健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

ビタミンK [英]Phylloquinone (K1) 、Menaquinone (K2) 、Menadione (K3) 、 Menadiol (K4) [学名]

概要

ビタミンKは脂溶性ビタミンで、ブロッコリーやホウレン草などに多いフィロキノン (ビタミンK1) と細菌が産生するメナキノン (ビタミンK2) が主に知られている。プロトロンビンなどの血液凝固因子を活性化することにより、血液の凝固を促進する。成人でのビタミンK欠乏症はまれであるが、新生児における出血性疾患の一部はビタミンKに関連があると考えられている。メナキノンが食品添加物 (強化剤) として使用が認められている。一般に、「血液凝固因子を合成する」「骨の形成を助ける」などと言われている。ヒトでの有効性については、ビタミンK1摂取はビタミンK欠乏症による低プロトンビン血症に対して有効である。ビタミンK2摂取は骨密度を維持し骨折予防に有効であると示唆されている。安全性については、ビタミンK1とK2を適切に摂取する場合、おそらく安全である。妊娠中の大量摂取は危険性が示唆されている。抗凝固薬を使用している患者では使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「ビタミンK解説」を参照。

法規・制度

・フィトナジオン、メナジオンは「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・「既存添加物」:メナキノンは強化剤である。
・ビタミンK2を関与成分とし、「骨たんぱく質の働きを高める」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・フィロキノン・フィトナジオン (K1) は植物に含まれ、細菌が合成したものはメナキノン (K2) というビタミンKとなる。一方天然に存在しないメナジオン (K3) は投与されると体内でメナキノンになる。ビタミンK4はメナジオールである。フィロキノンは分子量 (MW)  450.71、淡黄色油、融点-20℃、多くの有機溶媒に可溶、メタノールに難溶、水に不溶、光およびアルカリに対して不安定。

分析法

・蛍光検出器 (励起波長:320 nm、蛍光波長:430 nm) を装着した高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・ビタミンK1摂取は、ビタミンK欠乏症による低プロトロンビン血症に対して有効である (94) 。
・ビタミンK1摂取は、サリチル酸、サルファ剤、キニーネ、キニジン、多種の菌に効果をもつ抗生物質による治療により引き起こされる低プロトロンビン血症に対し有効である (94) 。
・ビタミンK4 (メナジオール二リン酸ナトリウム) 摂取は、ビタミンKの吸収や合成が損なわれて起こる低プロトロンビン血症に対し有効である (94) 。
RCT
・高血圧、糖尿病、脳・心血管疾患のいずれかの既往歴がある70歳以上の高齢者80名 (試験群40名、平均76.0±4.4歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK2を100μg/日、6ヶ月間摂取させたところ、血圧、血流依存性血管拡張反応 (FMD) 、頸動脈の内膜中膜複合体膜厚(IMT)、脈波伝播速度(PWV)、脈波増大係数、血中脂質、BNP、CRP、身体機能 (握力、short physical performance battery、平衡機能試験) に影響は認められなかった (PMID:26892582)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

RCT
・健常高齢者355名 (60〜80歳、試験群184名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、カルシウム600 mg/日とビタミンD 10μg/日と共に、フィロキノン500μg/日入りマルチビタミンを36ヶ月間摂取させたところ、男性でのみ、インスリン抵抗性 (HOMA-IR) が改善したが、女性では影響が認められなかった (PMID:18697901)
・糖尿病前症の閉経前女性82名 (試験群39名、平均40.25±5.32歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK1を1,000μg/日、4週間摂取させたところ、血清アディポネクチン濃度の増加、経口糖負荷試験におけるグルコース、インスリン2時間値の低下が認められたが、血清オステオカルシン濃度、レプチン濃度、空腹時血糖値、空腹時インスリン濃度に影響は認められなかった (PMID:25654061)
・多嚢胞性卵巣症候群でビタミンD欠乏の女性60名 (18〜40歳、試験群30名、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メトホルミン治療とともにビタミンD200 IU+ビタミンK2 90μg+カルシウム500 mg×2回/日を8週間摂取させたところ、血清遊離テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体、黄体形成ホルモン、高感度CRPの低下、血漿総抗酸化能上昇、マロンジアルデヒド濃度の上昇抑制が認められたが、その他のホルモン濃度 (プロラクチン、卵胞刺激ホルモン、プロゲステロン) 、血漿一酸化窒素濃度、グルタチオン濃度に影響は認められなかった (PMID:27050252)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・ビタミンK2摂取は、ウイルス性肝硬変の女性患者における肝細胞がんの発生を抑制する可能性が報告されている (PMID:15265851)

骨・筋肉

一般情報
・10年間、ビタミンK1を摂取した38〜63歳までの女性71,327名に対する疫学調査では腰椎骨折の相対的リスクは0.70であった (51) 。
・ビタミンK2の摂取は、骨密度を維持し骨折予防に有効であることが示唆されている (PMID:10750566)
・ビタミンK2を関与成分とし、「骨たんぱく質の働きを高める」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。
メタ分析
・2010年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、ビタミンKの摂取は腰椎の骨密度 (BMD) の損失率の低下と関連が認められたが、大腿骨頸部のBMDに影響は与えなかった (PMID:21674202)
RCT
・閉経後の女性334名 (50〜60歳、試験群167名、ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK2 (MK-7) を360μg/日、12ヶ月間摂取させたところ、骨密度 (BMD) の損失率に影響は認められなかった (PMID:19937427)
・閉経後女性325名 (試験群161名、平均65.9±0.4歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK2を45 mg/日、3年間摂取させたところ、骨塩量および骨強度の低下抑制、大腿骨頸部幅の増加が認められたが、骨密度、大腿骨頸部長に影響は認められず (PMID:17287908) 、このうちの164名 (試験群89名) を対象とした2次解析において、体重、BMIの増加抑制が認められた (PMID:22136751)
・閉経後女性244名 (試験群120名、平均60±4歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK2 (MK-7) を180μg/日、3年間摂取させたところ、腰椎と大腿骨頸部の骨塩量 (BMC) 、骨密度 (BMD) の低下抑制、大腿骨頸部の強度3項目中2項目の低下抑制が認められたが、全股関節のBMC、BMDに影響は認められなかった (PMID:23525894)
・クローン病の成人68名 (試験群36名、平均42.0±10.0歳、アイルランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンK1 1,000μg/日をカルシウム500 mg/日、ビタミンD3 10μg/日とともに12ヶ月間摂取させたところ、血中骨代謝マーカーや骨密度、骨塩量に影響は認められなかった (PMID:25181575)

発育・成長

・ビタミンK1摂取は、新生児の出血疾患に対して有効である (94) 。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・欠乏により血液凝固遅延 (13) 、出血症 (特に新生児) (1) (13) (55) 、出血症 (成人の場合には食事制限や抗生物質投与による) (1) (3) を発症する。
メタ分析
・2016年8月までを対象に、5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験2報について検討したメタ分析において、ビタミンKサプリメントの摂取は、心血管疾患発症リスクに影響を与えなかった (PMID:28096125)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・ビタミンK1とK2については大量に摂取しても毒性が認められていない (1) (51) 。
・経口摂取または非経口摂取で適切にビタミンK1を使用する場合、おそらく安全である。
・ビタミンK摂取による有害事象はあまり報告されていない (94) 。
・成人では45,000μg/日までの摂取量は安全とされている (3) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中は、米国では食事摂取基準 (DRI) で定められた推奨量 (RDA) を超えない量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。(日本人には「日本人の食事摂取基準」の目安量を参照 (詳細は「ビタミンK解説」) ) 。
<小児>
・小児に対しても、経口摂取または非経口摂取で適切にビタミンK1を使用する場合、おそらく安全である。経口摂取および注射剤型のビタミンK1は米国食品医薬品局 (FDA) に薬剤として承認されている (94) 。
・幼児へのビタミンK3の投与は溶血性貧血と高ビリルビン血症、核黄疸を引き起こす (28) 。
<その他>
・血液の抗凝固薬 (ワルファリンカリウム) を投与されている患者では、その作用を減じる可能性があるため、使用しないこと (94) 。
・ビタミンK過敏症の人は使用しないこと (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・ワルファリンを服用している89歳女性 (オーストラリア) が、マルチビタミンサプリメント (ビタミンK1 36μg/日含有) を3日間摂取したところ、摂取開始日からINRの低下が認められ、摂取中止により改善した (PMID:21395940)
・僧房弁狭窄症のためワルファリンとジゴキシンを服用していた55歳女性 (日本) が、食欲増進を目的として、クマザサ抽出物を含有する健康食品と海藻を含有する健康食品を4 g/日ずつ、15日間摂取したところ、右下肢の冷感および疼痛が生じて医療機関を受診、トロンボテスト値の上昇と右下腿末梢動脈の塞栓症が認められた。それぞれの健康食品には約15.7μg/g、約4.4μg/gのビタミンKが含まれており、ビタミンKとワルファリンとの相互作用により発症した大腿動脈塞栓症と診断された (102) 。

<理論的に考えられる相互作用>
・コエンザイムQ10とは化学的に似ているため、併用すると作用が強まり、抗凝血薬を服用している人では血栓リスクが高まることがある (PMID:7968059) (PMID:10902065)
・止血作用があるハーブ (アルファルファ、キャベツ、パセリ、イラクサ属など) と併用摂取すると、抗凝固薬を服用している人では血栓リスクが高まることがある (PMID:10806559)
・コレスチラミン、経口抗生物質、ミネラルオイルなどいくつかの物質はビタミンKの血中濃度に影響を与えることが知られている (94) 。
・血液検査、尿検査などの臨床検査値においてビタミンK摂取が影響を及ぼす項目は多く知られている (94) 。
・大量のビタミンE摂取 (800 IU/日以上) はビタミンKの活性を低下させるので、ワルファリンカリウム服用者やビタミンK摂取の低い人においては出血リスクが高まることがある (PMID:4479598) (PMID:7667263)
・過剰なビタミンK摂取はワルファリンカリウムの抗凝固作用を低下させる (94) 。
・長期にワルファリンを服用しながら、特別な要因がなくINRが変動している患者では、少量のビタミンK (100〜200μg/日) の摂取と同時に緻密なINRモニタリングおよびワルファリン用量の調節の実施が推奨される (PMID:18574265)
・経口抗生物質の服用により、ビタミンKを合成する腸内細菌が減少し、ビタミンK不足を生じることがある (PMID:8198105) (PMID:6134007) (PMID:6101371) (PMID:12554916) (PMID:3535606)
・コレスチラミンやコレスチポル (胆汁酸吸収薬) 、ミネラルオイルはビタミンKなど脂溶性ビタミンの吸収を低下させることがある (PMID:3547004) (PMID:12996478)(PMID:12688565)
・抗菌薬であるリファンピシン服用患者においてビタミンK吸収低下、腸内細菌の減少等によりビタミンK不足を生じることがある (PMID:12458578) (PMID:7661184)

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・ビタミンK1を投与:ラット経口 33,487 mg/kg以上、マウス経口 25 g/kg (91) 。
・ビタミンK3を投与:マウス経口 500 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・ビタミンK1とK2を適切に摂取する場合、おそらく安全である。
・妊娠中・授乳中は、米国RDA (推奨量)を超えない量を摂取する場合は、おそらく安全である。
・妊娠中に米国RDA (推奨量)を超える量を摂取する場合は、危険性が示唆されている。
・授乳中の大量のビタミンKの摂取に関する安全性については十分なデータが得られていない。
・ビタミンK過敏症の人や抗凝固薬 (ワルファリンカリウム) を投与されている人は、サプリメントなどの利用は避ける。
・特定保健用食品では個別に製品ごとに安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ビタミンK1の摂取で有効なのは、1) ビタミンK欠乏症による低プロトロンビン血症、2) 抗凝固療法での過剰摂取の中和、3) 新生児の出血性疾患、4) 抗生薬治療による低プロトロンビン血症。
・ビタミンK2の摂取は、骨密度を維持し骨折予防に有効であることが示唆されている。
・ビタミンK4の摂取は、ビタミンKの吸収・合成阻害によって起きる低プロトロピン血症に有効である。
・特定保健用食品では個別に製品ごとに有効性が許可されている。

参考文献

(1) 最新栄養学 第10版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(3) 日本人の食事摂取基準 (2015年版)
(13) ビタミンの事典 朝倉書店 日本ビタミン学会 編
(28) 最新栄養学 第9版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修  東洋医学舎 奥田拓男
(51) DIETARY REFERENCE INTAKES NATIONAL ACADEMY PRESS  INSTITUTE OF MEDICINE
(55)  Harper's Biochem 23th ed
(101) 五訂 日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説 財団法人日本食品分析センター編集 (中央法規) ISBN 4-8058-4348-9
(PMID:15265851) JAMA. 2004;292:358-61.
(PMID:10750566) J Bone Miner Res. 2000;15:515-21
(PMID:4479598) JAMA. 1974, 230(9):1300-1.
(PMID:7667263) Proc Natl Acad Sci U S A. 1995, 92(18):8171-5.
(PMID:8198105) Am J Gastroenterol. 1994, 89(6):915-23.
(PMID:6134007) Lancet. 1983, 1(8335):1215-6.
(PMID:6101371) Lancet. 1980, 1(8158):39-40.
(PMID:12554916) Indian Pediatr. 2003, 40(1):36-40.
(PMID:3535606) Ann Intern Med. 1986, 105(6):924-31.
(PMID:3547004) Med Toxicol. 1987, 2(1):10-32.
(PMID:12996478) Am J Dig Dis. 1952, 19(11):344-8.
(PMID:12688565) Neth J Med. 2003, 61(1):19-21.
(PMID:12458578) Pediatr Infect Dis J. 2002, 21(11):1088-90.
(PMID:7661184) Am J Gastroenterol. 1995, 90(9):1526-8.
(PMID:7968059) Lancet. 1994 , 12;344(8933):1372-3.
(PMID:10902065) Am J Health Syst Pharm. 2000, 57(13):1221-7.
(PMID:10806559) Hematol Oncol Clin North Am. 2000, 14(2):339-53.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(PMID:18697901) Diabetes Care. 2008 Nov;31(11):2092-6.
(PMID:18574265) Chest. 2008 Jun;133(6 Suppl):160S-198S.
(PMID:19937427) Osteoporos Int. 2010 Oct;21(10):1731-40.
(PMID:21395940) Australas J Ageing. 2011 Mar;30(1):41-2.
(PMID:21674202) J Bone Miner Metab. 2012 Jan;30(1):60-8.
(PMID:17287908) Osteoporos Int. 2007 Jul;18(7):963-72.
(PMID:22136751) Br J Nutr. 2012 Sep 28;108(6):1017-24.
(102) 心臓 2001 33(6) 525-8.
(PMID:25181575) Br J Nutr. 2014 Oct 14;112(7):1163-74.
(PMID:23525894) Osteoporos Int. 2013 Sep;24(9):2499-507.
(PMID:25654061) J Diabetes Metab Disord. 2015 Jan 14;14(1):1.
(94) Natural Medicines
(PMID:27050252) Horm Metab Res. 2016 Apr 6.
(PMID:26892582) J Nutr Health Aging. 2016 Mar;20(3):325-33.
(PMID:28096125) Adv Nutr. 2017 Jan 17;8(1):27-39.

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.