アマメシバに係わる健康被害の事例

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アマメシバに係わる健康被害の事例

 2003年8月、厚生労働省はアマメシバ (学名:サウロパス・アンドロジナス) 加工品よる健康被害の事例2件 (3例) を報告しました (厚生労働省のお知らせ1) (厚生労働省のお知らせ2) 。3例はいずれも約半年間、アマメシバ加工品を摂取した後に、息切れや呼吸困難などの症状が出現し、閉塞性細気管支炎と診断されました。そのうちの2例は、家族内 (母と娘) の同期発症です。一方、同様な健康被害の事例は1994年から1995年にかけて台湾で多数報告されていました。厚生労働省はこの健康被害の拡大を防ぐため、食品安全委員会と薬事・食品衛生審議会の意見を聴取したうえ、食品衛生法第4条の2第2項に基づきアマメシバの粉末・錠剤などの販売を同年9月12日付で禁止、官報に告示しています (厚生労働省) 。今回のアマメシバに対する販売禁止の措置の発動は、過去に台湾において同様の被害事例が多数認められていることから、食品衛生上の危害の発生を防止するための緊急措置と考えられています (厚生労働省)
その後の全国調査で発見されたアマメシバ関連の閉塞性細気管支炎は8症例 (すべて女性) で、3名が死亡し、1名が肺移植を受けています (1) 。詳細は下記の通りです。

症例No.年代アマメシバ総摂取量摂取期間症状予後
140代1,000 g130日咳嗽、呼吸困難生体肺移植、経過は良好
250代1,440 g360日咳嗽、呼吸困難、喘鳴死亡
3*20代1,200 g300日呼吸困難死亡
470代300 g300日呼吸困難、喘鳴死亡
5**50代360 g120日咳嗽、呼吸困難在宅酸素療法
660代4,380 g730日呼吸困難、喘鳴著変なし
750代 (不明) 360日咳嗽、呼吸困難著変なし
850代900 g120日呼吸困難、喀痰著変なし


*症例3は症例2の娘
**症例5は症例4の娘
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 「アマメシバ (天芽芝) 」の概要
 (1) アマメシバはトウダイグサ科の植物であり、学名はSauropus androgynus、またはSauropus albicansです。アマメシバは、中国の雲南省南部、ベトナム、インド、インドネシア、フィリピンなどの東南アジア地域に生育し、高さが1.5 m前後に達する植物であり、現地では野菜として主に葉が食用にされています。葉は深緑色で長さ2〜6 cm、幅1.5〜3 cmです。その生育環境は25〜30℃であり、10℃以下になると成長が停止し落葉します。

 (2) 文献によると、アマメシバの葉1 kgに、タンパク質70 g、脂肪10.4 g、カルシウム7.4 g、鉄0.21 g、β-カロテン0.01 g、ビタミンC 1.0 gが含まれています。そのほか、アマメシバは薬物成分であるパパベリンを含有するという報告もあります。ところが、日本で問題となったアマメシバ商品について国立医薬品食品衛生研究所等が検査したところ、パパベリンは検出できなかったと報告されています。

 (3) アマメシバは、マレーシアやインドネシアなどの国々で古くから野菜として食べる習慣があります。食べ方としては、炒めて食べる、あるいはスープに入れて食べるのが一般的です。マレーシアでは1週間に1回116〜200 g程度を摂取しているという調査結果があり、これまでにアマメシバによる健康被害の報告はありませんでした。一方、台湾におけるアマメシバの健康被害事例では、発症者は痩せる目的で、毎日150 gを大量に摂取していました。この量は、マレーシア人の摂取量の約7倍以上であり、摂取量の違いが健康被害を引き起こした原因である可能性が極めて高いと考えられます。
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さらに詳しい内容はPDF参照



参考文献

(1)医学のあゆみ.2010: 232(4);261-5.

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