健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ハマビシ、トリビュラス [英]Tribulus、Puncture vine、Gokhuru、Al-gutub、Cat’s-Head [学名]Tribulus terrestris L.

概要

ハマビシは、温暖地域から熱帯にかけて広く分布し、海辺砂地に生えるハマビシ科の1〜2年草で、1 m程度に生長し、黄色い花をつける。果実は硬く、とげがある。果実部分は<疾黎子 (しつりし) >という名の生薬で利尿・消炎作用を持つとされ、医薬品に該当するため、果実部を食品に用いることはできない。また、ハマビシは、絶滅危惧IB類 (EN:近い将来における絶滅の危険性が高い種) に指定される絶滅危惧種でもある。俗に、「運動機能を向上させる」「テストステロンを増加させて筋肉を増強させる」「性機能を改善する」と言われているが、ヒトでの有効性は十分な情報が見当たらない。ハマビシは胎児発達に悪影響を及ぼす可能性や流産を促進する可能性があるため、妊婦が摂取することは危険性が示唆されている。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・シツリシ (ハマビシ) 果実が「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ケンフェロール、ケンフェロール-3-グリコシド、トリブロシド、精油、タンニン、樹脂などを含む (29) 。
・protodioscin、アルカロイド (harmane、norharmane) などを含む (94) 。

分析法

・ハマビシに含まれるサポニンをGC/MSで分析した報告がある (PMID:19890844)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献に見当たらない。

生殖・泌尿器

RCT
・HSDD (性的欲求低下障害) の女性60名 (試験群30名、平均36±6.24歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ハマビシ抽出液7.5 mg/日を4週間摂取させたところ、女性の性機能評価尺度 (FSFI) スコアの上昇が認められた (PMID:24773615)

脳・神経・
感覚器

調べた文献に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献に見当たらない。

骨・筋肉

一般情報
・運動パフォーマンスに対し、効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・男性ラグビー選手22名 (試験群11名、平均20.5±3.8歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ハマビシ抽出物450 mg/日を5週間摂取させたところ、筋肉量、筋力に影響は認められなかった (PMID:17530942)

発育・成長

調べた文献に見当たらない。

肥満

調べた文献に見当たらない。

その他

調べた文献に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・糖尿病マウスを用いた実験で、ハマビシから抽出したサポニンを投与したところ、血糖値が低下した (94) (PMID:12583337)

安全性

危険情報

<一般>
・ハマビシを適切に短期間経口摂取することは安全性が示唆されているが、長期摂取の安全性については不明である (94) 。
・とげで覆われた果実摂取によって気胸を起こした事例が報告されているため、とげで覆われた果実を摂取することはおそらく危険である (94) 。
・シツリシ (ハマビシ) 果実は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) ため、食品に使用することは認められていない。
<妊婦・授乳婦>
・ハマビシは胎児発達に悪影響を及ぼす可能性や流産を促進する可能性があるため、妊婦が摂取することは危険性が示唆されている (94) 。
・授乳婦の安全性については十分な情報が見当たらないため、使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・28歳男性 (イラン) が腎結石の改善を目的としてハマビシ水を2日間で2L程度摂取したところ、重度の肝機能障害、腎機能障害、神経障害をおこし、摂取中止により回復した (PMID:20667992)
・21歳男性ボディビルダー (イギリス) がステロイドの代替品としてハマビシを含む錠剤を摂取したところ、FSH (follicle-stimulating hormone、卵胞刺激ホルモン) 、LH (lutenizing hormone、黄体形成ホルモン) 、テストステロンの低下や女性化乳房をおこし、摂取中止により回復した (PMID:15454201)
・急性心筋梗塞で冠動脈ステントを受けた男性2名 (47歳、56歳、トルコ) が、術後、朝鮮ニンジン、ハマビシ、オート麦を含むハーブ製品 (Clavis Panax) を1回/日、摂取したところ (量、期間の詳細不明) 、それぞれ6ヶ月後、2ヶ月後に非ST上昇心筋梗塞を発症し、外科的血行再建術が必要となった (PMID:22864326)
・41歳女性 (トルコ) が、虚弱や疲労改善のためハマビシ、オートムギ、朝鮮ニンジンを含むハーブ製品を普段から2粒/日摂取していたが、夫との口論の際に過剰 (15粒;ハマビシ6,000 mg、オートムギ3,000 mg、朝鮮ニンジン2,250 mg含有) に摂取したところ、8〜10時間後に息切れ、発汗、虚弱、意識消失を呈し救急搬送され、肺塞栓症と診断された (PMID:25192869)
・30歳男性 (アメリカ) が、ボディビルのためにプロテインシェイクと共にハマビシ抽出物を1粒/日、6〜7週間摂取したところ、体重の減少、虚弱、吐き気、痒み、黄疸を生じ受診。急性高ビリルビン血症、胆汁うっ滞、急性尿細管壊死と診断され、ハマビシ抽出物の摂取中止および加療により回復した (PMID:25295577)
・健康な37歳男性 (イタリア) が、ハマビシを1,000 mg/日、約1ヶ月間摂取したところ、頭痛、吐き気、嘔吐、発作、神経症状、昏睡を呈し入院。脳静脈血栓症と診断され、加療により回復した (PMID:26202717)
・36歳男性 (イタリア) が、性力増強目的でハマビシ含有サプリメント製品を2粒/日、15日間摂取したところ、痛みを伴う勃起が72時間継続し、救急搬送された (PMID:26631925)

禁忌対象者

調べた文献に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・ハマビシを血糖降下薬と併用すると、相加作用を持つ可能性がある (94) 。
・ハマビシは利尿作用を持つ可能性があるため、リチウム濃度が上昇する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50(半数致死量)
・ハマビシ抽出物を投与:ラット腹腔内56.4 mg/kg体重、マウス腹腔内1 g/kg体重以上 (91) 。
2.TDLo(最小中毒量)
・ハマビシ抽出物を投与:ラット経口280 mg/kg体重 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実、地上部:クラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・ハマビシを適切に短期間摂取することは安全性が示唆されているが、長期摂取の安全性については不明である。
・ハマビシは胎児発達に悪影響を及ぼす可能性や流産を促進する可能性があるため、妊婦が摂取することは危険性が示唆されている。
・授乳婦の安全性については十分な情報が見当たらないため、使用を避ける。
・シツリシ (ハマビシ) 果実は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトでの有効性については十分な情報が見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2006)
(73) レッドデータブック/リスト(環境省自然環境局生物多様性センターHP)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:12583337) Zhong Yao Cai. 2002 Jun;25(6):420-2.
(PMID:20667992) Nephrol Dial Transplant. 2010 Jul 28.
(PMID:10997957) Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2000 Sep;10(3):340-59.
(PMID:10861339) Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2000 Jun;10(2):208-15.
(PMID:19890844) J Sep Sci. 2009 Dec;32(23-24):4167-75.
(PMID:17530942) J Strength Cond Res. 2007 May;21(2):348-53.
(PMID:15994038) J Ethnopharmacol. 2005 Oct 3;101(1-3):319-23.
(PMID:15454201) Breast. 2004 Oct;13(5):428-30.
(PMID:22864326) Turk Kardiyol Dern Ars. 2012 Apr;40(3):269-75.
(PMID:24773615) Daru. 2014 Apr 28;22:40.
(PMID:25192869) Am J Emerg Med. 2015 Feb;33(2):311.e1-2.
(PMID:25295577) Clin Nephrol. 2015 Mar;83(3):177-83.
(94) Natural Medicines
(PMID:14519445) Life Sci. 2003 Oct 24;73(23):2963-71.
(PMID:26202717) Int J Stroke. 2015 Aug;10(6):E66-7.
(PMID:26631925) Int J Impot Res. 2016 Jan-Feb;28(1):39-40.

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