健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

カシス、ブラックカラント、クロフサスグリ (黒房酸塊) 、クロスグリ (黒酸塊) [英]Cassis、Black currant [学名]Ribes nigrum L.

概要

カシスはヨーロッパの温帯地方、西および中央アジア、ヒマラヤ原産のユキノシタ科の落葉低木で、高さ1.5 m程度に生長する。一般にベリーの仲間とされているブルーベリー (ツツジ科) 、ストロベリー、ラズベリー、ブラックベリー (いずれもバラ科) とは別の種類である。実の直径は1 cm弱、果肉は黒色で甘酸っぱい。果実が果物として摂取されるほか、菓子類の風味づけとして用いられる。葉は初夏に採取され、果実は中〜晩夏にかけて成熟期に採取される。俗に、「眼によい」「風邪によい」「月経前症候群によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。安全性については、通常の食品として摂取する場合、おそらく安全と思われるが、乾燥葉の摂取については信頼できる十分なデータが見当たらない。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ジュース、葉、花は米国ではGRAS (一般的に安全と見なされた物質) 認定。
・一般飲食物添加物:ブラックカーラント抽出物 (色素) および果汁は着色料。
・カシス (クロフサスグリ) 葉、クロスグリ果実は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・フラボノイド類として、アントシアニン (デルフィニジン-3-ルチノシド、シアニジン-3-ルチノシド、デルフィニジン-3-グルコシド、シアニジン-3-グルコシド) 、プロアントシアニジン (94) 、ケルセチン (PMID:12548295) を含む。
・種子油は必須脂肪酸 (γ-リノレン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸) を含む (94) 。
・含有する栄養素の量は、栽培する土地によって異なる (94) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・健康な成人男女20名 (平均44.55±13.34歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、20%カシスジュース250 mLを単回摂取させたところ、血管機能や血漿の抗酸化能、血糖値、トリグリセリド、遊離脂肪酸濃度に影響は与えなかった (PMID:21540876)
・野菜・果物の習慣的摂取量が少ない健常男女64名 (スコットランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、カシス果汁20% (21名、平均51±11歳) または6.4% (22名、平均55±10歳) 含有ジュース250 mL×4回/日を6週間摂取させたところ、20%ジュース摂取群でのみ血流依存性血管拡張反応 (FMD) 上昇、血漿F2-イソプロスタン濃度低下が認められたが、収縮期および拡張期血圧、トリニトログリセリン誘発血管拡張、総コレステロール濃度に影響は認められなかった (PMID:24742818)
・高血圧の男性27名 (試験群14名、平均42歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カシス種子油2 g×3回/日を8週間摂取させたところ、平常時および暗算試験中の収縮期および拡張期血圧、心拍数に影響は認められなかった (PMID:8895037)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・開放角緑内障の患者40名 (試験群20名、平均60.35±7.22歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カシスアントシアニンを50 mg/日、24ヶ月間摂取させたところ、わずかに視野狭窄の進行 (MDの低下) 抑制が認められたが、眼圧、眼血流量、血圧、脈拍に影響は認められなかった (PMID:22377796)
・正視〜中等度近視の成人男女20名 (平均21.6歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、カシスポリフェノール含有粉末232 mg (アントシアニン50 mg以上含有) を単回摂取させた2時間後にVDT作業を2時間実施させたところ、作業後の非優位眼における調節近点距離の延長が抑制されたが、優位眼における変化、屈折値、中央フリッカー値、目の疲労の自覚症状に影響は認められなかった (2006094946) 。
・健康な男女12名 (平均39.4±7.6歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、カシスアントシアニン50 mg/日を4週間摂取させたところ、眼圧に影響は認められなかった (PMID:23046438)

免疫・がん・
炎症

RCT
・妊婦および新生児231組 (試験群112組、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カシス種子油またはオリーブオイルを、母親に妊娠8〜16週から授乳終了まで3 g/日、その後子に2歳時まで1 mL/日摂取させたところ、オリーブオイル摂取に比較し、カシス種子油の摂取で生後12ヶ月時のアトピー性皮膚炎発症リスクおよび症状の重症度 (SCORAD) が減少したが、生後24ヶ月時では影響は認められなかった (PMID:20545710)
・65歳以上の健康な高齢者29名 (試験群男性9名 (平均67.7±0.6歳) 、女性6名 (72.0±2.8歳) 、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カシス種子油4.5 g (15%γ-リノレン酸含有) /日を2カ月間摂取させたところ、7種の抗原による遅延型皮内反応誘発試験において、抗原接種後24時間で1種 (破傷風トキソイド) のみ硬結の拡大がみられ、フィトヘマグルチニン刺激によるプロスタグランジンE2産生の低下が認められたが、コンカナバリンA刺激では影響せず、IL-2およびIL-1β産生にも影響は認められなかった (PMID:10500023)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・果汁、葉、花は、通常の食品として適切に摂取すればおそらく安全である (94) 。
・乾燥葉を摂取する場合の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・降圧剤との併用により、低血圧を引き起こすリスクが高まる可能性がある (94) 。

【カシスに含まれるγ-リノレン酸による影響】
・麻酔薬との併用により、痙攣発作を引き起こすリスクが高まる可能性がある (94) 。
・フェノチアジンとの併用により、痙攣発作を引き起こすリスクが高まる可能性がある (94) 。
・抗血小板薬または抗凝固薬との併用により、出血のリスクが高まる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・カシス葉由来プロアントシアニジンを投与:ラット腹腔内10 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実、葉:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食品として適切に摂取すればおそらく安全であるが、乾燥葉の安全性については十分な情報が見当たらない。
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」別添3 (平成16年3月31日 薬食発第0331009号 厚生労働省医薬食品局長)
(PMID:12548295) Eur J Clin Nutr. 2003 Jan;57(1):37-42.
(PMID:21540876) Eur J Clin Nutr. 2011 Jul;65(7):849-56.
(PMID:22377796) Ophthalmologica. 2012;228(1):26-35.
(94) Natural Medicines
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(2006094946) あたらしい眼科 2006 23(1) 129-133
(PMID:24742818) Free Radic Biol Med. 2014 Jul;72:232-7.
(PMID:23046438) J Ocul Pharmacol Ther. 2013 Feb;29(1):61-7.
(PMID:20545710) 2010 Aug;40(8):1247-55.
(PMID:8895037) J Hum Hypertens. 1996 Aug;10(8):531-7
(PMID:10500023) Am J Clin Nutr 1999 70(4) 536-43

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.