健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ケイ素 [英]Silicon (Si)、ケイ素化合物 Silicide [学名]

概要

ケイ素は、炭素族元素の1つであり、土壌や水中に含まれている。ケイ酸塩や二酸化ケイ素として多くの動植物中に存在し、骨格や細胞壁の構築・補強を担っている。ケイ素は体内に吸収された後、主に尿中に排泄される。様々な植物性食品に含まれているが、食品によって生体利用率が異なることが知られている。例えば、飲用水やビールに含まれるケイ素の生体利用率は高く、ビールはケイ素の主な給源とされている。ケイ素は生体の微量ミネラルとして、骨形成において重要であると考えられており、通常の食品からの摂取は、骨粗鬆症に対して有効性が示唆されている。しかしながら、現時点では必要量が明確でなく、日本人の食事摂取基準2015年版においてケイ素は策定対象とはされておらず、アメリカ・カナダの食事摂取基準 (DRIs) においても推奨量や目安量のいずれも設定することができないとされている。また、サプリメントとして摂取した場合のヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない。俗に、「がんを予防する」「アルツハイマー病によい」などと言われているが、それらの有効性に関するヒトでの信頼できる十分なデータは見当たらない。安全性については、通常の食品に含まれる量の摂取はおそらく安全である。経口摂取ではないが、長期間の吸引によって珪肺症 (シリコーシス) などを引き起こすことが知られている。また、ケイ素、ケイ酸塩を含む薬剤などの摂取による腎結石が複数報告されている。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・指定添加物:二酸化ケイ素 (シリカゲル) 、微粒二酸化ケイ素は製造用剤、固結防止剤。ケイ酸カルシウムは固結防止剤、ろ過助剤、賦形剤。ケイ酸マグネシウムは固結防止剤、ろ過助剤、カプセル剤。
・既存添加物:カオリン (ケイ酸アルミニウム) は製造用剤。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・元素記号Si、原子番号14、原子量28.0855。

分析法

・モリブデンイエロー吸光光度法 (波長410 nm) 、誘導結合プラズマ発光分析法 (ICP法) や誘導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS法) が用いられる (PMID:15161212)(PMID:15098084) (PMID:11225672)
・食品中のケイ素含有量および消化吸収率を調べた報告がある (PMID:11976163)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

一般情報
・通常の食品から摂取した場合、骨粗鬆症に対して有効性が示唆されている。ただし、ケイ素は骨形成のみに関連するため、閉経後女性における骨吸収による骨量減少に対しては効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・骨減少症の女性136名 (イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カルシウム1,000 mg+コレカルシフェロール20μgとともに、コリン安定化オルトケイ酸としてケイ素を3 mg (33名、平均60.4±11.8歳) 、6 mg (33名、平均59.7±9.4歳) 、12 mg (33名、平均60.8±9.7歳) 、12ヶ月間摂取させたところ、6 mg、12 mgの摂取で骨形成マーカーのI型プロコラーゲン-N-プロペプチド減少抑制が認められたが、その他の骨形成マーカー (オステオカルシン、骨型アルカリホスファターゼ) 、骨吸収マーカー (デオキシピリジノリン、I型コラーゲン架橋C-テロペプチド) 、骨密度に影響は認められなかった (PMID:18547426)
その他
・男女2,926名 (男性1,295名、平均59.4±9.6歳、閉経前女性306名、平均47.0±4.7歳、閉経後女性1,325名、平均61.4±8.3歳、アメリカ) を対象としたコホート内横断研究において、食事からのケイ素摂取量は男性 (臀部、大腿骨頚部、転子部) および閉経前女性 (臀部、大腿骨頚部、転子部、ワード三角) の骨密度と正の相関が認められたが、腰椎の骨密度とは関連が認められず、閉経後女性ではいずれの部位においても関連は認められなかった (PMID:14969400)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT
・活発な男性15名 (平均23.6±3.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、コロイドケイ酸ミネラル250 mg+米ぬか350 mg含有カプセル×4個/日を7日間摂取させたところ、心拍数、血圧、体水分量、主観的運動強度、血中乳酸濃度、運動パフォーマンスに影響は認められなかった (PMID:20975106)
・健康な女性45名 (試験群22名、平均44.1±2.43歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、コリン安定化オルトケイ酸10 mg/日を9ヶ月間摂取させたところ、毛髪引っ張り試験における弾性と破断荷重の低下抑制、毛髪横断面面積の増加が認められたが、伸長率に影響は認められなかった (PMID:17960402)





試験管内・
動物他での
評価

・ヒヨコとラットでの欠乏症は結合組織と骨の代謝異常を起こす (1) 。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量の摂取は、おそらく安全である。現時点で、食品および飲料水に含まれるケイ素による副作用に関する情報が無い (94) 。食品からの摂取量は、欧米で20〜50 mg/日程度、中国やインドで140〜204 mg/日程度という報告がある(PMID:17435952)
<妊婦・授乳婦>
・通常の食品に含まれる量の摂取はおそらく安全であるが、過剰に摂取した場合の安全性については十分な情報が無いため、過剰摂取を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・ケイ酸腎結石を起こす可能性がある(94) 。
・慢性透析患者では血中ケイ素濃度が上昇しやすく、腎機能障害、神経障害、胸部疾患、肝疾患を引き起こす可能性がある (94) 。
・長期間のケイ素吸引により珪肺症 (シリコーシス) を発症する可能性がある (94) 。IARC (国際がん研究機関) は、職業的な吸引による結晶質シリカばく露をグループ1 (ヒトに対する発がん性が認められる) 、非晶質シリカをグループ3 (ヒトに対する発がん性が分類できない) と評価している (102) 。
・ベントナイト (含水ケイ酸アルミニウム) などのケイ酸塩を含むクレイを含有したサプリメントや飲料がデトックスや自閉症に対する効果を期待して摂取されることがあるが、これらの製品には高濃度の鉛やヒ素などが含まれる場合があるため摂取を控えるように英国FSAが注意喚起を発表している (101) 。
<被害事例>
・消化管の不調のため三ケイ酸マグネシウムを含む制酸剤を長期間摂取していた30歳女性 (台湾) が腎結石の発症と自然排出を経験した7年後に、1ヶ月以上にわたって血尿を伴う腎疝痛を繰り返し経験して医療機関を受診。右脇腹の痛みを伴う腎結石を再度生じた。結石のX線検査の結果、ケイ素を含有することが判明し、三ケイ酸マグネシウムの使用中止によって疝痛は寛解した (PMID:8394600)
・男児 (日本) が、生後2ヶ月目より8ヶ月間、二酸化ケイ素172 mg/Lを含むミネラルウォーターで調製した粉ミルクを1,000〜1,200 mL/日 (ケイ酸塩 約172〜206 mg/日) 摂取したところ、尿管の大腸菌感染による左腎の水腎症を伴う腎盂腎炎を発症し、超音波検査により尿管腎盂移行部および左腎盂に結石が見つかった。腎瘻カテーテルによる腎結石砕により回復した (PMID:14706018)
・ライム病、骨関節炎、胆石、過敏性腸症候群の既往がある38歳女性 (ポーランド) が賦形剤として二酸化ケイ素を含むサプリメント3種類を2年間摂取 (2年間での合計珪素摂取量:35,711.60 mg、1種類は表示の3倍の二酸化ケイ素を含有) したところ、左脇腹の痛みと尿砂を繰り返し生じ医療機関を受診。サプリメントの摂取中止により症状は治まったが、再摂取により再発したため、サプリメントに含まれていたケイ素を原因とするケイ酸腎結石と診断された (PMID:19100669)
・3歳女児 (アメリカ) が、便秘改善目的で民間療法としてモンモリロナイト (主成分:水和ケイ酸アルミニウム) 含有ベントナイトコロイドの摂取 (成人の摂取推奨量と同量のテーブルスプーン1杯×2回/日) と注腸 (2回/日) を行ったところ、食欲減退、虚弱、胆汁嘔吐、便量減少を呈して医療機関を受診。ベントナイト摂取中止と加療により回復し、摂取したベントナイトによるミネラル吸収阻害を原因とする低カリウム血症と診断された (PMID:16871112)

長期間ケイ素を吸引したことによる健康被害が多数報告されている。
・3名 (37歳、45歳、48歳の女性、日本) がそれぞれペット用トイレ砂 (ベントナイト、主成分:ケイ酸アルミニウム) を使用したところ、呼吸器症状 (呼吸困難や気管支炎) が出現した (2001193814) 。
・換気や防塵を十分に行っていない環境で従事していた砂吹き工場従業員 (1〜80箱/年の喫煙者、雇用期間は2〜20年) 11名 (19〜52歳、トルコ) のうち4名が、遊離ケイ素を含有した粉塵の吸引による珪肺と診断された (2003168930) 。
・25歳より貴金属 (プラチナ、金) 研磨業に従事していた43歳男性 (喫煙歴15年、20本/日、日本) が、ケイ素およびアルミニウムを多く含む粉塵の吸引による間質性肺炎と診断された (2000019964) 。
・4年間御影石の採石業、28年間ビル解体業に従事した58歳男性 (喫煙歴30本×30年、日本) に、肺内にケイ素およびアルミニウムの高度沈着が認められた (1998229079) 。
・研磨材 (アルミニウム、二酸化クロム、ケイ素を含む) 使用作業に数年間従事した66歳女性 (日本) が、仕事をやめた2年後に結節性強皮症を発症した (1995219341) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

・カルシウムとケイ素の吸収経路は競合すると考えられ、またケイ素はカルシウムやマグネシウムと不溶性のケイ酸塩を形成するため、同時に摂取するとケイ素の生体利用率は低下する。ケイ素はカルシウム、マグネシウムの代謝に影響する (PMID:17435952)

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・非晶質二酸化ケイ素を投与:ラット経口3,160 mg/kg、静脈内15 mg/kg (91) 。
・オルトケイ酸を投与:ラット経口3.16 g/kg、マウス経口>5,000 mg/kg、ヒト経口>15 g/kg (91) 。
2.TDLo (最小中毒量)
・非晶質二酸化ケイ素を投与:マウス経口 (間欠的) 2,500 mg/kg/5日 (91) 。
・疎水性コロイド状シリカを投与:イヌ経口 (継続的) 224 mg/kg/4週 (91) 。
・クリストバライトを投与:ラット胸腔内90 mg/kg (91) 。・シリカナノ粒子 (平均12 nm) を投与:マウス腹腔内50 mg/kg (91) 。
3.LDLo (最小致死量)
・非晶質二酸化ケイ素を投与:ラット腹腔内50 mg/kg (91) 。
・シリカナノ粒子 (70〜1,000 nm) を投与:マウス静脈内100 mg/kg (91) 。
・ケイ酸を投与:マウス静脈内234 mg/kg (91) 。
・オルトケイ酸を投与:ラット静脈内100 mg/kg、マウス腹腔内40 mg/kg、静脈内100 mg/kg、ウサギ静脈内100 mg/kg、モルモット静脈内100 mg/kg (91) 。
その他
・220 ppm以上の高ケイ素濃度培地で黄色ブドウ球菌に対する著しい増殖作用が見られ、培地中の高濃度のケイ素は細菌の増殖、生存に有利に働く (1991177806) 。
・低ケイ素濃度培地 (10〜45 ppm) に比べ高ケイ素濃度培地 (75 ppm以上) では緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa-H1) の生育および増殖が著しく促進された (1991172515) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量の摂取は、おそらく安全である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・通常の食品からの摂取は、骨粗鬆症に対して有効性が示唆されている。

参考文献

(1) 最新栄養学 第10版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(55) Harper's Biochem 23th ed
(PMID:15161212) J Agric Food Chem. 52(11):3441-5, 2004.
(PMID:15098084) Anal Bioanal Chem. 379(3):512-8, 2004.
(PMID:11225672) Fresenius J Anal Chem. 366(3):273-82, 2000.
(PMID:11876495) Arch Toxicol. 2002;75:625-34.
(PMID:14969400) J Bone Miner Res. 2004 Feb;19(2):297-307. Epub 2003 Dec 16.
(PMID:8394600) Scand J Urol Nephrol. 1993;27(2):267-9.
(PMID:9792982) Urol Int. 1998 Oct;61(1):39-42.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(2003168930) Journal of Occupational Health. 2003; 45(1):66-9
(2001193814) 日本救急医学会雑誌. 2001; 12(3):136-40
(2000019964) 日本呼吸器学会雑誌. 1999; 37(7):549-53
(1998229079) 日本災害医学会会誌. 1998; 46(3):205-11
(1995219341) The Journal of Dermatology. 1994; 21(10):751-4
(1991177806) 日本耳鼻咽喉科学会会報. 1990; 93(4):630-9
(1991172515) 埼玉医科大学雑誌. 1990; 17(2):189-97
(30)「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:14706018) Int J Urol. 2004 Feb;11(2):119-21.
(PMID:19100669) Am J Kidney Dis. 2009 Jul;54(1):127-30.
(94) Natural Medicines
(101) 英国FSAウェブページ
(102) IARC Monographs Programme on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans
(PMID:17435952) J Nutr Health Aging 2007 11(2) 99-110
(PMID:20975106) Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010 Oct;20(5):381-92.
(PMID:17960402) Arch Dermatol Res 2007 299(10) 499-505
(103) EVM, 2003. Expert Group on Vitamins and Minerals. Safe upper levels for vitamins and minerals, Silicon, UK Food Standards Agency.

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