健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ラフマ(羅布麻 )、コウマ、ヤンロン(燕龍) [英]Luobuma [学名]Apocynum venetum L.

概要

ラフマは、中国の吉林省以南から西モンゴルまで広域に自生するキョウチクトウ科の宿根草 (地上部は枯れて根や茎は残り、翌年に芽を出す多年草) であり、古くから葉が茶の代用として使われている。ラフマは繊維質に富み、麻のように用いられてきたことから紅麻 (こうま) 、野麻 (のま) 、沢漆麻 (たくしつま) など多くの異名がある。その茶はラフマ茶、燕龍(ヤンロン)茶とも呼ばれ、エキスの顆粒も登場している。俗に、「血圧を調節する」「カゼを予防する」「心身を落ち着かせる」などと言われているが、ヒトでの有効性については十分なデータが見当たらない。中華人民共和国薬典にラフマ茶が「肝臓を鎮め神経を落ち着かせる。熱を取り去り利尿作用がある」との記載があり、中国では高血圧治療薬として製造認可を受けているようであるが、これは品質が確かな医薬品としての評価と解釈するべきである。安全性については参考となる十分なデータが見当たらないが、ラフマ葉の製剤を使用した場合に、腹部不快感、吐き気、下痢などの悪影響が見られたとの報告がある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・別名としてコウマがある。ラフマ (コウマ) 全草は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・燕龍(ヤンロン)茶フラボノイド(ハイペロサイドおよびイソクエルシトリン)を関与成分とし「血圧が高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ハイペロサイド (hyperoside) 、イソクエルシトリン (isoquercitrin) などのフラボノール類、クロロゲン酸 (chlorogenic acid) を含むことが報告されている(PMID:10763585) (PMID:11456089)

分析法

・フラボノイド成分の分析に紫外可視検出器 (検出波長360 nm) を装着したHPLCが用いられている (103) 。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・燕龍(ヤンロン)茶フラボノイド(ハイペロサイドおよびイソクエルシトリン)を関与成分とし「血圧が高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・正常高値血圧者および軽症高血圧者91名 (平均55.6±8.3歳、試験群47名、日本) を対象とした二重盲検プラセボ比較試験において、燕龍(ヤンロン)茶フラボノイド30 mg (ハイペロサイド15 mg、イソクエルシトリン15 mg) /日を12週間摂取させたところ、血圧の低下が認められた (104) 。
・正常血圧者、正常高値血圧者および軽症高血圧者45名 (試験群22名、平均46.8±9.7歳、日本) を対象とした二重盲検プラセボ比較試験において30 mg (ハイペロサイド15 mg、イソクエルシトリン15 mg) を1日3回、4週間摂取させたところ、軽症高血圧者 (8名) において収縮期血圧の低下が認められた (105) 。
その他
・596名高血圧患者が羅布麻茶3〜6 gのお茶を毎日摂取したところ、高血圧およびその付随症状が改善されたという症例報告がある (106) 。
・高血圧患者105名 (試験群60名) 、脂質異常症患者75名 (試験群40名) を対象とした比較試験において羅布麻茶エキス0.5〜0.75 g/日を2〜3ヶ月摂取させたところ、高血圧患者において血圧の低下が、脂質異常症患者においてコレステロールとトリグリセリドの低下、HDLの増加がみられたという予備的な報告がある (107) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・ラットにおける強制水泳試験において、ラフマ茶のアルコール抽出物投与は抗うつ作用を示す可能性がある (PMID:11456130)
・マウスにおける高架式十字迷路試験において、ラフマ茶のアルコール抽出物投与は抗不安作用を示す可能性がある (PMID:17101250)
・高血圧モデルラット (高血圧自然発症ラット (SHR) 、3/4腎摘WKY、食塩誘導性抗血圧WKY) を用いた経口投与試験において、羅布麻葉エキスは用量依存的な降圧作用を示したという報告がある (PMID:10967454) (2005260004) 。
・Wistar系雄性ラットの腸間膜動脈血管床を用いた灌流試験において、羅布麻葉エキスは内皮由来弛緩因子である一酸化窒素 (NO) および過分極由来弛緩因子 (EDHF) を介した内皮依存性の血管弛緩作用を示した (PMID:15516813)
・ラット大動脈および腸間膜動脈血管のマグヌス試験において、羅布麻葉エキスはNOおよびEDHFを介した内皮依存性の血管弛緩作用を示した (PMID:16173937)
・高血圧自然発症ラット (SHR) における経口投与試験において、ハイペロサイドとイソクエルシトリンはそれぞれ単独では降圧作用を示さず、混合物では血管内皮機能の改善とNOを介した降圧作用を示したという報告がある (108) 。
・ラット肝臓細胞を用いたin vitro試験において、羅布麻葉エキスは過酸化脂質の抑制作用を示したという報告がある (109) 。
・ラット肝臓ホモジネートおよび四塩化炭素誘発肝機能障害ラットを用いた実験において、羅布麻葉エキスが脂質過酸化抑制作用を示したとうい報告がある (110) 。
・マウス肝細胞のTNF-α誘発細胞死およびマウスにおける四塩化炭素およびD-GalN/LPS誘発肝機能障害について、羅布麻葉エキスが保護機能を示した (PMID:10763585)

安全性

危険情報

<一般>
・正常、正常高値血圧者、軽症高血圧者 (日本) に、燕龍(ヤンロン)茶フラボノイドを30 mg (ハイペロサイド15 mg、イソクエルシトリン15 mg) /日を12週間もしくは90 mg (ハイペロサイド45 mg、イソクエルシトリン45 mg) /日を2〜4週間摂取させても、臨床上問題となる所見や有害事象は認められなかった (104) (105) (111) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・ヒトにおいては、ラフマ葉の製剤を摂取した一部の患者から胃痛、腹部不快感、食欲不振、吐き気や下痢などの有害事象が見られた。これらの有害事象はラフマ葉が消化管粘膜を刺激することによるものと考えられる (101) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・ラットを用いた試験において、ラフマ葉のアルコール抽出物はCYP3A4 で代謝されるニフェジピンの体内動態、およびP-糖タンパク質によるメチルプレドニゾロンの輸送のいずれにも影響を与えなかった (PMID:15467212)
・動物にラフマ葉の製剤を経口投与したとき、嘔吐、食欲低下が見られ、また体重の増加も対照群より少なかった。
・in vitro試験 (ヒト胎児腎細胞) において、ラフマ葉の抽出物は有機アニオン輸送ポリペプチド2B1活性に影響をおよぼさなかった (PMID:16415120)

動物他での
毒性試験

1. LD50 (半数致死量)
・葉の水抽出物を投与:マウス静注 10.6 g/kg (101) 。
・葉のアルコール抽出液を投与:マウス経口 14 g/kg以上 (101) 。

2. その他
急性毒性試験
・ラフマ根の抽出液を麻酔したネコに静脈注射したときの致死量は3.19 mg/kgである (死因は心臓停止) (101) 。
・ラフマ葉の水抽出物 (1 g/kg) を麻酔したイヌに静脈注射したところ、明らかな心電図異常が見られ、大量投与による心筋に対する毒性が示唆された (101) 。
慢性毒性試験
・ラフマ葉のアルコール抽出液をラットに6ヶ月間経口投与した結果、血球数、肝・腎機能の異常は見られなかった。また、心、肝、脾、肺、腎、副腎、胸腺、脳、性腺などの組織検査も異常が認められなかった (101) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・サプリメントなどとして使用した場合は胃痛、腹部不快感、吐き気、下痢などの有害事象を起こすことがある。
・特定保健用食品では個別に製品毎の安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、ヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(101) 現代中薬薬理学 王本祥編集
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(102) 国家葯典委員会, 中華人民共和国葯典2000 年版(2000), pp 170.
(103) Nishibe S., et al., Flavonoid content in Apocynum and Poacynum leaves andlipid-peroxidation-inhibiting effect of flavonoid. Natural Medicines, 48(4),322-323 (1994)
(PMID:11456130) Biol Pharm Bull. 2001 Jul;24(7):848-51
(PMID:17101250) J Ethnopharmacol. 2007 Apr 4;110(3):406-11. Epub 2006
(PMID:15467212) Biol Pharm Bull. 2004 Oct;27(10):1649-52
(PMID:10763585) Planta Med. 2000 Mar;66(2):127-33.
(PMID:11456089) Chem Pharm Bull (Tokyo). 2001 Jul;49(7):845-8.
(2005260004) Natural Medicines,58(3),109-12(2004)
(104) Health Science. 2005;21(1):115-9.
(105) Health Science. 2007;23(2):117-29.
(106) 中草葯通迅,1972 (4)12-4(中国語)
(107) 中西医結合雑志,1989,9(6),53-9(中国語)
(108) Health Sciences,58(3),191-9(2007)
(109) Natural Medicines,48(4),322-3(1994)
(110) Natural Medicines,51(4),325-30(1997)
(PMID:10967454) J Ethnopharmacol. 2000 Sep;72(1-2):53-9.
(PMID:15516813) Yakugaku Zasshi. 2004 Nov;124(11):851-6.
(PMID:16173937) Clin Exp Pharmacol Physiol. 2005 Sep;32(9):789-95.
(PMID:10763585) Planta Med. 2000 Mar;66(2):127-33.
(111) Health Science. 2007;23(2):130-9.
(PMID:16415120) Drug Metab Dispos. 2006 Apr;34(4):577-82.

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