健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ペクチン [英]Pectin [学名]Pectin

概要

ペクチンは主に高等植物の細胞間に存在し、セルロースとともに構造を形成している。イチゴ、ラズベリーのような柔らかい果実は含量が少なく、かんきつ類、りんご等には多く含まれる。食品添加物として、加工食品の増粘安定剤、ゲル化剤などとしての使用が認められている。俗に、「整腸作用がある」「コレステロールを低下させる」と言われている。アップルペクチンは「体内のセシウムを排出する」と言われているが、その有効性については調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。ペクチンのヒトでの有効性については、信頼できる十分な情報が見当たらない。また、カオリンとの併用により止痢薬として使用されていたが、2003年にFDAがその根拠不足を指摘し、2004年に一般用医薬品としての販売許可が取り下げられた。安全性については、通常食品に含まれる量を摂取する場合であればおそらく安全である。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ペクチンは既存添加物 (用途:増粘安定剤、ゲル化剤) 、ペクチン分解物は既存添加物 (用途:保存料) としての使用が認められている (78) 。
・米国ではGRAS (Generally Recognized as Safe;一般的に安全とみなされる物質) に認定 (94) 。
・FDAの薬剤胎児危険度分類においてカテゴリーB (動物実験では危険性はないがヒトでの安全性は不十分、もしくは動物では毒性があるがヒトの試験では危険性なし) に指定されている (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・主にガラクツロン酸のα-1,4結合を構成単位とする直鎖上の多糖類である。黄色を帯びた白色の粉末またはシロップ状溶液で、70℃以上の熱湯に可溶だが、冷水には不溶である。酸と糖を添加することで室温下においてゲルを生成する (16) 。

分析法

・酵素重量法により食物繊維として分析する方法がある (101) 。
・酸 (塩酸) または酵素による抽出法にて分析した報告がある (PMID:17090143)

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・健康な成人30名 (ニュージーランド) を対象に行ったランダム化クロスオーバー試験において、被験者を3群に分け、ペクチン (12 g/日) 、セルロース (15 g/日) 、リグニン (12 g/日) を含むサプリメントをそれぞれ4週間摂取させたところ、血中脂質 (TC、TG、HDL-C、HDL-C/TC比に影響は認められなかった (PMID:2992264)
・高コレステロール血症患者110名 (21〜75歳、アメリカ) を対象に行ったランダム化比較試験において、0、5、9、15 gのアラビアガム/ペクチン (4:1) 含有リンゴジュース720 mL/日を12週間摂取させたところ、TCが3.5%、TGが28.5%上昇し、その後6週間のウォッシュアウト期間においてTCが摂取期間の最終日と比べ2.4%上昇した (PMID:9808644)
・高コレステロール血症 (血漿コレステロール値275 mg/dL以上) で冠動脈心疾患リスクが高い成人27名 (27〜69歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー試験において、グレープフルーツペクチン15 g/日、16週間の摂取による、血漿コレステロールが7.6%、LDL-C が10.8%、LDL/HDL-Cが9.8%、それぞれ低下した (PMID:3229016)
その他
・心疾患に罹患していない成人573名 (女性269名、男性304名、40〜60歳、アメリカ) を対象とした前向きコホート研究において、内膜中膜複合体厚 (IMT) と種々の食物繊維摂取量を調査したところ、ペクチン摂取量が多いほどIMTが低値であった (PMID:14668268)


消化系・肝臓

一般情報
・途上国の生後12ヶ月から5歳の小児にペクチン4 g/kgを摂取させたところ、下痢および嘔吐の期間が減少し、持続性の下痢を発症している小児において経口補液および静脈液の使用量が減少したとの報告があるが 、この現象についてはさらなる検証が必要である (94) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・セシウム137に被曝している小児94名 (7〜17歳、ベラルーシ) を対象にアップルペクチン粉末品5 g (アップルペクチン16%含有) を1日2回、16日間摂取させたところ、セシウム137の体内量が減少したが、冠動脈の症状および高血圧への影響は認められなかったとの報告がある (PMID:15635491) が、この報告に対し、フランスの放射線防護原子力安全研究所 (IRSN) が、実験設計や被験者数の問題点、ペクチンの作用機序が全く分からない点などを指摘する報告をまとめている (IRSN報告書) 。このアップルペクチン粉末品で認められたという体内セシウム減少効果が、リンゴの摂取でも認められるか否か、またアップルペクチン粉末品の長期摂取の影響は不明である。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・ペクチンとグアーガムおよび不溶性食物繊維を同時に摂取すると、下痢、ガス、軟便といった胃腸症状を発症する可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊婦、授乳婦が食品から摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<小児>
・小児が食品から摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<被害事例>
・カシューナッツによるアナフィラキシーの既往歴がある7歳女児 (日本) が、冷凍みかんを摂取した約2時間後に全身の紅潮、犬吠様咳嗽を生じて医療機関を受診。プリックテスト、好塩基球活性化試験でペクチンに陽性を示し、みかんに含まれるペクチンを原因とするアナフィラキシーと診断された (PMID:29249759)
・メロン、スイカによる口腔アレルギー症候群、ブタクサ・イネ科植物によるアレルギー性鼻炎、カシューナッツ、きんかん、オレンジによる即時型アレルギーの既往歴をもつ37歳男性 (日本) が、ヨーグルト飲料を摂取したところ (摂取量不明) 30分後に咽頭の違和感、咳嗽、全身の瘙痒、1時間後に鼻閉、嗄声、呼吸困難、顔面膨張、意識混濁を生じた。即時型皮膚テストの結果、ヨーグルト飲料とそれに含まれる柑橘類由来のペクチンが陽性であったため、ペクチンによる即時型アレルギーと診断された (2011059820) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・併用によりジゴキシン (強心薬:P糖タンパク質基質) 、ロバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、BCRP基質) 、テトラサイクリン系抗生物質などの腸管吸収が阻害される (94) 。
・併用によりβ-カロテンの吸収が阻害される (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ヒト (男性) 経口摂取 74.29 mg/kg (91) 、マウス経口投与 30 g/kg (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・マウス皮下投与 6,400 mg/kg (91)、マウス腹腔内投与 1,000 mg/kg以上(91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献のなかに見当たらない。

参考文献

(28) 最新栄養学 第9版 健帛社 木村修一ら 翻訳監修
(32) 生化学辞典 第4版 東京化学同人
(78) 改訂 食品添加物インデックス 和名・英名E No.検索便覧 中央法規 社団法人日本輸入食品安全推進協会
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(PMID:17090143) J Agric Food Chem 2006 54(23) 8926-35
(PMID:2992264) Am J Clin Nutr 1985 42(2) 207-13
(PMID:9808644) J Nutr 1998 128(11) 1927-32
(PMID:14668268) Am J Clin Nutr 2003 78(6) 1085-91
(PMID:3229016) Clin Cardiol 1988 11(9) 589-94
(PMID:15635491) Swiss Med Wkly 2004 134(49-50) 725-9
(101) 食品衛生検査指針 理化学編 日本衛生協会 厚生労働省監修
(2011059820) Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous.2010;4(5):428.
(94) Natural Medicines
(PMID:29249759) Arerugi. 2017;66(10):1244-1247.

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