健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ゴールデンシール、ヒドラスチス、カナダヒドラチス、カナダヒドラスチス [英]Goldenseal、Yellow puccoon、Orangeroot、Chinese goldenseal、Eye balm [学名]Hydrastis canadensis L.

概要

北米やカナダが原産の小型多年生草本。30 cm程に生育する直立した茎を持ち、根茎は地下に水平状に分枝する。日本では、根茎は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に分類される。俗に、「風邪に効く」「消化不良によい」「便秘によい」「免疫力を高める」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分ではない。安全性については、長期間または大量の摂取はおそらく危険である。妊娠中・授乳中、小児の摂取はおそらく危険で禁忌の情報もある。腎疾患のある人、血圧の高めの人は禁忌。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ゴールデンシール (カナダヒドラスチス) 根茎は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・イソキノリンアルカロイド (ベルベリン (berberine) (0.5〜6%) 、ヒドラスチン (hydrastine) (1.5〜4%) 、ベルベラスチン (2〜3%) 、カナディン (canadine) 、メコニン) 、揮発油、樹脂など。

分析法

・ゴールデンシール、抽出物、ゴールデンシール含有製品中のヒドラスチンとベルベリンをHPLC-UV法 (波長:230 nm) にて分析した報告がある (PMID:18727526) (PMID:11458331) (PMID:12836791)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・短期間、適切に摂取する場合は安全性が示唆されているが、長期間の摂取については、十分な情報がない (94) 。
・有害事象として、消化不良、便秘、下痢、鼓腸、嘔吐、腹痛、発疹を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中、授乳中の摂取はおそらく危険である (94) 。
<小児>
・新生児が経口摂取することは、おそらく危険である (94) 。ゴールデンシールのベルベリン成分は、新生児、特に高ビリルビン血症のある早産児に核黄疸を誘発させる可能性がある (94) 。
<その他>
・出血、血糖値、血圧に影響を与える可能性がある (94) 。
・手術の少なくとも2週間前までに使用を中止したほうがよい (94) 。
<被害事例>
・ゴールデンシールや朝鮮ニンジン、蜂花粉、ショウガなどを含む体重減少を目的とした製品を1ヶ月程度摂取した (摂取量は不明) 32歳女性 (アメリカ) が、痛みを伴う掻痒性皮疹を起こし、光過敏症と診断された (PMID:14677798)
・糖尿病性ケトアシドーシスを発症している儀薪尿病の11歳女児 (アメリカ) が、ゴールデンシール500 mg含有サプリメントを2〜3回/日、2週間以上摂取し、重度の高ナトリウム血症を示した (PMID:17585008)

禁忌対象者

・腎臓疾患に罹患している人は、アルカロイドの排出が不十分になる可能性があるため、使用禁忌 (74) 。
・血圧が高めの人は使用禁忌 (81) 。
・ベルベリンおよびその他の有害な成分は、母乳を通じて乳児へ移行する可能性があるため、授乳婦が経口摂取することはおそらく危険である (94) 。使用禁忌との情報もある (74) 。
・ゴールデンシールは月経に影響を及ぼし、子宮収縮作用があると考えられるため、妊婦が経口摂取することはおそらく危険である (22) 。ベルベリンおよびその他の成分は、胎盤を刺激し、胎児に害を与えると考えられる (94) 。使用禁忌との情報もある (74) (81) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健康な成人12名 (平均24±3.0歳、アメリカ) を対象としたオープンラベル試験において、ゴールデンシール根抽出物900 mg×3回/日を28日間摂取させたところ、CYP3A4/5活性を阻害した (PMID:15900287)
・健康な成人16名 (平均27±6.0歳、アメリカ) を対象としたオープンラベル試験において、ゴールデンシール根抽出物1,323 mg×3回/日を14日間摂取させたところ、CYP3A4活性を阻害した (PMID:17495878)
・健康な成人16名 (平均27±6.0歳、アメリカ) を対象としたオープンラベル試験において、ゴールデンシール根抽出物1,070mg×3回/日を14日間摂取させたところ、CYP2D6活性を阻害した (PMID:18214849)
・ヒトを対象とした試験において、P糖タンパク質に影響は認められなかった (PMID:17079360)
<試験管内・動物>
・ in vitro試験において、ゴールデンシールはCYP2E1、CYP2C8、CYP2D6、CYP3A4およびヒトP糖タンパク質を阻害する (PMID:17658211) (PMID:17611934)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ゴールデンシールの水抽出物はCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2E1、CYP3A4活性に影響を与えなかったが、CYP2D6活性を阻害した。メタノール抽出物はCYP1A2、CYP2A6、CYP2C8、CYP 2C9活性に影響を与えなかったが、CYP2B6、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4活性を阻害した (PMID:20218935)
<理論的に考えられる相互作用>
・高血圧、抗凝固薬、糖尿病治療薬、抗うつ薬、バルビツール酸などの薬効に影響を与える可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・ゴールデンシール根抽出物を投与:マウス経口1.6 g/kg (91) 。
・ベルベリン硫酸塩を投与:ラット腹腔内205 mg/kg、筋肉内14.5 mg/kg、経口1 g/kg以上、マウス腹腔内24.3 mg/kg、経口329 mg/kg、皮下18 mg/kg (94) 。
・ヒドラスチンを投与:ラット腹腔内104 mg/kg (94) 。
2.TDLo (最小中毒量)
・ゴールデンシール根粉末を投与:マウス経口 (連続) 6.2〜92.9 g/kg/12日、マウス経口 (断続的) 2.5〜23.2 g/kg/3日、マウス経口 (間欠的) 92.9 g/kg/12日であった (91) 。
・ゴールデンシール根抽出物を投与:ヒト経口1.1 g/kg/28日 (間欠的) (91) 。
3.その他
・雌雄ラット及びマウスを用いた2年間の毒性試験の結果、ゴールデンシール根粉末の経口摂取は、雄ラットで肝細胞腺腫および肝細胞がん、雌ラットで肝細胞腺腫、雄マウスで肝細胞腺腫の増加が示された (101) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根茎、根:クラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・ゴールデンシールを長期間、または大量に経口摂取することは、おそらく危険である。
・小児、特に新生児が経口摂取することは、おそらく危険である。使用禁忌との情報もある。
・妊娠中・授乳中に経口摂取することは、おそらく危険である。使用禁忌との情報もある。
・腎臓疾患に罹患している人は、アルカロイドの排出が不十分になる可能性があるため、使用禁忌。
・血圧が高めの人は使用禁忌。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトでの有効性については、調べた文献中に信頼できる十分なデータが見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社  A.シェヴァリエ
(34) 有用植物和・英・学名便覧 北海道大学図書刊行会 由田宏一
(PMID:11458331) J Pharm Sci. 2001 Jul;90(7):817-22.
(PMID:14677798) J Toxicol Clin Toxicol. 2003;41(6):865-7.
(PMID:17585008) Clin Pediatr (Phila). 2007 Nov;46(9):831-4.
(PMID:15900287) Clin Pharmacol Ther. 2005 May;77(5):415-26.
(PMID:17495878) Clin Pharmacol Ther. 2008 Jan;83(1):61-9.
(PMID:18214849) Mol Nutr Food Res. 2008 Jul;52(7):755-63.
(PMID:17658211) Food Chem Toxicol. 2007 Dec;45(12):2359-65.
(PMID:17611934) Planta Med. 2007 Jul;73(8):731-41.
(PMID:17079360) Drug Metab Dispos. 2007 Feb;35(2):240-5.
(PMID:12836791) J Am Pharm Assoc (2003). 2003 May-Jun;43(3):419-23.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(74) Herbs&Natural Supplements 3e
(81) Herbal Medicines Third edition (Pharmaceutical Press)
(101) National Toxicology Program. 2010; NTP TR-562.
(94) Natural Medicines
(PMID:20218935) Xenobiotica. 2010 Apr;40(4):245-54

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