健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ガラナ [英]Guarana [学名]Paullinia cupana Kunth

概要

ガラナは種子にカフェインを含み、特に中南米アマゾン付近の原住民が疲労回復や興奮作用を期待して茶やコーヒーのような飲料として利用してきた。そのため近年、健康食品として加工されるようになり、コーラ飲料のフレーバー成分としても広く用いられている。俗に、「強壮作用や疲労回復・ストレス解消などの効果がある」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、食品に含まれる量の摂取はおそらく安全であるが、過剰摂取は危険性が示唆されている。また、ガラナに含まれるカフェインを慢性摂取すると、ときに耐性、習慣性、依存性が現れることがある。カフェインの情報はこちらを参照。その他詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・種子は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・カフェイン (caffeine、guaranine) 、 テオブロミン (theobromine) 、テオフィリン (theophylline) やd-カテキン、タンニンを含む。
・常緑で攀縁性のつる植物で、南米のアマゾン地域に自生する。栽培すると2 mほどの潅木に成長する。薬用部分は種子 (ガラナ子) 。砕いて炒った種子をキャッサバでん粉とともに水で練って円筒形にし、燻煙乾燥し固めたものをガラナエキス (通称ガラナ) と呼ぶ。花期は7〜8月。

分析法

・methylxanthines、catechinsが紫外可視検出器 (検出波長272 nm) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:9680692)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・放射線治療を受けている乳がん患者36名 (試験群17名、平均59歳、ブラジル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ガラナ75 mg/日を14日間摂取させたところ、疲労感 (Chalder fatigue scale、MD Anderson Brief Fatigue Inventory) や抑うつ症状 (BDI) に影響は認められなかった (PMID:19388866)
・放射線治療による倦怠感のある乳がん患者75名 (22〜70歳、ブラジル) を対象とした2重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ガラナ50 mg×2回/日を21日間摂取させたところ、倦怠感や疲労感の自己評価 (FACIT-F、FACT-ES、BFI) が向上した (PMID:21612429)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・身体を動かすことの少ない体脂肪率20%以上の男性10名 (イギリス) を対象とした二重盲検並行試験において、ビターオレンジ、緑茶、ガラナの抽出物を含むカプセル500 mg (シネフリン6 mg、カフェイン150 mg、カテキン150 mg含有) の単回摂取は、安静時および運動時のいずれにおいてもATP利用能に影響しなかった (PMID:16418760)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・適切に用いれば短期間は安全性が示唆されているが、過剰摂取は危険性が示唆されている。ガラナに含まれるカフェインを慢性摂取すると、ときに耐性、習慣性、依存性が現れることがある (94) 。250〜300 mg/日以上の摂取で、不整脈、睡眠障害などの有害事象が現れるが、これはカフェインを含まない製品ではみられない (94) 。
・過剰摂取は危険性が示唆されている。非常に大量に摂取するのはおそらく危険である。カフェインの致死量は10〜14 g (150〜200 mg/kg) とされる。喫煙習慣や年齢、カフェインの使用歴などの要因により、摂取量が少ない場合でも重篤な有害事象が起こり得る (94) 。
・眠れなくなることがあるがカフェインより効果は弱いとされている (20) 。
・カフェインに関連する有害事象を引き起こすことがある。カフェイン含有物は不眠症、いらつき、動揺、胃炎、吐き気、嘔吐、尿量増加、頻脈、不整脈、耳鳴り、頭痛、妄想の原因となることがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中は食品に含まれる量の摂取は安全性が示唆されている。血中のカフェイン濃度をモニタリングする方がよい (94) 。妊娠中のカフェイン摂取は200 mg/日以下 (コーヒーや紅茶にして1〜2杯) にするべきである (94) 。
・妊娠中の過剰摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・授乳中は食品に含まれる量の摂取は安全性が示唆されている。血中のカフェイン濃度をモニタリングする方がよい (94) 。
・授乳中の過剰摂取は危険性が示唆されている。乳児のいらつき、腸管運動亢進の原因となるので、授乳中の過剰摂取は避けること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍を悪化させるおそれがあるので使用を避ける。
・高血圧症、冠状動脈心疾患の患者には勧められない (20) 。心臓疾患をもつ人は不整脈が起こりやすくなることがある (94) 。
<被害事例>
・38歳男性が、ガルシニア・カンボジア、ガラナ種子抽出物、ダイダイを含むダイエット用サプリメント製品 (1カプセルにカフェイン54 mg、シネフリン6.6 mg含有) を2×3カプセル/日摂取したところ、特発性心室頻拍を起こした (PMID:19151465)
・44歳男性 (ポーランド) が、ガラナ抽出物タブレット (カフェイン80 mg/個含有) を20個摂取し、直後から吐き気、嘔吐、不安、動悸などのカフェイン中毒症状を呈し、約21時間後に心房細動を起こし、救急搬送された (PMID:25632790)
・29歳男性 (イタリア) が、ガラナ500 mg+イチョウ抽出物200 mg+カバ100mg/g含有製品を摂取した数時間後に重度の筋肉痛、暗色尿、血中クレアチニンキナーゼ、ミオグロビン濃度の上昇を生じ、横紋筋融解症と診断された (PMID:10938194)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・カフェインを含むハーブやサプリメントと併用すると、カフェインの有害事象が起こりやすくなる (94) 。
・エフェドラとの併用で、刺激作用が増強されることがある。未発表であるがこの併用で震顫、高血圧、発作、意識の一時消失、入院が必要なほどの症状が出たという報告がある (94) 。
・鎮痛剤、鎮静剤、H2ブロッカー、中枢神経刺激薬、エストロゲン、モノアミン酸化酵素 (MAO) 阻害剤など多くの医薬品と相互作用があるので注意が必要である。また、各種検査値にも影響を与えることがある (94) 。
・不安障害の症状を悪化させることがある。腎疾患の症状を悪化させることがある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・ガラナ種子の水抽出物を投与:マウス経口2.9 g/kg (2004116117) 。
2.TDLo (最小中毒量)
・ガラナ抽出物を投与:ヒト経口0.54〜4.29 mg/kg (91) 。
3.その他
・動物実験 (マウス) において、ガラナ種子の水抽出物凍結乾燥品を単回経口投与したところ、高用量投与により中枢神経興奮症状、運動失調の症状、わずかな外的刺激に対する過敏症が観察された (2004116117) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・種子:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に用いれば短期間は安全性が示唆されているものの、過剰摂取する場合は、危険性も示唆されている。また、ガラナに含まれるカフェインを慢性摂取すると、ときに耐性、習慣性、依存性が現れることがある。
・妊娠中・授乳中における過剰摂取は危険性が示唆されているので、過剰摂取は避ける。
・有害事象としては、過剰摂取で排尿痛、腸管痙れん、嘔吐が知られている。カフェイン含有物は不眠症、いらつき、動揺、吐き気、嘔吐、尿量増加、頻脈、不整脈、頻呼吸、痙れん、耳鳴り、頭痛、妄想、ひきつけの原因となることがある。
・カフェイン250 mg/日を含む量のガラナ摂取で、血圧が上昇する場合があるが、カフェインを日常的に摂取している人ではあまりみられない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、信頼できる十分なデータは見当たらない。

参考文献

(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:9680692) J AOAC Int. 1998;81(4): 691-701.
(PMID:16418760) Int J Obes (Lond). 2006 May;30(5):764-73.
(2004116117) 医学と生物学.2003; 147(5):69-73
(PMID:19151465) Indian Heart J. 2007 Nov-Dec;59(6):494-6.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:19388866) J Altern Complement Med. 2009 Apr;15(4):431-3.
(PMID:21612429) J Altern Complement Med. 2011 Jun;17(6):505-12.
(PMID:25632790) Przegl Lek. 2014;71(9):495-8.
(94) Natural Medicines
(PMID:10938194) Neurol Sci. 2000 Apr;21(2):124.

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