健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

アラビノース [英]Arabinose、 L-Arabinose [学名]-

概要

L-アラビノースはペントース (5炭糖) の一種である。植物のゴム質、粘質物、細胞壁に存在している多糖類 (アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン) の構成成分である。甘味料として用いられ、その甘味性は砂糖のほぼ50%で味質は砂糖に近い。腸管壁からは難吸収性であり、小腸に存在するスクラーゼを特異的に阻害することにより、スクロース (砂糖の主成分) の分解を抑制してグルコースの遊離を抑えることにより血糖値の上昇を抑制する。ただし多糖類 (デンプン) 摂取時の血糖上昇に対しては抑制効果がない。俗に、「糖尿病によい」「便秘によい」「ダイエット効果がある」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。安全性については、食事以外から一度に過剰摂取するときは注意が必要である。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「既存添加物」:L-体は甘味料である。
・L-アラビノースを関与成分とし、「血糖値が気になる方に適する」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。
・米国では、FDAが食品添加物としての使用を許可している (103) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・分子式C5H10O5、分子量150.13 (32) 。融点159〜160℃ (102) 。
・アラビアガム、ガディガム、コーンファイバーの配糖体またはサトウダイコンのパルプ (シュガービートパルプ) の多糖類を加水分解し、分離して得られる。
・アラビノースは動物の腸管壁からは殆ど吸収されない。
・甘味料として用いられ、甘味性は砂糖のほぼ50%で味質は砂糖に近い(101) 。
・L-アラビノースのスクラーゼ阻害 (不拮抗型) は、濃度依存的であり、阻害定数は2.0 mMである (101) 。

分析法

・パルス式電気化学検出器付高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により分析したという報告がある (PMID:14558937)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・L-アラビノースを関与成分とし、「血糖値が気になる方に適する」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。

RCT
・健康な成人男女45名 (平均46.8±9.5歳、日本) を対象とした、二重盲検クロスオーバー比較試験において、3%L-アラビノース添加ショ糖(6 g)を180 mLの紅茶に入れて摂取させたところ、摂取後10分、15分における血糖値上昇の抑制が認められたが、摂取後20分、25分、30分、60分、120分では影響は認められなかった。また、血中インスリン濃度に影響は認められなかった (2012090477) 。
・健康な成人男女30名 (平均48.0±10.6歳、日本) を対象とした、二重盲検プラセボ比較試験において、3%L-アラビノース添加ショ糖 (6 g) を溶かした飲料180 mLを12週間摂取させたところ、体重や血圧、糖代謝指標をはじめとした血液生化学検査項目に影響は認められなかった (2012090477) 。
・健康な成人男女30名 (平均44.3±8.5歳、日本) を対象とした、二重盲検プラセボ比較試験において、3%L-アラビノース添加ショ糖 (18 g) を溶かした飲料180 mLを4週間摂取させたところ、体重や血圧、糖代謝指標をはじめとした血液生化学検査項目に影響は認められなかった。 (2012090477) 。
・18〜30歳の健康な男性15名 (平均25±3.2歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、L-アラビノース1 g、2 g、3 g配合の砂糖飲料 (75 g/300 mL) を摂取させたところ、血中インスリン濃度の上昇曲線下面積(iAUC)値が3 g群で減少が認められたが、血糖値や血中C-ペプチド濃度のiAUC値や血中トリグリセリド濃度に影響は認めらなかった。血中GIP (グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) 濃度のiAUC値は2 g群で減少が認められ、血中GLP-1 (グルカゴン様ペプチド-1) では3 g群でiAUC値の増加が認められたが、他の群では影響は認められなかった。また、食欲や脂肪性食品の欲求も影響は認められなかった (PMID:21677059)
・18〜30歳の健康な男性17名 (平均22.5±2.6歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、栄養組成の異なる食事 (スクロースを含む食事:A食、スクロースを含まない食事:B食) にL-アラビノースを重量の5%、10%添加し摂取させたところ、A食では5%群、10%群ともに血糖値や血中インスリン濃度、血中C-ペプチド濃度とそれらのiAUC値に影響は認められなかった。また、B食では、10%群で血中インスリン濃度のiAUC値と血中C-ペプチド濃度のiAUC値に増加が認められたが、5%群、10%群ともに血糖値や血中インスリン濃度、血中C-ペプチド濃度に影響は認められなかった (PMID: 25400106)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・健常成人 (22〜40歳、日本) を対象にした忍容性試験において、1回15 g以上の服用で消化器症状が強くなる可能性が示唆されている(2002164645)。
・大量の摂取により、おなかが緩くなることがある。

<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・血糖降下薬との併用により、低血糖を起こすおそれがあるため、併用を避ける (104) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・特定保健用食品は個別に製品ごとの安全性が評価されているが、その他、食事以外から一度に過剰摂取するときは注意が必要である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品は個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。

参考文献

(2002164645) 新薬と臨床 2002;51: 276-280.
(PMID:14558937) J Chromatogr Sci. 2003 Sep;41(8):434-8.
(32) 生化学辞典 第4版
(101) J. Appl. Glycosci 1999 46 159-165
(102) 櫻井食品事典
(103) Everything Added to Food in the United States (EAFUS)
(104) 医薬品との併用に注意のいる健康食品 一般社団法人愛知県薬剤師会
(105) 生物学辞典 第1版 東京化学同人
(2012090477) New Diet Therapy 2011 27(3) 3-11
(PMID:21677059) Am J Clin Nutr. 2011 Aug;94(2):472-8.
(PMID:25400106) Br J Nutr. 2015 Jan 14;113(1):82-8.

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