健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

クランベリー 、ツルコケモモ [英]Low-bush cranberry [学名]Vaccinium macrocarpon Aiton

概要

クランベリーは、白から桃色の花をつける常緑灌木。光沢のある赤色の実がなり、ブルーベリー、コンコードグレープと並んで北米三大フルーツのひとつともいわれるほどポピュラーな果物である。俗に、「膀胱炎によい」「肌に良い」「かぜやインフルエンザの予防によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については、尿路感染症に対してのみ有効性が示唆されている。酸味の強い果物なので、ジュースなどで摂取する場合は、糖分の摂りすぎにも注意が必要である。安全性については、適切に用いれば経口摂取でおそらく安全であるが、子供についてはクランベリー果汁として摂取した場合に限られる。妊娠中・授乳中は、医療目的で用いる場合の安全性について十分なデータがないため、使用を避けるべきである。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実、葉は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アントシアニン類 (anthocyanins) 、フラボノール配糖体 (flavonol glycoside) 、カテキン (catechin) 、トリテルペン類 (triterpens) 、糖類、ビタミンC、シュウ酸 (oxalic acid) などを含む。
・つる性で常緑の細長い茎をつける潅木。光沢のある赤色の1〜1.5 cm大の酸味のある果実をつける。ニューファンドランドからマニトバにかけて、南はバージニア州、オハイオ州、イリノイ州北部にかけての沼地に生育する。ヨーロッパ北部・中央部でも生育し、局地的に帰化する。使用部位は果実。

分析法

・品質の指標として、フェノール類がFolin-Ciocalteu法により分析されている (PMID:11714322)

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2014年12月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、クランベリーの摂取は血中LDLコレステロール (5報) の低下と関連が認められたが、総コレステロール (6報) 、HDLコレステロール (6報) に影響は与えず、いずれも試験によるバラツキが大きかった。また、トリグリセリド (6報) の増加が認められた (PMID:26345230)
・2015年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた、ベリー類の摂取と心血管リスクとの関連を調べた無作為化プラセボ比較試験22報について検討したメタ分析において、ビルベリーの摂取はLDLコレステロール (3報) の低下、HDLコレステロール (4報) の上昇と関連が認められた。ホワートルベリーの摂取は総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド (各2報) の低下と関連が認められたが試験によるバラツキが大きく、クランベリージュース (9報) 、ブルーベリー (3報) 、エルダーベリー (2報) の摂取はいずれの指標とも関連が認められなかった (PMID:27006201)
RCT
・過体重の男性35名 (平均45±10歳、カナダ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、低カロリークランベリージュース500 mL/日を4週間摂取させたところ、脈波増大係数、サルブタモールおよびニトログリセリンによる脈波増大係数の変化、その他心血管代謝指標 (心拍、血圧、内皮機能、血漿NOx、尿酸、酸化LDL、sICAM-1、sVCAM-1、sE-セレクチン濃度) に影響は認められなかった (PMID:23351409)
・男性II型糖尿病患者58名 (平均54.8±9.1歳、試験群29名、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュース240 mL/日を12週間摂取させたところ、血清中の糖、apo B濃度の低下およびapo A-1濃度、PON-1活性の増加が認められたがLp (a) に影響は認められなかった (PMID:23267397)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・糖尿病に対して効果がないことが示唆されている。サプリメント摂取は、II型糖尿病患者の空腹時血糖値などのパラメーターを改善しない (94) 。
RCT
・インスリン抵抗性を有する過体重または肥満の男女41名 (試験群20名、平均57±1歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチゴ+クランベリー抽出物1.84 g (ポリフェノール333 mg含有) 含有飲料を6週間摂取させたところ、高インスリン正常血糖クランプ試験におけるインスリン抵抗性の改善が認められたが、経口糖負荷試験における血糖値およびインスリンのiAUC、血清脂質濃度 (総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド) 、酸化LDL、高分子アディポネクチン濃度、炎症マーカー (高感度CRP、TNF-α、IL-6、PAI-1、RANTES) 、抗酸化マーカー (FRAP) に影響は認められなかった (PMID:28290272)

生殖・泌尿器

<尿路感染症>
一般情報
・尿路感染症の予防に経口摂取で有効性が示唆されている (94) が、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在している。
メタ分析
・2011年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、クランベリー含有製品の摂取は尿路感染症の発症リスク低下と関連が認められた (PMID:22777630)
・2007年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験10報について検討したメタ分析において、クランベリー果汁またはクランベリー抽出物の摂取により尿路感染症女性の12ヶ月以内の再発率は35%減少したが、導尿カテーテルを使用している人では、尿路感染症予防はみられなかった (PMID:18253990) 。ただし、果汁と抽出物の影響が同等であるかは明確ではない 。
・システマティック・レビューからは、ジュースおよびその他のクランベリー製品の非妊娠女性の再発性膀胱炎、神経因性膀胱に関連する尿路感染症予防に対する効果について、信頼性の高いエビデンスは見つけられなかった (25) (PMID:11248607) (PMID:10796775)
RCT
・高齢女性153名 (試験群72名、平均78.1±8.3歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリー果汁300 mL/日を6ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の発症率が低下した (PMID:8093138)
・尿路感染症患者の女性150名 (試験群50名、平均32±9.8歳、フィンランド) を対象とした無作為化比較試験において、クランベリーとアルパインクランベリーを含む果汁飲料50 mL/日を6ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の再発率が低下した (PMID:11431298)
・腎臓小児科を受診している女児84名 (平均7.5歳、試験群:クランベリー摂取群28名、乳酸菌摂取群27名、イタリア) を対象とした無作為化比較試験 において、クランベリー濃縮ジュース50 mL (クランベリー7.5 gを濃縮) を毎日、またはLactobacillus GG飲料100 mL (4×10(7) cfu含有) を月に5日、6ヶ月間摂取させたところ、クランベリー摂取群では尿路感染症の再発が減少したが、Lactobacillus GG摂取群では影響が認められなかった(PMID:19921981)
・尿路感染症の小児40名 (試験群20名、中央値7歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュース (37%プロアントシアニジン含有) 2 mL/kgを1年間摂取させたところ、プロアントシアニジンを含まないクランベリージュースに比較し、尿路感染症の再発率が低下した (PMID:22910239)
・神経因性膀胱の子ども15名 (2〜18歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、クランベリージュース300 mL/日を3ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の発症に影響は認められなかった (PMID:10586171)
・脊髄損傷の患者48名 (試験群26名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリー抽出物カプセル2 g/日を6ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の発症に影響は認められなかった (PMID:15156935)
・急性尿路感染症患者319名 (試験群155名、平均21.2±3.4歳、女性、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、27%クランベリージュース240 mL×2回/日を6ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の再発率に影響は与えなかった (PMID:21148516)
・閉経前の尿路感染症患者176名 (試験群120名、平均25.3±6.6歳、アメリカ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュースを4オンス (約120 mL) /日または8オンス (約240 mL) /日、6ヶ月間 (中央値168日) 摂取させたところ、尿路感染症の再発率や尿中大腸菌P線毛検出率に影響は認められなかった (PMID:22305026)
・膀胱または子宮頸がんで骨盤放射線治療を受けている患者128名 (試験群64名、中央値67.5歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュースを1日2回、放射線治療期間中および治療後、併せて6週間摂取させたところ、治療の副作用である頻尿や尿路感染症の発症率に影響は認められなかった (PMID:21703829)
・尿路感染症の小児255名 (試験群126名、平均3.8±2.5歳、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュース5 mL/kg体重/日を6ヶ月間摂取させ、1年間追跡したところ、抗菌薬の使用日数の減少が認められたが、尿路感染症の再発率や再発時期に影響は認められなかった (PMID:22100577)
・長期療養施設利用者928名 (オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリー500 mg×2回/日を12ヶ月間摂取させたところ、尿路感染症の高リスク群 (516名、試験群253名、中央値85.0歳) で尿路感染症発症率 (尿路感染の症状、尿細菌検査陽性、抗生剤使用、診療記録のいずれかで評価) の低下が認められたが、低リスク群 (412名、試験群205名、中央値84.0歳) では影響は認められず、また、いずれの群においても尿路感染症発症率(尿細菌検査陽性のみで評価) 、再発率、入院リスク、死亡率に影響は認められなかった (PMID:25180378)
・尿路感染症の既往歴がある女性373名 (試験群185名、平均40.9±1.1歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリー飲料240 mL/日を24週間摂取させたところ、試験期間中の尿路感染症および膿尿を伴う尿路感染症の発症リスクが減少したが、尿路感染症を発症した患者の尿中の病原菌種に影響は認められなかった (PMID:27251185)
・施設に居住中の高齢女性185名 (試験群92名、平均87.1±8.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリーカプセル (プロアントシアニジン36 mg含有) ×2個/日を1年間摂取させたところ、細菌尿+膿尿のリスクに影響は認められなかった (PMID:27787564)
・股関節骨折により尿路カテーテルを受けた高齢女性227名 (試験群113名、平均83.1±8.6歳、スウェーデン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリー粉末1,100 mg×3回/日を術後5日目まで摂取させたところ、尿路感染症リスクに影響は認められなかった (PMID:28144131)
その他
・4〜6オンス (約120〜180 mL) /日のクランベリー果汁を7週間飲ませると、養老看護施設の患者28人中19人で尿路感染を防げたことが示された (23) 。このことから治療薬としてよりも予防薬としての効果が示唆される。

<その他>
一般情報
・失禁患者の尿の臭い消しに経口摂取で有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・45歳以上の男性および前立腺特異抗原値が上昇している高齢男性42名 (試験群21名、平均62.0±5.4歳、チェコ) を対象とした無作為化比較試験にお いて、乾燥クランベリーを500 mg×3回/日、6ヶ月間摂取させたところ、下部尿路症状と前立腺特異抗原値が改善したとの予備的な報告がある (PMID:20804630) が、この現象についてはさらなる検証が必要である (94) 。
・前立腺がん患者40名 (試験群20名、平均68歳、ニュージーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリーカプセル (プロアントシアニジン72 mg含有) 1個/日を放射線治療中および治療後2週間摂取させたところ、QOL (EPIC) 12項目中1項目のみ改善が認められたがその他項目や膀胱炎リスクに影響は認められなかった (PMID:24993395)

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

RCT
・健康な成人45名 (試験群22名、平均24.9±5.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クランベリージュース450 mL/日を10週間摂取させたところ、風邪やインフルエンザの症状の低減、γδ-T細胞増殖指数、INF-γの増加が認められたが、発症率やその他の免疫細胞増殖指数 (NK細胞、αβ-T細胞、単球、B細胞) 、サイトカイン分泌量 (IL-1β、TNF-α、IL-17、IL-1α、MIP-1β、IL-13) に影響は認められなかった (PMID:24330619)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に経口摂取することはおそらく安全である (94) が、果汁の過量摂取 (3〜4 L/日程度) で下痢や胃腸の不調が報告されている (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・医療目的で用いる場合、安全性について十分なデータがないので使用を避けること (94) 。
<小児>
・クランベリー果汁として摂取した場合であれば、おそらく安全である (94) 。
<その他>
・果汁や抽出物にはシュウ酸を多く含み、腎臓結石のリスクが高まるので、結石の既往症がある人は使用を避けたほうがよい (94) 。1 L/日以上の果汁を長期摂取すると腎臓の尿酸結石のリスクが増加すると思われる (PMID:9110682)
・民間療法のサプリメント・食品・飲料等摂取による血小板減少について、2009年6月までを対象に11個のデータベースで検索したところ、クランベリージュース摂取との関連が強く疑われる症例が1例あった (PMID:20525061)
<被害事例>
・妊婦 (アメリカ) が、クランベリー果汁飲料を16オンス (約470 mL/日) (4オンス (約120 mL) のクランベリー果汁に相当) を数週間摂取したところ、嘔気嘔吐、下痢を起こした (PMID:18707726)
・アムロジピンと少量のアスピリンを服用していた68歳男性 (イギリス) が、クランベリージュースを10日間摂取し (摂取量不明) 、血小板減少による口腔内出血、血尿を呈した (PMID:11784628)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・ワルファリンを服用中の人の国際標準比 (INR:血液凝固時間) を上昇させる可能性があり、突発性出血や術後の過剰出血が起こった (PMID:14765835) (PMID:14684645) (101) 。しかし、クランベリー果汁240 mL/日または600 mL/日摂取では、CYP2C9に影響はみられなかった (PMID:16413247) (PMID:17392729)
・ワルファリン、ジゴキシンおよびフェニトインを服用していた70代の男性が食欲不振のため、ほとんど何も食べずクランベリージュースを摂取していたところ、6週間後には国際標準比 (INR:血液凝固時間) が50以上になり、消化管および心嚢出血により死亡した (PMID:14684645)
・心房細動の治療のために6年前から45 mg/週のワルファリンを服用していた78歳白人男性が、1週間前からクランベリー/アップルジュースを1/2ガロン (約2 L) 飲んだところ、INR (国際標準化プロトロンビン比) が2.96から6.45に上昇し、摂取中止により回復したという症例報告がある (PMID:17919554)
・心房細動の治療のため3年前からワルファリン60 mg/週を服用していた64歳男性 (アメリカ) が、クランベリージュースを2杯/日、1ヶ月程度摂取したところ、INR (国際標準化プロトロンビン比) が 5.5に上昇し、摂取中止により3.6まで回復した (PMID:21301274)
・心房細動の治療のため18ヶ月前からワルファリン50 mg/週を服用していた85歳女性 (アメリカ) が、クランベリーソースをテーブルスプーン2杯程度摂取したところ、INR (国際標準化プロトロンビン比) が 5.1に上昇し、後日、もう一度摂取したところ、INR が6.7まで上昇した (PMID:22231999)
・健常男性12名を対象としたオープンラベルクロスオーバー無作為化比較試験において、
クランベリータブレット6錠 (1錠にクランベリージュース濃縮物500 mgを含有) を2週間にわたって前投与した後にワルファリン25 mgを投与したところ、INR (国際標準化プロトロンビン比) -時間曲線下面積 (AUC) が30%増加した (PMID:18516070)
・ワルファリン服用患者を対象にした試験において、クランベリー果汁250 mL/日を7日間または27%クランベリー果汁飲料240 mL/日を14日間摂取させたところ、INR (国際標準化プロトロンビン比) 、血漿中ワルファリン濃度、ワルファリンの抗凝血活性に影響を及ぼさなかった (PMID:17126638) (PMID:19553405)
・高血圧、脂質異常症の治療でリシノプリル、アトロバスタチンを服用していた45歳男性 (アメリカ) が、クランベリージュース16オンス (約472 mL) /日を2週間摂取したところ、背中と上肢の痛みを伴う横紋筋融解症と肝炎を発症した。クランベリージュースの摂取中断および経口補水により、2週間後に回復した (PMID:24851484)
・糖尿病、肥満、高血圧、冠動脈疾患、脂質異常症、心房細動の治療、および僧房弁置換のため、インスリングラルギン、インスリンアスパルト、カルベジロール、アスピリン、ワルファリン、フロセミド、シンバスタチン、マルチビタミン、ビタミンD、カルシウムを併用していた67歳女性 (アメリカ) が、クランベリージュース (果汁7%) を12〜16オンス (約354〜472 mL) /日、2週間摂取したところ、横紋筋融解症と肝炎を発症した。シンバスタチンの服用中断と加療により、5週間後に回復した (102) 。
・4年前に全身性進行性硬化症による腎不全で腎移植を受け、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、プレドニゾンを服用中の40歳女性 (アメリカ) が、膀胱炎のためにセファレキシンとともにクランベリージュース1,000 mg×2回/日を摂取したところ、血中タクロリムス濃度が低下した。タクロリムス服用量を増加しても血中濃度の増加が見られなかったため、クランベリージュース摂取を中止したところ、改善した (PMID:27335715)
<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、クランベリー抽出物はCYP2C8活性を阻害した (PMID:25430798)

<理論的に考えられる相互作用>
・薬物代謝酵素チトクロームP4502C9 (CYP2C9) を抑制することがあるので、この酵素によって代謝されるワルファリンの抗凝固作用を高めることがある (PMID:14765835) (PMID:11803026) 。予備的な知見によると、クランベリーに含まれるフラボノイドがCYP2C9を阻害する可能性がある (PMID:11803026)
・ワルファリンと併用すると、CYP2C9の阻害によりワルファリンの代謝が低下し、抗凝固作用が増強されることがある (94) 。
・クランベリー果汁はフルルビプロフェン (アンサイド) の血漿中濃度や代謝、消失には影響を及ぼさなかった (PMID:16413247)
・萎縮性胃炎、低胃酸症の人は果汁摂取すると、その酸性のために食事中のビタミンB12の吸収を促進すると思われる (PMID:7706591)
・クランベリージュースはサリチル酸を多く含むため、アスピリンアレルギーや喘息の人でアレルギー反応を引き起こすことがある (PMID:11429429)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・果実:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に用いれば、経口摂取でおそらく安全である。
・子供については、クランベリー果汁として摂取した場合であれば、おそらく安全である。
・妊娠中・授乳中は、医療目的で用いる場合の安全性については十分なデータがないため使用を避ける。
・過剰摂取で下痢や胃腸の不調が報告されている。1 L/日以上の果汁を長期摂取すると腎臓の尿酸結石のリスクが増加すると思われる。結石の既往症がある人は使用すべきでない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・尿路感染症の予防に経口摂取で有効性が示唆されている。
・失禁患者の尿の臭い消しに経口摂取で有効性が示唆されている。
・糖尿病について効果がないことが示唆されている。

参考文献

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