健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

パーム油 [英]Palm Oil [学名]Elaeis guineensis、Elaeis melanococca

概要

パーム油は、西アフリカ原産のヤシ科植物であるアブラヤシの果実から採取される植物油。アジアやアフリカ各国で、長年にわたり主要な食用油脂として使用されている。果肉から得られるものをパーム油、果実中の種子 (仁) から得られるものをパーム核油という。飽和脂肪酸に富み、その割合はパーム油で約50%、パーム核油では70〜80%である。また、パーム油の飽和脂肪酸の割合を少なくすると液体 (パームオレイン) 、逆に飽和脂肪酸の割合を多くすると固形 (パームステアリン) となり、用途に応じて使用される。ヒトでの有効性については、高コレステロール血症、マラリアの症状に対して効果がないことが示唆されている。安全性については、通常の食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取した場合の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらない。同じヤシ科のココヤシの果実から得られるココナツオイルについては別項を参照。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・日本では「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」にも該当しない (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・パーム油の脂肪酸は50%が飽和脂肪酸、40%が一価不飽和脂肪酸、10%が多価不飽和脂肪酸である (PMID:14506002)
・ビタミンA、ビタミンE、コエンザイムQ10などを含む (94) 。

分析法

・パーム油中のビタミンEを蛍光検出HPLCにて測定した報告がある (PMID:15691027)

有効性








循環器・
呼吸器


一般
・高コレステロール血症に対して効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2014年5月までを対象に2つのデータベースで検索できた介入研究30報 (32試験) (検索条件:期間≧2週間) について検討したメタ分析において、パーム油の摂取は、飽和脂肪酸含量の少ない植物油と比較した場合に血中総コレステロール (27試験) LDLコレステロール (26試験) 、HDLコレステロール (26試験) の上昇と関連が認めらえたが、トリグリセリド (25試験) との関連は認められず、部分水素添加植物油と比較した場合にHDLコレステロール (9試験) の上昇と関連が認められたが、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド (各9試験) との関連は認められず、動物脂との比較ではいずれの血中脂質 (各2報) に対しても影響は認められなかった (PMID:25995283)
・2013年5月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入研究49報 (51試験) (検索条件:期間≧2週間) について検討したメタ分析において、パーム油またはパームオレインの多い食事の摂取は、ステアリン酸の多い食事と比較して総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール (各8試験) 、LDL/HDL比 (4試験) の上昇、一価不飽和脂肪酸の多い食事と比較して総コレステロール (21試験) 、LDLコレステロール (20試験) 、HDLコレステロールの上昇 (21試験) の上昇、多価不飽和脂肪酸の多い食事と比較して総コレステロール、HDLコレステロール (各16試験) の上昇、ミリスチン酸・ラウリン酸と比較して総コレステロール、HDLコレステロール (各11試験) の低下、トランス脂肪酸の多い食事と比較してHDLコレステロールの上昇 (11試験) 、トリグリセリド (11試験) の低下が認められた (PMID:24717342)
RCT
・健康な男性10名 (平均20.8±2.4歳、コロンビア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、非加熱または加熱したパーム油、大豆油、オリーブ油をそれぞれ60 mL、試験食とともに単回摂取させたところ、食後血糖値、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、平均血圧、血管内皮機能への影響に、油の種類または加熱の有無による差は認められなかった (PMID:17174226)
・健康な男性32名 (平均29.6±10.3歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、パームオレイン、オリーブ油またはラードを食事の脂質供給源として17%エネルギー、3週間摂取させたところ、パームオレインの摂取はオリーブ油と比較して体重増加の抑制、血清トリグリセリド値の低下が認められたが、HDLコレステロール、血糖値、インスリン濃度、高感度CRP、PAI-1に影響は認められず、総コレステロール値およびLDLコレステロール値の増加が認められた。ラードとの比較においては、パーム油摂取の影響は認められなかった (PMID:22071711)
・過体重または肥満の男性28名 (平均56.8±3.0歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、パームオレイン40 gを含む試験食を単回摂取させたところ、オリーブ油摂取に比較し、摂取後5時間までの血清トリグリセリド値、インスリン濃度、血糖値、血管内皮機能指標 (FMD、PAI-1、tPA、ICAM-1、VCAM-1、E-セレクチン、ニトロチロシン) に差は認められなかった (PMID:25617858)
・健康な男性10名 (平均21.9±0.7歳、マレーシア) を対象とした単盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、パームオレイン50 gを含む試験食を単回摂取させたところ、ラードまたはオリーブ油摂取に比較し、食後4時間までの血漿遊離脂肪酸、血糖値、インスリン濃度、炎症マーカー (IL-6、TNF-α、IL-1β) 、レプチン濃度に影響は認められず、ラード摂取と比較して食後血清トリグリセリド値が上昇した (PMID:21197586)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・マラリアの症状に対して効果がないことが示唆されている (94) 。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

RCT
・妊婦299名 (試験群151名、平均25.94±0.303歳、マレーシア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、パーム油のトコトリエノールが豊富な分画100 mg/日を妊娠12〜16週から出産まで摂取させたところ、妊娠高血圧および子癇前症の発生リスク、妊娠期間、出産時出血量、出生時体重に影響は認められなかった (PMID:24592747)

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・適切に摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
<小児>
・適切に摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
<被害事例>
・マラリアの既往歴のある29歳男性 (アメリカ) が、β-カロテンを豊富に含むレッドパーム油を日常的に多量 (摂取量、期間等不明) 摂取していたところ、手のひらと足底の黄変を生じた (PMID:3345684)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・パーム油に含まれるパームオレインは血小板凝集を亢進させるため、パーム油の摂取により抗血小板薬、抗凝固薬の効果が減弱する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

TDLo (最小中毒量)
・パーム油を投与:ラット経口 (間欠的) 112.5 mL/kg/30日、ウサギ経口(連続的) 42,000 mg/kg/4週 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

通常の食品に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
高コレステロール血症、マラリアの症状に対して効果がないことが示唆されている。

参考文献

(76) 日本食品大事典 医歯薬出版株式会社
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(94) Natural Medicines.
(PMID:15691027) Lipids. 2004 Oct;39(10):1031-5.
(PMID:17174226) Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2007 Jan;17(1):50-7.
(PMID:22071711) Am J Clin Nutr. 2011 Dec;94(6):1426-32.
(PMID:24592747) Acta Medica (Hradec Kralove). 2013;56(3):104-9.
(PMID:25617858) Atherosclerosis. 2015 Mar;239(1):178-85.
(PMID:25995283) J Nutr. 2015 Jul;145(7):1549-58.
(PMID:3345684) Cutis. 1988 Feb;41(2):100-2
(PMID:24717342) Am J Clin Nutr. 2014 Jun;99(6):1331-50.
(PMID:21197586) Lipids. 2011 Apr;46(4):381-8.
(PMID:14506002) Asia Pac J Clin Nutr. 2003;12(3):363-8.

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