健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ボルド、ボルドー、ボルドーモニミア [英]Boldo、Boldus [学名]Peumus boldus Molina

概要

ボルドは南アメリカ原産の植物で、卵形で革質の強い香りのある葉をもつ常緑木本。古くから民間療法として、葉が利尿、胆のう・肝臓の不調の治療に用いられてきた。俗に、「利尿作用がある」「消化不良を和らげる」と言われているが、十分   安全性については、通常の食品に含まれる量の摂取はおそらく安全である。しかし、精油には有毒なアスカリドール (アルカロイド) が含まれるため危険。妊娠中、授乳中、重篤な肝臓病、胆石、胆道閉鎖症の患者は禁忌。ボルドの使用にあたっては、専門家の指導のもとに使用すべきである。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ボルド葉は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・米国ではGRAS (Generally Recognized as Safe;一般的に安全とみなされる物質) に認定 (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アルカロイド[ボルジン (boldine) 、イソボルジン (isoboldine) など]、精油[シメン (cymene) 、アスカリドール (ascaridole) 、リナロール (linalool) など]、フラボノイド配糖体、樹脂、タンニンを含む (94) (79) (81) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では軽度の胃腸痙攣、消化不良の用途にのみ使用が承認されている (58) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・エタノール抽出物とエーテル抽出物は強い抗酸化作用を示した (23) 。
・成分はトロンボキサンA2生成を阻害し、抗血小板作用をもつ可能性を示唆する知見が報告されている (PMID:11310527)

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量を摂取することはおそらく安全である (94) 。アメリカではアルコール飲料にのみ、香料として使用することが許可されている (22) 。
・精油は肝毒性があるアスカリドールを含有するため危険性が示唆されている (94) 。ボルドを摂取する場合は、アスカリドールを含まない製品にすべきである (58) (94) 。
・外用で、皮膚の炎症を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・ボルドに含まれるアスカリドールは肝毒性があるため、妊娠中、授乳中に過剰量を摂取することは危険性が示唆されている (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・草の花粉に敏感でアレルギー性鼻炎のある30歳男性(スペイン)がボルドを点滴した直後に急性の全身性蕁麻疹、顔面の血管性浮腫、嚥下困難、発声困難、呼吸困難等が生じた。経口摂取では問題が生じなかったが、ボルドを250 mL点滴した30分後、咽頭の掻痒、首の蕁麻疹、呼吸困難などが生じたため、ボルドの点滴によるアナフィラキシーと診断された (PMID:15291920)
・82歳男性 (イタリア) が、便秘改善を目的にボルド葉抽出物107.9 mgなどを含むサプリメントを1錠/日、5ヶ月程度摂取したところ、腹部不快感、胸やけなどの胃腸障害などが生じ、医療機関を受診。肝酵素値 (GOT、GTP、ALPなど) が上昇しており、摂取中止により改善したため、ボルドを含むサプリメントによる肝毒性と診断された (PMID:15764158)
・39歳女性 (イギリス) が、体重減少を目的とした製品 (セイヨウタンポポ、ヒバマタ、ボルドを含む) を約3週間摂取したところ (摂取量等不明) 、動悸、胸痛を伴わない失神、息切れ、心電図のQT波の延長、持続性多源性心室頻拍が生じた (PMID:16321701)
・胆石による胆嚢除去の手術歴があり、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症のため多数の医薬品 (アセチルサリチル酸、イルベサルタン・ヒドロクロロチアジド、ロスバスタチン、アロプリノール、オメプラゾール、ドンペリドン) を服用中の72歳女性 (ポルトガル) が、食後の食欲不振、吐き気、嘔吐のためボルド葉の茶を2週間、日常的に摂取したところ、黄疸、肝機能マーカー (AST、ALT、γ-GTP、ALP、総ビリルビン) の悪化を生じた。加療により改善し、薬物性肝障害と診断され、ボルドとの因果関係はprobableと判定された (PMID:27576017)

禁忌対象者

・妊娠中、授乳中は使用禁忌(94) 。
・肝臓疾患、胆管閉塞症には禁忌 (58) 。
・重篤な肝機能障害と胆石がある場合には胆管閉鎖を起こすことがあるため禁忌 (22) (58) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・糖尿病、高血圧、腎移植歴があり、タクロリムス2 mg×2回/日、ミコフェノレート500 mg×2回/日などを服用中の78歳男性 (アメリカ) が、ボルド300 mg×2回/日を数週間摂取したところ、血中のタクロリムス濃度が治療有効濃度以下まで低下し、ボルドの摂取中止により回復した (PMID:24981811)
<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝血薬 (ワルファリンカリウムなど) や血小板凝集阻止薬との併用は避けるべきである(PMID:11310527)
・ボルドは肝機能障害の原因となる可能性があるため、理論的には、肝毒性のある医薬品と併用すると、肝機能障害のリスクが増加する可能性がある (94) 。
・ボルドは利尿作用を有すると考えられるため、理論的にはリチウムを含む薬剤との併用により、リチウムの排泄が抑制されて血清リチウム濃度が上昇する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ボルド抽出物を投与:ラット経口4〜4.8 g/kg (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・ボルド精油を投与:ラット経口130 mg/kg、マウス腹腔内420 mg/kg、ウサギ経皮625 mg/kg (91) 。
・ボルド水エタノール抽出物を投与:マウス腹腔内6 g/kg (79) 。
・ボルジンを投与:マウス腹腔内250 mg/kg (79) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス2d (22) 。

危険情報、禁忌対象者 参照

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量を摂取することはおそらく安全である。
・精油は肝毒性があるアスカリドールを含有するため危険性が示唆されている。
・妊娠中、授乳中は使用禁忌。
・重篤な肝機能障害、胆道閉鎖症、胆石がある場合は使用禁忌。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ドイツのコミッションEでは、軽度の胃腸痙攣、消化不良の用途にボルド葉の使用が承認されているが、その他、ヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(PMID:11310527) Pharmacotherapy. 2001 Apr;21(4):509-12.
(PMID:15291920) Allergy. 2004;59:1019-20.
(79) The Essential Guide to Herbal Safety Elsevier (2005)
(81) Herbal Medicines Third edition (Pharmaceutical Press)
(PMID:15764158) Scand J Gastroenterol. 2005 Feb;40(2):236-9.
(PMID:16321701) Int J Cardiol. 2006 Jan 13;106(2):260-1.
(PMID:24981811) Transplant Proc. 2014 Sep;46(7):2400-2.
(94) Natural Medicines
(PMID:27576017) J Diet Suppl. 2017 Mar 4;14(2):186-190.
(PMID:27576017) J Diet Suppl. 2017 Mar 4;14(2):186-190.

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