■タイトル
厚生労働省が平成23年度「インターネット販売製品の買上調査」結果を公表 (その2) (121115)
■注意喚起および勧告内容
2012年11月13日、厚生労働省が平成23年度「インターネット販売製品の買上調査」結果を公表 (下記の一覧参照) 。厚生労働省は当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関または最寄りの保健所に相談するように勧告。
製品名 | 写真 | 検出物質 | ゼニカル xenical |   | オリスタット | 美秀身 |   | シブトラミン、 フェノールフタレイン | (糸千)美姿清脂 嚢 |   | シブトラミン、 フェノールフタレイン | 終 痩 |   | シブトラミン、 フェノールフタレイン | 花茶の語-消全身緑茶 |   | シブトラミン |
■解説
厚生労働省による買上調査によって判明した事例。平成13年より、店舗で販売されている製品について、「無承認無許可医薬品等買上調査」が実施されているが、平成23年度からはインターネット上で販売されている製品についても買上調査が実施されることとなった。痩身用健康食品を対象として、海外に所在地のある販売サイトから購入し分析したところ、12製品中5製品から医薬品成分であるシルデナフィル、タダラフィル、シブトラミンなどを検出。
■関連成分
オルリスタット、オーリスタット (orlistat)
米国では処方薬および一般薬として認可されているが、日本国内では未承認。
慢性吸収障害、胆汁うっ滞、オルリスタットおよび関連化合物に過敏症をもつ患者では禁忌。甲状腺機能低下症などの器質性肥満の患者は処方外。神経性食欲不振症 (拒食症) および過食症の患者への処方は不適切。妊娠中の使用は推奨されない。授乳中は摂取すべきではない。併用により免疫抑制薬のシクロスポリンの血中濃度を低下させるため、両剤の同時服用は禁止。
脂質分解酵素であるリパーゼを可逆的に阻害し、食事由来脂質の消化管吸収を抑制する作用があるため、食事由来の脂溶性ビタミンおよびカロテノイド類の吸収が低下する。脂溶性である抗不整脈薬のアミオダロンの吸収を抑制するという報告がある。
【適応】肥満症
【副作用】医薬品の作用メカニズムに由来する消化器症状。放屁、便意切迫、脂肪便、排便の増加および便失禁
シブトラミン (sibutramine)
シブトラミンは、1997年に肥満抑制薬としてアメリカFDAの許可を受けたが、日本では未承認。副作用として血圧上昇および心拍数増加などが報告され、心臓病の方は服用を避けたほうがよいとされている。アメリカ国内ではFDAの許可後、2003年8月までに54例の死亡事例 (うち30例は心血管が原因) が報告された。2005年8月、FDAはシブトラミンの使用停止に関する消費者団体の請願書に対し、シブトラミンの使用に細心の注意を呼びかけ、その安全性を監視することにより、引き続き医薬品として承認していくことを公表した。しかし、心血管疾患歴のある患者では心血管疾患再発リスクが高くなるという欧州で実施されたSCOUT試験 (Sibutramine Cardiovascular OUTcome Trial) の結果をうけ、2010年10月、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでメーカーによる任意回収が決定。開発したメーカーはすでに販売・流通を中止している。2010年11月、インド医薬品規制当局 (Drugs Controller General of India、DCGI) も販売を禁止した。
フェノールフタレイン (phenolphthalein)
塩基性で赤色を示す (変色域はpH8〜10) pH指示薬の1つ。以前は医薬品 (下剤) として使用されたこともあるが、発がん性などのおそれがあるため、現在は医薬品として使用されていない。
■関連情報
厚生労働省ウェブページ→「平成23年度「インターネット販売製品の買上調査」の結果について(平成24年11月13日) 」
外国製健康食品の入手や個人輸入等についての注意事項等→「健康食品や医薬品、化粧品、医療機器等を海外から購入しようとされる方へ (厚生労働省作成2012年版) 」
健康食品に関する注意喚起情報→当サイト「最新ニュース」
当サイト内でのシブトラミン検索結果→こちら、フェノールフタレイン検索結果→こちら、オルリスタット (オーリスタット) 検索結果→こちら
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