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「感染症予防にビタミンDが効く」等の情報に注意

更新日:2024/03/21

ビタミンD新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるようにうたう宣伝が見受けられますが、現時点ではそのような効果は確認されていません。


 

同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、子どもにおけるインフルエンザの発症リスクに影響は認められませんでした。

 

ビタミンDは風邪に良いと言われることから、風邪や上気道感染症の予防に対する効果を解析したメタ分析 (複数の試験を総合的に評価した結果)について調べたところ8報の論文が検索され、4報では急性期呼吸器感染症の発症リスク低下との関連が認められていました。しかし、別の3報では気道感染症の発症リスクとの関連は認められず、さらにでは、子どもにおいてもそれら関連は認められませんでした。

 

このように、現時点では、インフルエンザや呼吸器感染症の予防に対して「ビタミンDが効く」といえる十分な情報は見当たりません。

新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。

新型コロナウイルスに対しては、手洗いなど、正しい予防を心掛けましょう。

 

新型コロナウイルス感染予防のために (厚生労働省) は、こちら

 


 

【参考文献】
(メタ分析)
・急性呼吸器感染症の発症リスクと関連は認められなかった
(PMID:35215468) Nutrients 2022 Feb 15;14(4):818

・急性呼吸器感染症の発症リスク低下と関連が認められた
(PMID:33798465) Lancet Diabetes Endocrinol. 2021 May;9(5):276-292

・急性呼吸器感染症の発症リスクと症状持続期間の短縮との関連が認められた
(PMID:33472840) BMJ Glob Health. 2021 Jan;6(1):e003176.

・急性呼吸器感染症の発症リスク低下と関連が認められた
(PMID:28202713) BMJ. 2017 Feb 15;356:i6583.

・気道感染症の発症リスクとの関連は認められなかった
(PMID:23815596) Scand J Infect Dis. 2013 Sep;45(9):696-702.

・急性呼吸器感染症の発生リスクと関連は認められなかった
(PMID:35215468) Nutrients. 2022; 14(4):818

◆研究対象者:子ども
(メタ分析)
・急性呼吸器感染症の発生リスクとの関連は認められなかった
(PMID:26310436) Br J Nutr. 2015 Oct 14;114(7):1026-34.

・健康な成人において気道感染症の発生リスクと関連が認められたが、健康な子供においては関連が認められなかった
(PMID 34626488) Allergy 2022 77(5)1373-1388

(RCT)
・インフルエンザやエンテロウイルスの発症率に影響は認められなかった
(PMID:35283046) J Microbiol Immunol Infect. 2022;55(5):803-811

 

<国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所>

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