健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

メチオニン [英]Methionine (Met) [学名]

概要

メチオニンは含硫アミノ酸の1つで、タンパク質中での含有量は少ないが、生体内ではメチル基供与体として重要な役割を担う必須アミノ酸である。脂質代謝に関与し肝機能の維持に重要である。俗に、「うつ症状を改善する」「毛髪の発育を促す」と言われているが、ヒトにおける有効性については、アセトアミノフェン中毒に対して有効性が示唆されている。安全性については、食品中に含まれる以上の量を自己判断で摂取した場合、危険性が示唆されている。過剰摂取すると動脈硬化症や胃がんのリスクを高める可能性がある。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・「指定添加物」:DL-体、L-体は調味料、栄養強化剤である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・略号MetまたはM、C5H11NO2S、分子量(MW)149.21。含硫アミノ酸の一つ (16) 。

分析法

・イオン交換クロマトグラフィーにて分離後、ニンヒドリンなどの発色試薬で発色し蛍光検出器 (励起波長440 nm、蛍光波長570 nm) を装着したアミノ酸自動分析計により分析する方法が一般的である (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・アセトアミノフェン中毒に対して有効性が示唆されている (94) 。アセトアミノフェン摂取後10時間以内に処置した場合、4時間毎に2.5 gのメチオニンを4回与えると、中毒による肝機能障害を防ぎ、死亡例を減らすことができる (PMID:7469632) 。アセトアミノフェン中毒に対して有益である可能性が高い。システマティック・レビュー (系統的な総説) は見つからなかったが、1件の小規模無作為割付臨床試験 (RCT) (40名) によると、メチオニン投与により、肝毒性リスクが対症療法に比べて低下した (25) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・大腸がんに対して予備的な知見。食事から摂取するメチオニンと葉酸の量が多いと、特に大腸がんの家族歴があり、アルコールを多量摂取する人において、リスクを低下させる (PMID:11164122) (PMID:11895870) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94)。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・コバラミン欠乏症に対する予備的な知見。手術前にメチオニンを摂取すると、亜酸化窒素の長時間使用によるコバラミン欠乏症を予防することができる (PMID:8017644) 。この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

・Cottonラットにメチオニン増強剤を投与したところ、総白血球数、血小板数が増加した (PMID:14613786)

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合は安全性が示唆されている (PMID:9799203) (PMID:9526959) (PMID:7469632) (94) 。
・多量に摂取した場合、危険性が示唆されている (94) 。100 mg/kg以上の摂取は避けること (PMID:12067919)
・有害事象としては、悪心、嘔吐、めまい、嗜眠、低血圧、興奮が報告されている (PMID:12067919)
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については、十分なデータがないので使用を避ける (94) 。
<小児>
・乳児に対するメチオニンを含む経管栄養剤の長期使用と肝毒性との間に関連性が報告されている (PMID:11837558)
<被害事例>
・急性肝炎の既往歴があり、約10年前から複数のサプリメントを摂取していた70歳女性 (日本) が、メチオニン (70 mg/日) を含むサプリメントを2年間併用したところ、深夜や夕食前に動悸および発汗が出現。低血糖症および高インスリン血症が認められ、全てのサプリメントの摂取中止および加療により回復した。SH基を含む薬剤およびサプリメントの摂取経験はなかったため、メチオニン由来のシステインが関与したインスリン自己免疫症候群 (IAS) と診断された (2012221158) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・メチオニン摂取により血中のホモシステイン濃度を上昇させるので、動脈硬化症を引き起こすことがある (94) 。また臨床検査のホモシステイン値に影響を与えることがある (94) 。
・メチオニンおよび塩分、亜硝酸塩に富む食事により、胃がんのリスクが増加する可能性がある (PMID:8970184)
<その他>
・メチオニンは既存の肝機能障害を悪化させることがあるので、重篤な肝疾患を持つ人は注意して用いること (PMID:12395329) (PMID:11837558)
・統合失調症患者が多量に摂取すると、混乱、見当識障害、せん妄、興奮、動揺などの症状が起きることがある (PMID:12067919)
・臨床検査値において血液pHが低く出ることがある (94) 。
・臨床検査値において血中ホモシステイン濃度が高く出ることがある (PMID:9799203) (PMID:9526959)

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・メチオニンを投与:ラット経口36 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合は安全性が示唆されている。
・自己判断で食品中に含まれる以上の多量を摂取した場合、危険性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中の安全性については、信頼できる十分なデータがないので使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・アセトアミノフェン中毒に対して有効性が示唆されている。

参考文献

(16) 生化学辞典 第3版 東京化学同人
(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(101) 衛生試験法・注解2000 金原出版株式会社 日本薬学会編
(PMID:8970184) Nutr Cancer. 1997;27(1):65-8.
(PMID:14613786) Comp Biochem Physiol A Mol Integr Physiol. 2003 Nov;136(3):577-89.
(PMID:7469632) Arch Intern Med. 1981 Feb 23;141(3 Spec No):394-6.
(PMID:11164122) Ann Epidemiol. 2001 Jan;11(1):65-72.
(PMID:11895870) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2002 Mar;11(3):227-34.
(PMID:8017644) Anesthesiology. 1994 May;80(5):1046-56.
(PMID:11837558) Pharmacotherapy. 2002 Feb;22(2):188-211.
(PMID:12395329) Hepatology. 2002 Nov;36(5):1190-6.
(PMID:12067919) Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2002 Jun 1;22(6):1046-50.
(PMID:9799203) Circulation. 1998 Nov 3;98(18):1848-52.
(PMID:9526959) Thromb Res. 1997 Nov 15;88(4):361-4.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(2012221158) 市立豊中病院医学雑誌.2011;12:71-4.
(94) Natural Medicines

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