健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

ビオチン [英]Biotin [学名]

概要

ビオチンは皮膚炎を予防する因子として発見された水溶性ビタミンの一つである。糖質や脂質、アミノ酸の代謝やエネルギー産生に関わる。腸内細菌によって合成されているため、通常欠乏症はまれであるが、生の卵白の摂りすぎや薬剤の服用により欠乏症が生じることがある。一般に、「筋肉痛を緩和する」「皮膚の健康を保つ」などと言われている。ヒトでの有効性については、ビオチン欠乏症の予防と治療におそらく有効である。安全性については、適切に摂取する場合、おそらく安全である。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「ビオチン解説」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:14μg、上限値:500μg) 。→通知文1 (PDF) 通知文2 (PDF)
・食品衛生法に基づく、「食品、添加物等の規格基準」 (平成26年6月一部改正) により、調製粉乳及び母乳代替食品並びに保健機能食品以外の食品に使用してはならない。
また、母乳代替食品に使用する場合は、その100 kcalにつき、ビオチンとして10μgを超える量を含有しないように使用しなければならない。→通知

成分の特性・品質

主な成分・性質

・D‐biotin:分子量 (MW) 244.3、融点230〜 233℃、ビオチンは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においおよび味はない。氷酢酸に溶けにくく、水、エタノール又はn-ブタノールに極めて溶けにくく、アセトン、エーテル、クロロホルムなどの有機溶媒にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム溶液に溶ける。

分析法

・ビオチン要求性の乳酸菌、酵母、枯草菌、大腸菌の成育度を用いた微生物学的定量法 (バイオアッセイ) により分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

RCT
・健康な高齢女性220名 (平均63歳、試験群111名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンサプリメント (ビタミンC 150 mg、ビタミンE 36 mg、ビタミンB1 2.4 mg、ビタミンB2 3.2 mg、ビタミンB6 3.4 mg、ビタミンB12 9μg、ナイアシン34 mg、パントテン酸16 mg、ビオチン200μg、葉酸400μg、カロテン9 mg、マグネシウム50 mg、セレン60μg含有) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:15917019)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・ビオチン欠乏症の予防と治療におそらく有効である (94) 。
・もろい爪を厚くするのに有効性が示唆されている (94) 。
・乳児期の脂漏性皮膚炎に対して、有効性が示唆されている (94) 。
・欠乏により皮膚炎 (1) (3) (13) (55) 、抑うつ (55)、幻覚 (55) 、運動失調症 (1) を生じる。
・欠乏で小児の免疫不全 (ホロカルボキシラーゼシンターゼ欠損児) を起こす (55) 。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・水溶性のため、これまでのところ過剰摂取による有害事象は認められていない (3) 。
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・10 mg/日までは有害事象はなく摂取可能である (102) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中に適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<小児>
・小児が適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<被害事例>
・トリメタジジン (冠血管拡張薬) を6年間服用していた76歳女性 (フランス) が、ビオチン10 mg/日、パントテン酸300 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、胸部痛および呼吸困難を発症し医療機関を受診したところ、血中好酸球増加による胸膜炎および心タンポナーデと診断され、ビオチンおよびパントテン酸の摂取中止により回復した (PMID:11302404)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・抗痙攣薬を長期服用中のてんかん患者404名を対象とした症例対照研究において、血症ビオチン濃度の低下が認められた (PMID:3925859)
・抗痙攣薬を長期服用中の小児てんかん患者13名を対象とした症例対照研究において、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタールの服用はビスノルビオチン排泄を増加させた (PMID:9523856)
<理論的に考えられる相互作用>
・フェニトイン、フェノバルビタールはビオチン濃度を低下させる (94) 。
・透析を受けている患者やビオチニダーゼ欠損症の患者ではビオチンの必要量が多い (94) 。
・臨床検査において、甲状腺刺激ホルモン (TSH) などに影響を与えることがある (94) 。

動物他での
毒性試験

1. LOAEL (最小毒性量)
ビオチンを投与:ラット経口79.2 mg/kg/日 (PMID:18071266)
2. NOAEL (無毒性量)
ビオチンを投与:ラット経口38.4 mg/kg/日 (PMID:18071266)

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合はおそらく安全であり、小児や妊娠中・授乳中においても安全性が示唆されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ビオチン欠乏症の予防と治療におそらく有効である。

参考文献

(1) 最新栄養学 第10版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(3) 日本人の食事摂取基準 (2015年版)
(13) ビタミンの事典 朝倉書店 日本ビタミン学会 編
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(55)  Harper's Biochem 23th ed
(101) 生化学辞典(第2版)、今堀和友・山川民夫 監修、蠹豕化学同人 ISBN 4-8079-0340-3
(PMID:3925859) Ann N Y Acad Soi. 1985;447:297-313.
(PMID:9523856) J Pediatr Gastroenterol Nutr. 1998 Mar.26(3):245-50
(PMID:2861782) Ann N Y Acad Sci. 1985;447:97-104
(102) Food and Nutrition Board, Institute of Medicine. Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline (2000). Washington, D.C.: National Academy Press, 2000.
(PMID:15917019) Prev Med. 2005 Jul;41(1):253-9.
(PMID:18071266) Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Dec;71(12):2977-84.
(PMID:11302404) Ann Pharmacother 2001 35(4) 424-6
(94) Natural Medicines

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.