銅解説

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A.銅とは?
銅は最も古くから人類に知られ、古代から武器や様々な用具として利用されてきた金属です (3) 。生体内には約80 mg存在している微量必須ミネラルで、主に骨、骨格筋、血液に存在します (1) 。銅はたんぱく質と結合し、広範な生体内反応の触媒作用の役割を担っています (3) 。銅は鉄とともに造血機能にも関わっていますが、通常の食生活を送っていれば欠乏症は起こらないとされています (1) 。また、銅は毒性の低いミネラルであるため、慢性的な過剰摂取による悪影響については、一部の疾患を除き、ほとんど報告されていません (1) 。

B.銅の供給源になる食品
主な食品の銅含有量は以下の通りです (可食部100 gあたり) 。







C.銅の特性 (単位・化学的安定性)
銅は元素記号Cu、原子番号29、原子量63.546の金属です。1価と2価の2種類の酸化状態を持ち、乾燥した空気中では安定しています (6) 。1価の化合物は不溶性の塩および錯塩として存在します。2価の塩および錯塩が一般的な存在形態です (8) 。

D.銅の吸収や働き
銅は主に小腸や十二指腸から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます (1) 。銅は摂取量が少ないほど吸収率が高く、摂取量が多くなるに従い吸収率は低下するとされています (1) 。亜鉛は銅の吸収を低下させるため、銅を蓄積するウィルソン病 (先天性代謝障害) の治療に利用されます。また、大量の2価の鉄とスズイオンは競合的に消化管からの銅の吸収を阻害します (3) 。
生体内の銅の多くは、特定のたんぱく質と結合した銅酵素として作用し、酸素の運搬、電子伝達、酸化還元、酸素添加など諸反応の触媒として働きます (3) 。中でも、鉄の代謝や輸送、活性酸素の除去、神経伝達物質の代謝に重要な役割を担っています (1) 。

E.銅不足の問題
銅不足はどのようにして起こるのか?
銅の欠乏には、遺伝性の吸収不全から起こるものと、後天性のものがあります。健康な人では、日常の食生活において欠乏はほとんどみられませんが、銅を添加していない高カロリー輸液の施行時や、銅の含有量が少ないミルクを主な栄養源としている乳児、未熟児、たんぱく質栄養障害、難治性下痢症などにおいて、欠乏症が起こることがあります (1) 。

銅が不足すると、どのような症状が起こるのか?
銅が不足すると、鉄投与に反応しない貧血 (3) 、白血球減少、骨異常が起こります (1) (3) (6) 。このほか、頻度は少ないですが、成長の障害、色素沈着の減少、筋肉の緊張低下、免疫機能の低下、心血管系異常、コレステロールや糖代謝の異常などがみられることもあります (1) (3) 。

F.銅過剰摂取のリスク
先天性の代謝障害以外には、通常の食品からの慢性的な過剰摂取による臨床症状は報告されていませんが (1) 、化学薬品の誤飲や、人工透析時の混入などの事故により、消化管障害・肝障害・溶血性貧血を主訴とする急性中毒が起こることが知られています (1) (3) 。

G.銅はどのぐらい摂取すればよいか?
各年齢別の銅の食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2015年版) は以下の通りです。


H.銅摂取状況
平成28年の国民健康・栄養調査で男性は平均1.20 mg/日、女性は平均1.03 mg/日摂取しています (2) 。

I.栄養機能食品としての関連情報
銅は栄養機能食品として表示許可されています。
上限値は6.0 mg 下限値は0.27 mgです。
・銅の栄養機能表示
「銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。」
「銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。」
・注意喚起
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

栄養機能食品の表示に関する基準の詳細についてはこちらの資料をご参照ください。

参考文献

1. 日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版
3. ミネラルの辞典:朝倉書店
5. 健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック:第一出版
6. 専門領域の最新情報 最新栄養学 第8版:建帛社
8. 理化学辞典 第5版:岩波書店
2. 平成28年 国民健康・栄養調査報告
4. 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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