健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

セイヨウクロタネソウ [英]Black seed、 Black cumin [学名]Nigella sativa L.

概要

セイヨウクロタネソウは西アジア原産のキンポウゲ科の植物。高さ30 cm程度に生長する。種子とオイルが利用される。俗に、「消化器機能保持によい」「喘息によい」などと言われているが、ヒトでの有効性は信頼できる十分な情報が見当たらない。妊娠中に通常の食品に含まれる量以上の摂取はおそらく危険である。授乳中は、安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため摂取を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・現時点において、日本では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」にも該当しない (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・チモキノン、テルペン類、アネトール、アルカロイド類などを含む (33) (94) (PMID: 10925395)

分析法

・精油中の成分をGC-MSにて分析した報告がある (PMID:10925395)

有効性








循環器・
呼吸器


一般
・通常の治療との併用で、喘息の症状の緩和に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2015年8月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、セイヨウクロタネソウの摂取は、収縮期血圧 (11報) および拡張期血圧 (10報) の低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:27512971)
RCT
・収縮期血圧110〜140 mmHg、拡張期血圧60〜90 mmHgの健康な成人70名 (試験群35名、平均47.3±8.6歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、セイヨウクロタネソウ種子油2.5 mL×2回/日を8週間摂取させたところ、収縮期血圧、拡張期血圧の低下が認められた (PMID:23436437)
・2015年8月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、セイヨウクロタネソウオイルまたは粉末の摂取は、血漿総コレステロール (13報) 、LDLコレステロール (14報) 、トリグリセリド (14報) の低下と関連が認められたが、HDLコレステロール (16報) に影響を与えなかった (PMID:26875640)
・コントロール不良の喘息患者80名 (試験群40名、平均39±13歳、サウジアラビア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、セイヨウクロタネソウオイル500 mg×2回/日を4週間摂取させたところ、自己評価による喘息コントロールスコアの改善が認められたが、肺機能 (1秒率、最大呼気流量、最大中間呼気流量) に影響は認められなかった (PMID:28093815)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

RCT
・不妊男性68名 (試験群34名、平均31.5±1.1歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、セイヨウクロタネソウ種子油2.5 mL×2回/日を2ヶ月間摂取させたところ、精子数、運動性、正常形態率、精液量等の増加が認められた (PMID:24680621)

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・肥満女性84名 (試験群43名、平均41.5±11.7歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、低エネルギー食とともに、セイヨウクロタネソウオイル1 g×3回/日を8週間摂取させたところ、ヒマワリ油の摂取と比較して、体重、ウエスト径、ウエスト/ヒップ比、血清トリグリセリド値、VLDL値の低下が認められたが、その他の血清脂質 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール) 、ヒップ径、血圧に影響は認められなかった (PMID:26029855)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・接触性皮膚炎を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・子宮収縮を阻害する可能性があるため、妊娠中に通常の食品に含まれる量以上の摂取はおそらく危険である (94) 。
・授乳中は、安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため摂取を避ける (94) 。
<小児>
・種子油の短期間、適切な摂取は安全性が示唆されている (94) 。
<被害事例>
種子またはオイルの塗布による接触皮膚炎が報告されている。
・アレルギーの既往がない28歳男性 (ドイツ) が、咽頭部の痛みのためセイヨウクロタネソウオイルを他のハーブ製品と共に3ヶ月以上塗布したところ (使用量、頻度不明) 、首、腕、背中にかけて斑丘発疹が生じ、ステロイド治療により回復した。パッチテストからセイヨウクロタネソウオイルによる接触皮膚炎と診断された (PMID:9197967)
・アトピーの既往がない31歳女性 (ドイツ) が、セイヨウクロタネソウ種子から抽出した精油を含む軟膏を、スキンケアのために8ヶ月間繰り返し塗布したところ (使用量、頻度不明) 、両手に湿疹、水疱を伴う紅斑、掻痒感を生じ、軟膏の使用中止とステロイド治療により回復した。パッチテストからセイヨウクロタネソウによる接触皮膚炎と診断された (PMID:12000337)

・糖尿病、冠動脈疾患、高血圧の既往歴があり、血糖コントロール不良で入院した62歳女性 (トルコ) が、入院初日から、入院前に購入したセイヨウクロタネソウのサプリメントを独自の判断で2,000〜2,500 mg/日、6日間摂取したところ、3日目から急性腎不全を生じた (PMID:23464648)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、セイヨウクロタネソウの経口摂取は、CYP2DのmRNA発現および活性を阻害した (PMID:25985573)
・セイヨウクロタネソウは、動物実験 (ラット) において肝臓CYP2C11のmRNA、タンパク発現を阻害し、in vitro試験 (ラット肝ミクロソーム) においてトルブタミド (CYP2C11基質) の代謝活性を阻害した (PMID:25099385)

動物他での
毒性試験

1.LD (致死量)
・抽出物を投与:マウス腹腔内250 mg/kg以上 (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・オイルを投与:マウス経口28.8 mL/kg、マウス腹腔内2.06 mL/kg (91) 。
3.LDLo (最小致死量)
・オイルを投与:マウス経口10 mL/kg、マウス腹腔内1 mL/kg、マウス経口5 mL/kg、マウス腹腔内0.25 mL/kg (91) 。
4.TDLo (最小中毒量)
・種子水抽出物を投与:マウス腹腔内1.25 g/kg、ラット経口 (間欠的) 2,000 g/kg、28,000 mg/kg/2週、ヒト (間欠的) 675 mL/kg/45日、1,365 mL/kg/91日、ヒト (男性) 経口5,600 mg/kg/8週 (91) 。
・種子メタノール抽出物を投与:マウス腹腔内 1.25 g/kg (91) 。
・オイルを投与:ラット経口2.5 mL/kg、ラット経口 (間欠的) 10 mL/kg/10日、ラット経口 (間欠的) 84 mL/kg/6週、 56 mL/kg/4週、112 mL/kg/8週、168 mL/kg/12週、134.4 g/kg/8週 (91) 。
・石油エーテル抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 56 g/kg/4週 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・妊娠中に通常の食品に含まれる量以上の摂取はおそらく危険である。
・授乳中は摂取を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(20) ハーブ大百科 小学館 R.メイビー
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社 A.シェヴァリエ
(34) 有用植物和・英・学名便覧 北海道大学図書刊行会 由田宏一
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(94) Natural Medicines
(PMID:10925395) Phytother Res. 2000 Aug;14(5):323-8.
(PMID:9197967) Phytother Res. 2000 Aug;14(5):323-8.
(PMID:12000337) Contact Dermatitis. 2002 Mar;46(3):188.
(PMID:25985573) Pharmazie. 2014 Nov;69(11):799-803.
(PMID:23464648) J Integr Med. 2013 Jan;11(1):64-6.
(PMID:25099385) Drug Res (Stuttg). 2015 Jul;65(7):366-72.
(PMID:23436437) Phytother Res. 2013 Dec;27(12):1849-53.
(PMID:24680621) Phytomedicine. 2014 May 15;21(6):901-5.
(PMID:26875640) Pharmacol Res. 2016 Apr;106:37-50.
(PMID:26029855) Food Funct. 2015 Jun;6(6):2041-8.
(PMID:28093815) Phytother Res. 2017 Mar;31(3):403-409
(PMID:27512971) J Hypertens. 2016 Nov;34(11):2127-35.

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