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危険情報
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<一般>
・通常の食品として摂取する場合、おそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報は見当たらない。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報は見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報は見当たらない。
<被害事例:国内>
・2型糖尿病、C型肝炎・肝硬変、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、腰部脊柱菅狭窄症、狭心症の既往歴があり、多数の薬剤とともに慢性甲状腺炎および甲状腺機能低下症のためレボチロキシン (甲状腺ホルモン製剤) を服用中の68歳男性 (日本) が、根昆布10 gで作った多量の昆布水 (ヨウ素約13,000μg含有) を2カ月間摂取したところ、全身倦怠感を訴え、それまで安定していた甲状腺ホルモンおよびサイログロブリン値の上昇、TSHの低下が認められ、ヨード誘発性甲状腺機能亢進症と診断された。レボチロキシン中止後も改善せず、昆布水の摂取中止と加療により改善した (2017288139) 。
・10歳女児 (日本) が、昆布おにぎり (推定ヨウ素摂取量1.2 mg/日) を毎日摂取していたところ (摂取期間不明) 、健康診断でLDL-C低値、頻脈を認め、甲状腺中毒症疑いで受診した。検査の結果、T3、T4上昇、TSH低下と甲状腺中毒症を認め、ヨウ素過剰摂取による無痛性甲状腺炎と診断されたが、昆布の摂取制限により改善した (2020028058) 。
・無痛性甲状腺炎、アレルギー性鼻炎、喘息の既往歴があり、モンテルカスト、モメタゾンを服用中の12歳女児 (日本) が、昆布菓子 (推定ヨウ素摂取量20 mg/日) を日常的に摂取していたところ (摂取期間不明) 、易疲労感、四肢の痛み、悪寒、食欲低下を生じ受診した。検査の結果、T4低下、TSH上昇を認め、ヨウ素過剰摂取による甲状腺機能低下症の可能性が疑われたが、昆布の摂取中止により改善した (2020028058) 。
<被害事例:海外>
・54歳女性 (アメリカ) が2年間以上継続して摂取していたケルプサプリメント中に、83.6 mg/kgのヒ素が含まれていたため、記憶障害、嘔吐、下痢、疲労などのヒ素中毒症状を呈した (PMID:17450231)。
・甲状腺がんで放射性ヨウ素治療を受けている55歳男性 (アメリカ) が、複数のサプリメントを摂取し、体内ヨウ素濃度が高値を示して治療の妨げとなった。摂取していた製品の表示にヨウ素含有の記載はなかったが、セレンサプリメント中のケルプがヨウ素源となっていた (PMID:19164199)。
・45歳女性 (イタリア) が、体重減少を目的にケルプ含有のダイエット食 (ヨウ素1,800μg/日含有) を10日間摂取したところ、甲状腺機能亢進症状を呈し、約2ヶ月後に甲状腺機能低下症状を呈した (PMID:25355748) 。
・2型糖尿病の既往歴がある40歳女性 (スリランカ) が、糖尿病治療のため、自家製の中国茶 (白米、香料、昆布含有) を3杯/日、2ヶ月間 (初めの1ヶ月はメトホルミン (糖尿病治療薬) と併用、残りの1ヶ月は単独) 摂取したところ、黄疸、掻痒を呈し受診。摂取中止により改善し、中国茶中の昆布による肝毒性と考えられた (PMID:26157821) 。
・乳がんによる乳房切除および化学療法を受けている41歳女性 (中国) が、海藻を主成分とした中国ハーブ製品 (ヨウ素362.4 mg/kg含有) を約2年の間に500 g以上摂取し、甲状腺腫瘍を生じた (PMID:24433506) 。
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