健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ガラクトオリゴ糖 [英]Galacto-oligosaccharide [学名]-

概要

ガラクトオリゴ糖は、ガラクトースを主成分とするオリゴ糖の総称で、2〜6個の糖が結合したものを指すことが多く、母乳や牛の初乳の中に含まれている。また、ガラクトースとグルコースがβ結合した2糖 (転移2糖) もガラクトオリゴ糖の仲間で、伝統的なヨーグルトの中に少量含まれている。乳糖にβ-ガラクトシダーゼを作用させて生産される。俗に、「ビフィズス菌の栄養になり菌を増殖させる」「腸の健康を維持する」「便通改善効果がある」などと言われている。ヒトでの有効性については、「おなかの調子を整える食品」として、ガラクトオリゴ糖を関与成分とした特定保健用食品が許可されている。安全性については、摂りすぎあるいは体調によりおなかが緩くなることがあるとされている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・オリゴ配糖体であり、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・特定保健用食品の成分となっている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ガラクトオリゴ糖はガラクトースを主成分とするオリゴ糖の総称で、2〜6個の糖が結合したものを指すことが多い。乳糖にβーガラクトシダーゼを作用させて生産する。

分析法

・示差屈折計 (RID) を装着した高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法により分析されている (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・ガラクトオリゴ糖を関与成分とし、おなかの調子を整える機能が表示できる特定保健用食品が許可されている。
メタ分析
・2012年7月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報 (検索条件:期間≧2週) について検討したメタ分析において、早産児によるガラクトオリゴ糖やフラクトオリゴ糖を含むプレバイオティクスの摂取は、腸内ビフィズス菌の増加 (2報) と関連が認められたが、壊死性全腸炎 (5報) 、敗血症 (3報) の発症リスクに影響は与えなかった (PMID:23786897)
RCT
・50歳以上の健康な成人37名 (平均58.9±5.9歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、ガラクトオリゴ糖4 g×2回/日を3週間摂取させたところ、便中ビフィズス菌量が増加した (PMID:21910949)
・生後1〜3ヶ月齢の健康な人工栄養児 (母乳の比率が10%以下) 22名 (試験群9名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、Sporobolomyces singularisおよびKluyveromyces lactis由来β-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖を0.3%含む調製乳を2週間摂取させたところ、便中のビフィズス菌の占有率が増加した (PMID:27120106)
その他
・便秘傾向のある126名 (平均29歳、日本) を対象に、β1-4系ガラクトオリゴ糖が2.5〜10 g含まれた飲料を1週間摂取させたところ、排便回数が増加し、便の軟化がみられた (1997186017) 。
・健康成人男性17名 (25〜53歳、日本) を対象に、β1-4系ガラクトオリゴ糖含有飲料 (ガラクトオリゴ糖として2.5〜10 g) を1日1回摂取させたところ、糞便中のビフィズス菌が増加したという予備的な報告がある (1996082042) 。この現象についてはさらに検証が必要である。
・ビフィズス菌の常在菌数の少ない健常成人男性12名 (35〜55歳、日本) を対象に、ガラクトオリゴ糖2.5 g入りジュースを3週間摂取させたところ、ビフィズス菌が増加し、その他の腸内細菌には影響を与えなかったという予備的な報告がある (1995076244) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。
・インスリン非依存型糖尿病患者12名 (平均66歳、日本) を対象に、調味料としての砂糖の摂取を中断し、代替品としてガラクトオリゴ糖を18.5 g/日、1ヶ月間摂取させたところ、便の軟化がみられ、便秘症状を呈する患者 (9名) において、便秘の緩和が見られた (1996230733) 。
・慢性的に便秘を認める重症心身障害児21名 (13〜38歳、日本) を対象に、ガラクトオリゴ糖を50%以上含有する糖を10〜40 mL/日、それぞれ4週間摂取させたところ、10名で自然排便日数の増加、浣腸回数の減少、便性の変化が認められ、7名が不変、4名が増悪したという予備的な報告がある (1995180349) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。
・重症小児外科疾患患児5名(2ヶ月〜4歳、日本)を対象に、ビフィズス菌、乳酸菌の2生菌製剤 (1×109〜10/g) 3〜6 g/日を、ガラクトオリゴ糖製品3 g/日と共に少なくとも6ヶ月以上継続投与したところ、投与前と比較して便中細菌叢が正常に近づき、病原性菌が減少し短鎖脂肪酸量が増加する傾向が認められたという予備的な報告がある (2000234309) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。
・成人男性7名 (33〜51歳、日本) を対象に、大豆由来の難消化性ガラクトオリゴ糖を含む飲料 (1.5 g/本) を1日2本、3週間摂取させたところ、腸内ビフィズス菌が増加し、便中β-グルコシダーゼ活性が減少したという予備的な報告がある (1993001071) 。この現象についてはさらに検証が必要である。
・便秘経験のある19名 (18〜35歳、日本) を対象に、1本に大豆由来のガラクトオリゴ糖2.9 gを含む飲料を、1日に1〜3本、30日間摂取させたところ、排便回数が増加し、便性が改善されたというアンケート結果が得られたという予備的な報告がある (1996062409) 。この現象についてはさらに検証が必要である。
・胆道がん術後患者44名 (試験群21名、日本) を対象に、がん切除手術後早期経腸栄養療法にβ1-4系ガラクトオリゴ糖 (BL整腸薬、3包) を併用したところ、腸内細菌の異常繁殖や細菌叢の変化が少なかった (2005101255) 。

糖尿病・
内分泌

RCT
・II型糖尿病の男性29名 (試験群14名、平均56.7±1.6歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ガラクトオリゴ糖5.5g/日を12週間摂取させたところ、体組成 (体重、BMI、体脂肪率、ウエスト径) 、収縮期血圧、拡張期血圧、腸管透過性、糖代謝 (空腹時および糖負荷時の血糖値、インスリン濃度、Cペプチド、HbA1c) 、血中脂質濃度 (トリグリセリド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、遊離脂肪酸) 、血中LPS (リポ多糖) 、LPS結合タンパク質、炎症マーカー (sCD14、高感度CRP、IL-6、TNF-α) に影響は認められなかった (PMID:27974055)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

RCT
・健康な乳児187名 (ベルギー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、短鎖ガラクトオリゴ糖と長鎖フラクトオリゴ糖 (9:1) が6 g/L含まれる乳児用調整乳を摂取させたところ、26週後の糞便中分泌型免疫グロブリンA (sIgA) 濃度が高くなり、ビフィズス菌割合が多く、クロストリジウム属の割合が少なかった (PMID:18492847)
・健康な乳児830名 (試験群414名、中央値30日齢、オランダ、オーストリア、スイス、イタリア、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、母乳不足時の代替として、短鎖ガラクトオリゴ糖+長鎖フラクトオリゴ糖 (9:1) 6.8 g/Lおよび酸性オリゴ糖1.2 g/L含有乳児用ミルクを摂取させたところ、1歳時までの発熱回数に影響は認められず (PMID:22018587) 、このうち475名 (試験群232名、中央値36ヶ月齢) を対象とした追跡調査において、3〜5歳時のいずれの感冒症状 (発熱、咳、喘鳴、鼻炎、嘔吐、下痢) 頻度にも影響は認められなかった (PMID:26076141)
・アレルギーリスクの高い妊娠36週齢の妊婦891名 (試験群445名、平均30.8±4.8歳、フィンランド) とその子どもを対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、LGG 5×10 (9) cfu、Lactobacillus rhamnosus 5×10 (9) cfu、Bifidobacteriumu brebe 2×10 (8) cfu、Propionibacterium freudenreichii 2×10 (9) cfu 含有のカプセルを、母親には2回/日を出産まで、子どもには0.8 gのガラクトオリゴ糖を加えて1回/日を6ヶ月齢まで摂取させたところ、子どもにおける5歳時でのアレルギー性疾患 (湿疹、アトピー性湿疹、鼻炎、喘息) の発症リスクに影響は認められなかった (PMID:19135235)
・健康な大学生427名 (平均20歳、試験群286名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、期末テスト期間にガラクトオリゴ糖2.5 g/日または5.0 g/日を8週間摂取させたところ、ストレスによる胃腸障害や風邪の症状の軽減、期間の短縮がみられた (PMID:21525194)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

RCT
・未熟児94名 (試験群62名、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、プレバイオティクス (31名、ガラクトオリゴ糖:ポリデキストロース=1:1、600 mg/日を1ヶ月間、その後1,200 mg/日を1ヶ月間) またはプロバイオティクス (31名、Lactobacillus rhamnosus GG、10 (9) cfu/日を1ヶ月間、その後10 (9) cfu×2回/日を1ヶ月間) を摂取させたところ、ひどく泣き叫ぶ子の割合が少なかった (PMID:23915796)

肥満

メタ分析
・2000年1月から2013年9月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験26報について検討したメタ分析において、プレバイオティクス (フラクトオリゴ糖、イヌリン、ヤーコン、キシロオリゴ糖、大麦、ガラクトオリゴ糖など) の摂取は、満腹感 (3報) の上昇、食後血糖値 (4報) およびインスリン濃度 (3報) の低下と関連が認められたが、総エネルギー摂取量 (5報) 、ペプチドYY (3報) 、GLP-1 (4報) 、体重 (5報) 、トリグリセリド濃度 (11報) 、CRP (4報) に影響は与えなかった (PMID:24230488)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・摂りすぎあるいは体調により、おなかが緩くなることがある 。
・健常者50名 (日本) に、β1-4系ガラクトオリゴ糖 (0.23〜1.14 g/kg) を摂取させた研究において、無影響量は0.91 g/kg、下痢の50%発症量は1.11 g/kg以上であったという報告がある (1998195521) 。
・ガラクトオリゴ糖製品摂取により即時型アレルギー発症例が報告されている。
即時型アレルギー患者の血液を用いたヒスタミン遊離試験から、Bacillus circulans由来のβ-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖において、4糖異性体がアレルゲンとして特定されたが、Sporobolomyces singularisとKluyveromyces lactis由来のβ-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖には、これら4糖異性体が極めて少なく、ヒスタミン遊離活性が極めて低いため、低アレルギー性と考えられた (PMID:25036491)
・アトピー患者487名 (5〜60歳、シンガポール) を対象にBacillus circulans由来β-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対する皮膚プリックテストを行ったところ、30例 (6.2%) が陽性を示し、そのうち15例は好塩基球活性化試験も陽性であった。プリックテスト陽性の30例中13例について行った経口負荷試験 (累積経口負荷量 0.6〜4 g) において、Bacillus circulans由来β-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対して6名でアレルギー症状が惹起されたが、Sporobolomyces singularisとKluyveromyces lactis由来β-galactosidaseを用いて製造されたガラクトオリゴ糖に対しては陰性であった (PMID: 25951913) 。。
<小児>
・生後4日以内の乳児284名 (スイス) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、B.Longum 1.29×10 (8) cfu/100mL、L.rhamnosus 6.45×10 (8) cfu/100 mLやB.Longum 2.58×10 (8) cfu/100 mL、L.paracasei 2.58×10 (8)cfu/100 mLと共にガラクトオリゴ糖+短鎖フラクトオリゴ糖 (9:1) 0.4 g/100 mLを含む調製乳を4ヶ月齢まで摂取させたところ、体重や身長等成長に影響はなく、安全に利用できた (PMID:18469260)
<被害事例>
・牡蛎のむき身作業従業者12名 (日本) が、1-3または1-6結合で4糖以上のガラクトオリゴ糖を含む乳酸菌飲料のサンプル80 mLを摂取したところ、じんま疹、目の痒み、口唇のしびれ感、咳、呼吸困難などの症状が発生し、重症の3名は失神状態となり、職業病であるホヤ喘息との関連が疑われた (1995009576) 。
・アトピーおよびアレルギー体質だが、牛乳アレルギーはない小児4名 (5〜8歳、シンガポール) と成人1名 (38歳、シンガポール) が、短鎖ガラクトオリゴ糖入りフォローアップミルクを40〜250 mL摂取し、5〜30分後にアナフィラキシー症状を呈したという報告がある。プリックテストおよび好塩基球活性化テストにおいて、短鎖ガラクトオリゴ糖によるアナフィラキシーと診断された (PMID:23102546)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

総合評価

安全性

・摂りすぎあるいは体調により、おなかが緩くなることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・おなかの調子を整える機能が特定保健用食品の審査で認められている。

参考文献

(101) 財団法人 日本健康・栄養食品協会 特定保健用食品試験検査マニュアル
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(2005101255) 細胞. 2005; 37(1):6-9
(2000234309) 外科と代謝・栄養. 2000; 34(2):49-58
(1998195521) 日本臨床栄養学会雑誌. 1998; 19(3-4)41-7
(1996230733) 日本臨床栄養学会雑誌. 1996; 18(1):44-50
(1996082042) ビフィズス. 1995; 9(1):5-18
(1997186017) 栄養学雑誌. 1997; 55(1):13-22
(1996062409) 医学と薬学. 1995; 34(2):333-7
(1995180349) 小児科臨床. 1995; 48(3):593-8
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(1995009576) 広島県立病院医誌. 1993; 25(1):19-27
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