健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ホスファチジルセリン [英]Phosphatidylserine [学名]Phosphatidylserine

概要

ホスファチジルセリンは、脳や神経組織に多く含まれるリン脂質の一種で、ヒト脳の全リン脂質の約18%を占める。ホスファチジルセリンは血液凝固反応の補助因子として働くことが知られ、その他にもさまざまな生理機能に関与することが示されている。食品では大豆に多く含まれている。俗に、「記憶力の増加に役立つ」といわれ、「加齢による認識能の低下や記憶障害、アルツハイマー症および老人性痴呆症」に対しては、一部でヒトでの有効性が示唆されている。しかし、継続摂取によりその効果は減弱し、16週以上の摂取では症状を抑える効果がなくなるとも報告されている。また、多くのサプリメントに使用されているホスファチジルセリンは大豆やキャベツ由来であるが、その有効性については十分な情報が見当たらず、さらなる検証が必要である。安全性については、まれに過剰摂取で胃腸の不調や不眠が現れることがある。妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータがないことから、使用を避けるべきであると報告されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・L-セリンリン酸を極性基とするグリセロリン脂質。脳や神経組織に多く含まれ、ヒトの場合には脳の全リン脂質の約18%を占める。

分析法

・紫外可視 (UV) 検出器 (205 nm) を装着したHPLCによる分析例がある (PMID:12013246) (PMID:11673880)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・アルツハイマー症に対して、短期間の摂取は有効性が示唆されている (94) 。ホスファチジルセリンは6〜12週間の投与で、認識能および評価スコア全般を改善し、行動評価スコアを上昇させた (94) 。ホスファチジルセリンはアルツハイマー症、老人性痴呆症の症状の軽い患者において、より効果的であるが、継続摂取によりその効果は減弱し、16週以上の摂取で症状を抑える効果はなくなるようである (94) 。ただし、ほとんどの試験で用いられているのはウシ皮質由来であり、多くのサプリメントに使用されている大豆またはキャベツ由来のホスファチジルセリンによる有効性はまだ不明である (94) 。
・加齢による認識能の低下、記憶障害に対して有効性が示唆されている (94) 。知力低下のみられる高齢者において、注意力、覚醒、言葉の流暢さ、記憶の改善が認められた (94) 。ただし、加齢による記憶障害に対する植物由来ホスファチジルセリンの有効性は予備的な報告であり (94) 、さらなる検証が必要である。
RCT
・注意欠陥多動性障害 (ADHD) の子ども200名 (6〜13歳、試験群137名、イスラエル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ホスファチジルセリン300 mg/日とEPA+DHA 120 mg/日を15週間摂取させたところ、症状の評価 (CRS-T、CRS-P、CHQ) 20項目中2項目でのみ改善が認められた (PMID:21807480)
・非喫煙男性60名 (試験群30名、平均43.90±1.52歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、n-3系不飽和脂肪酸とホスファチジルセリンを含む製品300 mg/日 (ホスファチジルセリン20〜22%、DHA 25%以上、EPA 5%以上含有) を12週間摂取させたところ、全体のストレス評価 (TICS、TSST) に影響は認められなかったが、慢性ストレスが高い群でのみ改善が認められた (PMID:22575036)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。6ヶ月間摂取まで安全とされる。
・まれに高濃度で胃腸の不調や不眠を起こす可能性がある (94) 。
・健康被害は報告されていないが、疾病に罹患している動物に由来したホスファチジルセリンを含む製品については、影響する可能性がある。ただし、近年流通している多くのサプリメントに含まれるホスファチジルセリンは大豆またはキャベツ由来である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータがないため使用を避ける (94) 。
<小児>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・血中アセチルコリン値を上昇させる可能性があるため、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤やコリン作動薬と併用するとアセチルコリン値が上昇し、コリン作動性副作用が生じる可能性がある (94) 。一方、抗コリン剤と併用すると、抗コリン剤の作用が減少する可能性がある (94) 。
・ホスファチジルセリン300 mg/日摂取により、アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT、SGPT) 値、尿酸値に影響が出る可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・フォスファチジルセリンリポソームを投与:マウス腹腔 60 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。6ヶ月間摂取まで安全とされる。
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータがないため使用を避ける。
・まれに高濃度で胃腸の不調 (300 mg) や不眠 (600 mg) が現れることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・アルツハイマー症、加齢による認識能の低下、記憶障害に対して有効性が示唆されているが、継続摂取によりその効果は減弱し、16週以上の摂取で効果がなくなるとも報告されている。また、多くのサプリメントに使用されているのは植物由来のホスファチジルセリンであるが、これらによる有効性については十分な情報が見当たらず、さらなる検証が必要である。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:11673880) Anal Biochem. 2001 Oct 15; 297(2): 137-43.
(PMID:12013246) J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 2002; 770(1-2): 71-5.
(PMID:21807480) Eur Psychiatry. 2011 Jul 30. [Epub ahead of print]
(PMID:22575036) Nutr Res. 2012 Apr;32(4):241-50.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(94) Natural Medicines

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