Clin Immunol. 2018;28(1):46-47.
(101) Am. J. Gastroenterol. 2014;109: S244-5.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添1、別添2、一部改正について)

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