健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

サジー、サージ、ウミクロウメモドキ、サクリュウカ [英]Sea Buckthorn、Argasse、Argousier、Chharma、Dhar-Bu [学名]Hippophae rhamnoides

概要

サジーは、ヨーロッパ、アジア原産のグミ科植物。有刺の落葉性低木または高木で、2〜5 m程度に生長する。


●有効性
俗に、「風邪によい」「心臓病によい」「疲労回復によい」「肌によい」「体重を減少させる」などと言われているが、人においては信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
通常の食品に含まれている量を摂取する場合は安全性が示唆されているが、葉および抽出物の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない。妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報が見当たらないため使用を避ける。



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法規・制度

■食薬区分
・サージ (サクリュウカ/ラムイノデス) 果実、種油:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・サジー果実は、リンゴ酸、酢酸、キナ酸、揮発油、シトステロール、フラボノイド類、ビタミン類 (A、B1、B2、B6、C、E) 、脂肪酸 (リノレン酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸など) を含み、ビタミンC は400 mg/100 g含む (94) (PMID:15539258) 。ただし、これらの成分の含有量は植物の起源、生育気候や、製品製造の過程により大きく異なる (101) 。

分析法

・サジー果実中のフラボノイド類を、蒸発光散乱検出器 (ELSD) を装着したCPC (遠心分配クロマトグラフィー) およびHPLCにて分析した報告がある (PMID:21315362)
・サジー果実および果汁中の葉酸をHPLC-MS/MSにて分析した報告がある (PMID:18278485)

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・総コレステロール値がやや高めの成人男性14名 (35〜53歳、フィンランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、サジーフラボノール抽出物0.4 g/日を4週間摂取させたところ、血中脂質 (コレステロール、TG) 、血糖、CRPや抗酸化能に影響は認められなかった (PMID:16968106)
・健康な成人229名 (試験群115名、平均30.6±8.6歳、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サジー果実28 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、血中脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、TG) に影響は認められなかった (PMID:19288149)


消化系・肝臓

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・ドライアイの患者96名 (試験群49名、平均45±18歳、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サジー油2 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、涙膜の脂肪酸構成に影響は認められなかった (PMID:21832964)
・ドライアイの患者ドライアイの患者100名 (試験群52名、平均45±18歳、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サジー油2 g/日を3ヶ月間摂取させたところ、涙膜の浸透圧の増加抑制、赤みの減少が認められたが、その他の症状の評価に影響は認められなかった (PMID:20554904)

免疫・がん・
炎症

RCT
・健康な成人254名 (19〜50歳、試験群127名、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サジー冷凍ピューレ28 g/日を90日間摂取させたところ、風邪、消化管感染症、尿路感染症の発症リスクや症状の持続期間に影響は認められなかった (PMID:17593932)

骨・筋肉

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

肥満

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

その他

RCT
・透析患者45名 (平均62±14歳、スウェーデン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、サジー油500 mg×4/日を8週間摂取させたところ、唾液腺のDNA切断、DNA酸化障害、唾液分泌量、血中炎症マーカー (高感度CRP、抗トリプシン、オロソムコイド、白血球数) に影響は認められなかった (PMID:23131570)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・サジー果実を食品として摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・サジー果実や抽出物を適切に摂取する場合は、90日以内であれば安全性が示唆されている (94) 。
・サジー葉および抽出物の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報が見当たらないため使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・高血圧患者によるサジーの全フラボン摂取により、頭痛やめまいが報告されている (94) 。
・45歳男性 (ルーマニア) が、サジーシロップ100 g/日を6ヶ月間摂取し、およそ3ヶ月目から、皮膚の黄色化を呈した (PMID:22759730)
・原発性胆汁性胆管炎による肝硬変のため生体肝移植歴があり、術後経過良好であった40代女性 (日本) が、鉄含有サジージュースを数週間摂取したところ (摂取量不明) 、肝機能障害を生じ、再診時に肝機能障害の増悪、黄疸が認められ入院。DLSTでサジージュースに陽性を示したことから、サジージュースによる薬剤性肝障害と診断され、サジージュースの摂取中止により回復した (2019374687) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・サジー果実油は血小板凝集能を阻害する可能性があるため、抗凝血薬/抗血小板薬、または同様の作用があると思われるハーブと併用すると、出血のリスクが増加する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・サジー抽出物を投与:マウス腹腔内1 g/kg、ラット腹腔内1 g/kg以上 (91) 。
・サジー種油を投与:ラット経口10 mL以上 (91) 。
2.TDLo (最小中毒量)
サジー果汁を投与:マウス経口40〜80 g/kg/20日 (間欠的) 、マウス腹腔内2〜4 mL/kg/3日 (間欠的) 、マウス経口14.6 mg/kg/8週 (間欠的) (91) 。
3.TCLo (最小中毒濃度)
サジー種油を投与:マウス腹腔内60 mL/kg/10日 (間欠的) (91) 。
4.NOAEL(無毒性量)
サジー水抽出物を投与:ラット100 mg/kg/日 (PMID:20558226)

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・サジー果実を食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、サジー葉および抽出物の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない。
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報が見当たらないため使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(7) 中薬大辞典 小学館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:18278485) Anal Bioanal Chem. 2008 May;391(1):211-9. Epub 2008 Feb 16.
(PMID:15539258) J Nutr Biochem. 1999 Nov;10(11):622-30
(PMID:20558226) Food Chem Toxicol. 2010 Aug-Sep;48(8-9):2483-9. Epub 2010 Jun 15.
(PMID:21315362) J Chromatogr A. 2011Sep 9;1218(36):6173-8.
(PMID:16968106) J Agric Food Chem. 2006 Sep 20;54(19):7364-9.
(PMID:21832964) Cornea. 2011 Sep;30(9):1013-9.
(PMID:22759730) Forsch Komplementmed. 2012;19(3):153-6.
(94) Natural Medicines
(101) Pakistan J Nutr. 2004; 3(2):99-106.
(PMID:19288149) Eur J Nutr. 2009 Aug;48(5):277-82.
(PMID:20554904) J Nutr. 2010 Aug;140(8):1462-8.
(PMID:17593932) Eur J Clin Nutr. 2008 Sep;62(9):1123-30.
(PMID:23131570) J Ren Nutr. 2013 May;23(3):172-9.
(2019374687) 日本消化器病学会北陸支部例会プログラム・抄録集. 2018; 127:39.

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