健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ローズマリー 、マンネンロウ [英]Rosemary [学名]Rosmarinus officinalis L.

概要

地中海沿岸地方原産の常緑の低木で、高さ1〜2 mに生長する。芳香性のある直線状の葉をもち、4〜6月に淡い青色から青みがかった紫色の花をつける。日本には江戸時代後期に渡来し、現在は観賞用、調味料、香料用に各地で栽培されている。ヨーロッパでは古くから様々な儀式などにも使用されてきたハーブで、香辛料として肉料理や食品の保存時に用いられる。全草は漢方で用いられるメイテツコウ<迷迭香>である。俗に、「不安や緊張を和らげる」「記憶や集中力を高める」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータは見当たらない。安全性については、食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全であるが、薄めていないローズマリーオイルの飲用はおそらく危険である。妊娠中、授乳中の使用は避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ローズマリー (マンネンロウ) 葉は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」:抽出物は酸化防止剤、苦味料等の香辛料抽出物である。
・米国ではGRAS(一般的に安全と見なされた物質)認定 (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・精油[主にモノテルペン炭化水素、シネオール (cineol) 、ボルネオール (borneol) 、他にカンファー (camphor) 、ピネン (pinene) 、リナロール (linalool) 、ベルベノール]、フラボノイド類[特にジオスミン]、フェノール酸、カルノシン酸[ロスマリシン]などが含まれる (7) (33) (75) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・ドイツのコミッションEでは外用で血行不良の補助的治療での使用が承認されている (58) 。


消化系・肝臓

一般情報
・ドイツのコミッションEでは消化不良に対する使用が承認されている (58) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

RCT
・閉経前の女性30名(試験群15名、平均34.7歳、アメリカ)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ウコン100 mg、チョウセンアザミ100 mg、ローズマリー100 mg、オオアザミ100 mg、セイヨウタンポポ100 mg、チョウセンゴミシ50 mgを含有するカプセルを4カプセル×2回/日、4月経周期間摂取させたところ、卵胞期初期のデヒドロアンドロステロンが低下したが、他の性ホルモンに影響は認められなかった (PMID:17684134)

脳・神経・
感覚器

RCT
・健康な高齢者28名 (平均75歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ローズマリーの葉乾燥粉末を750 mg、1,500 mg、3,000 mg、6,000 mg、それぞれ単回摂取させたところ、750 mg摂取時のみ摂取1〜6時間後の記憶速度の短縮が認められたが、6,000 mg摂取時では記憶速度の延長が認められ、その他の認識機能4項目中2項目では評価の悪化が認められた (PMID:21877951)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・ドイツのコミッションEでは外用でリウマチの補助的治療での使用が承認されている (58) 。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・他のハーブと組み合わせた外用で円形脱毛症に有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・円形脱毛症の86名 (試験群43名、平均38.9±14.6歳、スコットランド) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、ローズマリー、タイム、ラベンダー、シダーウッド含有エッセンシャルオイルを用いて7ヶ月間マッサージを行ったところ、44%の対象者に髪の毛の生育の回復が見られた (PMID:9828867)





試験管内・
動物他での
評価

・マウスにオイルを経口摂取または吸入で与えると、運動活性を刺激する。シネオールがその活性物質と考えられている (23) 。
・in vitroで抗菌作用、抗真菌作用がある (94) 。オイルに抗菌、抗カビ活性がある (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・医療目的で適切に使用する場合、経口や外用で適切に摂取する場合、アロマテラピーで吸入する場合は安全性が示唆されている (PMID:9828867) (PMID:10484830) (94) 。外用で7ヶ月間まで安全に使用できた (94) 。
・ローズマリーオイルを飲用するのはおそらく危険である。薄めていないオイルを経口摂取することは、重大な有害事象を引き起こす可能性がある (94) 。
・経口で大量に葉を摂取した場合の有害事象として、重度の昏睡、痙攣、嘔吐、胃腸炎、子宮出血、腎炎、肺気腫、死亡が報告されている。希釈していないオイルを経口摂取した場合、胃腸の炎症、腎機能障害、発作が起きることがある (94) 。
・職業暴露により、喘息を引き起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・ローズマリーに子宮刺激および月経刺激作用があるため、妊娠中の使用は危険性が示唆されており、摂取は避ける (94) 。妊娠中の外用での使用の安全性については十分な情報がない (94) 。
・授乳中の安全性については十分な情報がないため、過剰な摂取は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・過敏症のある人では、外用で光過敏症、発赤、皮膚炎が起こることがある (94) 。
・理論上、てんかん発作を増強させる可能性があるので、てんかん患者は使用を避けたほうがよい (94) 。
<被害事例>
・32歳男性 (カナダ) が食肉加工に従事した3ヶ月後に喘息を発症し、月桂樹、タイム、ローズマリーなどの香料により引き起こされた可能性が報告されている (PMID:8899117)

ローズマリーの外用による接触性皮膚炎の報告がある。
・56歳男性 (スペイン) がローズマリーの葉の軟膏を使用し、3日後、塗布部分に接触性皮膚炎を起こした (PMID:9412766)
・62歳女性 (スペイン) がローズマリーを摘んで、手、前腕、顔に接触性皮膚炎を起こした (PMID:12641580)
・53歳男性 (スペイン) がローズマリーのアルコール液を塗布し、顔や胸、背中に接触性皮膚炎を起こした (PMID:16650096)
・45歳男性 (スペイン) がローズマリー、タイム、アルニカ、カモミール、スギナを含む湿布薬を塗布し、接触性皮膚炎を起こした (PMID:17177715)
・36歳女性 (日本) がローズマリー油を含めた6種のハーブオイル類を規定の5倍以上の高濃度希釈液や原液で使用して全身マッサージを5年間行い、3年目からアレルギー性接触皮膚炎を発症した (1996071783) 。
・幼少期にアトピー性皮膚炎の既往症のある23歳女性 (日本) が0.1%ローズマリー葉抽出物を含む化粧品を1ヶ月前程度使用したところ、顔面に痒みを伴う紅斑が出現し、ローズマリー抽出物によるアレルギー性接触皮膚炎と診断された (2006100757) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・鉄を含有するサプリメントとの併用は避けた方がよい (104) 。健康な女性14名(平均25±5歳、デンマーク)を対象とした試験において、ローズマリーエキス0.1 mmolを食事に添加したところ、非ヘム鉄の吸収率が低下した (PMID:11237939)
<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒトCYPタンパク) において、ローズマリーのメタノール抽出物はCYP3A4、CYP3A5、CYP3A7活性を、水抽出物はCYP3A4、CYP3A5、CYP2D6活性を阻害した (PMID:24934554)
・in vitro試験 (ヒト乳がん細胞) において、ローズマリー抽出物は細胞内ドキソルビシン、ビンブラスチン (p糖タンパク基質、抗がん剤) 濃度を増加させた (PMID:10673984)
<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、ローズマリーの葉乾燥物または抽出物を2週間混餌摂取させたところ、乾燥物はUDP-グルクロン酸転移酵素 (UGT)、精油はCYP1A1、CYP1A2、CYP2B1,2、UGT、ジクロロメタン抽出物はグルタチオン S-転移酵素 (GST)、QR (キノンレダクターゼ)、UGT、水抽出物はCYP1A1、CYP1A2、CYP2B1,2、GST、QR、UGT活性を増加させた (PMID:11498267)
・in vitro試験 (ヒト肝がん細胞) において、ローズマリーから抽出したカルノシン酸はリファンピシンにより誘導されるCYP3A4遺伝子発現に対し抑制傾向を示した (2017339697) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・精油を投与:ラット経口5 mL/kg、ウサギ経皮10 mL/kg以上 (103) 。

2.TDLo (最小中毒量)
・地上部のエタノール抽出物を投与:マウス経口30 mg/kg、ラット経口100 mg/kg (91) 。
・葉のエタノール抽出物を投与:ウサギ経口100 mg/kg、200 mg/kg、ラット経口 (間欠的) 9.52 gm/kg/2週 (91) 。
・精油を投与:ラット経口 (間欠的) 9.52 gm/kg/2週 (91) 。
・ジクロロメタン抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 9.52 gm/kg/2週 (91) 。
・水溶性抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 9.52 gm/kg/2週、7 gm/kg/2週 (91) 。

3.その他
・in vitro試験 (タマネギ根端細胞) において、葉の水抽出物は細胞毒性 (細胞分裂の阻害作用) を示した (PMID:25627599)

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である。
・子宮刺激および月経刺激作用があり、危険性が示唆されているため、妊娠中は使用を避ける。
・授乳中における安全性については十分なデータがないため、使用を避ける。
・薄めていないローズマリーオイルを飲用するのはおそらく危険である。
・過敏症のある人では、外用で光過敏症、発赤、皮膚炎が起こることがある。ローズマリーによる接触性皮膚炎の報告がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ドイツのコミッションEは、消化不良に対する経口での使用を承認している。また、外用で血行不良およびリウマチの補助的治療としての使用を承認しているが、その他、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータは見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30)「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58)The Complete German Commission E Monographs
(PMID:10484830)Altern Ther Health Med. 1999 Sep;5(5):42-51.
(PMID:9828867)Arch Dermatol. 1998;134:1349-52.
(PMID:9412766)Contact Dermatitis. 1997;37:248-9
(PMID:12641580)Contact Dermatitis. 2003;48:52-3.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS). RTECS
(1996071783) Environmental Dermatology. 1995; 2(4): 291-294
(2006100757) The Journal of Dermatology.2005;32(8):667-9
(PMID:17684134) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2007 Aug;16(8):1601-9.
(7) 中薬大辞典 小学館
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社
(75) エビデンスに基づくハーブ&サプリメント百科事典 南江堂
(104) The Essential Guide to Herbal Safety. Elsevier 2005.
(103) Food Cosmet Toxicol. 1974;12:977-8.
(PMID:11237939) Am J Clin Nutr. 2001 Mar;73(3):607-12.
(PMID:16650096) Contact Dermatitis. 2006 Apr;54(4):210-2.
(PMID:17177715) Contact Dermatitis. 2007 Jan;56(1):49-50.
(PMID:8899117) Allergy. 1996 Sep;51(9):647-9.
(PMID:21877951) J Med Food. 2012 Jan;15(1):10-7.
(PMID:24934554) J Pharm Pharm Sci. 2014;17(2):254-65.
(PMID:25627599) Braz J Biol. 2014 Nov;74(4):886-9.
(PMID:10673984) Eur J Cancer. 1999 Oct;35(10):1541-5.
(94) Natural Medicines
(PMID:11498267) Food Chem Toxicol. 2001 Sep;39(9):907-18.
(2017339697) 日本健康医学会雑誌. 2017; 26(2):59-64.

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