健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

セージ (スパニッシュセージ) [英]Sage、Common sage、 Dalmatian Sage、 Garden Sage [学名]Salvia officinalis L. (Salvia lavandulaefolia)

概要

セージはヨーロッパ南部、地中海沿岸地方が原産の高さ30〜90 cmの多年草である。花期は5〜6月、青紫色の唇形花が円錐形の総状花序に10〜12個つく。7〜8月に葉を採集し、陰干しにしたものが薬用や香辛料として利用される。俗に、「殺菌作用がある」「老化を防止する」「リラックス作用がある」「更年期の症状を緩和する」「消化を促進する」「滋養強壮によい」などと言われているが、有効性についてはアルツハイマー病に対してのみ有効性が示唆されている。 安全性については通常食品として適切に用いればおそらく安全であるが、長期および過剰に摂取する場合は危険性が示唆されている。精油に毒性成分を含むことがあるので、妊娠中・授乳中の精油、アルコール抽出物、葉の摂取は避けた方がよい。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・サルビア (セージ) 葉は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全とみなされた物質) 認定。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・精油成分として、α-およびβ-ツヨン (thujone) 、ロズマリン酸 (rosmarinic acid) 、カルバクロール (carvacrol) 、ルテオリン (luteolin) 、リナロール (linalool) 、α-テルピネオール (α-terpineol) などを含む。

分析法

・ロズマリン酸をHPLC法により定量した報告がある (PMID:16176651)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・高脂血症に対し、有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・高脂質血症患者67名 (平均56.4±30.3歳、試験群34名、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、セージ葉抽出物500 mg×3回/日を2ヶ月間摂取させたところ、血清中の総コレステロール値、トリグリセリド値、VLDLコレステロール値の低下とHDLコレステロール値の上昇が認められた (PMID:21506190)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・アルツハイマー病、認知機能、記憶力に対して、有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・軽度から中程度のアルツハイマー病患者30名 (試験群15名、平均71.78±3.67歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、S. officinalis抽出物60滴/日を16週間摂取させたところ、症状評価 (ADAS-cog、CDR-SB) の改善が認められた (PMID:12605619)
・健康な成人18名 (平均19.7歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、S. lavandulaefoliaの精油50μL、100μL、150μLを単回摂取させたところ、50μL摂取時に単語記憶テスト (Immediate word recall、Delayed word recall) 結果の向上が認められた (PMID:12895685)
・健康な成人16名 (平均23.21歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、S. lavandulaefoliaの精油25μL、50μLを単回摂取させたところ、50μL摂取時に単語記憶テスト (Immediate word recall、Delayed word recall) 結果 (PMID:12895685) 、認知機能・気分評価13項目中7項目 (PMID:15639154) 、25μL摂取時に認知機能・気分評価13項目中4項目 (PMID:15639154) で向上が認められた。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・治療指針として口内炎、歯肉炎、咽頭炎などの口腔および喉の炎症があげられている (67) 。
・口唇ヘルペスに対して外用で有効性が示唆されている (94) 。セージとダイオウを含むクリーム剤は口唇ヘルペスに対して、アシクロビル (抗ウイルス薬) のクリーム剤と同等の効果があった。セージとダイオウの組み合わせはセージ単独の場合よりも痛みを減らし、治癒までの期間を改善した (94) (101) 。
・抗菌、抗カビ、抗ウイルス作用がある (58) 。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・収れん作用がある (58) 。
・治療指針として多汗症への適応がある (67) 。生の葉の水性抽出物に抗多汗作用があり、ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では多汗に対する経口摂取が承認されている (58) (67) (104) (105) (106) 。ピロカルピン (発汗薬) で誘導した多量の発汗が抑えられた (67) (106) (107) 。





試験管内・
動物他での
評価

・動物実験で抗コリンエステラーゼ活性が確認されている (94) (PMID:12895683)

安全性

危険情報

<一般>
・通常食品として適切に摂取すればおそらく安全である (94) 。
・高用量を長期間摂取するのは危険性が示唆されている。ツヨンを含む種類があるので、過剰摂取で毒性が現れるおそれがある (94) (102) 。
・有害事象として、吐き気、嘔吐、腹痛、めまい、興奮、喘鳴を生じる可能性がある (94)
Salvia officinalisに含まれるツヨンには神経毒性があり、痙攣を起こすことがある (94) 。アルコール抽出物や精油を長期摂取すると、てんかん様の痙攣が起きることがある(58)。
・外用で安全性が示唆されている (94) (101) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取はおそらく危険である (94) 。精油に含まれる毒性成分のツヨンは月経促進、堕胎作用があるので、妊娠中は精油、アルコール抽出物を摂取しないこと (58) (103) 。また、葉の摂取は避けたほうがよい (67) (103) 。
・授乳中の摂取は危険性が示唆されている (94) 。セージは母乳の分泌を減少させると考えられているので、授乳中の葉の摂取は避けた方がよい (94) (67) (103) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・高血圧患者の血圧に影響を与える可能性がある (94) 。
・糖尿病患者の血糖コントロールに影響を与える可能性がある (94) 。また、血糖値へ影響を与える可能性があるため、手術の少なくとも2週間前には摂取を中止した方がよい (94) 。
・Salvia lavandulaefoliaはエストロゲン作用を有する可能性があるため、乳がん、子宮がんなどのホルモン感受性がんの女性は使用を避ける (94) 。
<被害事例>
セージ精油摂取との因果関係が疑われる強直間代性発作が報告されている。
・脂質異常症の改善を期待して、一週間毎にセージ精油を一口、数年間摂取していた54歳女性 (スイス) が、セージ精油を摂取した直後に脱力、多量の発汗、めまい、頻呼吸が生じ、10分後に消失した。その後、誤って多量 (摂取量不明) に摂取したところ、強直間代性発作が生じ、意識を消失した。セージ精油の摂取中止した後は、同様の症状は現れていない (PMID:10460442)
・数ヶ月前より全身の倦怠感を感じていた53歳男性 (スイス) が、刺激剤としてセージ精油を12滴摂取したところ、20分後に全身性強直間代性発作、昏睡が15分間生じた。セージ精油の摂取中止した後は、同様の症状は現れていない (PMID:10460442)

・83歳女性 (イスラエル) がセージ抽出物入りのリップクリームを利用したところ、かゆみを伴う唇の腫れや赤みが出現し、パッチテストによりセージによるアレルギー性接触皮膚炎と診断された (PMID:21392032)

禁忌対象者

・てんかん患者には使用してはならない (20) 。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝細胞) において、セージ抽出物はCYP1A2、CYP2D6、CYP3A4活性を阻害したという報告がある (PMID:17214607)
・in vitro試験 (ヒトCYP3A4 タンパク、Caco-2細胞) において、セージ抽出物はCYP3A4、P-糖タンパク質の活性を阻害した (PMID:18331390)

<理論的に考えられる相互作用>
・血糖低下作用のあるハーブやサプリメント、医薬品との併用で、それらの作用を増強する可能性がある (94) 。
・鎮静作用のあるハーブやサプリメント、医薬品と併用すると、それらの作用や副作用を増強する可能性がある (94) 。
・抗痙攣薬と併用すると、その作用を阻害する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス2b、2d (22) 。

危険情報、禁忌対象者 参照

総合評価

安全性

・通常食品として適切に摂取すればおそらく安全であるが、高用量を長期間摂取するのは危険性が示唆されている。
・てんかん患者は使用禁忌。妊娠中・授乳中に精油、アルコール抽出物、葉の摂取は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では多汗症に対する使用を承認している。
・高脂血症、アルツハイマー病、認知能力、記憶力に対して、有効性が示唆されている。

参考文献

(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58)The Complete German Commission E Monographs
(67) ESCOP Monographs 2nd ed Thieme
(101) Forsch Komplementarmed Klass Naturheilkd. 2001 Dec;8(6):373-82.
(102) American Herbal Products Association's Botanical Safety Handbook. Boca Raton, FL: CRC Press, LLC 1997.
(103) Herb Contraindications and Drug Interactions. 2nd ed. Sandy, OR: Eclectic Medical Publications, 1998.
(104) Bayerischen Lugwig-Maximilians-Universitat zu Munchen, 1934:1-25
(105) Z Ges exp Med 1940; 107:267-74
(106) Arch Dermatol Syph 1930;162:146-9
(107) Arch Pathol Anat Physiol 1933;287:297-308
(PMID:12605619) J Clin Pharm Ther. 2003 Feb;28(1):53-9.
(PMID:12895685) Pharmacol Biochem Behav. 2003 Jun;75(3):669-74.
(PMID:15639154) Physiol. Behav. 2005;83:699-709.
(PMID:16176651) J Chromatogr Sci. 2005 Aug;43(7):372-6.
(PMID:21392032) Contact Dermatitis. 2011 Apr;64(4):237-8.
(PMID:17214607) Basic Clin Pharmacol Toxicol. 2007 Jan;100(1):23-30.
(PMID:21506190) Phytother Res. 2011 Dec;25(12):1849-53.
(PMID:18331390) Basic Clin Pharmacol Toxicol. 2008 May;102(5):466-75.
(94) Natural medicines

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