健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビール酵母 [英]Brewer's yeast [学名]Saccharomyces cerevisiaeなど

概要

ビール酵母は、ビール造りにおいて使用される酵母の総称である。主に、一般的な酵母と同じSaccharomyces cerevisiaeに属する菌株であり、麦汁中の糖をアルコールに変える (アルコール発酵) 。俗に、「肝機能を向上させる」「老化防止や美容に効果がある」「便秘を改善する」「ダイエット効果がある」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータがない。また、安全性においては、短期間の適切な摂取は安全性が示唆されているが、長期摂取に関しては信頼できるデータが十分ではなく、過敏な人ではアレルギー症状が現れることがあるため、注意が必要である。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。Saccharomyces boulardii (Saccharomyces cerevisiae Hansen CBS 5926)の情報は こちらを参照。

法規・制度

・Saccharomycesに属する単細胞生物/ビール酵母の菌体は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」酵母細胞壁は製造用剤、増粘安定剤 (78) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・酵母はビール等の発酵食品製造に使用される微生物である (94) 。
・酵母中には、発酵に必要なビタミン、ミネラル類、タンパク質、グリコーゲン、脂肪などを多く含む (2005095191) 。

分析法

・酵母細胞壁中の多糖類の定量方法については、硫酸分解の後、パルス式電気化学検出器を装着した陰イオン交換クロマトグラフィーによる分析方法が報告されている (PMID:9802208) (PMID:11811978) (PMID:7992508)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中には見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では食欲不振の改善に対して有効性が承認されている (58) 。

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2017年1月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、II型糖尿病患者によるプロバイオティクスの摂取は、血中総コレステロール (8報) 、LDLコレステロール (10報) 、トリグリセリド (9報) 、空腹時血糖値 (7報) 、収縮期血圧 (4報) 、拡張期血圧 (4報) の低下、HDLコレステロール (10報) の上昇と関連が認められたが、血中脂質濃度および血糖値については試験によるばらつきが大きかった (PMID:29390450)
・2014年11月までを対象に、3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、II型糖尿病患者によるビール酵母の摂取は、空腹時血糖値 (3報) の低下と関連が認められたが、HbA1c (3報) に影響を与えなかった (PMID:25971249)
RCT
・況薪尿病の男女84名 (試験群42名、平均46.80±6.21歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ試験において、ビール酵母600 mg×3回/日を12週間摂取させたところ、空腹時血糖、HbA1cの低下とインスリン感受性 (QUICKI) の改善が認められたが、HOMA-IRおよびBMIに影響は認められなかった (PMID:24319552) 。また、収縮期ならびに拡張期血圧の低下が認められたが、血中脂質 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) に影響は認められなかった(PMID:23967428)

生殖・泌尿器

調べた文献の中には見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中には見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中には見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中には見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中には見当たらない。

肥満

調べた文献の中には見当たらない。

その他

・ドイツのコミッションE (薬用植物の評価委員会) では慢性ニキビの改善に対して有効性が承認されている (58) 。





試験管内・
動物他での
評価

・5〜46日齢の仔ウシにビール酵母を含む乾燥飼料を与えたところ、離乳までの期間の発熱回数や抗生物質投与量が減少した (PMID:7745162)

安全性

危険情報

<一般>
・適量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されている。長期摂取に対する安全性については、信頼できる情報が十分でない (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・安全性については信頼できる情報が十分でないので使用は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・有害事象として、過敏症の人における片頭痛に似た症状、また腹部の不快感や膨満感がある。特に過敏な人では、かゆみ、じんましん、発疹などのアレルギー症状が現れることがある (94) 。
<被害事例>
・35歳女性 (日本) がダイエット目的でビール酵母を約2ヶ月間摂取し、腹痛および下痢をおこし、薬剤リンパ球刺激試験より、摂取していたビール酵母による好酸球性胃腸炎と診断された (2002260999) 。

禁忌対象者

調べた文献の中には見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・血圧を高めるおそれがあるので、モノアミノオキシダーゼ (MAO) 阻害薬との併用は禁忌 (94) 。
・リチウムを含有するため、リチウム剤との併用は注意が必要である (94) 。
・クロムを添加したビール酵母は、血糖値を下げる可能性があるため、抗糖尿病薬との併用は注意が必要である (94) 。
・クロムを含むため、クロムサプリメントまたはビルベリー、カスカラ、ホーステールなどのクロム含有ハーブと併用すると、クロム毒性のリスクを高める可能性がある (94) 。
・抗真菌薬は酵母の作用を弱める可能性がある (94) 。
・醸造酵母をサプリメントとして摂取すると、クローン病の重症度を高める可能性がある (94) 。
・酵母アレルギー患者は、アレルギー症状を引き起こす可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1. TDLo (最小中毒量)
・ビール酵母を投与:マウス皮下 4 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されている。しかし、醸造酵母の長期摂取に対する安全性については、信頼できる情報が十分でない。有害事象として、過敏症の人における片頭痛に似た症状、また腹部の不快感や膨満感がある。
・特に過敏な人では、かゆみ、じんましん、発疹などのアレルギー症状が現れることもあるため、注意が必要である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では食欲不振と慢性ニキビの改善に対して使用が承認されているが、その他ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:9802208) Yeast. 1998 Oct;14(14):1297-306.
(PMID:11811978) Anal Biochem. 2002 Feb 1;301(1):136-50.
(PMID:7992508) Yeast. 1994 Aug;10(8):1083-92
(PMID:7745162) J Dairy Sci 1995 Feb;78(2):412-20
(2002260999) 日本消化器病学会雑誌.2002;99(7):808-13
(PMID:25971249) Nutr J. 2015 Feb 13;14(1):14.
(94) Natural Medicines
(58) The Complete German Commission E Monographs
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(78) 改訂 食品添加物インデックス 和名・英名E No.検索便覧 中央法規 社団法人日本輸入食品安全推進協会
(PMID:24319552) Int J Prev Med 2013 4(10) 1131-8
(PMID:23967428) Iran J Public Health 2013 42(6) 602-9
(2005095191) ビタミン2005 79(1) 30-2
(PMID:29390450) Medicine (Baltimore). 2017 Dec;96(51):e9166.

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