健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

サラシア、サラシア・オブロンガ、サラシア・キネンシス、サラシア・レティキュラータ、コタラヒム、コタラヒムブツ [英]Chundan、Kathala Hibutu Tea、Ponkoranti、SO. [学名]Salacia oblonga、Salacia reticulata、Salacia chinensis

概要

サラシアは、インドやスリランカ、ミャンマー、タイなどに幅広く散在しているニシキギ科のつる性の低木で、Salacia oblonga、Salacia reticulata、Salacia chinensisなどがある。Salacia oblonga、Salacia reticulataの植物としての食経験は不明であるが、Salacia chinensisは熟した赤い実が食用とされている。また、インドの伝統医学 (アーユルヴェーダ) で利用されてきたハーブのひとつで、根や樹皮を煎じたり、粉末にして利用されてきた。しかし、一般に使用されるのは野生種であることが多いため、採取した時期や産地により含有されている成分が異なる可能性が大きい。


●有効性
俗に、「血糖値を改善する」「体脂肪を低下させる」「免疫力を増強させる」「ダイエット効果がある」「腸内環境を改善する」などと言われているが、人に対しては信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
短期間適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中は、信頼できる十分な情報が見当たらないため摂取を避ける必要がある。



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法規・制度

■食薬区分
・サラシア・レティキュラータ (コタラヒム/コタラヒムブツ) 茎・根:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」
・サラシア・キネンシス茎・根:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」
・サラシア・オブロンガ根:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」

■特定保健用食品
・ネオコタラノールを関与成分とし「食後の血糖値が高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・サラシア・レティキュラータは、サラシノール、コタラノール、マンギフェリン、カテキンなどを含む (PMID:11360491)
・幹部にトリテルペン、セスキテペン、リグナン、カテキン (PMID:12951446) 、プロアントシアニジン (101) などを含む。

分析法

・サラシア・レティキュラータ中のサラシノール、コタラノール、マンギフェリン、カテキンをHPLCにより分析した報告がある (PMID:11360491)
・サラシア属中のネオサラシノール、ネオコタラノールを、イオンペアクロマトグラフィー付LC-MSにより分析した報告がある (PMID:20981499)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当らない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当らない。

糖尿病・
内分泌

RCT
・2型糖尿病患者66名 (平均61.3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化対照試験において、試験食 (炭水化物110 g、脂質12 g、タンパク質18 g) とサラシア (Salacia oblonga) 抽出物240 mgまたは480 mgを単回摂取させたところ、0〜180分後の糖代謝マーカー (血糖ピーク値、血糖AUC、インスリンピーク値、インスリンAUC) の低下が認められた (PMID:17616771)
・健康な成人39名 (平均25.7±0.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、炭水化物150 gを含む高炭水化物食を3日間摂取後、試験食 (炭水化物75.4 g、脂質14 g、タンパク質20 g) とサラシア (Salacia oblonga) 抽出物500、700、1,000 mgを単回摂取させたところ、1,000 mg群で糖代謝マーカー (90分後の血糖、120分後のインスリン、血糖AUC、インスリンAUC) の低下が認められた。一方、500 mg群では摂取後30分に急激な血糖上昇が認められた (PMID:15635348)
・健康な成人43名 (平均23.5±0.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、炭水化物≧150 gを含む高炭水化物食を3日間摂取後、試験食 (炭水化物82 g、脂質14 g、タンパク質20 g) とサラシア (Salacia oblonga) 抽出物1,000 mgを単回摂取させたところ、糖代謝マーカー (45〜120分後の血糖、60〜150分後のインスリン) の低下が認められた (PMID:15975493)
・糖尿病前症かつ軽度〜中等度の脂質異常症の男女29名 (インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、生活習慣指導とともにサラシア (Salacia reticulata) 葉抽出物 (11名、平均43.00±1.53歳) または根皮抽出物 (9名、平均51.66±3.56歳) を500 mg/日、6週間摂取させたところ、葉抽出物群で空腹時血糖値、根皮抽出物群で空腹時血糖値および血中脂質 (LDL-C) が低値を示した。一方、血中脂質 (TC、VLDL-C、HDL-C、TG) 、経口糖負荷試験 (OGTT) に影響は認められなかった (PMID:23767865)
・空腹時血糖が高めの成人または2型糖尿病患者62名 (平均50.1±9.3歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、サラシア (Salacia reticulata) 抽出物150 mg含有飲料を単回摂取させ、おにぎり (約523 kcal) を摂取させたところ、糖代謝マーカー (摂取30〜120分後の血糖、摂取30、60、120分後のインスリン) の上昇抑制が認められた (2011017544) 。
・空腹時血糖が高めの成人または2型糖尿病患者62名 (試験群31名、平均50.3±9.1歳、日本) を対象とした二重盲検無作為プラセボ対照試験において、サラシア (Salacia reticulata) 抽出物150 mg含有飲料×2回/日、12週間摂取させたところ、糖代謝マーカー (HbA1c、空腹時血糖、グリコアルブミン、インスリン) に影響は認められなかった (2011017544) 。
・健康な成人男性35名 (平均34.08±6.5歳、インド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、砂糖75 gとともにサラシア (Salacia chinensis) 根エタノール抽出物200 mg、300 mg、500 mgを単回摂取させたところ、300 mg摂取、500 mg摂取で糖代謝マーカー (摂取後180分までのインスリンAUC) の低下が認められた。一方、血糖AUCに影響は認められなかった (PMID:27803937)
・健康な成人27名 (18〜45歳、インド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、サラシア (Salacia chinensis) 根茎水アルコール抽出物1,000 mgを摂取した後、高炭水化物食 (600 kcal) を単回摂取させたところ、摂取後90分の糖代謝マーカー (血糖) の低下が認められた。一方、摂取後30分、60分、120分、180分の血糖に影響は認められなかった (PMID 24124287) 。
・健康な成人32名 (平均45.4±10.1歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、米飯250 gとともにサラシア (Salacia reticulata) 茎熱水抽出物 (サラシノール0.5 mg含有) 含有食を単回摂取させたところ、糖代謝マーカー (摂取後120分の血糖、摂取後60分、90分、120分のインスリン、血糖AUC、血糖Cmax、インスリンAUC) の低下が認められた。一方、インスリンCmaxに影響は認められなかった (2018212370) 。
・空腹時血糖値が高めの成人32名 (平均51.1±9.2歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、米飯200 g (炭水化物69.4 g) とともに、サラシア (Salacia chinensis) 幹熱水抽出物 (ネオコタラノール0.221 mg含有) 1粒を単回摂取させたところ、糖代謝マーカー (摂取後30分の血糖、摂取後30分、120分のインスリン、摂取後3時間までの血糖AUC、インスリンAUC) の低下が認められた (2010330488) 。
・過体重または肥満の成人48名 (平均32±12歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、食事 (275kcal、炭水化物50%) とともに、サラシア (Salacia chinensis) 300 mgもしくは500 mgを単回摂取させたところ、いずれも糖代謝マーカー (血糖AUC、インスリンAUC) 低下、食欲の抑制 (アミリンAUC低下、ペプチドYY上昇) が認められ、300 mg摂取においてグレリン上昇が認められた。一方、500 mg摂取で摂取90分後の食欲指標4項目中1項目 (空腹度) の上昇が認められた (PMID:28805670)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当らない。

免疫・がん・
炎症

RCT
・健康な男性30名 (試験群15名、平均54.0±0.6歳、日本) を対象とした二重盲検無作為プラセボ対照試験において、サラシア (Salacia reticulata) 根茎熱水抽出物を朝食・昼食前に各60 mgと夕食前に120 mg、4週間摂取させたところ、免疫の指標3項目中2項目 (T細胞増殖指数、免疫学的年齢) の改善と、腸内細菌(Bifidobacterium類)の増殖、Bacteroides類、Clostridium類の減少が認められた (PMID:26630568)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

調べた文献の中に見当らない。

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当らない。



安全性

危険情報

<一般>
・短期間、適切にサラシア (Salacia oblonga、Salacia reticulata) を摂取する場合は安全性が示唆されている (94) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 摂取により、用量依存的に鼓腸、膨満、おくび、腹痛、吐き気、下痢などが起こる可能性がある (94) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 抽出液1,000 mgを単回摂取させたところ、呼気中の水素量が増加し、軽度の鼓腸がみられた (PMID:15975493)
・サラシア (Salacia reticulata) 茶の摂取により消化不良や軟便が起こる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中、授乳中の安全性については、信頼できる十分な情報が見当たらないため摂取を避ける必要がある (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・糖尿病患者は、摂取により薬用量の調節が必要となる可能性がある (94) 。
・血糖値に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

<動物・試験管内>
・動物実験 (マウス) においてサラシア (Salacia reticulata) 抽出物は総CYP含量を減少させたが、CYP1A1、CYP2B活性を増加させた (PMID:23470874)
・in vitro 試験 (マウス、ヒト肝ミクロソーム) において、サラシア (Salacia reticulata) 抽出物はCYP1A2活性を阻害した (PMID:23470874)
<理論的に考えられる相互作用>
・糖尿病治療薬や血糖低下作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、相加作用により低血糖を起こす可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・サラシア (Salacia reticulata) 茎の水抽出物を投与:マウス経口 (連続) 2,520 mg/kg/4週 (91) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 茎と根の水抽出物を投与:ラット経口 (連続) 237.1 mg/kg/2日、829.9 mg/kg/7日、1659.9 mg/kg/14日 (91) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 根の水アルコール抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 115 g/kg/92日、230 g/kg/92日 (91) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 根の熱水抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 4.2 g/kg/6週、8.4 g/kg/28日、25.2 g/kg/28日 (91) 。
・サラシア (Salacia oblonga) 根皮の粉末を投与:ラット経口 (間欠的) 1 g/kg/2日、7 g/kg/7日 (91) 。
2.NOAEL (無毒性量)
・サラシア (Salacia oblonga) 根の抽出物を投与:ラット2,500 mg/kg (94) 。
3.その他
・雄ラットにサラシア (Salacia oblonga) 根の水抽出物を100、300、900 mg/kg、28日間経口投与したところ、体重に対する肝臓重量がそれぞれ8.8%、16.7%、40.2%増加した (94) 。
・妊娠ラットにサラシア (Salacia reticulata) 根抽出物を10 g/kg経口摂取させたところ、着床後死亡が増加した (PMID:12845381)
・in vitroおよび動物実験において、サラシア (Salacia Oblonga) 根抽出物は染色体異常試験 (ヒト静脈血) でわずかに陽性を示したが、変異原性試験 (サルモネラ菌) や小核試験 (マウス) では陰性を示した (PMID:16901601)

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中、授乳中は、信頼できる十分な情報が見当たらないため摂取を避ける必要がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・信頼できる十分な情報は見当たらない。

参考文献

(102) 健康・機能性食品の基原植物事典 中央法規
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:11360491) Yakugaku Zasshi. 2001 May;121(5):371-8
(PMID:17616771) Am J Clin Nutr. 2007 Jul;86(1):124-30
(PMID:15635348) J Am Diet Assoc. 2005 Jan;105(1):65-71
(PMID:15975493) Nutrition. 2005 Jul-Aug;21(7-8):848-54
(94) Natural Medicine
(PMID:12845381) Braz J Med Biol Res. 2003 Jul;36(7):931-5. Epub 2003 Jun 26.
(PMID:23470874) Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2013;54(1):56-64.
(PMID:16901601) Food Chem Toxicol. 2006 Nov;44(11):1868-74.
(101) Tetrahedron Letters. 1967; 26: 2441-6.
(PMID:12951446) Chem Pharm Bull (Tokyo). 2003 Sep;51(9):1051-5.
(PMID:23767865) J Med Food. 2013 Jun;16(6):564-8.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:26630568) PLoS One 2015 2 10(12) e0142909
(2011017544) 日本病態栄養学会誌. 2008; 11(3):271-81
(PMID:20981499) J Nat Med. 2011 Jan;65(1):142-8
(2010330488) 薬理と治療2010; 38(6): 545-550.
(2018212370) Glycative Stress Research 2017; 4(2): 117-123.
(PMID:28805670) Nutrients. 2017 Aug 12;9(8):869
(PMID:27803937) J Diabetes Res. 2016;2016:7971831.
(PMID:24124287) 薬理と治療2010; 38(6): 545-550.

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