健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

葉酸 [英]folate、folic acid [学名]

概要

葉酸は水溶性のビタミンであり、造血に必要な因子としてほうれん草から単離されたため、この名称がついている。葉酸は緑黄色野菜やレバーに多く含まれている。生体内ではDNAやアミノ酸の合成にも関与している。動脈硬化の危険因子とされている血清ホモシステインの増加を抑えることで最近注目されている。食品添加物 (強化剤) として使用が認められている。


●有効性
俗に、「貧血を防ぐ」「口内炎を予防する」「病気に対する抵抗力を高める」などと言われている。人においては、高ホモシステイン血症の治療や胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減におそらく有効である。


●安全性
適切に摂取する場合、おそらく安全である。食材に含まれる葉酸は比較的体内で吸収されにくいことが知られている。妊婦における葉酸不足が胎児に障害をもたらす可能性があることから、厚生労働省は特に妊娠を希望している女性に対し、400μg/日を摂取することを呼びかけている。




基礎的な解説は「葉酸解説」を参照。

▼他の素材はこちら



法規・制度

■食薬区分
「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■日本薬局方
・葉酸が収載されている。

■食品添加物
・指定添加物:強化剤
 
■特定保健用食品
特定保健用食品(疾病リスク低減表示)としての保健用途表示は「この食品は葉酸を豊富に含みます。適切な量の葉酸を含む健康的な食事は、女性にとって、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を持つ子どもが生まれるリスクを低減するかもしれません(1日摂取目安量:400〜1000μg)」 通知文 (PDF)

■栄養機能食品
「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:72 μg、上限値:200 μg) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C19H19N7O6、分子量 (MW) 441.40。融点250℃。黄橙色針状結晶で、酢酸、アルカリ、ピリジンに易溶。煮沸水に1%可溶。アセトン、エーテル、クロロホルム、ベンゼンに不溶。不安定であるが、遮光下では粉末、アルカリ溶液とも安定。天然ではテトラヒドロ葉酸のポリ-γ-グルタミン酸誘導体の形で存在する。
・葉酸には生体利用性の高い合成品のfolic acid (モノグルタミン酸型) と、それよりも生体利用性の低い通常食品に含まれている食事葉酸 (ポリグルタミン酸型) がある。酵母に含まれる葉酸はほとんどがポリグルタミン酸型である (PMID:16825692) (PMID:12848514)

分析法

・乳酸菌 (Lactobacillus casei) の成育度を利用する微生物学的定量法 (バイオアッセイ) により分析されている (PMID:15453710)

有効性








循環器・
呼吸器


<血中ホモシステイン>
RCT
・血中ホモシステイン濃度が高い高齢者100名 (試験群50名、平均73.4歳、ニュージーランド) を対象とした無作為化プラセボ対照試験において、1日に葉酸 1 mg+ビタミンB12 0.5 mg+ビタミンB6 10 mgを2年間摂取させたところ、血漿中総ホモシステイン濃度は低下したが、S-アデノシルホモシステイン、S-アデノシルメチオニン濃度に影響は認められなかった (PMID:20089204)
・血中ホモシステイン濃度の高い高齢女性31名 (試験群17名、平均75.4±8.0歳、クロアチア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸 800μg/日+ビタミンB12 1,000μg/日を4ヶ月間摂取させたところ、血漿ホモシステイン濃度の低下が認められたが、骨代謝マーカー (血清アルカリフォスファターゼ、血清I型コラーゲン架橋C-テロペプチド) に影響は認められなかった (PMID:23507227)
・やや過体重の健康成人50名 (中央値49歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸500μg/日を8週間摂取させたところ、血漿中ホモシステイン濃度は低下したが、末梢血単核細胞中ホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、S-アデノシルホモシステイン濃度に影響は認められなかった (PMID:23740686)

<血管>
メタ分析
・2017年8月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験13報について検討したメタ分析において、代謝性疾患の患者による葉酸サプリメントの摂取は、収縮期血圧 (6報) 、拡張期血圧 (6報) 、血中脂質 (TG (11報) 、TC (10報) 、HDL-C (10報) 、LDL-C (9報) 、VLDL-C (3報)) との関連は認められなかった (PMID:29279272)
・2017年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験179報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は、心血管疾患 (5報) および脳卒中 (7報) の発症リスク低下と関連が認められたが、心血管疾患 (5報) および脳卒中 (2報) による死亡リスクとの関連は認められず、冠動脈疾患の発症 (2報) 、心筋梗塞の発症 (6報) および死亡 (2報) のリスク、および総死亡率 (10報) との関連は認められなかった (PMID:29852980)
・2016年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、心血管疾患患者による葉酸サプリメントの摂取は脳卒中発症リスクの低下と関連が認められた (PMID:29078842)
・2016年9月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験13報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、葉酸を食品に強制添加していない国の対象者における葉酸サプリメント摂取は、脳卒中発症リスク低下との関連が認められた (PMID:29402063)
・2015年11月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験30報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は、脳卒中 (20報) 、総心血管疾患 (22報) の発症リスク低下と関連が認められた。一方、冠動脈疾患 (25報) の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:27528407)
・2013年9月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験18報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取は冠血行再建術 (9報) 、総血行再建術 (7報) のリスクと関連は認められなかった (PMID:24461473)
・2013年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験24報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、ビタミンB群サプリメントの摂取は、主要心血管イベント (23報) 、心血管関連死 (15報) 、心筋梗塞 (19報) 、脳卒中 (18報) のリスクや全死亡率 (20報) との関連は認められなかった (PMID:25238614)
・2013年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験18報 (検索条件:期間≧12ヶ月) について検討したメタ分析において、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取は脳卒中の発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:24282609)
・2012年11月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験50報について検討したメタ分析において、ビタミンや抗酸化物質 (ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、β-カロテン、セレン) のサプリメント摂取は心血管疾患 (心筋梗塞、狭心症、脳卒中、一過性虚血発作) の発症および心血管関連死、心突然死のリスクとの関連は認められなかった (PMID:23335472)
・2012年8月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験14報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、ビタミンB群 (葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12単独もしくは併用) の摂取は、脳卒中の発症リスクを低下させた (PMID:24049135)
・2012年7月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験9報について検討したメタ分析において、血中ホモシステイン濃度の低下を目的とした葉酸摂取は、腎臓病患者における心血管疾患リスクの低下と関連が認められた (PMID:23313356)
・2012年1月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験15報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取は脳卒中リスク低減と関連が認められた (PMID:22607506)
・2011年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、腎臓病患者における葉酸摂取による血中ホモシステイン濃度の低下は、心血管イベントリスクとの関連は認められなかった (PMID:22695899)
・2010年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験16報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取は心血管疾患、脳卒中、心筋梗塞、再灌流障害、急性冠動脈症候群、がんの発症リスクや全死亡率、血管疾患による死亡率との関連は認められなかった (PMID:21980387)
・2010年11月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験19報について検討したメタ分析において、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12のビタミンB群の摂取は、脳卒中リスク低減 (14報) と関連が認められたが、心血管疾患 (14報) 、冠状動脈疾患 (14報) 、心筋梗塞 (10報) 、心血管疾患による死亡 (9報) 、全死亡 (15報) のリスクとの関連は認められなかった (PMID:22652362)
・2010年8月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、末期腎不全または慢性腎不全患者による葉酸摂取は、冠動脈疾患リスクを低下させた (PMID:21088292)
・2009年までに報告されている大規模二重盲検無作為化プラセボ対照試験8報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの平均5年間の摂取は心血管疾患、冠状動脈疾患、脳卒中、がんの発症リスクや全死亡率との関連は認められなかった (PMID:20937919)
・1966年1月から2009年7月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験14報について検討したメタ分析において、葉酸の6ヶ月以上の摂取は、全体として心血管疾患や脳卒中の発症リスクとの関連は認められなかったが、介入開始時の血中ホモシステイン濃度が高い群 (>12μmol/L) ではリスクの増加を示した (PMID:20691310)
・2009年5月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験13報について検討したメタ分析において、葉酸の6ヶ月以上の摂取は脳卒中発症もしくは再発リスクとの関連は認められなかった (PMID:20413740)
・2008年12月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、心臓もしくは腎臓に疾患のある人に対する葉酸の単独またはビタミンB12、ビタミンB6との併用摂取は、心発作、冠状動脈疾患、脳卒中の発症リスクや全死亡率との関連は認められなかった (PMID:19912385)
・2008年までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、ホモシステイン濃度を低下させるためにビタミンB12、B6、葉酸を1年以上摂取することは、心筋梗塞と脳卒中の発症リスク、全死亡率との関連は認められなかった (PMID:19821378)
・1966年1月〜2007年4月を対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、脳卒中歴や心臓もしくは腎臓に疾患のある人による葉酸摂取は、脳卒中のリスクを低減した (PMID:17544768)
・2006年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験16報について検討したメタ分析において、ビタミンE、ビタミンC、β-カロテン、セレンの抗酸化物質および葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12のビタミンB群の摂取はアテローム性動脈硬化症の進行との関連は認められなかった (PMID:17023716)
・1966年1月〜2006年7月を対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、心臓もしくは腎臓に疾患のある人による葉酸摂取には、心臓血管イベントや総死亡率の低減との関連は認められなかった (PMID:17164458)
・1966年から2005年9月15日を対象に1つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化比較試験14報について検討したメタ分析において、高用量の葉酸摂取によって安静時に対する駆血解除後の血管径増加率 (血管内皮弛緩の指標) が改善された (PMID:17823424)
RCT
・急性心筋梗塞の経験者3,749名 (30〜80歳、ノルウェー) を対象とした無作為化比較試験において、毎日、0.8 mgの葉酸と0.4 mgのビタミンB12と40 mgのビタミンB6、もしくは0.8 mgの葉酸と0.4 mgのビタミンB12、あるいは40 mgのビタミンB6を摂取させた結果、葉酸とビタミンB12を摂取した人々でホモシステイン濃度の低下がみられたが、どの群においても心筋梗塞、脳卒中、冠状動脈疾患による突然死の再発リスクに影響は認められなかった (PMID:16531614)
・心血管疾患リスクの高い女性5,442名 (試験群2,721名、平均62.8±8.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB群 (葉酸2.5 mg、B650 mg、B121 mg) /日を7.3年間摂取させたところ、心血管の合併症、心筋梗塞、脳卒中、冠血行再建、総関動脈疾患の発症数と心疾患系、脳卒中、心筋梗塞による死亡数や総死亡数に影響は認められなかった (PMID:18460663)
・冠状動脈疾患又は大動脈弁狭窄症患者3,096名 (女性20.5%、平均61.7歳、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、1日あたり0.8 mg葉酸+0.4 mgビタミンB12を摂取させたところ血中ホモシステイン濃度の低下がみられたが、葉酸+ビタミンB12及びビタミンB6 (40 mg/日) をそれぞれ平均38.4ヶ月間摂取させても、複合発症リスク (死亡、急性心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓性脳卒中) に影響は認められなかった (PMID:18714059)
・冠動脈疾患の患者 (経皮的冠動脈形成術を受けた患者を含む) 348名 (平均60±10.2歳、試験群265名、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸を0.8 mg/日、ビタミンB12を0.4 mg/日、ビタミンB6を40 mg/日、3種類併用もしくは葉酸とビタミンB12の併用、ビタミンB6の単独で平均10.5ヶ月間摂取させたところ、冠状動脈の直径狭窄や最小内腔径に影響は認められず、逆に葉酸とビタミンB12の併用群では急速な狭窄を進行させる可能性が示された (PMID:20494665)
・心筋梗塞の既往歴のある成人12,064名 (平均64.2±8.9歳、試験群6,033名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸2 mg/日+ビタミンB121 mg/日を平均6.7年間摂取したところ、冠状動脈疾患、心臓発作、脳卒中、がん発症のリスクや死亡率に影響は認められなかった (PMID:20571015)
・最近7ヶ月以内に脳卒中もしくは一過性脳虚血発作を発症した患者8,164名 (平均62.6±12.5歳、試験群4,089名、20ヶ国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸 (2 mg/日) 、ビタミンB6 (25 mg/日) 、ビタミンB12 (0.5 mg/日) を3.4年間 (中央値) 摂取させたところ、脳卒中、心筋梗塞、およびこれらを原因とした死亡リスク(PMID:20688574)、全がん、各種がん、がんによる死亡リスク (PMID:22474057) 、骨粗鬆症性骨折、股関節骨折リスク (PMID:24004645) に影響は認められなかった。また、この試験の二次解析において、8,072名を対象とした抗血小板薬服用と心血管疾患リスクとの関連では、抗血小板薬服用者 (6,609名、平均62.9±12.3歳、試験群3,306名) では脳卒中、心筋梗塞、およびこれらを原因とした死亡リスクに影響は認められなかったが、抗血小板薬非服用者 (1,463名、平均61.1±13.2歳、試験群734名) ではリスクの低下が認められた (PMID:22554931) 。血管内皮機能との関連では、285名 (試験群143名) を対象とした6ヶ月間摂取で、炎症 (高感度CRP、sCD40L、IL-6) 、内皮機能 (VCAM-1、ICAM-1、vWF) 、血液凝固 (P-セレクチン、プロトロンビンフラグメント1、2) マーカーに影響は認められず (PMID:15569860)、162名 (試験群83名、平均64±12歳) を対象とした3.9±0.9年間摂取で、頸動脈内膜中膜厚や血管内皮機能 (FMD) に影響は認められなかった (PMID:18803866) 。脳・神経系との関連では、273名 (試験群136名、平均62.9±12.1歳) を対象とした7.1 ± 2.1 年間摂取で、うつ病の発症リスク低減と関連が認められ (PMID:20976769) 、359名 (試験群174名、平均64.8±12.4歳) を対象とした2年間摂取で、脳のMRIによる白質病変の変化やラクナ梗塞のリスクに影響は認められず (PMID:23093615) 、2,214名 (平均63.6±11.8歳、試験群1,110名) を対象とした2.8年間摂取で、認知機能検査結果 (MMSE) や認知症の発症、認知機能の低下リスクに影響は認められなかった (PMID:23765945)
・血管疾患もしくは糖尿病の患者5,522名を対象とした無作為化比較試験において、2.5 mgの葉酸と1 mgのビタミンB12と50 mgのビタミンB6を含む錠剤を毎日摂取させた結果 、血漿ホモシステイン濃度の低下はみられたが、心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中のリスクは軽減されなかった (PMID:16531613)
・心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性脳卒中のいずれかの既往歴がある2,501名 (男性60.9±8.8歳、女性63.2±9.7歳、試験群1,875名、フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB群 (5-メチルテトラヒドロ葉酸560μg/日、ビタミン B6 3 mg/日、ビタミンB12 20μg/日) とn-3系不飽和脂肪酸600 mg/日 (EPA:DHA=2:1) のどちらか、または両者を平均4.7年間摂取させたところ、主要心血管イベントのリスク (PMID:21115589) 、血圧 (PMID:21801476) に影響は認められず、男性のn-3系不飽和脂肪酸摂取群でのみ抑うつ症状の増加が認められた (PMID:22648722) 。また、そのうち、1,748名 (平均61.0±8.8歳、試験群1,323 名) を対象として認知機能を検討したところ、影響は認められなかった (PMID:21593490) 。また、2,029名 (平均61.2±8.8歳、試験群1,513名) を対象とした3.1±0.4年摂取で、健康関連QOL (SF-36スコア) を検討したところ、ビタミンB群摂取群で精神問題に起因する活動制限が増加し、心筋梗塞既往者においては、n-3系不飽和脂肪酸摂取群で活力の低下が認められた (PMID:24465438) 。また、冠動脈心疾患の既往歴がある1,863名のみを対象とした4.2±1.0年間の調査では、ビタミンB群摂取群で冠動脈再建のリスク増加が認められた (PMID:22365647)
・高血圧患者20,702名 (試験群10,348名、平均60.0±7.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、エナラプリル (ACE阻害薬) の服用とともに葉酸0.8 mg/日を4.5年間摂取させたところ、降圧薬のみと比較して全脳卒中、虚血性脳卒中、心血管イベントの発症リスクの低下が認められたが、出血性脳卒中、心筋梗塞のリスクや、心血管疾患による死亡率、全死亡率に影響は認められず (PMID:25771069) 、このうち試験開始時に糖尿病と診断された者を除く20,030名 (試験群10,016名、平均60.0±7.5歳) を対象とした解析において、糖尿病発症リスクに影響は認められなかった (PMID:26455512)
・1型または2型糖尿病性腎症患者238名 (試験群119名、平均60.7歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸2.5 mg、ビタミンB625 mg、ビタミンB121 mgを含む錠剤を1日1回、36ヶ月間摂取させたところ、糸球体ろ過量 (GFR) は減少し、心筋梗塞や脳卒中発作の発生率は増加した (PMID:20424250)
・進行性慢性腎臓病もしくは末期腎臓病の成人患者2,056名 (試験群1,032名、平均65.4歳) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、葉酸 (40 mg/日) 、ビタミンB6 (100 mg/日) 、ビタミンB12 (2 mg/日) を約3.2年間摂取させたところ、総死亡率、心筋梗塞と脳卒中の発生率、透析導入までの時間、透析患者の血栓症への時間に影響は認められなかった (PMID:17848650)
・血液透析を受けている末期腎臓病患者650名 (平均61±13歳、試験群327名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸 (5 mg) 、ビタミンB12 (50μg) 、ビタミンB6 (20 mg) を3回/週、2年間摂取させたところ、死亡率、心血管イベント発生率に影響は認められなかった (PMID:20231532)
・腎臓移植を受けた患者4,110名 (試験群2,056名、平均52±9.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、葉酸 (5 mg) 、ビタミンB6 (50 mg) 、ビタミンB12 (1 mg) を平均4年間摂取させたところ、ビタミンB6 (1.4 mg) 、ビタミンB12 (2μg) を摂取させた群と比較して、血中総ホモシステイン濃度は低下したが、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化症などの心血管疾患の発症リスク、全死亡率、透析が必要な腎不全の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:21482964)
・血中ホモシステイン濃度が高い高齢者819名 (試験群406名、平均60±6歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸800μg/日を3年間摂取させたところ、血漿中総ホモシステイン濃度は低下したが、頸動脈内膜中膜複合体厚 (CIMT) や動脈伸展性に影響は認められなかった (PMID:21430116)
・血中ホモシステイン濃度が高めの男性132名 (30〜49歳、試験群99名、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB群 (葉酸1 mg/日、ビタミンB6 7.2 mg/日、ビタミンB12 0.02 mg/日) と抗酸化ビタミン (ビタミンC 150 mg/日、ビタミンE 67 mg/日、β-カロテン9 mg/日) をどちらか、または併用で8週間摂取させたところ、血中の非対称型ジメチルアルギニン (ADMA:内因性一酸化窒素合成酵素阻害物質) やCRP (炎症マーカー) の濃度に影響は認められなかった (PMID:20401662)
・1型糖尿病患者の青少年20名 (平均15.1±2.6歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、葉酸0.5 mg、2 mg、5 mgいずれかの単回摂取は、2時間後における血管内皮機能 (FMD) に影響は認められなかった (PMID:23374677)
・健康な高齢者390名 (試験群195名、平均66.7±4.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンC 50 mg/日とともに、400μg/日の葉酸+2 mg/日のビタミンB6+10μg/日のビタミンB12を12ヶ月間摂取させたところ、ビタミンC単独摂取に比較し、フラミンガムリスクスコア (冠動脈疾患リスク指標) の評価因子のうちHDL-Cの上昇が認められたが、TC、収縮期血圧に影響は認められなかった (PMID:24916013)
・高ホモシステイン血症の高齢者2.919名 (試験群1,461名、平均74.0±6.6歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB12を500μg/日、葉酸を400μg/日、2年間摂取させたところ、血圧 (収縮期、拡張期) 、PWV、IMT、心血管疾患リスク (PMID:26147383) 、身体機能 (3 m歩行、椅子立ち上がり、タンデム肢位) 、握力、転倒発生までの期間 (PMID:26412463) に影響は認められなかった。このうち、血管内皮機能および炎症マーカーの測定を行っていた522名 (試験群271名、平均72.4±5.7歳) を対象とした2次解析では、炎症マーカー (ICAM-1、VCAM-1、VEGC、SAA、CRP) に影響は認められなかった (PMID:26774115)
その他
・成人58,730名 (40〜79歳、日本) を対象としたコホート研究において、食事からの葉酸摂取は、男性 (23,119名) で心不全、女性 (35,611名) で冠動脈疾患のリスク低下と関連が認められた (PMID:20395608)
・成人40,803名 (40〜59歳、日本) を対象としたコホート研究において、食事からの葉酸、ビタミンB6、または、ビタミンB12の摂取は、マルチビタミン非利用者においてのみ、心筋梗塞のリスク低下と関連が認められたが、全体では冠状動脈疾患、心筋梗塞のリスクに影響は与えなかった (PMID:18460491)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2012年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、2型糖尿病患者による葉酸の摂取は、血中ホモシステイン濃度低下 (4報) と関連が認められたが、HbA1c (3報) との関連は認められなかった (PMID:22727498)
RCT
・心血管疾患歴もしくは心血管疾患のリスク要因を持つ女性4,252名 (試験群2,132名、63.1±8.9歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸 (2.5 mg/日) とビタミンB12 (1 mg/日) 、ビタミンB6 (50 mg/日) を約7.3年間摂取させたところ、糖尿病の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:19491213)
・過体重または肥満の2型糖尿病患者48名 (試験群24名、平均59.4±7.6歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸5 mg/日を8週間摂取させたところ、HbA1cの低下が認められたが、血糖、血清インスリン、HOMA-IR、体重、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TG) に影響は認められなかった (PMID:21802161)

生殖・泌尿器

メタ分析
・2017年までを対象に2つのデータベースで検索できた疫学研究17報 (コホート研究13報、無作為化比較試験4報) について検討したメタ分析において、妊娠中の葉酸サプリメントの摂取は、乳児の平均出生体重 (9報) の増加、低出生体重児の発生率 (10報) の減少と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。一方、在胎不当過小児の発生率 (6報) に影響は認められなかった (PMID:31680411)
・2016年12月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験6報について検討したメタ分析において、生殖能力が低い男性による葉酸サプリメントの単独摂取または亜鉛サプリメントとの併用は、精子濃度 (単独4報、併用4報) の上昇と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。一方、精子運動性 (4報、3報) 、精子形態 (4報、3報) との関連は認められなかった (PMID:28853101)
・2015年9月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究20報について検討したメタ分析において、妊娠中の葉酸または葉酸を含むマルチビタミンの摂取は、新生児の先天性心疾患発症リスク低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:27829639)
・2015年7月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験2報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は、妊娠高血圧症、妊娠高血圧腎症のリスクを低下させた。一方、コホート研究9報の解析との関連は認められなかった (PMID:27315401)
・2015年1月までを対象に5つのデータベースで検索できたコホート研究12報について検討したメタ分析において、母親による受胎前の葉酸1,000 μg/日を超える摂取は早産 (2報) リスク低下と関連が認められ、1,000 μg/日以下の摂取は子宮内胎児発育遅延 (5報) リスク低下と関連が認められたが、早産 (5報) リスクとの関連は認められなかった。また、受胎後の葉酸1,000 μg/日以下の摂取は早産 (2報) 、子宮内胎児発育遅延 (3報) リスク低下と関連が認められた (PMID:27856370)
・2014年10月までを対象に2つのデータベースで検索できた疫学研究18報 (無作為化比較試験1報、症例対照研究16報、コホート研究1報) について検討したメタ分析において、妊娠中の葉酸摂取は、新生児の先天性心疾患リスク低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:25687545)
・2013年8月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験、観察研究13報について検討したメタ分析において、母親による受胎前の葉酸摂取 (3報) は低出生体重児出産リスク低下と関連が認められたが、受胎後の葉酸摂取 (2報) との関連は認められなかった (PMID:25424556)
・2010年2月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、妊娠中の葉酸摂取は、子どもの出生時体重の増加 (7報) と関連が認められたが、胎盤重量 (4報) や妊娠期間 (5報) との関連は認められなかった (PMID:22992251)
RCT
・子癇前症の危険因子を有する妊婦2,301名 (試験群1,144名、妊娠期間:8〜16週、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、ジャマイカ、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸1 mg×4回/日を出産まで摂取させたところ、妊娠20週以降の子癇前症の発症に影響は認められなかった (PMID:30209050)

脳・神経・
感覚器

<認知機能>
メタ分析
・2015年5月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、認知症またはアルツハイマー病の高齢者によるビタミンB群の摂取は血清ホモシステイン濃度の低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きく、認知機能との関連は認められなかった (PMID:28248558)
・2003年〜2013年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験 (検索条件:期間≧3ヶ月、年齢>40歳) 24報について検索したメタ分析において、n-3系不飽和脂肪酸やビタミンB群 (葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6) の摂取は、MMSE認知テストスコア (n-3系不飽和脂肪酸:4報、ビタミンB群:3報) 、数唱テストスコア (n-3系不飽和脂肪酸:3報) との関連は認められなかった (PMID:26740832)
・2011年8月までを対象に4つのデータベースで検索できた50歳以上の成人を対象とした無作為化プラセボ対照試験19報について検討したメタ分析において、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の単独もしくは併用摂取は、認知障害の有無に関わらず、認知機能との関連は認められなかった (PMID:22232016)
・2010年9月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験 (>100名、>3ヶ月間) 11報について検索したメタ分析において、高齢者によるビタミンB群 (葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6) 摂取は、記憶、反応速度、実行機能、全般的認知機能評価の変化 (4報) 、MMSE認知テストスコア (7報) との関連は認められなかった (PMID:24965307)
・2009年5月までを対象に2つのデータベースで検索できた45歳以上の成人を対象とした無作為化プラセボ対照試験9報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの単独もしくは他のビタミンB群との組み合わせ摂取は、摂取開始後3年以内 (中央値6ヶ月間) の認知機能低下予防との関連は認められなかった (PMID:20569758)
RCT
・健康な高齢女性220名 (平均63歳、試験群111名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンサプリメント (ビタミンC 150 mg、ビタミンE 36 mg、ビタミンB1 2.4 mg、ビタミンB2 3.2 mg、ビタミンB6 3.4 mg、ビタミンB12 9μg、ナイアシン34 mg、パントテン酸16 mg、ビオチン200μg、葉酸400μg、カロテン9 mg、マグネシウム50 mg、セレン60μg含有) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能にとの関連は認められなかった (PMID:15917019)
・血管疾患を有する高齢患者 (オランダ) において、最長1年間にわたるビタミンB12 (500μg) に葉酸 (2.5 mg) を加えた経口摂取は、血漿ホモシステイン濃度をかなり低下させるものの、短期的にも中期的にも認知機能への有意な効果がなかったという無作為化比較試験の報告がある (PMID:16332666)
・血漿ホモシステイン濃度が高い (13μmol/L以上) 、健康な65歳以上の高齢者 (ニュージーランド) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、ビタミンB12 (500μg) と葉酸 (1,000μg) とビタミンB6 (10 mg) を含むサプリメントを1日1錠、2年間摂取した結果、血漿ホモシステイン濃度は低下したが、認知機能試験の成績は改善しなかった (PMID:16807413)
・アテローム動脈硬化症の高齢患者818名 (50〜70歳、試験群405名、オランダ) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、1日に葉酸800μgを3年間摂取させたところ、血清中葉酸濃度の上昇、血漿中ホモシステイン濃度の低下とともに加齢による認知機能の低下を抑制した (PMID:17240287)
・軽度〜中程度のアルツハイマー病患者409名 (平均76.3±8歳、試験群240名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、5 mg/日の葉酸、25 mg/日のビタミンB6、1 mg/日のビタミンB12を18ヶ月間併用させたところ、血中ホモシステイン濃度の低下がみられたが、アルツハイマー病認識症状スコア (ADAS-cog) に効果は認められず、抑うつ傾向の増加が認められた (PMID:18854539)
・高血圧症の男性高齢者299名 (試験群150名、平均79.3±2.8歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB12を400μg/日、ビタミンB6を25 mg/日、葉酸を2 /日、2年間摂取させたところ、アルツハイマー病認識症状スコア (ADAS-cog) に影響は認められず、8年後までの追跡調査でも認知障害、痴呆症の発症率に影響は認められなかった (PMID:20861451)
・心労のある高齢者900名 (試験群447名、平均65.92±4.30歳、オーストラリア) を対象とした無作為化プラセボ対照試験において、葉酸を400μg/日とビタミンB12を100μg/日、2年間摂取させたところ、認知機能の評価 8項目中、3項目 (TICS-M total、TICS-M immediate、TICS-M delayed recall) で改善が認められた (PMID:22170358)
・軽度認知症の高齢者168名 (試験群85名、平均77.0±5.2歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸を0.8 mg/日、ビタミンB6を20 mg/日、ビタミンB12を0.5 mg/日、24ヶ月間摂取させたところ、MRI画像解析による脳萎縮率の増加抑制が認められた (PMID:20838622)
・血漿ホモシステイン値が高めの高齢者856名 (試験群425名、平均72.6±5.7歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンD3 15μgとともに、葉酸400μg+ビタミンB12 500μgを2年間摂取させたところ、認知機能テスト (エピソード記憶、注意力とワーキングメモリー、情報処理速度、実行機能) に影響は認められなかった (PMID:25391305)
・妊婦154名 (18〜40歳、試験群109名、ドイツ、スペイン、ハンガリー) を対象とした無作為化プラセボ対照試験において、妊娠20週から出産時まで、魚油 (DHA 500 mg/日、EPA 150 mg/日) 、5-メチルテトラヒドロ葉酸400μg/日を単独または併用摂取させ、魚油摂取群の子どもには6ヶ月齢までDHA 0.5%、アラキドン酸0.4%含有ミルクを与えたところ、子どもの6.5歳時における認知機能 (K-ABC) に影響は認められなかった (PMID:21849596)
・12〜35ヶ月齢の乳幼児734名 (試験群546名、ネパール) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、鉄12.5 mg/日+葉酸50μg/日、亜鉛10 mg/日のいずれかまたは両者を36ヶ月齢時まで摂取させたところ、7〜9歳時における知能や運動機能、実行機能 (UNIT、Stroop test、Backward Digit Span test、Go/no-go test、MABC、Finger-tapping test) に影響は認められなかった (PMID:22566538)
その他
・認知症ではない高齢者1,033名 (平均72.2歳) を対象としたコホート試験において、血漿中の葉酸濃度が高い人ほど、全般的認知能力および精神運動速度(精神活動と行動とを調和的に結びつける指標)が高く、脳の白質病変が少ない (PMID:17823439)
・高齢者965名 (65歳以上、アメリカ) を対象としたコホート研究において、葉酸の摂取はアルツハイマー病のリスク低下と関連が認められた (PMID:17210813)

<その他>
一般情報
・脳卒中予防に対する葉酸補充療法は、ビタミンB12の存在が重要である (PMID:16239629)
メタ分析
・2017年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた観察研究12報 (症例対照研究7報、コホート研究5報) について検討したメタ分析において、妊婦の葉酸サプリメントの摂取は、出生児の自閉症スペクトラム障害リスクの低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:29026508)
・2017年1月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験22報 (検索条件:期間≧6ヶ月) について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は脳卒中発症リスク低減と関連が認められた (PMID:28404799)
・2015年12月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、うつ病治療に対する補助的な葉酸の摂取はうつ症状との関連は認められなかったが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:27113121)
RCT
・血漿ホモシステイン値の高い高齢者782名 (オランダ) を対象とした無作為化プラセボ対象比較試験において、葉酸サプリメントを800μg/日、3年間摂取させたところ、加齢に伴う聴力低下を減速させた (PMID:17200216)
・75歳以上の男性299名 (試験群150名、平均79.3±2.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、1日あたりビタミンB625 mg、ビタミンB12400μg、葉酸2 mgを2年間摂取させたところ、BDI (Beck Depression Inventory) スコアによるうつ病の評価およびうつ病の発症率に影響は認められなかった (PMID:18557664)
・抑うつ症状のある成人900名 (60〜74歳、試験群447名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸を400μg/日とビタミンB12を100μg/日、2年間摂取させたところ、抑うつ症状の自己評価 (PHQ-9) に影響は認められず、抗うつ薬の明確な増強作用も認められなかった (PMID:20805005)
・統合失調症の成人139名 (試験群93名、平均45.3±1.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸2 mg/日+ビタミンB12 400μg/日を16週間摂取させたところ、SANS、PANSS、Calgaryうつ病評価尺度に影響は認められなかったが、葉酸吸収に関与する遺伝子型を考慮した場合のみ、SANSの改善が認められた (PMID: 23467813)
・気分障害の家族歴がある男女112名 (試験群56名、平均18.9±2.3歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸2.5 mg/日を36ヶ月間摂取させたところ、気分障害の発症リスクに影響は認められなかったが、発症時期が遅延した (PMID:25010374)
・心疾患もしくは心疾患リスクのある女性5,205名 (平均62.6歳、試験群2,607名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、1日に葉酸を2.5 mg、ビタミンB6を50 mg、ビタミンB12を1 mg、平均7.3年間摂取させたところ、加齢性黄斑変性の発症リスクが低下した (PMID:19237716)
・中高年女性3,925名 (試験群1,969名、平均60.5±8.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験の2次解析において、葉酸2.5 mg/日、ビタミンB6 50 mg/日、ビタミンB12 1 mg/日を平均7.3年間摂取させたところ、白内障の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:26786311)
・アンジェルマン症候群 (重度の発達遅滞) の子ども48名 (5ヶ月齢1〜14歳、試験群20名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ベタイン6 g/日 (体重30 kg未満) もしくは12 g/日 (体重30 kg以上) と葉酸15 mg/日を1年間摂取させたところ、症状に影響は認められなかった (PMID:20635355)
その他
・妊娠中の葉酸サプリメント摂取が出生児の3歳時点における重度言語発達遅延 (神経発達障害と関連) に与える影響を調べた前向き観察研究 (ノルウェー) において、子どもの0.5% (204名/38,954名) に重度言語発達遅延が観察され、妊娠4週間前から妊娠8週までの期間に葉酸サプリメントを摂取していた妊婦の出生児では、そのリスクが半減した (PMID:21990300)

免疫・がん・
炎症

<免疫>
RCT
・乳児1,000名 (6〜30ヶ月齢、試験群751名、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸 (1〜11ヶ月齢:75μg/日、12ヶ月齢以上:150μg/日) とビタミンB12 (1〜11ヶ月齢:0.9 mg/日、12ヶ月齢以上:1.8 mg/日) のいずれかまたは両方を6ヶ月間摂取させたところ、下痢、急性下気道感染症の発症リスクに影響は認められず、葉酸単独摂取群では長期下痢 (14日以上) の発症リスクが増加した (PMID:23902779)

<がん>
メタ分析
・2015年9月までを対象に5つのデータベースで検索できた観察研究10報 (コホート研究4報、症例対照研究6報) について検討したメタ分析において、炎症性腸疾患患者による葉酸摂取は、大腸がん発症リスクの低下と関連が認められた (PMID:26905603)
・INHANCEコンソーシアムに登録された症例対照研究10報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取量が多いと全口腔/咽頭がん (10報) 、口腔がん (10報) 、口腔/咽頭非小細胞がん (9報) のリスク低下と関連が認められたが、中/下咽頭がん (10報) リスクとの関連は認められなかった (PMID:24974959)
・2014年4月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究47報について検討したメタ分析において、葉酸 (22報) 、ビタミンD (14報) 、ビタミンB6 (11報) 、ビタミンB2 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (6報) 、ビタミンC (9報) 、ビタミンE (10報) 、ビタミンB12 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスクとの関連は認められなかった (PMID:25491145)
・2014年1月までを対象に2つのデータベースで検索できた前向き研究、症例対照研究49報について検討したメタ分析において、葉酸摂取量が多いと、症例対照研究 (25 報) では乳がんリスク低下と関連が認められたが、前向き研究 (15報) との関連は認められなかった (PMID:24667649)
・2013年10月までを対象に4つのデータベースで検索できた観察研究19報について検討したメタ分析において、食事からの葉酸摂取量 (11報) や総葉酸摂取量 (5報) は前立腺がんリスクに影響を与えず、血中葉酸濃度 (7報) が高いと前立腺がんリスクの増加と関連が認められた。ただし、血中葉酸濃度については試験によるばらつきが大きかった (PMID:24819234)
・2013年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向きコホート研究24報について検討したメタ分析において、カルシウム(8報) 、ビタミンA (2報) サプリメントの摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンC (3報) 、ビタミンE (5報) 、ビタミンD (5報) 、ニンニク (2報) サプリメントの摂取との関連は認められなかった。また、ビタミンE (5報) 、カルシウム (6報) 、葉酸 (3報) サプリメントの摂取量が多いと結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (2報) 、ビタミンC (3報) 、ビタミンD (4報) サプリメントの摂取量との関連は認められなかった (PMID:25335850)
・2012年10月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験15報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は、メラノーマ (3報) の発症リスク低減と関連が認められたが、全がん (13報) 、結腸直腸がん (7報) 、その他胃腸がん (2報) 、前立腺がん (5報) 、その他生殖・泌尿器がん (2報) 、肺がん (5報) 、乳がん (4報) 、血液がん (3報) の発症リスクや全がんによる死亡リスク (6報) との関連は認められなかった (PMID:23338728)
・1つのデータベースで検索できた2011年までに完了した無作為化プラセボ対照試験13報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取は、摂取期間に関わらず、全がんリスクおよび、いずれの局所がんリスクとの関連は認められなかった (PMID:23352552)
・2009年6月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験6報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は全がん発症リスクを増加させた (PMID:22018948)
・2008年7月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験3報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの3年以上の摂取は大腸腺腫の発症リスクを増加させた (PMID:19863600)
・1642名の母親とその子ども (症例393名、オーストラリア) を対象とした症例対照研究において、妊娠前の葉酸サプリメント摂取は、子どもの急性リンパ性白血病の発症率低下とわずかに関連が認められたが、妊娠中の摂取との関連は認められなかった。また、2008年までを対象に1つのデータベースで検索できた症例対照研究6報についてメタ分析を行ったところ、妊娠中の葉酸サプリメント摂取は子どもの急性リンパ性白血病発症率との関連は認められなかった (PMID:19839053)
・3つのデータベースで検索できたフェーズII、IIIの無作為化プラセボ対照試験5報について検討したメタ分析において、直腸結腸腺腫の既往歴のある人における葉酸サプリメントの摂取は、再発リスクとの関連は認められなかった (PMID:19757214)
・1966年1月〜2006年1月を対象にMEDLINEで検索可能な9報の前向き研究および14報のケースコントロール研究について検討したメタ分析において、血中の葉酸濃度は乳がんリスクと相関を示さず、食事からの葉酸摂取量と乳がんリスクとの関連は認められなかった (PMID:17202114)
・2015年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた症例対照研究17報、無作為化比較試験5報、コホート研究12報について検討したメタ分析において、葉酸の摂取 (前向き研究6報) はすい臓がんリスクの低下と関連が認められた (PMID:29595633)
RCT
・浸潤性大腸がんになったことのない直腸結腸腺腫の成人患者男女1,021名 (平均57歳、試験群516名、アメリカ) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、葉酸1 mg/日を 6〜8年間摂取させたところ、再発リスクに影響は認められなかった (PMID:17551129)
・結腸直腸腺腫の既往歴がある成人672名 (50〜78歳、試験群338名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸1 mg/日を3〜6.5年間摂取させたところ、結腸直腸腺腫の再発リスクに影響は認められなかった (PMID:19864409)
・結腸のポリープまたは粘膜内がんの既往歴のある成人98名 (平均61.4歳、試験群50名、カナダ) を対象とした無作為化プラセボ対照試験において、葉酸1 mg、魚油2 g、カルシウム500 mgを1日3回、28日間併用摂取させたところ、大腸炎症マーカー (便中calprotectin、血漿中CRP) に影響は認められなかった (PMID:16136044)
・結腸直腸腺腫の患者29名 (試験群15名、平均63.9歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸400μg/日を10週間摂取させたところ、血中のホモシステイン濃度を低下させたが、大腸組織の遺伝子 (ESR1、MLH1) のメチル化に影響は認められなかった (PMID:23328702)
・心血管疾患リスクの高い女性5,442名 (試験群2,721名、平均62.8±8.8歳、アメリカ) を対象とした、二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸2.5 mg/日、ビタミンB650 mg/日、ビタミンB121 mg/日を7.3年間摂取させたところ、侵襲性がんや乳がんの発症リスク、全がんによる死亡率に影響は認められなかった (PMID:18984888)
・直腸結腸腺腫の経験のある成人男性643名 (平均57.4歳、試験群327名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、葉酸1 mg/日を10.8年間摂取させたところ、前立腺がんの発症リスクが増加した (PMID:19276452)
・2つの二重盲検無作為化比較試験を合わせて追跡延長して解析した試験において、虚血性心疾患患者6,837名 (平均62.3±11.0歳、試験群5,116名、ノルウェー) に葉酸 (0.8 mg/日) とビタミンB12 (0.4 mg/日) 、ビタミンB6 (40 mg/日) を単独または併用して平均39ヶ月間摂取させたところ、葉酸とビタミンB12を摂取させた群でのみ、摂取後31〜42ヶ月間のがん発生率、がん死亡率、総死亡率が上昇した (PMID:19920236)
その他
・55〜74歳の女性25,400名 (0.3%が閉経前、アメリカ) を対象とした無作為化多施設がんスクリーニング検査では、葉酸の摂取量が多いと乳がんのリスクファクターが高かったという報告 (PMID:16600944) 、スウェーデンの46〜73歳の閉経後女性11,699名を対象としたコホート研究 (平均追跡年数9.5年) では、葉酸の摂取量が多いと乳がんの発症率が低かったという報告 (PMID:17684216) がある。
・826名 (症例208名、アメリカ) を対象としたコホート内症例対照研究において、すい臓がん診断の2年以上前の血中ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ホモシステイン濃度と発症リスクに関連はみられなかった (PMID:17545639)
・健康な成人77,126名 (50〜76歳、アメリカ) を対象とした前向きコホート研究 (平均4.05年追跡) において、抗酸化ビタミンサプリメントの摂取 (約10年間常用) と肺がん発症の関連を検討したところ、ビタミンC、葉酸、マルチビタミンの利用は肺がん発症率に影響せず、ビタミンEの利用はわずかに肺がんリスクを上昇させた (PMID:17989343)

<炎症>
RCT
・アフタ口内炎の経験者160名 (試験群83名、平均35.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸を米国の食事摂取基準値の100%量含有するマルチビタミンを1年間摂取させたところ、アフタ口内炎発生数、症状の持続期間、口内の痛みなどに影響は認められなかった (PMID:22467697)

骨・筋肉

メタ分析
・3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験8報について検討したメタ分析において、ビタミンB群サプリメント (葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12) の摂取は、骨折 (4報) 、骨形成マーカー (4報) 、骨代謝マーカー (2報) との関連は認められなかった (PMID:25805360)
RCT
・血中ホモシステイン濃度の高い高齢者2,919名 (試験群1,461名、平均74.0±6.6歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB12 500μg/日+葉酸400μg/日を2年間摂取させたところ、骨粗鬆症による骨折リスクに影響は認められず、がんの罹患率が増加した (PMID:25411293)

発育・成長

メタ分析
・2015年10月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、妊娠中の葉酸摂取は出生時体重 (5報) 、低出生体重 (4報) 、周産期死亡 (2報) リスクとの関連は認められなかった (PMID:26901401)
・2015年8月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、妊娠前または妊娠12週未満の葉酸摂取は、胎児の神経管閉鎖障害全体 (5報) のリスク低下と関連が認められたが、二分脊椎 (3報) 、無脳症 (4報) 、口唇裂 (2報) 、口蓋裂 (2報) 、先天性心血管異常 (3報) 、その他の先天性異常 (3報) 、低出生体重 (2報) 、流産 (5報) 、死産 (4報) 、多胎 (2報) の発生との関連は認められなかった (PMID:26662928)
RCT
・6〜24ヶ月齢の乳児188名 (試験群76名、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、硫酸鉄 (貧血群4.2 mg/kg/日、非貧血群1.4 mg/kg/日) と共に葉酸50μg/日を5日間摂取させたところ、硫酸鉄のみを摂取させた場合と比較して、体重増加量、体重-月齢Zスコアの増加量が増大したが、身長、体重-月齢Zスコア、身長-月齢Zスコアの増加に影響は認められなかった (PMID:25335446)
・中等度の貧血小児262名 (インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ビタミンB12を1.8μg /日 (65名、平均15.7±7.2歳) 、葉酸を150μg /日 (67名、平均15.8±7.5歳) 、あるいはその両方 (66名、平均16.0±7.4歳) を6ヶ月間摂取させたところ、いずれの群でも血中ヘモグロビン、トランスフェリン受容体、総ホモシステインに影響は認められなかった (PMID:27486122)

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・欠乏で巨赤芽球性貧血を起こす (1) (3) (13) (55) 。
メタ分析
・2016年8月までを対象に、5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、葉酸サプリメントの摂取は、心血管疾患発症リスク (3報) 低下と関連が認められたが、総死亡率 (4報) との関連は認められなかった (PMID:28096125)
・2013年5月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向きコホート研究5報について検討したメタ分析において、乳がん患者における食事性葉酸摂取量が多いと全死亡リスク低下 (5報) と関連が認められたが、乳がんによる死亡リスク (2報) との関連は認められず、総葉酸摂取量 (食事+サプリメント) と全死亡リスク (4報) との関連は認められなかった (PMID:24787380)
RCT
・1〜36ヶ月齢の乳幼児25,490名 (試験群17,079名、ネパール) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、鉄12.5 mg/日+葉酸50μg/日、またはこれらに亜鉛10 mg/日を加えて36ヶ月齢時まで摂取させたところ (1〜11ヶ月齢児は半分量) 、48ヶ月齢までの死亡率、下痢や呼吸器感染症の発症率に影響は認められなかった (PMID:16413878)
その他
・高齢女性38,772名 (平均61.6歳、アメリカ) を対象に平均19年間の追跡を行ったコホート研究において、カルシウムサプリメント利用者では総死亡リスクの低下が認められたが、マルチビタミン、ビタミンB6、葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅サプリメントの利用者では死亡リスクの増加が認められた (PMID:21987192)





試験管内・
動物他での
評価

・ヒトT細胞をフィトヘマグルチニン (PHA) 刺激下で葉酸欠乏で培養すると、細胞増殖能の低下、アポトーシスの増加、CD8陽性細胞の減少がみられたが、葉酸の添加により正常化した (PMID:15322179)

安全性

危険情報

<一般>
・過剰摂取により発熱 (13) 、蕁麻疹 (13) 、紅斑 (13) 、かゆみ (13) 、呼吸障害 (13) などが報告されている。一例では15 mg/日を30日間にわたって摂取した結果、このような症状がみられた。大量の葉酸摂取は、ビタミンB12欠乏症の人では神経症を進行させたり悪化させるおそれがある。発疹、紅斑、かゆみ、倦怠感、気管支痙攣などのアレルギー反応が起こるのはまれである。
<妊婦・授乳婦>
・2000〜2005年に産まれたノルウェーの子ども32,077名を対象としたコホート研究において、妊娠初期3ヶ月間に葉酸サプリメントを摂取していた母親の子どもは、18ヶ月齢までの喘鳴や下気道感染症のリスクがわずかに高かった (PMID:19052032)
・1998〜2005年に妊娠したオーストラリアの妊婦とその子ども557名を対象としたコホート研究において、母親の葉酸摂取状況 (タイミング・量・由来) と、子どもの喘息発症リスクの関係を調べたところ (子ども3.5歳および5.5歳時に評価) 、葉酸サプリメント摂取 (1 mg/日) は、妊娠前期 (16週まで) ではリスクに影響を与えなかったが、妊娠後期 (30〜34週) ではリスクを高め、食品由来葉酸の摂取はどのタイミングでもリスクに影響を与えなかった (PMID:19880541)
・妊婦1,499名 (アメリカ) を対象とした前向きコホート研究において、妊娠初期 (妊娠3ヶ月まで) の葉酸サプリメント (合成のfolic acid) 摂取 (3ヶ月間の平均497±301μg) と生まれた子どもの6歳時における喘息発症リスクの関連は認められなかった (PMID:21982024)
・人口に基づく前向きコホート研究 (対象者8742名、オランダ) において、妊娠初期の血清中の葉酸とビタミンB12の濃度が高い (葉酸>16.2 nmol/L、ビタミンB12>178 pmol/L) 母親から生まれた子どもは、48ヶ月齢までのアトピー性皮膚炎の発症頻度が高かった (PMID:22399526)
・2013年5月までを対象に5つのデータベースで検索できた症例対照研究またはコホート研究5報について検討したメタ分析において、妊娠期の葉酸サプリメント摂取と子どもの喘息発症リスクに関連は認められなかったが、2.5歳未満の子ども362名 (症例150名、平均1.73±0.79歳、中国) を対象とした症例対照研究においては、妊娠中の葉酸摂取量が36,000μg/日未満で喘息発症リスク低下、72,000μg/日以上でリスク増加が認められた (PMID:25449200)
・1歳6ヶ月の子どもをもつ母親1,339名 (平均32.0±4.9歳、日本) を対象としたアンケート調査において、妊娠中の葉酸サプリメント摂取の有無および摂取終了時期と子どもの食物アレルギー発症率に関連は認められなかった。ただし、母親にアレルギー疾患がない人 (707名) を対象としたサブグループ解析では、葉酸サプリメント摂取群の子どもの食物アレルギー発症率が高かった (2012296944) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

<被害事例>
・40代女性が葉酸1.7 mgを含む一般用医薬品の摂取によりアナフィラキシー症状を起こし、スキンプリックテストにおいて葉酸に陽性を示した (101) 。また、総合ビタミンB剤による蕁麻疹経験のある女性 (ニュージーランド) が、葉酸を含有する食品を摂取後、急性アナフィラキシー症状を呈した
(PMID:17720006)
・約2年前の妊娠中に2ヶ月間葉酸サプリメントを摂取していた経験のある42歳女性 (日本) が、葉酸380μgを含むサプリメントを摂取した2時間後にアナフィラキシー症状をおこしたという報告がある。プリックテストにてサプリメントとその成分の葉酸に陽性反応が出たが、食物中の葉酸には無反応であった。また、メトトレキサートも陽性で交差反応と考えられた (2009086548) (PMID:19416386)
・30歳妊婦 (日本) が妊娠5週目まで葉酸サプリメントを0.4 mg/日、3ヶ月以上摂取したところ、妊娠6週目より吐き気、嘔吐、1.5 kgの体重減少が生じ、2週間後に黄疸および肝酵素値 (直接ビリルビン値、AST値、ALT値、LDH値、γ-GTP値) の上昇、肝生検により肝小葉に小壊死を伴う胆汁うっ滞が認められた。葉酸サプリメントの摂取中止により回復し、正期産にて健康な新生児を出産した。DLSTが陽性であったため、葉酸あるいは添加されていた他の成分かは不明だが、摂取していた葉酸サプリメントが原因と想定される肝機能障害と診断された (PMID:22943726)
・喘息、慢性蕁麻疹の既往歴があり、ビタミン強化食品 (葉酸含有) の摂取後に痒み、紅潮、下痢などの軽い症状を経験したことのある53歳女性 (フランス) が、葉酸サプリメント (5 mg) 、ビタミンB1とB6の混合剤、シメチコン、酸化マグネシウム (緩下剤) 、活性炭の混合剤およびプレドニゾン (副腎皮質ホルモン製剤) を摂取したところ、10分後に、顔の血管浮腫、吐き気、下痢、呼吸困難、血圧低下を伴うアナフィラキシーショックを呈し、受診。加療により改善した。プリックテストにより、葉酸サプリメントに陽性反応を示したため、葉酸強化食品の摂取を避けるように指導された (PMID:26182697)
・前立腺がんのため間欠的ホルモン療法を10年間続けていた71歳男性 (アメリカ) が、PSA値上昇のため化学療法 (ケトコナゾール、ジエチルスチルベストロール、エストラムスチン、経皮吸収型エストラジオール) を開始したが治療効果が乏しく、ドセタキセル (抗がん剤) を追加したもののPSA値上昇が続いた。当該患者は化学療法開始後、葉酸+ビタミンB12含有サプリメントを摂取目安量の10倍 (葉酸8 mg+ビタミンB12 5 mg/日) を摂取しており、サプリメントの摂取中止と化学療法の継続により改善した (PMID:21867542)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト試験>
・健康な成人7名 (24〜47歳、ドイツ) を対象とした、オープンラベルクロスオーバー無作為化比較試験において、葉酸5 mgを緑茶抽出液 (0.3 g/250 mL) で摂取したところ、水で摂取したときと比較して、葉酸の血中濃度 (AUC) の減少が認められた
(PMID:18551467)
・短期のメトホルミン治療を受けている多嚢胞性卵巣症候群の女性患者60名 (試験群:ビタミンB群19名、葉酸17名、トルコ) を対象とした前向き無作為化試験において、メトホルミン (糖尿病治療薬) (850 mgを1日2回) とビタミンB群 (ビタミンB1250 mg, ビタミンB6250 mg, ビタミンB121,000μgをそれぞれ1日2回) または葉酸 (174μgを1日2回) を3ヶ月間摂取させたところ、血清中ホモシステイン濃度が減少した (PMID:15790610)
・双極性障害患者202名 (16歳以上、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、クエチアピン (抗精神病薬:CYP3A4基質) とともに、葉酸500μg/日 (46名) 、ラモトリギン (抗てんかん薬:UGT1A4基質) (55名) 、または葉酸500μg/日+ラモトリギン (46名) で52週間摂取させたところ、うつ症状 (QIDS-SR16) に葉酸摂取による影響は認められず、12週間の摂取ではラモトリギンによる効果の抑制が認められた (PMID:26687300)

<動物・試験管内>
・動物実験 (ラット) において、エタノールの多量摂取は小腸内での5-メチルテトラヒドロ葉酸の吸収を低下させる (PMID:11185650)

<理論的に考えられる相互作用>
・コレスチラミン (脂質異常症治療薬) やコレスチポル (胆汁酸吸収剤) との併用は、葉酸のサプリメントの生体内での有効性を減じるおそれがある (PMID:1168607) (PMID:8660081)
・パンクレアチン (すい臓酵素) やスルファサラジン (炎症性腸疾患治療薬) などの薬剤との併用は葉酸の吸収を阻害するおそれがある (PMID:7371475) (PMID:8869665) (PMID:1360212)
・葉酸と併用するとがん化学療法薬のメトトレキサート (抗がん剤) は、効果を減じるおそれがある (PMID:3153236) 。しかし、関節リウマチと、乾癬治療へのメトトレキセートの使用では、高用量の葉酸摂取は効果を減じることなくメトトレキセートの副作用を減少させる可能性がある (PMID:8445064) (PMID:7978695) (PMID:7586777) (PMID:9517760) (PMID:8608361) (PMID:8639168) (PMID:10796393)
・フェニトイン (抗てんかん薬:CYP2C9、CYP2C19基質) 、フォスフェニトイン、プリミドン (抗てんかん薬) 、フェノバルビタール (抗てんかん薬:CYP3A4基質) などの神経系薬剤は葉酸との併用により代謝が促進され血中レベルが減少するおそれがあり、またこれらの薬剤は葉酸レベルに影響を与える可能性がある (PMID:8635176) (PMID:4821608) (PMID:8520091) (PMID:173736) (PMID:3896745)
・食品とともに摂取すると葉酸の吸収は85%程度に低下する (PMID:10646010)
・てんかん発作障害をもつ場合、葉酸摂取で発作が悪化することがある (PMID:9758264)
・カルバマゼピン (抗てんかん薬:CYP3A4基質) は葉酸吸収の阻害や肝酵素誘導による葉酸代謝促進により葉酸レベルを低下させることがある (PMID:9073038) (PMID:6430017) (PMID:6662152)
・降圧利尿薬であるトリアムテレンは、葉酸から活性体への変換を抑制し葉酸の吸収を阻害するおそれがある (PMID:3946125) (PMID:3896745) (PMID:1922593)

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・葉酸を投与:マウス経口10 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・妊娠中・授乳中も含め、適切に摂取する場合、おそらく安全である。しかし、過剰に摂取した場合、発熱、蕁麻疹、紅斑、かゆみ、呼吸障害、などが報告されている。
・葉酸の吸収に影響を与える医薬品が数多く知られている。
・ビタミンKあるいは亜鉛との併用を長期間続けると、葉酸がそれらの体内濃度を低下させることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・おそらく有効であるのは、1) 高ホモシステイン血症の治療、2) 先天性の神経管欠損症のリスク減少、3) 関節リウマチ治療におけるメトトレキサートの副作用軽減。
・有効性が示唆されているのは、1) 大腸がんのリスクを低減、2) 乾癬治療におけるメトトレキサートの副作用軽減、3) 白斑の治療。
・脆弱X症候群の治療に対し、おそらく効果がない。

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