健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

エゾウコギ、シゴカ、シベリアニンジン [英]Eleuthero、 Siberian ginseng [学名]Eleutherococcus senticosus Maxim.、Acanthopanax senticosus (Rupr.et.Maxim. =Eleutherococcus senticosus)

概要

エゾウコギは、北海道、サハリン、千島、朝鮮半島、中国北部、シベリアに分布し、薬用人参 (朝鮮人参・高麗人参) と同種のウコギ科に属する植物である。薬用部分は根皮で、漢方の刺五加として2000年以上前から使用されている。エゾウコギの中国語名は「刺五加」である。ただし、中薬として用いる場合は「五加皮」と称し、北五加皮、南五加皮と刺五加皮の3種がある。俗に、「強壮・強精作用がある」「疲労回復に効果がある」などといわれ、単純ヘルペス感染の頻度を低下すること、症状を軽減することなど、一部にヒトでの有効性が示唆されている。安全性については、適切かつ短期間の摂取であれば安全性が示唆されている。妊娠中・授乳中の摂取における安全性については信頼できるデータがないことから使用は避けること。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・エゾウコギ (シゴカ/シベリアニンジン) の幹皮・根・根皮・葉・花・果実は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・根皮にタンニン、ビタミンAなどを含む。根にはサポニンのeleutherosideA、クマリン配糖体としてのeleutherosideB (syringin) 、リグナン (eleutherosideE=syringaresinol,sesaminなど) を含む。他にフェニルプロパノイド類 (caffeic acid, coniferyl aldehydeなど) , eleutheroside G, β-sitosterol, dihydroxy benzoic acid。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・脂質異常症や虚血性発作、不整脈に効果がある可能性を示す予備的な報告がある。これらについてはさらなるデータの蓄積が必要である (94) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・中年の人における記憶力や健康感を向上させる可能性を示唆する予備的な報告があるが、さらなるデータの蓄積が必要である (94) 。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・単純ヘルペス感染の頻度を低下、症状を軽減させるのに有効性が示唆されている (94) 。

骨・筋肉

RCT
・骨減少症または骨粗鬆症の閉経後女性81名 (試験群41名、65歳以上、韓国) を対象とした無作為化比較試験において、カルシウム (500 mg/日) 単独またはエゾウコギ抽出物 (3 g/日) と6ヶ月間併用摂取させたところ、併用摂取した場合でのみ血清オステオカルシン濃度が上昇し、骨塩量に影響は認められなかった (PMID:19452124)

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

調べた文献の中に見当らない。

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

・げっ歯類を使った固定実験や冷却実験で、これら外的ストレスに対し耐久性が促進された (58) (23) 。
・動物実験では抗酸化作用 (フリーラジカルの捕捉作用) が示されている (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に短期間摂取するのであれば安全性が示唆されている。根の抽出物は2ヶ月までは安全に摂取できた (94) 。
・有害事象としては、蕁麻疹、接触性皮膚炎をおこすことがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・エストロゲン様作用があるので、乳がん・子宮がん・卵巣がん・子宮内膜症・子宮筋腫の患者は摂取を避ける (94) 。
・エゾウコギ摂取により動悸、頻脈、高血圧が生じる可能性があるため、心疾患 (アテローム動脈硬化症、リウマチ性心疾患など) に罹患している患者は注意が必要である。また、リウマチ性心疾患に罹患している人はエゾウコギ摂取により頭痛、心膜性疼痛が生じる可能性がある (94) 。
・理論的には、エゾウコギは心筋梗塞を悪化させる可能性があるため、使用を避ける (94) 。
・理論的には、エゾウコギはヒステリーや躁病、統合失調症などの精神状態を悪化させる可能性があるため、使用を避ける (94) 。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) は高血圧患者には使用しないよう指示している (58) 。

禁忌対象者

・血圧180/90 mmHg以上の高血圧の患者には禁忌である (94) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・脂質異常症および乳がんの既往歴があり、乳がん術後からドキシフルリジン (抗悪性腫瘍剤) を600 mg/日服用していた61歳女性 (日本) が、自己判断でエゾウコギ抽出物を含む健康食品 (摂取量不明) を2ヶ月程度併用したところ、動悸、胸部重苦感を自覚して医療機関を受診、心電図にて完全房室ブロックを確認。医薬品および健康食品摂取中止6日後に症状が改善したため、ドキシフルリジンとエゾウコギ抽出物を含む健康食品を併用したことによる完全房室ブロックと診断された (2011319041) 。
・心房細動の既往歴がありジゴキシンなどの医薬品を数年間服用し、血清ジゴキシン濃度が安定していた74歳男性 (カナダ) が、半年程度エゾウコギカプセルを摂取したところ (摂取量不明) 、血清ジゴキシン濃度が上昇。摂取中止により回復したが、エゾウコギカプセルの再摂取により再び上昇した (PMID:8705908)
<試験管内・動物>
・in vitro 試験において、小腸薬物トランスポーター P-pg、PEPT1の阻害と肝CYP3A4、CYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP2E1の阻害が認められ、動物実験 (ラット) において、肝CYP2C11、CYP3A1、CYP3A2の阻害が認められた (2011336473) 。
・エゾウコギ乾燥エキスはin vitro試験 (ヒト小腸、肝ミクロソーム、ラット肝ミクロソーム) においてCYP2C9活性を阻害し、動物実験 (ラット) において、トルブタミド (CYP2C9基質) の血中濃度 (AUC) を増加させた (2014241382) 。
・エゾウコギ乾燥エキスはin vitro試験 (ヒト小腸、肝ミクロソーム) においてCYP3A4活性を阻害し、動物実験 (ラット) において肝CYP3A4活性を抑制し、ニフェジピン (カルシウム拮抗薬:CYP3A4基質) の血中濃度 (Cmax、AUC) を増加させた (2013272852) 。
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、エゾウコギ水抽出物およびエタノール抽出物はCYP3A4活性を阻害した (PMID:28539725)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、エゾウコギ乾燥エキスはCYP2C9、CYP3A4活性を阻害した (2014241383) 。
<理論的に考えられる相互作用>
・血糖値を下げる作用のあるハーブや糖尿病薬とともに摂取すると、血糖値を下げすぎることが考えられる (94) 。また、臨床検査において、血糖値に影響を与えることが考えられる (94) 。
・鎮痛作用のあるハーブや医薬品とともに摂取すると、その効果と副作用を増強させることが考えられる (94) 。
・チトクローム (Cytochrome) P450の働きを阻害する可能性があるので、同酵素で代謝される医薬品との併用摂取は注意したほうがよい (94) 。
・アルコールと同時に摂取しないこと (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当らない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根、根皮:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に短期間であれば摂取で安全性が示唆されている。
・妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用は避ける。
・有害事象として、軽い眠気、不安、いらつき、憂うつ、乳腺痛が起こることがある。長期摂取で、神経 (とくに坐骨神経) の興奮を起こし、筋痙攣にいたることもある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・単純ヘルペス感染の頻度を低下、症状を軽減させるのに有効性が示唆されている。
・体力増強、心肺機能の強化などに効果がないことが示唆されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(101) 現代中薬薬理学 王本祥編集
(102) 中国 漢方医学概論 中医学概論邦訳委員会 訳編
(PMID:19452124) J Bone Miner Metab. 2009;27(5):584-90.
(2011319041) 心臓 2011;43(8):1096-101.
(PMID:8705908) CMAJ. 1996 Aug 1;155(3):293-5.
(2011336473) 日本未病システム学会雑誌. 2010;16(2):326-8.
(2014241382) 日本補完代替医療学会誌2014 11(1) 9-15
(94) Natural Medicines
(PMID:28539725) Pharmacogn Mag. 2017 Apr-Jun;13(50):300-308.
(2013272852) 日本未病システム学会雑誌. 2013: 19(1); 36-44.
(2014241383) 日本補完代替医療学会誌. 2014;11(1):17-24.

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.