健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

メマツヨイグサ 、オオマツヨイグサ、マツヨイグサ [英]Common evening primrose [学名]Oenothera lamarkiana (Oenothera biennis L.、O.odorata Jacq)

概要

メマツヨイグサは、世界中の温暖な地域にみられる多年草で、その種子油には必須脂肪酸が多く、特にγ-リノレン酸を豊富に含む。花や葉に「収斂および鎮静効果がある」と言われ、消化器系疾患、喘息、リウマチや月経前の諸症状の緩和に用いられてきた。また、種子油の摂取は魚油とカルシウムとの組み合わせで骨粗鬆症に対して有効性が示唆されているが、月経前症候群 (PMS) の症状、更年期障害、アトピー性湿疹、小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD) 、子癇前症に対しては効果がないことが示唆されている。安全性については、適切に摂取する場合にはおそらく安全であるが、妊娠中やてんかん患者には使用すべきではない。過敏な人では花の使用でアレルギーを起こすことがある。 なお、メマツヨイグサはツキミソウと混同しやすいが、別の種類であるので区別して、ここではメマツヨイグサとその近種についてのみ記述する。また、日本で市販されている月見草油と呼ばれるもののほとんどは、マツヨイグサやメマツヨイグサである。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・全草は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・花に精油を含む。全草および種子の抽出オイルにはγ-リノレン酸 (ganma-linoleinic acid、GLA) 、不飽和脂肪酸が含まれる。花の萼と根にはサポニンを含む。
・日本産のマツヨイグサについては、薬用部分は根 (待宵草<マツヨイグサ>) 。日本産のものはほとんど薬用にされることはない。中国では待宵草として、結実期の夏から秋に採集し、乾燥させて使用する。根にはブドウ酒様の香気がある。南米チリ原産。日本では各地に分布。多年草で、花期は5〜8月。一方メマツヨイグサは直立性の2年草で、広い地域に帰化している。夏には夜薫る黄色い花が咲き、小さい種子が入った、毛に覆われたさやができる。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・呼吸器系のカタルに対し花と根の使用がドイツのコミッションEで承認されている (58) 。
・喘息に対して、効果がないことが示唆されている (94) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

一般情報
・オイルの乳房痛に対する有益性は不明である (25) 。
・子癇前症に関して、効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2010年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験について検討したシステマティックレビューにおいて、ブラックコホシュ、イソフラボン、レッドクローバー、ダイズ、ビタミンE、朝鮮人参、トウキ、メマツヨイグサ油、ヤムイモ、カバ、メラトニンを代替医療としてそれぞれ単独使用することが、更年期女性のホットフラッシュに与える影響には一定の傾向が認められず、長期使用の安全性データが不十分であった (PMID:20833608)
RCT
・慢性の重症な乳房痛を有する閉経前女性を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メマツヨイグサ油を6ヶ月間摂取させたところ、症状持続日数に影響は認められなかった (PMID:12439536)
・更年期女性56名 (試験群28名) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メマツヨイグサ油500 mg/日を6ヶ月間摂取させたところ、ホットフラッシュの回数に影響は認められなかった (PMID:8136666)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・注意欠陥多動性障害 (ADHD) の子どもに対して、オイル摂取は効果がないことが示唆されている (94) 。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・アトピー性の湿疹に対し、有効でないことが示唆されている (94) 。
RCT
・アトピー性皮膚炎患者102名を対象とした二重盲検無作為プラセボ比較試験において、メマツヨイグサ油を16週間摂取させたところ、症状スコアに影響は認められなかった (PMID:8099640)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・メマツヨイグサを適切に摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・有害事象に頭痛、吹き出物、吐き気の例がある(25) 。
・花の有害事象として胃腸の不快感と吐き気が時々起こる可能性がある (58) 。
・根の有害事象として胃痛と吐き気が時々起こる可能性がある (58) 。
・メマツヨイグサオイルの有害事象として腹痛や悪心、軟便が報告されている (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中は、合併症 (破水の遅れ、オキシトシン[陣痛促進ホルモン]増大など) のリスクを高める可能性があるため、危険性が示唆されている (94) 。
・授乳中メマツヨイグサを適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<小児>
・小児は適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
<その他>
・てんかん患者には不適である (94) 。まれに、てんかん患者にメマツヨイグサのオイルを用いると発作を引き起こすと報告されている (25) 。
・メマツヨイグサの花に対するアレルギーが知られている (58) 。
<被害事例>
・妊娠37週の妊婦 (アメリカ) が、分娩 (38週) の前週に、陣痛を進める目的でラズベリーリーフ茶とともにメマツヨイグサ油500 mg入りカプセル30個を経口および経膣で使用したところ、誕生した新生児の出生17時間後に、体幹、四肢、顔面に斑状および点状出血がみられた。出生児に他の特記すべき病徴や家族歴はなく、血小板数は正常で、出血斑および紫斑は5日後に消失した (PMID:18154917)
・50歳女性 (ブラジル) が、月経前緊張症候群のためにメマツヨイグサ油を12年間摂取していたところ (摂取量不明) 、2年前から喀痰を伴う咳が続き、メマツヨイグサ油に起因する脂肪肺炎と診断された (PMID:21085832)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝固、抗血小板作用のある医薬品やハーブとの併用は出血などの可能性がある (94) 。
・統合失調症の患者においてフェノチアジン系薬物との併用は、発作のリスクが高まる可能性がある (94) 。
・メマツヨイグサオイルは発作を起こす可能性があるため、麻酔薬や抗痙攣薬と相互作用を起こす可能性がある。麻酔を受けている人は慎重に使用する必要がある (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・種子、種子油:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に使用する場合はおそらく安全である。
・妊娠中の使用は危険性が示唆されるため、使用は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ドイツのコミッションEでは、呼吸器系のカタル (過度の粘液分泌に伴う粘膜の炎症) に対して花と根の使用が承認されている。
・アトピー性の湿疹、小児の注意欠陥多動性障害 (ADHD) 、子癇前症に対して効果がないことが示唆されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳 本文中になし
(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(PMID:7846101) Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 1994 Nov;51(5):311-6.
(PMID:9391777) Drug Saf. 1997 Nov;17(5):342-56.
(PMID:8136666) BMJ. 1994 ;308:501-3.
(PMID:12439536) Am J Obstet Gynecol. 2002 Nov;187(5):1389-94.
(PMID:8099640) Lancet. 1993 Jun 19;341(8860):1557-60.
(PMID:8884146) Dermatology. 1996;193(2):115-20.
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(PMID:10071170) Acta Neurol Scand. 1999 Feb;99(2):112-6.
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(PMID:18154917) J Pediatr. 2008 Jan;152(1):140, 140.e1.
(94) Natural Medicines
(PMID:2833184) Ann Rheum Dis. 1988 Feb;47(2):96-104.

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