健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ダイダイ 、ビターオレンジ [英]Bitter orange、Sour orange、Seville orange [学名]Citrus aurantium L.

概要

ダイダイは、インド、ヒマラヤ地方原産の常緑小高木で、日本へは中国から渡来した。皮、果実とも古くから薬用植物として用いられてきた。薬用部分は果皮 (橙皮<トウヒ>) 、未熟果実 (枳実<キジツ>、枳穀<キコク>) である。花や果皮には精油が多く含まれ、アロマテラピーなど、さまざまな用途に使用されている。ダイダイの中国語名は「代代花枳穀」である。ただし、ダイダイの未熟果実は「枳実」と称する。健康食品として、俗に、「体脂肪を燃焼する」「運動機能を向上させる」などと言われているが、ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分ではない。通常食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全であるが、過剰摂取する場合は危険性が示唆されている。特に小児が過剰摂取すると、疝痛や痙攣、ひどい場合は死に至る可能性がある。また、妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がないことから、通常の食事以外からの摂取は避ける。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・別名としてキジツ/キコク/トウヒ/Citrus aurantiumがある。
・果実、果皮、蕾、花は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。「既存添加物」抽出物は苦味料。
・米国ではGRAS (一般的に安全と見なされた物質) 認定。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・皮と果実にシネフリン (synephrine) を含む。未熟果実にはd-リモネン (limonene) などの精油成分、ヘスペリジン (hesperidin) 、ネオヘスペリジン (neohesperidin) 、ナリンジン (naringin) などのフラボノイド配糖体を含む。成熟果皮にはd-リモネン(limonene)、ヘスペリジン、リモニン (limonin) 、クマリン類 (ウンベリフェロン) などを含む。果汁にはクエン酸などの有機酸、カルシウム、カリウムなどの無機塩、グリココールベタイン、ビタミンC、ペクチン (pectin) など。また果実にuraptene、marmin、tangeretin、nobiretin、psoralenなど。皮に含まれるfurocoumarin類 (bergamottin、dihydroxybergamottin) は薬物代謝酵素チトクローム (Cytochrome) P450 (CYP3A4) を阻害する。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ダイダイ (ビターオレンジ) の皮は、ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では食欲不振と消化不良への使用が承認されている (58) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・ダイダイ (ビターオレンジ) のオイルは外用で、体部白癬、陰股部白癬、足白癬に対し有効性が示唆されている (94) 。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・身体を動かすことの少ない体脂肪率20%以上の男性10名を対象とした二重盲検並行試験において、ビターオレンジ、緑茶、ガラナの抽出物を含む調剤500 mg (シネフリン6 mg、カフェイン150 mg、カテキン150 mgを含む) の単回摂取は、安静時および運動時のいずれにおいてもATP利用能に影響しなかった (PMID:16418760)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・含有されるペクチンにより、ヒト、動物において利胆作用がある (23) 。
・ラット皮膚アナフィラキシーに対して有効であった (24) 。

安全性

危険情報

<一般>
・ダイダイ (ビターオレンジ) は食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・外用またはアロマテラピーの蒸気吸入で適切に使用する場合も安全性が示唆されている (94) 。
・ダイダイ (ビターオレンジ) は高濃度で経口摂取するのは危険性が示唆されている。皮、果実、ジュースは刺激物のシネフリンを含むため、他の刺激物(カフェインなどの)と組み合わされると、心毒性を示す可能性がある (94) 。ダイダイの花とオイルを医療目的の使用量で使用した時の安全性については十分な情報がない (94) 。
・皮膚の色の薄い人では、ダイダイの使用で光過敏症を引き起こす可能性がある (58) (94) 。オイルは光毒性を持つと報告されている (23) 。
・22〜29歳の健康な男女13名を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、ダイダイ製品900 mg (シネフリン6%含有) を摂取した5時間後まで、拡張期と収縮期血圧の上昇、心拍の増加がみられた (PMID:16317106)
・18〜49歳の健康な男女10名を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、ダイダイ製品 (シネフリン46.9 mg含有) もしくはマルチコンポーネント製品 (シネフリン5.5 mg含有) を摂取したとき、マルチコンポーネント製品摂取では、拡張期、収縮期血圧の上昇、心拍の増加がみられた (PMID:16164886)
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の使用の安全性については十分な情報がないため、食事以外の摂取は避ける (94) 。
<小児>
・小児がダイダイ (ビターオレンジ) を高濃度で経口摂取するのは疝痛や痙攣、ひどい場合死に至る可能性があり、危険性が示唆されている (23) (94) 。
<被害事例>
ダイダイ (ビターオレンジ) を含むダイエタリーサプリメント摂取との因果関係が疑われる健康被害が報告されている。
・52歳の女性 (アメリカ) が、ビターオレンジ含有のダイエット用サプリメント製品 (1カプセル中にビターオレンジ334 mg、ガルシニア・カンボジア300 mg、L-カルニチン250 mg、キトサン250 mg、クロムアルギネート200μgを含有、1日3カプセル摂取を推奨) を1週間摂取したところ、虚血性大腸炎を発症して入院し、摂取中止後に症状は急速に回復した (PMID:17165643)
・アレルギー性喘息の既往歴があり、5年前からロイコトリエン受容体拮抗薬 (モンテルカスト) を服用していた45歳肥満 (BMI=32) 女性 (イタリア) が、ダイダイ、ガルシニア・カンボジア等を含む市販のサプリメント2種を7日間摂取したところ、重度の肝機能障害を起こし死亡した (PMID:17157086)
・55歳女性 (アメリカ) がダイダイ300 mgを含むマルチコンポーネント製品を1年間摂取したところ、肩の鈍痛と胸痛を起こし、急性側壁心筋梗塞と診断された (PMID:15026566)
・甲状腺機能低下症で約10年間チロキシン50μg/日を服用している52歳女性 (イタリア) が、減量の目的で未熟ダイダイ抽出物500 mg (シネフリンとして30 mg) /日を含むダイエタリーサプリメントを摂取し、頻脈を起こした (PMID:15830849)
・摂食障害の16歳の女性 (アメリカ) が、ダイダイ325 mg、ガラナ種子抽出物800 mgを含むダイエット用サプリメントを数ヶ月摂取したことにより、除脈や低血圧がマスキングされ、診療の妨げになった (PMID:16227131)
・38歳男性 (アメリカ) が、ガルシニア・カンボジア、ガラナ種子抽出物、ダイダイを含むダイエット用サプリメント製品 (1カプセルにカフェイン54 mg、シネフリン6.6 mg含有) を2×3カプセル/日摂取したところ、特発性心室頻拍を起こした (PMID:19151465)
・22歳男性 (アメリカ) が、ダイエタリーサプリメントJack3d (主成分:DMAA) とPhenorex (主成分:ダイダイ) を3週間摂取したところ、狭心痛が生じて医療機関を受診、非ST上昇型心筋梗塞と診断された (PMID:24512406)
・メトフォルミン (糖尿病治療薬)、アセチルサリチル酸 (抗血小板薬)、アトロバスタチン (脂質異常症治療薬) を服用中の62歳男性 (フランス) が、免疫機能向上を謳ったグレープフルーツ種子サプリメントと痩身効果を謳ったビターオレンジ、ベニバナ油、米油含有サプリメントを1週間摂取したところ、手足の点状出血、再発する鼻血を生じ、3週間後に血小板減少性紫斑病と診断され、摂取中止と加療により改善した (PMID:26242500)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健康な成人24名 (平均25.8歳、アメリカ) を対象としたオープン比較試験において、ダイダイ (ビターオレンジ) ジュース240 mL×2回/日を4日間摂取させたところ、コルヒチンの血中濃度 (Cmax、AUC) の低下、Tmaxの遅延が認められた (PMID:22940371)

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、ダイダイ抽出物の14日間摂取はアミオダロン (抗不整脈薬) の最大血中濃度 (Cmax) を増加させたが単回摂取では影響がなかった (PMID:23886819)

<理論的に考えられる相互作用>
・ダイダイの皮やその他の製品はエフェドラ・カフェインなどの刺激物、制酸剤、モノアミノオキシダーゼ (MAO) 阻害剤などとの併用は避けるべきである。またダイダイの果汁は薬物代謝酵素チトクローム (Cytochrome) P450 (CYP3A4) の活性を阻害するため、この酵素により代謝を受ける薬剤と併用すると薬剤の血中濃度を上げる可能性があるので注意を要する (94) 。
・ダイダイの皮や果実は興奮作用のあるハーブやサプリメントとの併用で、高血圧や心臓血管系のリスクが高まることが考えられる (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ダイダイから抽出した6%シネフリンを投与:ヒト経口10〜12.86 mg/kg (91) 。
・ダイダイから抽出した4%シネフリン投与:ラット経口17.5〜200 mg/kg (91) 。
2.その他
・ダイダイ抽出物 (p-シネフリン2.5%含有) をラットに300〜5,000 mg/kg経口投与すると自発運動が減少し、p-シネフリンを150〜2,000 mg/kg投与すると立毛や息切れ、流涎、眼球突出、自発運動の減少が認められ、これらは可逆的だが、3〜4時間持続した (PMID:18571300)
・ラットにダイダイまたはシネフリンを単独で静脈注射したところ、用量依存的に平均動脈圧が上昇した (PMID:7475952)
・ラットにダイダイ抽出物 (シネフリン4%、6%含有) を2.5〜20 mg/kg、繰り返し摂取させたところ、食欲不振、体重増加抑制、心室不整脈がみられ、致死率が投与量に依存して増加した (101) 。
・in vitro試験 (MTT試験、エームス試験) において、ダイダイのメタノール抽出物とクロロホルム抽出物には細胞毒性が、水抽出物には遺伝毒性が認められた (PMID:26281312)

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である。
・ダイダイ (ビターオレンジ) は高濃度で経口摂取するのは危険性が示唆されている。
・小児が高濃度で摂取するのは死に至る可能性があり、危険性が示唆されている。
・妊娠中および授乳中の使用の安全性については十分な情報がないため、食事以外の摂取は避ける。
・皮膚の色の薄い人では、ダイダイの使用で光過敏症を引き起こす可能性がある。オイルは光毒性を持つと報告されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ダイダイ (ビターオレンジ) の皮はドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では食欲不振と消化不良への使用が承認されているが、その他ヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(24) 漢方薬理学 南山堂 高木敬次郎ら 監修
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(PMID:16418760) Int J Obes (Lond). 2006 May;30(5):764-73.
(PMID:17165643) Mayo Clin Proc. 2006 Dec;81(12):1630-1.
(PMID:17157086) Dig Liver Dis. 2007 Oct;39(10):953-5.
(94) Natural Medicines
(101) Fitoterapia 1999 70(6) 586-592.
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