健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

サトウダイコン、甜菜、ビーツ [英]Beet、Beet Greens、Beetroot、Fodder Beet、Garden Beet、Green Beet、 Mangel、Mangold、Red Beet、Scandinavian Beet、Sugarbeet、Whitebeet、Yellow Beet [学名]Beta Vulgaris L. var.altissima Doll、Beta vulgaris var. esculenta.

概要

サトウダイコンは、ヨーロッパ、北アフリカ、中央アジアが原産のアカザ科多年草。高さは60〜80 cm程度に生長する。野菜として根や葉を食したり、砂糖の原料として根が利用されている。


●有効性
俗に、「肝疾患によい」「疲労回復効果がある」「がんによい」などと言われているが、ヒトでの有効性については、有酸素運動の能力向上に対して有効性が示唆されているものの、その他の有効性に関しては調べた文献の中に信頼できる十分なデータが見当たらない。


●安全性
通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、妊娠中・授乳中の多量摂取については、信頼できる十分な情報が見当たらない。



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法規・制度

・サトウダイコン (ビート) 全草が「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・根から抽出されたビートレッドは既存添加物 (用途:着色料) としての使用が認められている (78) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ショ糖、ブドウ糖、ベタイン、ペクチン、グルタミン、サポニン、有機酸、酵素、シュウ酸塩 (29) 、硝酸塩 (94) などを含む。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2017年までを対象に3つのデータベースで検索できた、無作為化比較試験22報について検討したメタ分析において、サトウダイコン根ジュースの摂取は、収縮期血圧 (17報) 、拡張期血圧 (19報) 低下との関連が認められた (PMID:29141968)
・2014年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、無機硝酸塩またはサトウダイコン根サプリメント摂取は、血管内皮機能向上との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:25764393)
RCT
・健康な成人30名 (平均42.5±3.4歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根 (72%) + リンゴ (28%) ジュースを500 g摂取させたところ、摂取後24時間の平均血圧に影響は認められなかった (PMID:23231777)
・正常高値〜軽度高血圧の男女37名 (平均58.5±10.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出物500 mg+グリーンコーヒー豆抽出物100 mg+サトウダイコン粉末150 mg含有タブレット2錠/日を6週間摂取させたところ、BMI、血圧 (診察室血圧、24時間血圧、昼間血圧、夜間血圧) 、心拍数、動脈伸展性、空腹時血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR、血中脂質 (TG、HDL-C、LDL-C、TC、TC/HDL-C比) に影響は認められなかった (PMID:25379688)
・慢性閉塞性肺疾患患者15名 (平均63±13歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース70 mL×2回 (300 mg NO3-) /日を7日間摂取させたところ、6分間歩行検査における距離、心拍数、血中乳酸濃度、主観的運動強度に影響は認められなかった (PMID:28670117)
・健康な高齢者12名 (平均64±4歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース70 mL×2回 (9.6 mmol NO3-) /日を2.5日間摂取させたところ、収縮期、拡張期血圧、平均動脈圧の低下、中程度の運動負荷時のVO2平均反応時間の短縮が認められた。一方、VCO2や換気量、呼吸交換率、心拍数に影響は認められなかった。また、高強度および低強度運動負荷による筋代謝反応、認知機能にも影響は認められなかった (PMID:23174856)
・健康な男性14名 (平均22±1歳、韓国) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース70 mL (6.4 mmol NO3-) /日を15日間摂取させたところ、安静時および運動負荷時の血圧 (拡張期、収縮期、平均動脈圧) の低下、心機能 (拍出量、末梢抵抗値、ダブルプロダクト)の改善が認められた。一方、血流依存性血管拡張反応、心拍数に影響は認められなかった (PMID:26087693)
・トライアスロン選手の男性12名 (平均39.3±7.5歳、スペイン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、持久力訓練の3時間前にサトウダイコン根ジュース70 mL (6.5 mmol NO3-) を摂取させたところ、心肺機能マーカー (VCO2) の上昇が認められた。一方、心拍数、呼吸商、VE、VO2、運動パフォーマンス、血中乳酸濃度、エネルギー消費量、炭水化物および脂質酸化に影響は認められなかった (PMID:30286760)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・有酸素運動の能力向上に対して有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・健康な成人11名 (平均25±4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根200 gを摂取し75分後に5 kmトレッドミル走行を実施させたところ、はじめの1.6 kmの主観的運動強度の低下と最後の1.8 kmの走行速度の短縮が認められたが、全体の速度、心拍、血圧に影響は認められなかった (PMID:22709704)
・自転車競技選手の男性11名 (平均29.3±5.1歳、カナダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース70 mL (6.5 mmol NO3-) を運動の2時間前に摂取させたところ、正常酸素濃度および低酸素濃度での自転車エルゴメーター50%負荷運動時におけるVO2、エクササイズエコノミー、換気量、心拍数、酸素飽和度および10 km走行タイムトライアルの結果に影響は認められなかった (PMID:25811674)
・ランニング習慣のある男性14名 (27.8±3.4歳、ブラジル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース420 mL (8.4 mmol NO3-相当) /日を10 kmランニングの3日前から2時間前まで摂取させたところ、中盤 (4 km〜8 km) の平均速度の上昇が認められた。一方、走行時間、10 km平均速度、最大心拍数、主観的運動強度、最大乳酸濃度、血糖に影響は認められなかった (PMID: 29986146)
・サッカー選手の男性32名 (平均23±1歳、オランダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、サトウダイコン根ジュース70 mL×2回 (最大12.9 mmol NO3-) /日を6日間摂取させたところ、間欠的運動能力テスト (Yo-Yo IR1) の走行距離の伸長、平均心拍数の低下が認められた。一方、最大心拍数、主観的運動強度に影響は認められなかった (PMID:28327503)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・多量摂取は、シュウ酸塩により、低カルシウム血症や腎損傷を起こす可能性がある (94) 。
・まれに赤色尿、赤色便を生じる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・通常の食事に含まれる量を超えて摂取した場合の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらない (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・腎臓病の人は、多量摂取により病状の悪化を引き起こす可能性がある (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・乾癬のためメトトレキサートを服用中の50歳女性 (トルコ) が、症状の悪化のためメトトレキサートを増量 (17.5 mg/週) するとともにサトウダイコン根ジュース200 mL/日を代替療法として1週間摂取したところ、口腔、鼠径部に痛みと化膿を伴う潰瘍を生じ、白血球数、血小板数の減少、血尿、赤血球沈降速度上昇、血中CRP上昇、血中葉酸濃度低下が認められた。サトウダイコンとの関連が疑われるメトトレキサート中毒と診断され、両者の摂取中止と加療により改善した (PMID:27859605)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、通常の食事に含まれる量を超えて使用した場合の妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分ではない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・有酸素運動の能力向上に対して有効性が示唆されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一朗ら監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(78) 改訂 食品添加物インデックス 和名・英名E No.検索便覧 中央法規 社団法人日本輸入食品安全推進協会
(94) Natural Medicines
(PMID:18250365) Hypertension 2008 51(3) 784-90
(PMID:22709704) J Acad Nutr Diet. 2012 Apr;112(4):548-52.
(PMID:23231777) Nutr J. 2012 Dec 11;11:106.
(PMID:25379688) Nutrients. 2014 Nov 5;6(11):4881-94.
(PMID:26316026) Maturitas. 2015 Oct;82(2):228-35.
(PMID:25811674) Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2015 Aug;25(4):359-66.
(PMID:28670117) Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2017 Jun 15;12:1765-1773.
(PMID:27859605) Clin Exp Dermatol. 2016 Dec;41(8):893-895.
(PMID:23174856) Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2013 Jan 15;304(2):R73-83.
(PMID:26084693) Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2015 Sep;309(5):R459-66
(PMID:30286760) J Int Soc Sports Nutr. 2018 Oct 4;15(1):49.
(PMID:25764393) Eur J Nutr 2016 Mar 55(2)451-459.
(PMID:29986146) Appl Physiol Nutr Metab. 2019 Jan;44(1):90-94.
(PMID:28327503) Nutrients. 2017 Mar 22;9(3). pii: E314.
(PMID:29141968) Adv Nutr. 2017 Nov 15;8(6):830-838.

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