健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

タンジン [英]Danshen、 Red sage、 Chinese salvia [学名]Salvia miltiorrhiza Bunge

概要

タンジンは中国原産の高さ30〜100 cmの多年草で、茎は黄白色の柔毛と腺毛におおわれ、赤紫の根をもつ。5〜8月に青紫色の唇形花をつける。古くから漢方 (丹参) として根を乾燥させたものが使用されるが、日本では根は医薬品に分類されるため食品に用いることはできない。俗に、「心臓によい」「不安によい」「抗菌作用がある」などと言われるが、ヒトでの有効性については調べた文献に十分な情報が見当たらない。適切に摂取する場合は安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらないため、使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・葉は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に、根は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に該当 (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・タンシノン、タンシノール、クリプトタンシノン、サルビオール、ビタミンEなどを含む (23) (29) (33) (75) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2006年8月までを対象に9個のデータベースと10種の中国語雑誌などで検索できた無作為化または準無作為化比較試験6報について検討したメタ分析において、急性虚血性脳卒中の患者によるタンジン摂取は神経障害の患者数増加と関連が認められたが、全ての研究の質が低く、信頼できる結論は得られなかった (PMID:17443544)
・2006年までを対象に4つのデータベースと75種の中国医学雑誌で検索できた無作為化または準無作為化比較試験6報について検討したメタ分析において、心筋梗塞患者によるタンジン7日以上の摂取は、総死亡率の低下と関連が認められたが、全ての研究の質が低く、信頼できる結論は得られなかった (PMID:18425903)
RCT
・軽〜中程度高血圧患者55名 (試験群30名、平均67.1±8.7歳、台湾) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、降圧薬の服用とともに、タンジン1,000 mg×2回/日を12週間摂取させたところ、収縮期血圧と脈拍数の低下が認められた (PMID:21887804)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合は安全性が示唆されている (94) 。
・タンジンの摂取は、そう痒、胃の不調、食欲低下を引き起こす可能性がある。また、眠気、めまい、血小板減少などの報告もあるが、これらはタンジンによるものかどうか不明である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分に見当たらないため使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・手術時には過度の出血を引き起こす可能性があるため、手術の少なくとも2週間前にはタンジンの摂取をやめる (94) 。
・出血性障害のある人では、出血リスクが高まる可能性があるので使用を避ける (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
ワルファリンとの併用は、ワルファリンの作用を増強し出血リスクを高めるため、併用は避ける (94) 。ワルファリンとの併用による症例は下記の通り。
・リウマチ性心疾患でワルファリン、フロセミド、ジゴキシンを服用中の48歳女性 (中国) が、タンジンを主成分とするハーブを1ヶ月以上摂取し (摂取量不明) 、INR (国際標準化プロトロンビン比) が上昇した (PMID:9159606)
・リウマチ性心疾患でワルファリン、ジゴキシン、プロプラノロールを服用中の66歳男性 (中国) が、胸壁痛のためにメチルサリシレート15%含有油の塗布とタンジン (摂取量不明) を摂取し、INRが上昇した (PMID:7487701) (PMID:9707357)
・僧帽弁置換術を受け、ジゴキシン、カプトプリル、フロセミド、ワルファリンを服用中の62歳男性 (中国) が、タンジンを約2週間摂取し (摂取量不明) 、胸壁痛、呼吸困難の増加と運動耐性の低下を呈し、INRの上昇が認められた (PMID:9768962)

・健康成人12名 (平均24歳、中国) を対象とした前後比較試験において、タンジン4 g×3回/日を14日間摂取させたところ、ミダゾラム (CYP3A4基質) の血中濃度を低下させた (PMID:20565457)

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、タンジンの摂取はワルファリンの血中濃度を増加させ、半減期を減少させた (PMID:1301354) 。一方、タンジンとクズ (7:3) の混合物の摂取はワルファリンの血中濃度を低下させ、アスピリンの血中濃度を増加させた (PMID:22867637)
・タンジンとクズの混合物は、in vitro実験 (ヒト結腸がん由来細胞) およびin situ実験 (ラット腸間膜) において、ワルファリンの腸管吸収を増加、動物実験 (ラット) において、肝ミクロソームにおけるワルファリンの代謝およびCYP1A1、CYP2B1遺伝子発現を増加させた (PMID:24832110)
・in vitro 試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、タンジン抽出物は、CYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP3A4活性を阻害した (PMID:18411400)
・in vitro 試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、タンジンの水抽出物はCYP2D6活性に影響を与えなかったが、エタノール抽出物や市販のタンジン製品はCYP2D6活性を阻害した (PMID:22541637)
・in vitro試験 (ラット肝細胞)において、タンジンはトルブタミド (CYP2C11基質) の代謝を抑制したことからCYP2C11活性の阻害作用があると考えられるが、動物実験 (ラット)において、タンジンはトルブタミドの血中濃度を低下させたため、おそらくトルブタミドの吸収にも影響を及ぼす (PMID:19679455)
・動物実験 (ラット) において、タンジン抽出物はCYP1A1、CYP2B1、CYP2C6、CYP2C11の遺伝子およびタンパク質発現に影響せず、タンジン抽出物を摂取させたラット肝ミクロソームによるワルファリンの代謝にも影響は認められなかった (PMID:26925159)

<理論的に考えられる相互作用>
・血小板凝集に影響を及ぼすハーブや医薬品との併用で、出血リスクを高める可能性がある (94) 。タンジンと抗凝血薬の併用は避ける (94) 。
・強心配糖体を含むハーブや医薬品との併用で、心臓血管への影響や不整脈などのリスクを高める可能性がある (94) (91) 。タンジンンとジゴキシンのような医薬品の併用は避ける (94) 。
・タンジンは小腸のCYP3A4を誘導するため、CYP3A4で代謝される医薬品の効果を減弱させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・根と根茎抽出物を投与:マウス経口300 mg/kg (91) 。
・根のエタノール抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 200 mg/kg/4日、375 mg/kg/15日、800 mg/kg/4日、1,500 mg/kg/15日 (91) 。
・根の水抽出物を投与:ウサギ経口 (間欠的) 7 g/kg/7日、ラット経口 (間欠的) 350 g/kg/28週、3,150μL/kg/3週、2,800 mg/kg/4週、モルモット経口 (間欠的) 2,800 mg/kg/28日 (91) 。
・根のアセトン抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 250 mg/kg/10日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根:クラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量の摂取は安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中は使用を避ける。
・ワルファリンの作用を増強し出血リスクを高めるため、ワルファリンとの併用は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店  小林彰夫ら 監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」 (別添2、別添3、一部改正について)
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社  A.シェヴァリエ
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(94) Natural Medicines
(75) エビデンスに基づくハーブ&サプリメント事典 南江堂
(PMID:17443544) Cochrane Database Syst Rev. 2007 Apr 18;(2):CD004295.
(PMID:18425903) Cochrane Database Syst Rev. 2008 Apr 16;(2):CD004465.
(PMID:9159606) J Intern Med. 1997 Apr;241(4):337-9.
(PMID:20565457) Br J Clin Pharmacol. 2010 Jun;69(6):656-62.
(PMID:18411400) Drug Metab Dispos. 2008 Jul;36(7):1308-14.
(PMID:21887804) Phytother Res. 2012 Feb;26(2):291-8.
(PMID:1301354) Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 1992 Oct-Dec;17(4):257-62.
(PMID:22867637) J Ethnopharmacol. 2012 Sep 28;143(2):648-55.
(PMID:9768962) Ann Thorac Surg. 1998 Sep;66(3):941-2.
(PMID:7487701) Aust N Z J Med. 1995 Jun;25(3):258.
(PMID:22541637) Phytomedicine. 2012 May 15;19(7):648-57.
(PMID:19679455) Phytomedicine. 2010 Mar;17(3-4):203-11.
(PMID:24832110) J Ethnopharmacol. 2014 Jul 3;154(3):672-86.
(PMID:26925159) Chin Med. 2016 Feb 27;11:7.

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