健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

メリッサ 、コウスイハッカ、セイヨウヤマハッカ、レモンバーム [英]Melissa、Lemon balm、Bee Balm [学名]Melissa officinalis L.

概要

メリッサはヨーロッパからアジアにかけて分布する多年草である。日本ではレモンバームとして知られているハーブで、俗に、「鎮静・鎮痛効果がある」と言われている。メリッサの経口摂取は睡眠改善、アルツハイマー病に対して有効性が示唆されている。安全性については、食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全であるが、医療目的での使用は14日間に制限される。妊娠中・授乳中の使用における安全性については信頼できる十分なデータがないため、摂取は避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・葉は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全と見なされる物質) 認定されている (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・精油[0.2%以下、シトラール (citral) 、シトロネラール (citronellal) 、オイゲノールアセテート (eugenolacetate) 、ゲラニオール (geraniol) など]、ポリフェノール、タンニン、フラボノイド、ロスマリン酸 (rosmarinic acid) 、リソスペルミン酸B (lithospermic acid B) 、トリテルペノイドが含まれる。
・レモンの香りのする多年草茎は四角で、卵形の鋸歯の葉は長さ3〜7 cmになる。夏に、目立たない淡い黄色い花が葉腋に房になって咲く。地中海沿岸、西アジア、南西シベリア、北アフリカなどで広く栽培される。使用部位としては、特に開花時の葉を水蒸気蒸留により精油を得る。

分析法

・精油成分[citrals, linaloolおよびβ-caryophyllene]が測定されている (PMID:11859476)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

RCT
・月経前症候群 (PMS) の女子高校生100名 (平均16.2±1.06歳、試験群50名、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メリッサ抽出物1,200 mg/日を3月経周期間摂取させたところ、PMS評価尺度 (premenstrual symptoms screening tool) における症状の軽減が認められた (PMID:26339667)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・メリッサは経口摂取で、睡眠改善に対し有効性が示唆されている (94) 。カノコソウとの組み合わせ摂取で、健康な人の睡眠の質と長さを改善する。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では、神経性不眠症および消化器系に対するメリッサの使用を承認している (58) 。
・アルツハイマー病に対して有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・動悸のような症状を主訴とする外来患者55名 (試験群28名、平均42.4±10.7歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メリッサ葉抽出物500 mg×2回/日を14日間摂取させたところ、動悸の頻度の減少が認められたが、自己評価による動悸の程度に差は認められなかった (PMID:25680840)
・軽度のアルツハイマー病患者42名 (試験群21名、平均73±3.8歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メリッサ葉抽出物60滴/日を16週間摂取させたところ、認知機能 (ADAS-cog、CDR-SB) の改善が認められた (PMID:12810768)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・モルモットの回腸中その他の部分における抗痙攣活性がある。その主たる有効成分はオイゲノールアセテートである (23) 。
・メリッサ注射後、甲状腺刺激ホルモンレベルを減少させ、結果的に甲状腺ホルモンの産生を減少させることが示されている (21) 。
・水抽出物の凍結乾燥品は、抗サイロトロピン (甲状腺刺激ホルモン) および抗ゴナドトロピン (性腺刺激ホルモン) 活性をもつ (23) 。
・熱水抽出物は、培養細胞系において、ニューキャッスル病、おたふく風邪、ヘルペス、牛痘、その他のウィルスに対して有効である (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・メリッサは食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・メリッサは医学的目的で経口摂取および外用で短期間使用する場合は安全性が示唆されている。長期摂取の安全性は不明 (94) 。
・有害事象として、悪心、嘔吐、腹痛、めまい、喘鳴を生じる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がないため、摂取は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

・調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、メリッサはタモキシフェン、イリノテカンの代謝を阻害した (PMID:25153228)
<理論的に考えられる相互作用>
・鎮静作用のあるハーブやサプリメント、医薬品との併用で、それらの効果や副作用を強める可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

・in vitro試験 (MTT試験、エームス試験) において、メリッサのクロロホルム抽出物には細胞毒性が、水抽出物には遺伝毒性が認められた (PMID:26281312)

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・食品に通常含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である。
・医療目的で経口摂取もしくは外用で短期間使用する場合は安全性が示唆されているが、使用期間は最長で14日間である。
・妊娠中・授乳中における安全性については信頼できる十分なデータがないため、摂取は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・経口摂取で睡眠改善、アルツハイマー病に対して、有効性が示唆されている。

参考文献

(21) グリーンファーマシー 健康産業新聞社 James A.Duke
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:12143909) J Clin Psychiatry. 2002;63:553-8
(PMID:12810768) J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2003 Jul;74(7):863-6.
(PMID:11859476) Planta Med. 2002 Feb;68(2):178-80.
(PMID:25153228) Drug Metabol Drug Interact. 2014;29(4):269-79.
(PMID:26281312) Turk J Med Sci. 2015;45(3):496-506.
(PMID:26339667) Nurs Midwifery Stud. 2015 Jun;4(2):e27001.
(94) Natural Medicines
(PMID:25680840) J Ethnopharmacol. 2015 Apr 22;164:378-84.

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