健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

パントテン酸 [英]Pantothenic acid [学名]

概要

パントテン酸は補酵素A (コエンザイムA) の構成成分として、エネルギー産生、脂肪酸の合成・分解あるいは他の代謝調節過程での中心的役割を担うビタミンである。パントテン酸は、ギリシャ語で「どこにでもある」という意味で、その名前の通り広く食品に存在するため、ヒトでの欠乏症はまれである。一般に、「副腎皮質ホルモンを合成する」「脂質、糖質、タンパク質の代謝に役立つ」などと言われている。ヒトでの有効性については、パントテン酸欠乏の予防と治療に有効である。安全性については、適切に摂取する場合、おそらく安全である。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「パントテン酸解説」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「指定添加物」:カルシウム、ナトリウム塩として強化剤である。
・「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:1.65 mg、上限値:30 mg) 。→通知文1 (PDF) 通知文2 (PDF)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・黄色の油状物質,カルシウム塩などは無色で水・エタノールに可溶。パントテン酸カルシウムは白色の粉末で、においはなく、味は苦い。水に溶けやすく、95%エタノールに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。1 gを水20 mLに溶かした液のpHは7.0〜9.0。吸湿性あり。

分析法

・乳酸菌 (Lactobacillus plantarum ATCC 8014) の成育度を利用する微生物学的定量法 (バイオアッセイ) により分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・健康な高齢女性220名 (平均63歳、試験群111名、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンサプリメント (ビタミンC 150 mg、ビタミンE 36 mg、ビタミンB1 2.4 mg、ビタミンB2 3.2 mg、ビタミンB6 3.4 mg、ビタミンB12 9μg、ナイアシン34 mg、パントテン酸16 mg、ビオチン200μg、葉酸400μg、カロテン9 mg、マグネシウム50 mg、セレン60μg含有) を6ヶ月間摂取させたところ、認知機能に影響は認められなかった (PMID:15917019)

免疫・がん・
炎症

RCT
・アフタ口内炎の経験者160名 (試験群83名、平均35.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸を米国の食事摂取基準値の100%量含有するマルチビタミンを1年間摂取させたところ、アフタ口内炎発生数、症状の持続期間、口内の痛みなどに影響は認められなかった (PMID:22467697)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・パントテン酸欠乏の予防と治療に有効である。
・欠乏すると灼熱脚気症候群 (13) (55)、つま先の痺れ (1) 、足の疼痛 (28) 、不眠症 (1) 、手足の知覚異常 (28)を起こす。
・不足すると、成長停止、副腎障害、手足のしびれと灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振 (3) 。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に使用する場合、おそらく安全である。10 gまでは明らかな有害事象はなく摂取可能である (94) 。
・過剰摂取は下痢を引き起こす可能性がある (94) 。
・過剰摂取あるいは投与による毒性および有害事象は認められていない (3) 。
・外用で、デクスパンテノール (パントテン酸のアナログ) は慢性的な皮膚病を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取は、6 mgという米国RDA (推奨量) を超えなければおそらく安全である。ただし妊娠中のこれ以上の高用量摂取の安全性に関しては、データが十分でないので避ける (94) 。
・授乳中の摂取は、7 mgというRDA (推奨量) を超えなければおそらく安全である。ただしこれ以上の量を摂取する場合の安全性に関してはデータが十分でないので、授乳中の高用量摂取は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・冠血管拡張薬のトリメタジジンを6年間服用していた76歳女性 (フランス) が、ビオチン10 mg/日、パントテン酸300 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、胸部痛および呼吸困難を発症し医療機関を受診したところ、血中好酸球増加による胸膜炎および心タンポナーデと診断され、ビオチンおよびパントテン酸の摂取中止により回復した (PMID:11302404)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・抗生物質による消化管フローラの破壊はビタミンBの産生を減少させる (94) 。
・デクスパンテノールは血友病患者において出血時間を延長することがある (94) 。
・他のハーブやサプリメントとの相互作用については十分なデータがない (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・パントテン酸カルシウム塩投与:ラット経口10 g/kg以上、マウス経口10 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、おそらく安全と思われる。10 gまでは明らかな有害事象は認められていない。
・妊娠中・授乳中の過剰摂取に対する安全性に関して十分なデータがないため、過剰摂取は避ける。
・大量摂取は下痢を引き起こす可能性がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・信頼できる十分なデータは見当たらない。

参考文献

(1) 最新栄養学 第10版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(28) 最新栄養学 第9版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(3) 日本人の食事摂取基準 (2015年版)
(13) ビタミンの事典 朝倉書店 日本ビタミン学会 編
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(55) Harper's Biochem 23th ed
(101) 五訂 日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説 財団法人日本食品分析センター編集 (中央法規) ISBN 4-8058-4348-9
(PMID:9406136) JPEN J Parenter Enteral Nutr 1997 Nov-Dec;21(6):357-65.
(PMID:9167138) Eur J Cancer Prev.1997 Mar,6 suppl 1:S43-5.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(PMID:15917019) Prev Med. 2005 Jul;41(1):253-9.
(PMID:22467697) J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6.
(PMID:11302404) Ann Pharmacother 2001 35(4) 424-6
(94) Natural Medicines

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