健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

セイヨウシロヤナギ [英]White willow、 Willow bark [学名]Salix alba L.

概要

セイヨウシロヤナギとその近縁種はヤナギ科の落葉小高木で、ユーラシア大陸から北アフリカに広く分布する。近縁種が数多く存在し、変異と交雑のため種の確定が難しい。樹皮は灰褐色。俗に、「炎症によい」「関節痛によい」などと言われているが、ヒトでの有効性については腰痛の軽減にのみ1週間以内の利用で有効性が示唆されている。安全性については、短期間、適切に利用すれば安全性が示唆されているが、サリシンを含有するためウイルス性感染症の子ども、授乳婦の利用には危険性が示唆されている。妊娠中の利用については信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用は避ける。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・全草が「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・樹皮には、タンニン、サリシン、フラボノイドを含む (29) (33) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・樹皮は腰痛に対して有効性が示唆されているが、改善が期待できる期間は1週間までである (94) 。
・樹皮抽出物の変形性関節症に対する効果については相反する報告があるため、さらなる検証が必要である (94) 。
・樹皮抽出物はリウマチ性関節炎には効果がなかったという予備的な報告があり、この現象についてはさらなる検証が必要である (94) 。
RCT
・慢性腰痛患者210名 (試験群140名、18〜75歳、イスラエル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、サリシン120 mg/日または240 mg/日含有の樹皮抽出物を4週間摂取させたところ、痛みの改善がみられた (PMID:10936472)
・変形性関節症患者127名 (試験群43名、平均62.9±7.2歳、ドイツ) もしくはリウマチ性関節炎患者26名 (試験群13名、平均56.5±8.9歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、サリシン240 mg/日含有の樹皮抽出物を6週間摂取させたところ、痛みの評価 (WOMAC、VAS) に影響は認められなかった (PMID:15517622)
・変形性関節症患者78名 (試験群39名、平均52.4±7.0歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、サリシン240 mg/日含有の樹皮抽出物を2週間摂取させたところ、痛みの評価 (WOMAC) に改善がみられた (PMID:11406860)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・短期間の使用は安全性が示唆されている (94) 。
・樹皮抽出物の過剰摂取は非常にまれに、胃腸症状 (腹痛、下痢、吐き気) や耳鳴りを引き起こす可能性がある (94) (102) 。
・樹皮に含まれるサリチル酸塩はプロスタグランジンを阻害し、腎血流量を低下させる可能性がある。また、サリシンは腎乳頭壊死の原因となる可能性があり、過剰もしくは長期摂取によりリスクが高くなる (94) 。
・成人51名 (試験群19名、平均59歳、イスラエル) を対象とした試験において、サリシン240 mg/日含有のSalix属抽出物を4週間摂取させたところ、血小板凝集能の低下が認められたが、その影響はアセチルサリチル酸塩よりも小さかった (PMID:11345689)
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の利用については信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用は避ける (94) 。
・授乳中の利用は、樹皮に含まれるサリチル酸塩が乳汁中に分泌され、乳児に斑点状発疹を発症させるおそれがあるため、危険性が示唆されている (94) 。
<小児>
・樹皮に含まれるサリシンはアスピリンと類似しているため、ウイルス性感染症に罹患している子どもに摂取させることは危険性が示唆されている (94) 。
<その他>
・かゆみや発疹、アナフィラキシーのような深刻なアレルギー反応を起こす可能性があるので、アスピリン感受性の高い人、喘息、委縮性胃炎、糖尿病、痛風、血友病、低プロトロンビン血症、腎臓病、肝臓病の患者は使用を避けるか、使用の際には注意が必要である (94) (102) 。
<被害事例>
・アセチルサリチル酸にアレルギーのある25歳の白人女性 (アメリカ) が、樹皮入りサプリメントを2カプセル摂取し (摂取量不明) 、約75分後にアナフィラキシーを起こした (PMID:12773073)
・アレルギー性鼻炎とアトピーのある32歳女性 (スペイン) が、セイヨウタンポポ、オオヨモギ、セイヨウシロヤナギなどの花粉混合物を摂取し (摂取量不明) 、15分後にアナフィラキシーを起こした (PMID:8807513)
・4歳男児 (イタリア) が発熱を伴う軽度の風邪の治療にアセトアミノフェン250 mg/日を1日服用した翌日にオオバコ、リコリス、ヤナギ、エルダーフラワー、セイヨウナツユキソウ含有 (含有量不明) のハーブシロップ5 mL×3回を摂取し、重度の消化管出血による乏血性ショックを呈した (PMID:21952153)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・28ヶ月齢男児 (カナダ) が、上気道症状のためアセトアミノフェン (解熱鎮痛薬) とともにセイヨウシロヤナギの樹皮を含む茶を与えられたところ、肝障害、切迫性脳ヘルニアを呈し、治療を受けたが改善せず死亡した。アセトアミノフェンとセイヨウシロヤナギに含まれるサリチル酸の相互作用により劇症肝炎を呈したと考えられた (PMID:28436611)
<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝血薬や抗血小板凝集薬と併用すると、出血リスクが高くなると考えられるので、これらの作用を有する医薬品との併用は避ける (94) 。
・樹皮にはサリシンを含有するため、アスピリンやコリンマグネシウムトリサリチル酸、サルサラートのようなサリチル酸塩を含む医薬品と併用すると、相加作用を持つと考えられる (94) 。アスピリンやその他の非ステロイド系抗炎症薬と併用すべきではない (102) 。
・抗凝血作用や抗血小板作用のあるハーブ、サリチル酸塩を含有するハーブと併用すると作用が亢進すると考えられる (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50(半数致死量)
・樹皮の抽出物を投与:マウス腹腔内375 mg/kg (91) 。
・樹皮のエタノール抽出液を投与:マウス28 mL/kg (101) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・樹皮:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・短期間、適切に利用すれば安全性が示唆されている。
・アスピリン類似成分のサリシンが含まれるため、子どものウイルス性感染症には危険性が示唆されている。
・サリチル酸塩が乳汁へ移行するため、授乳婦の利用は危険性が示唆されている。
・妊娠中の利用については信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用は避ける

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・腰痛の治療に有効性が示唆されているが、改善が期待できる期間は1週間までである。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社  A.シェヴァリエ
(66) Pharmacist’s Letter/Prescriber’s letter Natural Medicine Comprehensive Database(2008)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(101) The Essential Guide to Herbal Safety. ELSEVIER 2005.
(102) The Gale Encyclopedia of Alternative Medicine, Second edition. TOMSON GALE 2000.
(PMID:11345689) Planta Med. 2001 Apr;67(3):209-12.
(PMID:15517622) J Rheumatol. 2004 Nov;31(11):2121-30.
(PMID:12773073) Ann Pharmacother. 2003 Jun;37(6):832-5.
(PMID:10936472) Am J Med. 2000 Jul;109(1):9-14.
(PMID:11406860) Phytother Res. 2001 Jun;15(4):344-50.
(PMID:8807513) J Investig Allergol Clin Immunol. 1996 May-Jun;6(3):208-9.
(PMID:21952153) Ann Ist Super Sanita. 2011;47(3):278-83.
(94) Natural medicines
(PMID:28436611) Pediatr Int. 2017 Jun;59(6):743-745.

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