健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ルチン [英]Rutin [学名]

概要

ルチンはビタミン様物質であるビタミンPの一種で、ケルセチンと二糖類のルチノースからなるフラボノイドである。そば、いちじくに多く含まれており、また、グレープフルーツジュースにも含まれているという報告がある。一般に食品添加物 (酸化防止剤、強化剤、着色剤) として使用が認められている。俗に、「高血圧を予防する」「毛細血管を強化する」などと言われている。ヒトでの有効性については、トリプシンとブロメラインを組み合わせて、変形性関節症に有効性が示唆されている。安全性については、果物や野菜、そばに含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。ただし、妊娠中・授乳中の安全性に関しては十分なデータがないので、過剰摂取は避けるべきである。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・「既存添加物」:酸化防止剤、強化剤、着色料である。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・水溶性。C27H30O16、分子量 (MW) 610.53。融点192℃。加水分解するとケルセチン、L-ラムノース、D-グルコース各1分子を生ずる。

分析法

・ルチンの分析には、紫外可視検出器 (波長370 nm) を装着したHPLC (PMID:11499620) や質量分析法 (HPLC/MS) (PMID:14518934) が用いられる。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・ルチンはトリプシンとブロメラインを組み合わせることで、変形性関節症に有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・男性マラソン選手138名 (試験群72名、平均44±11歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ルチン100 mg、ブロメライン90 mg、トリプシン48 mg含有サプリメントを大会の1週間前から4粒×3回/日、大会後2週間2粒×3回/日、摂取させたところ、血中炎症マーカー (IL-6、IL-10、高感度CRP、白血球数) 、上気道感染リスクに影響は認められなかった (PMID:27753739)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・果物や野菜に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・過剰摂取した場合、危険性が示唆されている (94) 。
・有害事象として、頭痛、紅潮、ほてり、軽度の胃腸障害が知られている (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の摂取の安全性に関してはデータが十分でないため、食物に含まれている以上の量を摂取することは避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、ルチンの単回摂取は、シクロスポリンの血中濃度 (Cmax、AUC) を低下させ、in vitroの実験によりCYP3A4とP糖タンパク質活性を誘導した (PMID:21466223)
・動物実験 (ラット) において、ルチンの15日間経口投与は、パリクタキセル (抗がん剤) (P糖タンパク、CYP3A4基質) の血中濃度 (AUC、Cmax) 、半減期、平均滞留時間を増加させ、クリアランス (CL/F、Vz/F) を低下させた (PMID:24871039)
・in vitro試験 (ラット肝ミクロソーム) において、ルチンはCYP2D6、CYP3A4活性を阻害した (PMID:26139922)
・in vitro試験 (ヒト肝細胞) において、ルチンはCYP3A4のタンパク質発現、mRNA発現を阻害し、CYP1A1のタンパク質発現、mRNA発現を誘導した (PMID:27749250)
<その他>
・鉄とキレートを形成するというデータがある (PMID:9647665)
・疾病などの健康状態や臨床検査値に対する影響は知られていない (94) 。

動物他での
毒性試験

・9品目の天然添加物について5種類のサルモネラ菌株を用いた変異原性試験を行ったところ、酵素処理イソクエルシトリン、精油除去ウイキョウ抽出物、ルチン酵素分解物が陽性を示した (2005028192) 。一方、酵素処理イソクエルシトリンについては、マウスを用いた小核試験 (in vivoの遺伝毒性試験) ならびにラットの発がん性試験でともに陰性との報告がある (101) (102) 。ルチン酵素分解物の主成分であるイソクエルシトリンのアグリコンであるクエルセチンについても、遺伝毒性試験ならびに発ガン性試験で陰性と陽性 (腎臓に発がん性を示すとの報告) といった相反する報告がある (104) (105) 。ラットの腎発がん性についてはヒトには当てはまらないと考えられており (106) 、国際がん研究機関 (International Agency for Research on Cancer: IARC) は、動物試験でのクエルセチンの発がん性の根拠は乏しく、ヒトに対する発がん性評価は「分類できない」 (グループ3) と結論している (107) 。
・in vitro試験 (チャイニーズハムスター卵巣細胞) において、ルチン、モノグルコシルルチンは細胞毒性を示した (PMID:26862569)

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・果物や野菜、そばに含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、過剰摂取した場合の安全性については明確になっていない。
・妊娠中・授乳中の摂取に対する安全性に関してはデータが十分でないため、過剰摂取は避ける。
・有害事象として、頭痛、紅潮、ほてり、軽度の胃腸障害が知られている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・トリプシンとブロメラインとの組み合わせた場合、変形性関節症に有効性が示唆されている。

参考文献

(16) 生化学辞典 第3版 東京化学同人
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:11499620) J Chromatogr B Biomed Sci Appl. 759(1):161-8, 2001.
(PMID:14518934) J Agric Food Chem. 51(21):6132-6, 2003.
(PMID:9647665) Arch Biochem Biophys. 1998 Jul 1;355(1):43-8
(2005028192) 名古屋市衛生研究所報.2004; 50: 21-24
(101) 黒川雄二.平成11年度食品添加物安全性評価等試験検査費食品添加物安全性評価費調査研究報告書.既存添加物の安全性評価に関する調査研究
(102) Salim EI, et. al. Lack of carcinogenicity of enzymatically modified isoquercitrin in F344/DuCrj rats. Food Chemical Toxicol, 42: 1949-1969, 2004.
(104) National Toxicology Program. Toxicology and carcinogenesis studies of quercetin (CAS No. 117-39-5) in F344 rats (feed studies). Natl Toxicol Program Tech Rep Ser 409: 1-171, 1992.
(105) Ito N, et. al. Lack of carcinogenicity of quercetin in F344/DuCrj rats. Jpn J Cancer Res 80: 317-325, 1989.
(106) Hard GC, et. al. Re-evaluation of the kidney tumors and renal histopathology occurring in a 2-year rat carcinogenicity bioassay of quercetin. Food Chemical Toxicol 45: 600-608, 2007.
(PMID:21466223) J Agric Food Chem. 2011 May 11;59(9):4644-8.
(PMID:26139922) J Food Sci Technol. 2015 Jul;52(7):4537-43.
(PMID:24871039) Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2015 Sep;40(3):267-76.
(94) Natural Medicines
(PMID:26862569) Data Brief. 2015 Dec 12;6:262-6.
(PMID:27749250) Acta Pharm. 2016 Dec 1;66(4):491-502.
(PMID:27753739) Med Sci Sports Exerc. 2017 Mar;49(3):387-395.

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