健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

コリン [英]Choline [学名]

概要

コリンは水溶性のビタミン様物質に分類される。動・植物性食品中には、ホスファチジルコリン(レシチン)やスフィンゴミエリンなどの形で存在している。また、生体内では神経伝達物質のアセチルコリンの前駆物質である。俗に、「脂肪肝や動脈硬化を予防する」「高血圧を予防する」などと言われている。ヒトでの有効性については、喘息の治療に有効性が示唆されている。適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、妊娠中・授乳中の高用量摂取に対する安全性に関しては十分なデータが得られていないため使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

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成分の特性・品質

主な成分・性質

・C5H14O、分子量 (MW) 104.17。水、アルコールに易溶、エーテル、クロロホルムには不溶。白色結晶。

分析法

・紫外可視検出器 (波長254 nm) を装着したHPLC法が用いられる (PMID:4039730) 。ガスクロマトグラフィーもしくは、ガスクロマトグラフィー質量分析法 (GC/MS法) が用いられる (PMID:541373) (PMID:4750685) (PMID:4358090)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・コリンは喘息の治療に、有効性が示唆されている。コリンは喘息の症状の重症度と症状の出る日数および気管支拡張薬の必要性を減少させる可能性がある。3 g/日の高用量の方が1.5 g/日の低用量よりも有効であるという知見が複数得られている (94) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・小脳性運動失調症の治療に効果がないことが示唆されている (94) 。
・記憶喪失、アルツハイマー病、認知症の治療におそらく効果がない (94) 。
・統合失調症の治療におそらく効果がない (94) 。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

一般情報
・乳幼児のミルクへの補助栄養として、おそらく有効である (94) 。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・持久性の運動で、疲労が出るのを遅らせるのには、効果がないことが示唆されている (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

・ブロイラーの餌にコリンとメチオニンを添加したところ、細胞性免疫と体液性免疫の改善症状がみられた (PMID:10821528)

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・過剰量を摂取した場合、おそらく危険である。高用量の摂取は有害事象のリスクを高める可能性がある。18歳以上の成人で3.5 g/日を越える量を摂取すべきではない (94) 。
・有害事象として、発汗、魚くさい体臭、胃腸の不調、嘔吐、便秘、不眠症、めまい、頭痛、下痢をおこす可能性がある(94) 。
・がんおよびポリープのない30〜55歳の女性看護師39,246名を対象とした疫学調査 (2年毎12年間の追跡調査) において、食事からのコリンの摂取量が多いと直腸結腸アデノーマの発症率が高い (PMID:17686825)
<妊婦・授乳婦>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である。18歳までの女性は3 g/日、19歳以上の女性は3.5 g/日までの摂取では有害事象を起こさないと思われる。過剰量摂取の安全性に関して十分なデータが得られていない (94) 。
<小児>
・小児が適切にコリンを摂取する場合、おそらく安全である。小児が過剰量を摂取した場合、おそらく危険である。1〜8歳で1 g/日以上、9〜13歳で2 g/日以上、14〜18歳で3 g/日以上は摂取すべきではない (94) 。
<被害事例>
・記憶喪失を伴う軽度認知症の79歳男性 (イタリア) に、治療のためにコリン1,200 mg/日を6週間摂取させたところ、病的な性衝動と性欲の増加を示し、コリン摂取中止5日以内に消失した (PMID:23733158)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

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総合評価

安全性

・小児や妊娠中・授乳中も含め、適切にコリンを摂取する場合、おそらく安全である。
・高用量の摂取は有害事象のリスクを高める可能性があり、小児や妊娠中・授乳中における過剰摂取は、おそらく危険である。過剰摂取の有害事象としては、発汗、魚くさい体臭、胃腸の不調、嘔吐、下痢が知られている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・喘息の治療に有効性が示唆されている。
・乳幼児のミルクへの補助栄養として、おそらく有効である。
・小脳性運動失調症の治療、持久性の運動で、疲労が出るのを遅らせるのに対して効果がないことが示唆されている。
・記憶喪失、アルツハイマー病、認知症の治療、統合失調症の治療におそらく効果がない。

参考文献

(PMID:4039730) J Chromatogr. 319(3): 454-60, 1985.
(PMID:541373) J Chromatogr. 163(2):206-11, 1979.
(PMID:4750685) Anal Biochem. 55(2):438-48, 1973.
(PMID:4358090) Biochim Biophys Acta. 326(2):174-83, 1973.
(PMID:10821528) Br Poult Sci. 2000 Mar;41(1):83-8.
(PMID:17686825) J Natl Cancer Inst. 2007 Aug 15;99(16):1224-31.
(PMID:23733158) Arch Sex Behav. 2014 Jan;43(1):187-9.
(94) Natural Medicines

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