健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

ベタイン (グリシンベタイン、トリメチルグリシン) [英]Betaine [学名]-

概要

ベタインは、魚介類 (たこ、えび、貝類など) に含まれる甘味に関連するアミノ酸のN-トリアルキル置換体である。砂糖大根や麦芽、キノコ類、ワインなどにも含まれており、食品添加物 (調味料) としても使用が認められている。また、植物から抽出されるものは天然アミノ酸系保湿剤として化粧品やシャンプーなどに使用されている。生体内ではコリンの主な代謝産物として存在し、ホモシステインからメチオニンへの変換に関与する。俗に、「脂質異常症によい」「脂肪肝によい」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータは見当たらない。ただし、無水ベタインはホモシスチン尿症の治療に有効である。安全性については、無水ベタインを適切に摂取する場合はおそらく安全である。妊娠中・授乳中における無水ベタインの安全性については、信頼できる十分なデータがないので使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「既存添加物」:調味料である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・コリンの主な代謝産物。メチル基供与体としてホモシステインからメチオニンへの再メチル化に関与する。
・メチオニンを多く含まない食品58種のベタインとホモシステイン濃度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、甜菜糖・ほうれん草にベタインが多く、小麦粉製品にホモシステインが多かったという報告がある (2003054402) 。

分析法

・食品から抽出し精製した後、紫外可視検出器 (検出波長200 nm) (101) 、紫外可視検出器 (検出波長210 nm) および質量分析装置 (MS) を装着した高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により分析されている (PMID:10536853) 。植物から抽出し誘導体化した後に、紫外可視検出器 (検出波長254 nm) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:11487974)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・無水ベタインは高ホモシステイン血症に対し、有効性が示唆されている (94) 。
・塩酸ベタインについては、調べた文献の中に見当たらない。
RCT
・健康な成人63名 (27±8歳、試験群32名、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ベタイン4 g入りミネラルウォーター500 mL/日を6ヶ月間摂取させたところ、血清脂質濃度や血漿中ホモシステイン濃度に影響は認められなかった (PMID:20978525)


消化系・肝臓

一般情報
・塩酸ベタインについては、調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・無水ベタインはホモシスチン尿症に対して有効である。ホモシスチン尿症患者において、無水ベタイン摂取により血清中のホモシスチン濃度が20〜30%低下した。FDAではオーファンドラッグ (希少疾病用医薬品) として、この目的での処方が認められている (94) 。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・アンジェルマン症候群 (重度の発達遅滞) の子ども48名 (5ヶ月齢〜14歳、試験群20名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ベタイン6 g/日 (体重30 kg未満) もしくは12 g/日 (体重30 kg以上) と葉酸15 mg/日を1年間摂取させたところ、症状に影響は認められなかった (PMID:20635355)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・低エネルギー食で治療中の肥満の成人42名 (試験群22名、平均43.5±9.1歳、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ベタイン6 g/日を12週間摂取させたところ、血中ホモシステイン濃度の低下がみられたが、体重、安静時エネルギー消費量、体脂肪量、拡張期血圧に影響は認められず、総コレステロール値、LDLコレステロール値の低下抑制が認められた (PMID:12399266)

その他

一般情報
・無水ベタインは歯磨き粉の成分として使用する場合、口渇の患者に対して有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・慢性口乾燥症候群の13名を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較比較試験において、ベタイン4%含有歯磨き粉を2回/日、使用させたところ、口渇の主観的症状が軽減した (PMID:9669455)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に用いれば、無水ベタイン摂取はおそらく安全である (94) 。
・無水ベタイン摂取の有害事象として、吐き気、消化管障害、下痢を生じる可能性がある (94) 。
・塩酸ベタインの安全性については十分なデータがない (94) 。
・ベタイン含有シャンプーによる接触性皮膚炎の報告がある (102) (103) 。
・塩酸ベタインの有害事象としては、胃酸が増加することによる胃炎、十二指腸潰瘍、潰瘍治癒の遅延、胸焼けが理論的に考えられる (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・無水ベタイン、塩酸ベタインの妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用を避けること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・ホモシスチン尿症の患者に対する食事療法では、ホモシステインの含まれている量が少ないので過剰摂取を憂慮する必要はないが、十分なベタインの摂取も不可能であり、低メチオニン食高シスチン食の摂取と必要に応じたペタインの内服を行わなければならない (2003054402) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、無水ベタインはおそらく安全である。無水ベタインはFDAで承認された処方薬である。
・妊娠中・授乳中における無水ベタインの安全性については、信頼できる十分なデータがないので使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・無水ベタインは、ホモシスチン尿症に対して有効である。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」別添3 (平成16年3月31日 薬食発第0331009号 厚生労働省医薬食品局長)
(101) 衛生試験法・注解2000 金原出版株式会社 日本薬学会編
(102) Environmental Dermatology7 :84-90,2000.
(103) Environmental Dermatology7:16-20,2000.
(PMID:10536853) J Chromatogr A. 1999; 857(1-2): 331-5.
(PMID:11487974) Pharmazie. 2001; 56(7): 552-3.
(PMID:11569700) Am J Gastroenterol. 2001 Sep;96(9):2711-7.
(PMID:9669455) Acta Odontol Scand. 1998 Apr;56(2):65-9.
(2003054402) Pediatrics International. 2002;44(4):409-13
(PMID:12399266) Am J Clin Nutr. 2002 Nov;76(5):961-7.
(PMID:20635355) Am J Med Genet A. 2010 Aug;152A(8):1994-2001.
(PMID:20978525) Eur J Clin Nutr. 2011 Jan;65(1):70-6.
(94) Natural Medicines

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.